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2019/09/01 00:20

 

みんなのこどもちゃん、ほのかが脱退「3年半ありがとうございました」

 

みんなのこどもちゃんが8月29日、東京・恵比寿LIQUIDROOMで〈みんなのこどもちゃん TOUR 2019 ほのかとしなもん〉のファイナル公演を行い、ほのかの脱退を発表した。

アンコールのステージに立ったほのかは「私、みんなのこどもちゃんのほのかは、本日のツアーファイナルをもちまして、みんなのこどもちゃんを脱退します」と自ら発表。「3年半ありがとうございました」とファンに感謝を告げた。

なおもうひとりのメンバー、しなもんはグループに残り、みんなのこどもちゃんは今後も活動を続ける。

みんなのこどもちゃんとして3年以上もの時間をともにしてきた、ほのかとしなもん。ほのかはこれまでの楽曲のほぼすべての歌詞を書き、グループの方向性を決めてきた。しなもんにとって、ほのかは憧れの存在でもあった。

〈みんなのこどもちゃん TOUR 2019 ほのかとしなもん〉と題した今回のツアーがはじまる直前の2019年7月、負傷と持病の悪化でドクター・ストップがかかり、ほのかは活動休止。彼女は自身の名を冠したツアーに参加できなくなった。そして、しなもんとバンド・メンバーによりツアーが敢行されることも発表された。

8月29日、ワンマンとしては最大規模となる恵比寿LIQUIDROOM。この日は、しなもんとバンドが試行錯誤しながら、なんとかたどり着いたツアー最終公演だった。

ライヴが幕を開けると、バンド・メンバーに続き、しなもんがステージに登場。センターにしっかりと立ち、苦境を乗り越え大きく成長した姿を観客に見せた。力強いヴォーカルとパフォーマンス。そのまま本編終了まで、13曲がほぼノンストップでストイックに演奏された。

迎えたアンコールでは、待ちに待ったほのかが登場。久しぶりにふたりが揃い「壁」が披露された。その後、ほのかは一度ステージから捌け、しなもんが「これからの話をします」と切り出し、自身とグループの今後について話す。

「(ツアー前に)私は(グループを)辞めようと思っていたんです。ほのかがツアーに出られないってなったときに、私ひとりでやっていいのかなって思ったんです。でもやるっていう決断をして、やってみたら、つらいことばかりかなと思ったんですけど、めっちゃ楽しくて。これからも、みんなのこどもちゃんとして成長していけたらいいなと思って、続けることに決めました」

その言葉に観客は安堵し、拍手を贈る。そして彼女が作詞し、ひとりになった気持ちを表現したバラード「りかく」が披露された。

続いてほのかがステージに戻り、しなもんが捌ける。ほのかは「みなさんお久しぶりです。みんなのこどもちゃんのほのかです」と、少しはにかんだような笑顔を見せながら、口を開く。

「まず、約1カ月活動休止させていただいて、ファイナルだけになってしまったんですけど、東京のライブに参加できてうれしいです。クラウドファンディングで支援してくれた人や、みなさんのおかげで、こんなに大きな会場でライヴをすることができました。ありがとうございます」

この日のステージに立てたことに感謝すると、続いて休止中の胸中を打ち明ける。

「たくさん悩みました。ツアーをまわれないってなって、悲しいよりも悔しいが勝ってたんです。私がいないツアーの映像も見たくなくても見えちゃうし、申し訳なさとかもあったし、何もできない時間が長くて、もういらないかなってすごく思いました。体調の面がちょっとあれでして、でもできる範囲内でやりたいことややってみたいこと、興味のあることに挑戦したいなって気持ちが強くなりました。で、そのやってみたいことや興味のあることが形になるかはわからないけど、ここまで支えてくれたみんなには、どんな形かはわからないけど報告したいなと思うので、それを目標に気を引き締めて明日からがんばっていこうと思います」

