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2018年11月04日21時00分

 
“前方に見えますのが、私たちが切り開く未来です ! ” THE 夏の魔物、新メンバー Mai-kouを加え12.25青森フェスへ―OTOTOYライヴレポ
 

THE 夏の魔物が、2018年10月31日 (水)代々木Zher the ZOOにて〈THE 夏の魔物ワンマンライブ~ハロウィンの魔物~〉を行った。

この日は、ハロウィン当日で「魔物ハロウィンドリンク2018」として各メンバーの特製ドリンクを販売、10月は成田大致、大内雷電、越川和磨(Gt)の誕生月、そして、新メンバーとして加入した女性ヴォーカリスト・Mai-kou(マイコー)が参加しての初ライヴと、トピック盛り沢山の一日となった。

魔物ハロウィン恒例のファイナルファンタジーVII「ゴールドソーサー」BGMから暗転するとIGGY POP「Lust For Life」が流れ、仮装したメンバーが一斉にステージに登場。緊張した面持ちの新メンバーMai-kouの姿も。楽器隊の越川、えらめぐみ(Ba)、komaki(Dr)、ハジメタル(Key)もそれぞれ仮装しているようだ。

ライヴは「恋愛至上主義サマーエブリデイ」から始まり、AメロをMai-kouが歌い注目を一身に浴びるオープニング。パンキッシュなヴォーカルはバンドサウンドの中からでも聴こえてくるよく通る声だ。続く「バイバイトレイン」は成田大致と浅森咲希奈のツイン・ヴォーカルで聴かせる。サビへと続くブリッジで、成田のヴォーカルの間隙をぬって「oi!oi!」とコールが起きるなど、魔物チルドレンのレスポンスに変化も見られた。Mai-kouが〈メッキを、 メッキを、メッキを剥がせよ〉と歌い、アントーニオ本多と大内雷電がステージ前で煽る「SUNSET HEART ATTACK」に続いた約1年ぶりの「どきめきライブ・ラリ」ではMai-kouのヴォーカルからスタート。「恋の天国はケモマモハート」では鏡るびい、浅森がソロ・パートで歌声を披露、Mai-kouも加わりガールズそれぞれの個性が光った。女性3人となったステージ上は総勢10人となり、エンタメのガンボ(ごった煮)といった様相だ。そんな10人がドラムのkomakiに向かって、全員でカウントする場面もあった。

アントンがマイクを握り、「生きとし生けるものは、すべてバカ者かもしれない。そんな気持ちを歌にしました」と曲紹介してから、「生きとし生けるすべてのバカ者たちへ」(「若者たち」の改題)へ。疾走感が満点で、畳みかけるように歌うサビで観客と気持ちを一つにできる曲だ。成田とMai-kouの声の高低差がサビで活かされており、その印象はライヴ・アンセム「東京妄想フォーエバーヤング」でも感じることができた。メンバー全員が活躍して会場一体となるシンガロングへと繋がっていくこの曲の高揚感は、THE 夏の魔物のライヴにおける一番のセールスポイントだろう。

さらに曲終わりでのアントンのMCがアツい。「俺は昨日、嫌なことがあった。でも今はとても気持ちがいい。明日の目覚めはどうなるかな。そんな妄想を、この東京で40年間繰り返してきた。何も変わってねえ! 俺は14歳のときから何も変わっちゃいねえよ。だけど、変わりたいと思っている。だから、変わらせてくれ! 」そんなMCに合わせて、バンドがどんどん盛り上げていき、そのまま成田が歌い出し「いくぜ総武線!」と叫び「爆裂レボリューション」へ。この流れは、ライヴで培った息のあったアドリブ力を感じさせた。また、この曲での越川のギターソロはこれまでにない様式美を感じさせるメロディで新鮮だった。

「最近アルバムを作っていて、スタジオにこもっていたので、こうして久々にライヴができて、みんなに来てもらって。平日なのにありがとうございます!」と、成田が魔物チルドレンに感謝。

「さっき、アントンさんが“嫌なことがあったけど”って言ったけど、みんながTHE 夏の魔物の曲を聴いて嫌なことを忘れられたりとか、“あ、これは俺のことを歌ってるんだ”って思えるようなアルバム、今作ってますから。そんなアルバムの中からの新曲を聴いてください!」

