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2019/06/19 18:25

 

【地下アイドルへの招待】オレ的二大地下アイドル新作レビュー〜爆裂女子『RIOT』/NECRONOMIDOL『scions of the blasted heath』 (A Challenge To Fate)

 

【地下アイドルへの招待】第19回:オレ的二大地下アイドル新作レビュー爆裂女子『RIOT』/NECRONOMIDOL『scions of the blasted heath』

筆者が現代地下アイドルカルチャーに初めて触れたのは2012年7月11日渋谷O-Crestでのアーバンギャルドvsでんぱ組.incだった。それから7周年を目前にした2019年6月は三大推しグループのでんぱ組.inc、NECRONOMIDOL、爆裂女子が揃って新作を発表するという奇跡の月となった。

もちろん嬉しいことは天にも昇る気持ちに違いないが、辛いのは時間と資金力。各グループのリリイベ続きで6月最後の2週間はほぼ連日イベントとライヴで埋まっている。最大の山場は6/27〜30のネクロ魔5周年4DAYS公演。それまで体力と財力を維持することが目下の筆者の短期目標である。

●爆裂女子『RIOT』

2018年1月デビューのパンクロックアイドル爆裂女子の初ミニアルバム。1年半の間にライヴで披露されフロアを暴動寸前の昂奮状態に陥れてきたお馴染みのナンバー7曲(うち初音源化5曲)を詰め込んだ25分は、正にライヴ現場を再現する怒濤のセットリスト。グループ名の元ネタ映画『爆裂都市』のサントラからバトルロッカーズ「セルナンバー8」のハードパンクカヴァーでスタート。映画の乱闘シーンをそのまま引き継ぐスピードパンク「バトル」、零が作詞したゴスロック「衝動」、ゆらぴこ作詞の青春パンク「All lie」、メンバー紹介を兼ねたダウナーな「DISTORTION」。ハードコアなテーマ曲「BURST GIRL」で爆裂したあとにストレートなポップチューン「GREAT FXXKING MY WORLD」で夢と希望を歌い上げる。この2曲はメンバー全員の作詞。それぞれにメンバーの個人史が刻まれている。これほどパワフルで真っすぐな歌を聴くことはJ-ポップ/ロック/パンク/ラップ/フォーク等ジャンルを問わず今の時代には稀である。心の中に蟠る思いを何の衒いも無く歌えることは「アイドル」の特権に違いない。音楽的にパンクの解釈は様々だろうが、本作はパンク本来のアティテュードである<DO IT YOURSELF>を体現して来た爆裂女子の自信に満ちた「暴動宣言」に他ならない。楽屋の様子が楽しめるボーナストラックとマル秘映像特典も嬉しい、コスパの高い1枚。"ライヴ現場の再現"と書いたが、実際のライヴは数百倍激しく楽しいことを強調しておきたい。観覧無料のリリースイベントにぜひ足を運んでいただきたい。

爆裂女子 2019年6月19日発売ミニアルバム『RIOT』トレーラー【公式】

<爆裂女子『RIOT』リリースイベント>
■6/18(火) 19:00 ヴィレッジヴァンガード下北沢店
■6/19(水) 19:00 ヴィレッジヴァンガード渋谷本店
■6/20(木)19:00ディスクユニオン新宿パンクマーケット館
■6/21(金) 19:00 ヴィレッジヴァンガード高円寺店
■6/22(土) 18:00 タワーレコード池袋店
■6/23(日) 13:00 タワーレコード錦糸町パルコ店
■6/25(火) 18:00 タワーレコード渋谷店
■6/29(土) 15:00 タワーレコード新宿店
■6/30(日) 20:15 ディスクユニオン下北沢店
■7/6(土) 12:30 タワーレコード梅田NU茶屋町店
■7/27(水)16:30タワーレコード名古屋近鉄パッセ店

詳細はこちらから
http://burst-girl.com/event/0424-1/

●NECRONOMIDOL『scions of the blasted heath』

2014年デビューの暗黒系アイドルユニット、ネクロノマイドル通称ネクロ魔の5曲入EP。新メンバーみしぇると剣菱くのぎが加入し新体制になってから初の公式リリース作品。シェイクスピアの『マクベス』の第1幕で、3人の魔女がマクベスとバンクォーに運命の予言を語った場所が「荒れ果てたヒースの野(blasted heath)」。その「子孫(scion)」を意味するEPタイトルは<魔女狩り>というテーマに繋がる。鬼畜系漫画家早見純による死刑執行人の待つ(たぶん)13段の階段を上る少女のジャケットと裏ジャケの赤い縄で縛られたメンバー写真も然り。これほどコンセプトが統一された作品はネクロ魔でも珍しい。一方音楽的にもバラエティに富んでいる。分厚いギターと演劇的なヴォーカルの掛け合いがドラマチックな「salem」、キノコホテルのマリアンヌ東雲のペンになるシンセGS歌謡「phantasmagoria cosmos」、突進する3連パンク「the festival」、全編英語詞の哀愁チェンバロメタル「children of the night」、フェアライトシンセが印象的なニューウェイヴディスコ「lament configuration」。5曲それぞれ異なる音楽要素を含有したダイバーシティに富んだ作品である。全編を貫くクリスタルクリアなヴォーカルは暗黒世界というより光輝く天国からの呼び声に聴こえる。新メンバーの成長ぶりも著しいネクロ魔のライヴがますます楽しみになってくる。

NECRONOMIDOL / Scions of the Blasted Heath

リリースイベント日程(全て観覧無料!)
2019年
6/20(木)HMV record shop 新宿ALTA
7/2(火)HMVエソラ池袋店
7/6(土・夜)タワーレコード新宿店

NECRONOMIDOL結成5周年記念4days
「darkness, walk with me」
2019/6/27〜6/30
渋谷 chelsea hotel
OPEN18:30/START19:00
adv¥2500+1D/door¥3000+1D
6/27 w/ 絶叫する60度
6/28 w/ avandoned・カイ
6/29 w/ クロスノエシス
6/30 NECRONOMIDOL

ご予約はこちらから
http://necronomidol.com/ticket

水無月は
ネクロ魔爆女
でんぱ月

6/26リリースのでんぱ組.incニューシングル『いのちのよろこび』も楽しみでならない。


●この記事は下記ブログからご寄稿いただきました。
[A Challenge To Fate]


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