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2019/03/05 09:37

 

Rhythmic Toy World、変わらずに歌い続ける10周年イヤーの幕開け―ミニ・レポート

 

ライブハウスでバンドとお客さんが集まることを「待ち合わせ」と呼び、「遊ぼうや!」という合言葉でフロアが一体になる。Rhythmic Toy Worldというバンドが持つ、どこか男子校っぽいノリは何年経っても変わらない。と言うか、2009年11月9日の結成から、今年で10年を迎える今のリズミックは、いっそうそのヤンチャぶりに拍車がかかっている気がした。

先日、恵比寿リキッドルームで開催された「結成10周年記念LIVE『EBISU de ASOBOYA ~もういくつ寝ると10周年~』」を見て思ったことだ。

ライヴは、内田直孝(Vo/Gt)が伸びやかな歌声を聴かせる「新しい風景」からはじまった。そこから、リズミックの知名度を広げるきっかけになった「いろはにほへと」、イントロが鳴った瞬間に大歓声が上がった隠れた名曲「終末のカンヴァセーション」を挟みつつ、「JIGOKU」「波紋シンドローム」「とおりゃんせ」という新旧ライブアンセムを連投したライヴの前半は、生粋のライヴバンド=リズミックの爆発力が全開になるステージだった。

そんな前半の熱気は、「リズミックのライヴに来た!」という充実感を全身で感じられる大切なタームではあったが、特にバンドの本質が見られたのは「メッセージ」以降だったと思う。「俺たちのはじまりの歌を」と紹介された「メッセージ」をはじめ、「ユメイロ」「フレフレ」という自分の弱さを曝け出しながら紡ぐエールソングの数々。出会えたことへの感謝を伝える「いつか」や「あなたに出会えて」。そして、内田が「忘れたくないってこういう瞬間のことを思うけど、忘れたっていいじゃん。お前がここにいるんだから!」と言ったあと、「あー!!」と言葉にならない叫び声を上げた「ライブハウス」から、《頑張れ生きる人》と歌い上げる熱い応援歌「僕の声」まで。友情や夢という、ともすれば、照れ臭くなってしまうような熱血漢な歌たちを、ライブハウスという場所だからこそ、何の衒いもなく体当たりで歌えるのがRhythmic Toy Worldというバンドのブレない強さだ。

Rhythmic Toy Worldは、彼らを見るためにライブハウスに来る人たちが何を求めているのかをよく知っている。だから、窮屈な日常生活で押し殺した感情を発散させるような音を奏でるし、日常に戻るために誰かに言ってほしいことを言ってくれるのだと思う。そんな彼らは4月3日にリリースされる『PLACE』から、再びインディーズへと活動拠点を戻すことを発表した。詳しい理由はヴォーカル内田のブログ(https://lineblog.me/rhythmic_toy_world/archives/13215756.html)を読んでほしい。大きな決断を下したリズミックが、どんなライヴをするのか。この日はそれを確かめるつもりでもあったが、あいかわらず子どものように天真爛漫なライヴをする4人を見て、ああ、何も変わっていないと思った。(秦理絵)

結成10周年記念LIVE『EBISU de ASOBOYA ~もういくつ寝ると10周年~』
2019年3月1日(金)恵比寿リキッドルーム
出演:Rhythmic Toy World


[ニュース] Rhythmic Toy World

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