と、曲へ行こうとしたところ、ギターの越川から「ところで、君たちは何者?」と、メンバーの仮装についての疑問が投げかけられ、観客も拍手でそれぞれ仮装の紹介を求める。越川は「ウォーキング・デッド」シーズン7に登場するニーガンが持っている有刺鉄線バット「ルシール」を持っているのが仮装のようだ。ちなみに、この日弾いていたギターも故・B.B.キングの愛機「ルシール」だった。眼鏡をかけてジーンズにウルトラマンのシャツを着た大内は、庵野秀明がDAICON FILM(後のアニメ制作会社「ガイナックス」)時代に監督・主演した『帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令』における庵野のコスプレ(安田顕が庵野を演じているドラマ「アオイホノオ」にも同シーンが登場する)。大内自身も満足の再現性の高さ、庵野チルドレンの成田も納得のハイ・クオリティで絶賛されていた。オオカミの着ぐるみキャップ姿の成田は『週刊少年チャンピオン』で連載中の漫画『BEASTARS』に登場する主人公・チェリートン学園の演劇部員レゴシ。新メンバーの浅森は「美女と野獣」のベルが村で着ている服装の仮装、Mai-kouは血まみれのパンクス、るびいはパンクバンド・ダムドのオリジナルメンバーでヴォーカリストのデイヴ・ヴァニアン、アントンは新衣装としてグレードアップしたロングホーンと、スネーク・プリスキン中尉を彷彿とさせる眼帯スタイルだ。えらめぐみは、漫画「ドロヘドロ」のハルちゃん、ハジメタルは“渋谷区の安全を確保しに来た”警察官、komakiは「とあるライヴ現場でのkomaki」という、地味ハロウィン的仮装(?)と、それぞれらしさ満載で楽しませてくれた。

「こんな楽しい日がくると思わなかった!」と、成田の一言から新曲「誰にも邪魔されない部屋で始まる君のための協奏曲、第壱楽章」(「しゅきぴ」の改題)へ。間奏のセリフは「家に帰って“ウォーキングデッド”観ようぜ!」と、先ほどの越川の発言を受けてのものとなっていた。Mai-kouが早口ラップで切り込み、成田は“誰にも邪魔されない部屋!!”とフェイクを交えて美メロを聴かせた。

ライヴでは半年以上ぶりの「僕と君のロックンロール」の前には、大内がステージ最前に立ってこう叫んだ。「続いていくもの、やめるもの、色々あるよね! 俺も辞めそうになったよ! でも、本当に今は、やめなくて良かったと思ってる! 今の仲間がいる、そして、今を生きる!!」。数カ月前には、バンドを脱退することも考えたという大内の心の叫びだった。この曲の間奏では、新たにハジメタルのピアノからドラマティックなギターアレンジが加わっていた。その越川のギターソロの終わりには、Mai-kouが向かい合ってヴォーカルで呼応。続く「さよならメモリー」は、会場一体となる大合唱となった。

アンコールはガールズ3人による新アレンジの「マモノ・アラウンド・ザ・ワールド」からスタート。センターに立ったMai-kouが一番イキイキとしていたのがこの曲だった気がする。後半、るびいがアジテーション。

「いつまで経っても人の顔色ばっかり窺って判断力も無くて…“こういう人っているよね(笑)”ってバカにしてたみたいな人にいつか自分がなってしまった気がする。いつもやる前から何もできないなんてあきらめてただけなのに、それを劣等感とはき違えて偉そうに誇って、そんな昔のこと…自分の胸だけ痛んで、苦しくてどうしようもないときってあるよね。狂いそうになってしまいそうになること、傷つけてしまいそうになること、そんな自分がたまらなく嫌になること。でも、そんな自分も許してあげてほしい。これで良かったって思える手段が、私たちの音楽だったら嬉しい。そんな自分を肯定できるのが私たちの音楽だったら幸せだ!! 代々木ー!! ボケっとしてんな、ハロウィンだぞ!? 渋谷に負けんな代々木ー!! …勝負に挑み続けた者の勝ちだ、あきらめなかった者の勝ちだ。続けた者の勝ちだ。昨日のことより明日のことを考えて生きていたい。私たちは、使い古されるために生きてるわけじゃない!代々木Zher the ZOOにお越しのみなさま!前方に見えますのが、私たちが切り開く未来です!」

るびいはそう捲し立てると、“イチゴジャム塗りたくれ FANCLUB 脳細胞 電撃バップ ROCK'N'ROLL” のコール&レスポンスへ。何度も繰り返すうちにバンドの演奏もヒートアップ。間髪入れずにヘヴィなギターリフをゆっくりと弾きだした越川に導かれて、バンドとフロントメンバーが渾然一体となる「シン・魔物 BOM-BA-YE ~魂ノ共鳴編~」のカオスを経て、ラストは「音楽の魔物」。全員がステージ前方に体を乗り上げて自己主張しまくりで、サビでは成田とMai-kouが肩を組んで歌うシーンもあるなど、狭いステージの上で10人がひしめき合う光景は、THE 夏の魔物が結成当初から体現してきたクロスカルチャーをロックバンドとして飲み込み、咀嚼して吐き出しているように思える。曲終わりでメンバー紹介、最後にアナウンスされたMai-kouは大歓声を受けて「お手柔らかにお願いします!」と謙虚な言葉を残して初ライヴを終えた。

