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2018/11/19 12:00

 

5年ぶりバンド編成で酔いしれた渋谷の夜「清 竜人 ワンマンライブ 2018 秋」OTOTOYライヴ・レポート

 

11月17日に渋谷TSUTAYA O-EASTにて「清 竜人 ワンマンライブ 2018 秋」が開催された。

11月14日にニュー・シングル『目が醒めるまで (Duet with 吉澤嘉代子)』をリリース後、初のワンマンの模様を音楽評論家・宗像明将によるライヴ・レポートでお届けする。

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「最近清 竜人を知った若い子たち……「たち」かはわからないんですけど……には「カラオケおじさん」と言われてるらしくて、今回生バンドに」と語って会場のファンを笑わせた清 竜人。彼がソロ名義としては5年ぶりになるバンド編成のライヴを行ったのが、11月17日に渋谷TSUTAYA O-EASTで開催された「清 竜人 ワンマンライブ 2018 秋」だった。

開演前に流れていたのは「清 竜人TOWN」の楽曲群。バンドつながりだろうか。

そして、開演して登場したバンドは、ギター、コーラス、キーボード、ドラム、ピアノ、ベースからなる6人編成。ちょうど男女が3人ずつだ。

ライヴは「Love Letter」で幕を開け、アーバンな「TIME OVER」の終盤では、清 竜人が華麗なステップを踏んでみせた。続く「ヘルプミーヘルプミーヘルプミー」は2009年のシングル曲だ。冒頭で鳴らされるギターのコードは原曲よりも複雑になっている。

MCで清 竜人は「次の曲が最後の曲です」とジョークを飛ばした。バンドセットでのオールタイム・ベスト的なライヴは2013年以来だと語り、「楽しんでってください」と一言。

「馬鹿真面目」は、生演奏になると裏打ちのリズムがはっきりと聴こえてくる。「涙雨サヨ・ナラ」では、コーラスによってイントロの女性ヴォーカルが生で歌われた。生演奏で聴く「サン・フェルナンドまで連れていって」は、AOR歌謡として絶品だ。

鐘を鳴らすかのように響くピアノが印象的なのは「All My Life」。2013年のアルバム『WORK』の収録曲だ。ダイナミックな演奏へと展開していき、清 竜人は高音を駆使して聖歌のように歌いあげる。この日のライヴ前半のハイライトだったと言ってもいい。

この記事の冒頭で紹介した「カラオケおじさん」の話題とメンバー紹介を挟んで、ピアノのリフも軽やかな「きみはディスティニーズガール」へ。2011年のアルバム『PEOPLE』の収録曲だ。清 竜人の楽曲の中でもっともアメリカ南部の匂いがする作品のひとつでもある。

『WORK』の収録曲「The Movement」が始まったときには会場から驚きの声が起きた。バンド・メンバーのハンド・クラップから演奏は目まぐるしく変化していく。さらに同じく『WORK』収録曲の「LOVE&PEACE」へ。終盤に向かってカオス度が上がっていく楽曲だ。さらに2010年のアルバム『WORLD』の収録曲「あくま」へと続いていった。歌謡曲歌手としての清 竜人からは離れた、エッジの尖ったコーナーだった。

MCでは、髭をハロウィンのコスプレのために剃ったと語ると、会場からは「何のコスプレしたか教えて!」という声が飛び交うことに。清 竜人は苦笑いしながらInstagramに載せると言ったものの、はたして……?

そして、2010年のシングル曲「痛いよ」へ。何度聴いても、私小説的で生々しいこの楽曲は胸をえぐるような魅力を持つ。「目が醒めるまで」のリリースに合わせて行ったインタビューで、清 竜人は「痛いよ」についてこう語っていた。

「僕は『痛いよ』はちょうどいい評価をしてもらってるっていう感覚ですね。あの曲に関して言うと、僕はすごく気に入っているけど、あの歌詞を今聴き返すと大衆的だとは思わない。具体的な心象風景や描写にリスナーたちがすごく感情移入してくれてる事実もあって、その人数が多いからこそ僕の代表曲のひとつになってると思うんです。ただ、それが逆に欠点でもあって、もうちょっと大きいシェアで見た場合に大衆性に少し欠けるなと思いますね。」 https://ototoy.jp/feature/20181114444

「痛いよ」に強く反応してしまう私のようなリスナーは「大衆」にはなれないのかもしれない。しかし、8年の歳月を経てまだ「痛み」を失わないこの楽曲は、清 竜人の代表曲のひとつだと感じるのだ。より広い大衆性の獲得を目指す清 竜人が、近い将来大きなヒットを飛ばす日が来るとしても、それは変わらないだろう。

ステージは2011年のシングル曲「ボーイ・アンド・ガール・ラヴ・ソング」へ。熱演、熱唱と呼ぶのにふさわしかった。

そして、ゲストである吉澤嘉代子を呼びこんだ。清 竜人と吉澤嘉代子が会うのはやっと3回目。楽屋での会話があまりにも少なかったとのことで、吉澤嘉代子は「原稿用紙1枚にも満たない」と形容して笑った。

