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2019年08月16日18時00分

 
白波多カミンの『引き出しからこんにちは』第6回
 

第6回「ガラスのコップ」

前回のコラムを読んでくれた上司(私は医療系の職場に勤めている)が、「あなたは瞳孔が他の人より開いてるから、光を多く感じるんじゃないかな。読んですぐわかっちゃった。」と嬉しそうに言った。

なるほど。

鏡を見せられたが、私の瞳孔はだいたいの人よりも大きい。黒目がちと言えば聞こえが良いが、調節機能が弱いのか、開きっぱなしなのだ。

自転車で事故に遭ったときも、救急隊員にライトで目を照らされたときに、「あれ?意識はあるのに…あれ?」「そうそう。この子、瞳孔あんまり閉じないみたい。」と聞こえたのを思い出した。

モノは光が当たって見える。それは理科で習った。
では、光の感じ方が違えば同じモノを見ていても、違うように見えるということではないか?

“同じモノ”を見ているということになってるが、見え方はそれぞれなのではないか。ひとりひとりちがうモノの見え方で生活しているということは、当たり前なことなのだけど、私をハッとさせた。

単純に”モノを見る”だけでも差異があるのに、”そのモノをどう思うか”なんてみんなバラバラだ。

みんな同じ世界にいるみたいに見えてるけど、実はそれぞれの世界に生きてるのか!なーんだ。そりゃ分かり合えないときもあるわ。とも思うし、なんだかすごくわくわくもする。それぞれの世界に生きてる人同士が話したり笑いあったりするなんて。不思議だ。

水の入ったガラスのコップが今、目の前にある。朝日に照らされている。白いテーブルにはコップの影が差していている。朝日がコップを通過するとき光が屈折して、影には模様ができる。

水はとても美味しそうだ。
ぐびぐびと飲み干して、1日が始まる。

文:白波多カミン

※次回掲載は8月30日(金)

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