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2019年06月19日20時30分

 
tacica、THE NOVEMBERS、People In The Boxの盟友3バンドによる合同イベント・ツアー〈TOMOE 2019〉ライヴレポート
 

2011年の〈TOMOE〉から7年半という年月が、彼らにとっていかに濃密な時間であったかを思い知る夜になった。それぞれがキャリアを積む中で得た経験・知見を集約させ、混ざり合うことによって生まれるエネルギーは、この〈TOMOE〉という場所でしか体感することが出来ない特別なものとなった。

5月25日仙台から始まった「TOMOE 2019」全5公演の最終公演が、6月14日東京マイナビBLITZ赤坂で開催された。

トップバッターを務めたのは先日、秋からのワンマン・ツアー〈One Man Tour 2019 『Tabula Rasa』〉を発表したPeople In The Box。〈TOMOE 2019〉が今年に入ってから初めてライブということと、盟友THE NOVEMBERStacicaとの対バン・イベントということもあり、熱の入った演奏で会場を埋め尽くしたオーディエンスを沸かせた。

演奏は雄大な「海はセメント」で幕を開ける。波多野裕文(Vo / Gtr / Key)の伸びてゆくロングトーンのメロディー、福井健太(Ba / Cho)のうねるような重低音と山口大吾(Drs / Cho)の繊細かつ力強い演奏が空間を満たしてゆく。続いては最新作『Kodomo Rengou』からピープルの魅力のひとつである特異なリズムと複雑なアンサンブルが印象的な「世界陸上」へ。

3曲目は昨年の後半から演奏している「新曲1」。しっとりとした波多野のVoとエレクトリックピアノが繊細でとても美しい。山口によるウィットに富んだMCで観客との距離を縮めつつ、ライブ定番曲でもある「聖者たち」へと続く。観客のヴォルテージが上がったところで、5曲目『Kodomo Rengou』収録の「かみさま」へとなだれ込み、スリーピースとは思えないスケールで会場を圧倒した。最後は今回の〈TOMOE 2019〉で初披露されたビートの反復と優しいメロディーが印象的な「新曲2」で締め括った。

2番手はtacica。青い照明がぼんやりと、無音の中おもむろに登場。1曲目は猪狩翔一(Vo / Gt)の歌とギターから始まる「YELLOW」。7年半前に開催された前回の〈TOMOE〉での編成からサポート・メンバーとして、ドラムに中畑大樹(syrup 16g)、ギターに野村陽一郎を迎えた4人編成で作り上げた初めての楽曲。これまで辿ってきたtacicaの歩みを更に強く、進み続けることを表したオープニング・ナンバーだ。そして「YELLOW」とは対照的に、緊張感漂う照明に合わせ、瞬く間に展開していく2曲目「刹那」から、現体制としての最新作『panta rhei』の3曲が続くセクションへ突入。いま現在のtacicaのアンセムと言える3曲目「煌々」で会場との一体感を高め、4曲目「name」ではtacicaらしい「人」をテーマにした楽曲を歌い上げた。

その後、一呼吸置いたMCでは「People In The Box、9月からツアーをやります」「大吾くんが言い忘れてて」と猪狩から〈TOMOE〉ならではの話しが。口数は多くないが、同じ時期を過ごしてきた盟友同士の近すぎず遠すぎない絶妙な距離感が垣間見える。バンド・メンバーの紹介を終えた後で『では曲をやります』と、いつもの一言で5曲目「LEO」、6曲目「人鳥哀歌」と往年の楽曲達で会場の温度をまた一段階上げる。最後、tacicaの〈TOMOE 2019〉を締めくくる7曲目「キャスパー」では、どこまでも響く猪狩の歌声とそれを支える小西悠太(Ba)のベースラインが心地良く会場に響き渡った。

2番手のtacicaに続き、〈TOMOE 2019〉の東京公演のトリとして3番目にステージに登場したTHE NOVEMBERS。薄い青で包まれたステージに1曲目「TOKYO」のイントロが鳴り響き、メンバー4名が登場。パーカッシヴなオープニングが否応なく会場に緊張感をもたらすと共に、7年半ぶりの〈TOMOE〉に、いまバンドが新しい音を鳴らしていることを知らしめた後は、その緊張感を一気に解放するかのようなケンゴマツモトのギターリフで「dysphoria」になだれ込む。会場をドライヴするサウンドにオーディエンスのテンションが上がったところで、一転しなやかなグルーヴを纏った「Close To Me」へ。強度の高い冒頭2曲から、しなやかで浮遊感を漂わせた「Close To Me」を会場のテンションを損なうことないパフォーマンスは、この〈TOMOE 2019〉を経たTHE NOVEMBERSの成長とも言えるだろう。

緩急を巧みに操るバンドが、L’Arc~en~Cielのカバー曲である「Cradle」を妖しく、重厚なグルーヴと華やかなギター・ソロさで魅せた後は、「DOWN TO HEAVEN」、「BAD DREAM」と発売されたばかりの新作アルバム『ANGELS』のハイライト・トラックを立て続けに演奏。ハードなビートと近未来な音世界は新旧のファンが入り混じった〈TOMOE〉のオーディエンスに驚きと興奮をもたらし、熱く波打つようなオーディエンスの反応にバンドも熱演で応える。7曲目の「黒い虹」では壁のような大轟音に諸手を上げて包まれながらも爽快ですらある、強さと厚みを持ったサウンド・プロダクションはTHE NOVEMBERSの一つの到達点と言えるだろう。〈TOMOE 2019〉、そしてPeople In The Box、tacica、そして当日のオーディエンスへの共感と感謝のMCを挟んで、この日最後の曲となる、最新作の表題曲「ANGELS」へ。印象的なベースのリフが上昇を始め、ギター、ドラム、そしてメロディがともにが天に向かって上昇気流を巻き上げていく高揚感と共にこの日のパフォーマンスは終了した。

THE NOVEMBERSの演奏が終了すると、演奏を終えていたPeople In The Boxとtacicaが再びステージに登場し、メンバーによるカーテンコールでこの日の幕を閉じた。またいつかこの3バンドでそれぞれの美しさ、強さを「TOMOE」の場で感じながら、オーディエンスの皆さんといい顔でお会いできることを楽しみに。

TOMOE 2019 At マイナビBLITZ赤坂

■People In The Box Setlist
1.海はセメント
2.世界陸上
3.新曲1
4.聖者たち
5.かみさま
6.新曲2

■tacica Setlist
1.YELLOW
2.刹那
3.煌々
4.name
5.LEO
6.人鳥哀歌
7.キャスパー

■THE NOVEMBERS Setlist
1.TOKYO
2.dysphoria
3.Close To Me
4.Cradle
5.DOWN TO HEAVEN
6.BAD DREAM
7.黒い虹
8.ANGELS

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