本編ラストはもちろん清 竜人と吉澤嘉代子による「目が醒めるまで (Duet with 吉澤嘉代子)」。ときにふたりは見つめあいながら歌った。

歌い終えて帰ろうとする吉澤嘉代子を清 竜人が呼び止め、12月23日に大阪の味園ユニバースで「清 竜人 歌謡祭Vol.2」を吉澤嘉代子とともに開催することをアナウンス。その後、清 竜人は「吉澤嘉代子さんでした!」と紹介すると、吉澤嘉代子よりも先に足早にステージから去っていった。

アンコールでは、まず「抱きしめたって、近過ぎて」「私は私と浮気をするのよ」を歌い、MCで2019年の「清 竜人 東名阪アコースティックツアー 2019」と「清 竜人 札福広ツアー 2019」の開催を発表。前者はピアニストをサポートに迎えた2人編成でのアコースティック・ライヴ、後者は清 竜人ひとりによるライヴだ。

この日の最後の曲は「平成の男」。生演奏によって華やかさを増していた。

清 竜人は「ありがとうこざいました!」と挨拶すると、バンド・メンバーよりも先に足早にステージから去っていった。先を急ぐ清 竜人は、すでに来年の音楽活動のことで頭がいっぱいに違いないのだ。(text by 宗像明将)

OTOTOYインタヴュー
清 竜人、歌謡曲のエッセンスがさらに詰め込まれた最新シングルをリリース
https://ototoy.jp/feature/20181114444

■『清 竜人 歌謡祭Vol.2』
会場:味園ユニバース
日程:2018年12月23日(日)
出演者:清 竜人 / 吉澤嘉代子

開場:17:30/開演:18:15
席種:スタンディング

チケット一般発売:2018年11月17日11:00〜

主催:株式会社 ソニー・ミュージックレーベルズ
問合せ:夢番地 06-6341-3525(平日11:00〜19:00)

備考:
※3歳未満入場不可
※6歳以上チケット必要
※ご入場の際、別途ドリンク代(¥600)が必要となります。
※整理番号順でのご入場となります。

■『清 竜人 東名阪アコースティックツアー 2019』
ピアニストをサポートメンバーに迎えての2人編成アコースティックライブ

チケット:前売 ¥6,000(税込)※Drink代別
2019年
1月19日(土)東京キネマ倶楽部 【開場/17:00 開演/18:00】
2月8日(金)名古屋 ボトムライン 【開場/18:30 開演/19:30】
2月9日(土)大阪 フラミンゴ・ジ・アルーシャ 【開場/17:00 開演/17:30】

全公演共通席種:全自由

チケットぴあ先行販売:2018年11月17日 (土) 20:00 - 2018年12月9日 (日) 23:59
先行販売(チケットぴあ)先行販売URL:http://w.pia.jp/t/kiyoshiryujin2019-tno/

《問い合わせ》
東京公演:シブヤテレビジョン TEL 03-5428-8793 (平日12時〜18時)
名古屋公演:JAILHOUSE 052-936-6041(平日11:00~19:00)
大阪公演:夢番地 06-6341-3525(平日11時から19時まで)

主催:株式会社 ソニー・ミュージックレーベルズ

備考:
※整理番号順でのご入場となります。
※未就学児童入場不可、6歳以上チケット必要
※座席のご用意もございますが、席数には限りがございます。
お席が埋まり次第スタンディングでのご案内となります。

■『清 竜人 札福広ツアー 2019』
2018夏に東名阪で行われたツアーを札幌、福岡、広島でも開催。
清 竜人がマイク1本、一人でパフォーマンスするライブ。

チケット:前売 ¥6,000(税込)※全公演Drink代別(広島公演のみワンオーダー別)
2019年
2月17日(日)札幌 cube garden 【開場/16:30 開演/17:00】
3月2日(土)福岡 ROOMS 【開場/17:30 開演/18:00】
3月3日(日)広島 ヲルガン座 【開場/18:00 開演/18:30】

席種(札幌、福岡):全自由
席種(広島):自由席

チケットぴあ先行販売:2018年11月17日 (土) 20:00 - 2018年12月9日 (日) 23:59
先行販売(チケットぴあ)先行販売URL:http://w.pia.jp/t/kiyoshiryujin2019-sfh/

《問い合わせ》
札幌公演:WESS 011-614-9999 (平日11:00~18:00)
福岡公演:キョードー西日本 0570-09-2424
広島公演:ヲルガン座 082-295-1553 (月曜日 定休日)

主催:株式会社 ソニー・ミュージックレーベルズ

備考:
※整理番号順でのご入場となります。
※未就学児童入場不可、6歳以上チケット必要
※座席のご用意もございますが、席数には限りがございます。
お席が埋まり次第スタンディングでのご案内となります。
※広島公演のみご入場の際、別途ワンオーダー(ドリンク¥500もしくはフード¥800)が必要となります。※整理番号順でのご入場となります。

・公式サイト
http://kiyoshiryujin.com


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