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2019/06/27 21:00

 

「I LIKE YOU 忌野清志郎」発売記念イベント大阪2連戦「TOWER RECORDS梅田大阪マルビル店編」セルフレポート

 

2019年4月2日に発売された書籍「I LIKE YOU 忌野清志郎」 (河出書房新社)の発売記念トークイベントが5月31日(金)と6月1日(土)の2日間にわたって開催された。

その模様を、僭越ながら私、編者の岡本貴之自らざっくりとセルフレポートさせていただきます。まずは、ザ・たこさんのヴォーカル・安藤八主博さんをお迎えして行われた、5月31日(金)「I LIKE YOU 忌野清志郎」発売記念トークイベント TOWER RECORDS梅田大阪マルビル店編をどうぞ。

初めて訪れたタワーレコード梅田大阪マルビル店。少し早めに店内に入ると、早速忌野清志郎のCDコーナーを探す。うわ~清志郎、チャボのサインが並んでいる。CDと共に書籍も並んでいて感激。MCを務めてもらう店長の村越辰哉さんにご挨拶。渋谷タワレコイベントで観ていたアフロのあの人が目の前に! 何年も前からSNSでは連絡を取らせてもらったりしていたものの、じつは初対面。その後、ゲストのザ・たこさんのヴォーカル・安藤八主博さんがやってきて、楽屋でしばし打ち合わせ、という名の雑談。やはりどうしてもプロレスの話になってしまう。大阪では全日本プロレス中継が何時にやっていたのか…等々話しているうちに、イベント開演時間に。村越店長にご紹介いただき登壇すると、想像以上のお客さんが集まっていた。ありがたや。村越店長から、この日書籍を購入してくれた方には、「I LIKE YOU」特製バッヂがプレゼントされることが告知された。が、カバーの色味がどうしても出なかったとのことで「本と並べて比べるのはやめといてください(笑)」との注意喚起(?)も。

前半は取材時の裏話的な話なども含めて本の内容について、また発売日に東京で行われたイベントの様子もご紹介。その後、安藤さんを呼び込んでトーク。筆者と安藤さんは風貌的に似ていることに触れると、お客さんからドッと同意の笑いが起きた。本を読んだ感想として、「清志郎さんの人となりがよくわかりました。あと「エンタの神様」を好きで見ていたということにビックリしました」と、プライベートな清志郎について、長女の百世さんが語っているあたりが大変興味深かったとのこと。また、安藤さんがRCサクセションの曲をカバーするために練習する際、最初は上手く歌えないがリズムを重視して歌うことで、徐々に歌えるようになるんだとか。

清志郎のヴォーカルはキーが高いため、どのように歌えばいいか、山川のりをさん(忌野清志郎 & 2.3'Sでギターを担当)に「清志郎さんの曲で高音を出すにはどうしたらいいですか?」と訊いてみたという。すると、のりをさんは「“イー”って言ってみて」とアドバイス。「 “鳳啓介でございます”という感じを意識して歌うと、高音が出やすい。本当に出ます、これは」と、“イー、イー”と、鳳啓介ものまね風の発音から徐々に声を上げていき、「き~の~うは~♪」と、「スローバラード」を披露。たしかに、歌えているではないか。「これは、のりをさんが言っていたので、ご本人が言っていたのかはわかりません」と安藤さん。なんで本人が鳳啓介のまねで説明しなきゃいけないんだよ! 「もしかしたらオーティス・レディングじゃなくて鳳啓介の影響があるのでは」と、大阪ならではのトークで会場は笑いに包まれた。

初めて清志郎の歌を聞いたのは、「い・け・な・いルージュマジック」とのこと。そのあまりにも自由なパフォーマンスを見て、衝撃を受けたという。「当時はどちらかというと、プロレスの方が好きだったんですけど、外人レスラーはむちゃくちゃなことをする人が多くて、僕はそれに憧れていたんですよ」と、ブルーザー・ブロディやタイガー・ジェット・シンの話をしつつ、「清志郎さんからは、それと同じものを感じたんですよ。外人レスラー、外タレですよね。見慣れていた日本の芸能界とはまったく違って。そこに衝撃を受けました」と、プロレスに絡めてその魅力を語った。わかる!