そしてグループへの思いを語る。

「みんなのこどもちゃんは今後も続いていきますので、みなさん引き続き応援をよろしくお願いします。すごく厚かましいというか、図々しいお願いになっちゃうんですけど、いつまでもとは言わないんですけど、しばらくの間は、ライヴの中とか、歌詞の中で私が少しでも…なんだろう、残ってくれればいいなって思います」

ここまで話すと、言葉を詰まらせ、後ろを向いてしまう。「……どうしたらいいですか?」と客席に問いかけ、再び口を開く。

「私、みんなのこどもちゃんのほのかは、本日のツアーファイナルをもちまして、みんなのこどもちゃんを脱退します」

戸惑う観客を前に、「……しゃべれなくなっちゃう」と再び言葉を詰まらせるが、ひと呼吸置いて続ける。

「3年半活動してきたんですけど、運営さんが無茶振りをされる方なので、つらいこともあったけど、それよりも楽しいことの方が多かった。みんなと作ってきた、みんなのこどもちゃんが続いていくのは素直にうれしいし、これからも陰ながら応援していこうと思っています。3年半ありがとうございました」

話し終えると、深々と頭を下げる。ステージに温かい拍手が贈られる中、「私のみんなのこどもちゃんでの最後の曲になります。今までみんなありがとう」という紹介から、「おわり」が演奏された。

ほのかが「はあ、終わっちゃった」とこぼす。そしてしなもんをステージに呼ぼうとするが、しなもんはステージ袖で号泣し、立ちすくんでいた。

「泣いてる…!やめてくれー(笑)!(自分は)我慢したのに」と、おどけるほのか。しなもんは手で顔を覆い、鼻をすすりながら、ゆっくりとほのかの方に歩み寄る。

言葉にならないしなもんを横に、ほのかは「ツアー14カ所まわったんでしょ?ふたりでも無理かなって言ってたのにね。ふたりでまわりたかったね」と優しく声をかける。しなもんはうなずきながら、「各地で地元の人たちが会いにきてくれてね」と報告する。

そしていよいよ終わりの時間が近づく。最後の曲「ふたりはなかよし」が演奏される。ほのかとしなもんは曲の最後、手をしっかりと握り合って、ジャンプした。「みんなのこどもちゃんでした。ありがとうございました」の言葉とともに、2時間近くに及んだライヴは終了した。

ほのかはライヴ後、Twitterで「最後のツイート みんなのこどもちゃんじゃなくなりました。3年半最高でした!その他は今日の私を見てたら伝わると思うよ、来てくれてありがとう 体調に気をつけて明日からまた頑張ります!たくさんありがとう。しなちゃん泣かないで〜みなさんこどもちゃんをよろしくお願いします。またね」とコメント。一方のしなもんは、ほのかとの写真を添えて「ツアーファイナルリキッドありがとう。一生忘れない最高の思い出」とつづった。

ほのかという、グループの核ともいうべき存在を失ったみんなのこどもちゃん。それでも続けることを決意したしなもん。双方にとって、とてつもなく大きな決断であったことは想像に難くない。これまで、ほのかのつむぐ歌詞がグループの世界観の多くを作り上げていた。その世界観がどう受け継がれていくのか、今後どのように変化していくのか。まずは次の動向に、注目したいと思う。

取材・文:前田純三
写真:aki yoshikawa

〈みんなのこどもちゃん TOUR 2019 ほのかとしなもん〉
2019年8月29日(木)LIQUIDROOM
セットリスト

1. 二村ロング
2. 深爪
3. 朝を殺したい
4. 15の夜
5. 亡くなる私
6. 少女A
7. あのね
8. ひとりごと
9. 死んだうた
10. cancer
11. 起きたら死んでたい
12. 死ねばいい
13. 不香の花
アンコール
14. 壁
15. 少女A
16. りかく
17. おわり
18. ふたりはなかよし

・みんなのこどもちゃんOfficial Web Site
https://kodomochan.com/


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