エンドSEのOasis「Rock 'n' Roll Star」に合わせて成田が歌いながら去って行ったかと思いきやステージに残り、12月19日にビクターエンタテインメントからリリースするメジャー 2ndアルバム『この部屋が世界のすべてである僕、あるいは君の物語』のリード曲「誰にも邪魔されない部屋で始まる君のための協奏曲、第壱楽章」にBiS1stのゴ・ジーラ、トリアエズ・ハナがゲスト・ヴォーカルとして参加していること、RAP詞を「バッタリ会った」という空きっ腹に酒のユキテロが担当、魔物ファミリーであるSundayカミデが作詞協力していることなどが公開された。また、会場にいるお客さんだけに、スミス監督によるこの曲のMVをチラ見せ。いきなりゴ・ジーラが映し出されて、会場からは大歓声が上がっていた。また、ダブルリード曲「コンプレクサー狂想組曲」と合わせての2曲が「組曲形式」として複数構成となり、予告編のみで本編が存在しない「架空の映画の予告編」をコンセプトにMVを製作中とのことも告知された。

ビクターエンタテインメント移籍、メジャー2ndアルバム『この部屋が世界のすべてである僕、あるいは君の物語』の発売を約1ヶ月後に控え、一気に情報が解禁され、ますますカオス感が高まっているTHE 夏の魔物。アルバム、ライヴ、フェスと、今後の活動にますます注目せざるを得ない。

取材・文:岡本貴之
写真:タイコウクニヨシ

〈THE 夏の魔物ワンマンライブ~ハロウィンの魔物~〉
2018年10月31日(水) 代々木 Zher the ZOO
●セットリスト
1. 恋愛至上主義サマーエブリデイ
2. バイバイトレイン
3.SUNSET HEART ATTACK
4. どきめきライブ・ラリ
5. 恋の天国はケモマモハート
6. 生きとし生けるすべてのバカ者たちへ
7. 東京妄想フォーエバーヤング
8. 爆裂レボリューション
9. 誰にも邪魔されない部屋で始まる君のための協奏曲、第壱楽章
10. 僕と君のロックンロール
11. さよならメモリー
アンコール
12. マモノ・アラウンド・ザ・ワールド
13. シン・魔物 BOM-BA-YE ~魂ノ共鳴編~
14. 音楽の魔物

メジャー2ndアルバム『この部屋が世界のすべてである僕、あるいは君の物語』
2018年12月19日発売

〈収録曲〉
01. 誰にも邪魔されない部屋で始まる君のための協奏曲、第壱楽章
[作詞:成田大致 / 作曲:成田大致、浅野尚志 / RAP詞:ユキテロ(空きっ腹に酒) / 作詞協力:Sundayカミデ(ワンダフルボーイズ、天才バンド) / ゲストボーカル:ゴ・ジーラ(BiS1st)、トリアエズ・ハナ(BiS1st)]

02. コンプレクサー狂想組曲
[作詞・作曲:後日発表]

03. 音楽の魔物
[作詞:THE 夏の魔物 / 作曲:成田大致、浅野尚志]

04. Matsuri Grrrl
[作詞・作曲・編曲:後日発表]

05. 恋の天国はケモマモハート
[作詞:畑亜貴 / 作曲:ROLLY、浅野尚志 / 編曲:越川和磨]

06. ミックステープ
[作詞:成田大致 / 作曲:成田大致、木暮晋也]

07. あいゆめじごく
[作詞・作曲:後日発表]

08. 生きとし生けるすべてのバカ者たちへ
[作詞:成田大致 / 作曲:成田大致、浅野尚志]

09. さよならメモリー
[作詞:成田大致 / 作曲:成田大致、越川和磨]

10. 恋愛至上主義サマーエブリデイ
[作詞:後藤まりこ / 作曲:成田大致、ARM(IOSYS)、鈴木秋則 / 編曲協力:コバヤシユウヤ(IOSYS)]

フェス情報
夏の魔物2018 in AOMORI
◯日時
2018年12月25日
10:15 開場 / 10:45 開演
◯会場
リンクモア平安閣市民ホール(青森市民ホール)
(住所:青森市柳川1丁目2番14号)
☆一般発売
自由席:8,500円(税込)
中高生チケット:3,000円(税込/当日のみ/枚数限定)
◯チケット一般発売日
2018年12月1日(土)AM10:00〜
ローソンチケット
チケットぴあ
イープラス
◯チケット/公演に関するお問い合わせ
ジー・アイ・ピー
TEL:022-222-9999


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