その他、好きな曲として挙げたのは、NHK「YOU」の1983年お正月スペシャルでRCとアントニオ猪木、ビートたけしが競演した際に歌われた「キモちE」。また、そのときに「スローバラード」も聴いて「こんな曲もあるんだ!?」と、改めて興味を持ったそうだ。ちなみに、当時はまだアントニオ猪木が清志郎より好きだったものの、「レオン・スピンクス戦以降、その気持ちは変わりましたね(笑)」とのこと。プロレスファンは察してください。そしてもう1曲「君が僕を知ってる」を好きな曲として紹介。「RESPECT!-The 30th anniversary of KIYOSHIRO IMAWANO」での「君が僕を知ってる」の映像が流された。村越店長は「「君が僕を知ってる」はどのバージョンも良いんですけど、私は特段このライヴバージョンを推薦します」と絶賛。安藤さんも「いやあ、たまらないですね」と興奮した様子だった。アルバムとしては『EPLP』をチョイス。また、筆者の好きな曲として、「すべてはALRIGHT (YA BABY)」をMV集『SPADE ACE』からの映像で鑑賞させてもらった他、「まぼろし」「AROUND THE CORNER/曲がり角のところで」(『HAPPY HEADS』収録のライヴバージョン)も紹介させてもらった。

自分がミュージシャンになろうと思ってからは、あまり影響を受けて過ぎてしまうと、どうしても清志郎の詞の世界観、曲に似た感じになってしまうため、ちょっと距離を置くようになったという安藤さん。このあたりは、翌日のザ50回転ズのイベントでも、ダニーさんが同様のことを語っていた。それだけ、忌野清志郎という存在感の個性の強さを感じさせる。

「『初期のRCサクセション』を聴きながら」という曲が収録されている、ザ・たこさんの4thアルバム『ベターソングス』(2009年7月8日発売)のプレスが上がってきたのが、ちょうど2009年5月上旬頃。友人から、「清志郎が亡くなったらしい」と聞いたという。「嘘や嘘や、と思いながらライヴをして。終わった後に、ミナミの飲み屋に入ったら大音量で清志郎さんの曲がかかっているんです。何軒かハシゴしたんですけど、どこに行っても清志郎さんの曲だらけでした。それを聴いて、「ああ、亡くなったんや」って実感しました」と、10年前の記憶について語ってくれた。

イベントのラストには村越店長からタワレコならではの秘蔵音源を紹介。マキシ・シングル『JUMP』リリース時のもので「2004年11月26日リリース、忌野清志郎デビュー35周年まであと100日、ストアプレイよろしくお願いします!」と描かれた店頭で流すための貴重なコメントCDがあるということで、みんなで聴くことに。「タワーレコードにお越しのみなさん、こんにちは。忌野清志郎です。なんと、来年3月5日は、デビュー35周年。来年は、相当ヤバいって感じです。その記念日の100日前にあたる11月26日、『JUMP』というシングルをリリースします。もうCMでもおなじみのこの曲、「JUMP」聴いてください」との数十秒のコメントを、村越店長の「短いので、もう1回聴きましょう!」との言葉で数回リピート。さらに「JUMP」のMV(未商品化)を鑑賞して、大きな拍手が沸き起こった。

初めて観る映像が多かったという安藤さんは「これからもう1回、忌野清志郎を聴いてみようと思いました。もうええ加減、影響されすぎることはないと思うので。じつは、アルバム『Memphis』にちょっと悔しい気持ちがあったんですよ。それをもう1回、聴き直してみます。アーティストとして、もう1回向き合います」と語り、イベントを締めくくった。

予定時間を30分以上もオーバーして大盛況となったトークイベント。ご来店いただいたみなさま、ゲストの安藤さん、村越店長、店舗スタッフのみなさん、ありがとうございました!!

文:岡本貴之

イベント情報
書籍「I LIKE YOU 忌野清志郎」発売記念トークイベント TOWER RECORDS梅田大阪マルビル店編
2019年5月31日(金)梅田大阪マルビル店 店内イベントスペース
出演:岡本貴之(ライター / 『I LIKE YOU 忌野清志郎』編者)
ゲスト:安藤八主博(ザ・たこさん) 
MC:村越辰哉(タワーレコード梅田大阪マルビル店 店長)


[ニュース] RCサクセション, ザ・たこさん, 忌野清志郎, 忌野清志郎 & 2.3'S

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