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2018/09/17 15:15

 

〈夏の魔物2018 in OSAKA〉大阪初開催大成功! 舞台は12月25日青森へ―OTOTOYフェスレポ Part. 2

 

2018年9月9日(日)大阪・味園ユニバースでロックフェス〈夏の魔物2018 in OSAKA〉が開催された。

レポートPart. 2では、TOMOVSKYのライヴから、出演者総登場のフィナーレまでをお届けする。

TOMOVSKY はバスドラを踏みながらアコギで弾き語りでパフォーマンスを行った。「脳」で早くも大合唱。「〈夏の魔物〉を俺の大好きな大阪でやってくれて嬉しい!もうオリンピックなんてくるな!青森か大阪でオリンピックやればいいよ」に観客を爆笑させるなど、奔放なステージングで楽しませ、「我に返るスキマを埋めろ」を大合唱。なぜか最後に「日本をインドに!」「してしまえ!」のコール&レスポンスでライヴを終わらせた。すぐにレスポンスする観客がさすがだ。

ステージ上のTOMOVSKYからしきりに呼びかけられていたのが、久しぶりの〈夏の魔物〉出演となるフラワーカンパニーズ。「消えぞこない」から始まり、「吐きたくなるほど愛されたい」、バンドの現在をリアルに歌った「ハイエース」が歌われると、観客はじっと聴き入り、リズムチェンジすると拳を突き上げた。観客が踊り狂った「真冬の盆踊り」まで50分の貫禄を感じさせるライヴを見せた。続いて青コーナーのトリとなる奇妙礼太郎がアコギで弾き語り。椅子に座りブルージーなフレーズを弾き、おもむろに歌い出した。ざわついた会場で淡々と声を響かせる奇妙は、キャバレーで歌う流しのような渋さがあった。「雨が降ったり止んだりしていいね」とのMCから、まったく違うメロディながら、ブルージーに「雨あがりの夜空に」を歌うなど、プリミティブなステージを見せた。

いよいよ、大トリのTHE 夏の魔物のライヴへ。真紅に染まったステージに、大歓声に迎えられてメンバーがステージに。最後に登場した成田大致が「こうしろとかああしろとか!」と口火を切りバンドが呼応して、「音楽の魔物」から始まった。爆音の中、各メンバーが派手なアクションで観客を煽る。フロントに立ったるびいが中指を立てて観客を挑発している。エンディングではアントーニオ本多がフロアに向かっての自爆ダイブするなど、オープニングからカオス極まりない爆発ぶりだ。「魔物BOM-BA-YE ~魂ノ覚醒編~」では、成田がメンバー紹介、最後に「そしてぼくの相棒、大内雷電!」と大内をセンターに呼び込み、リズムに合わせて両手を広げてヒーローポーズをとるシーンも。改めて、バンドメンバーも合わせて紹介。「そして、地元大阪、泉茉里!」との紹介で、茉里がマイクを握る。「味園、楽しんでますか!?」の声に、今日一番の大歓声。茉里のカラーであるホワイトのペンライトでステージ前は埋めつくされている。

ここで、ROLLYがゲストでステージに。ROLLYと作った曲「ケモマモハート」で、成田と背中を合わせてプレイするROLLY。リバースヘッドのストラトで超絶ソロを披露。大槻ケンヂを呼び込むと、茉里に「お疲れさま!まだ若いし、まだはじまってもいねえよ!これから何にでもなれるよ!」とエールを送った。大槻の作詞曲「バイバイトレイン」は、茉里自身も思い出深いと語っている曲だ。自分と魔物チルドレンを交互に指さして歌う。曲の終わり、ハジメタルのピアノに合わせて歌いあげ、成田にバトンを渡すと、客席を見渡して笑顔。6人が肩を組んでポーズを決めた。

成田のMCでは、「〈夏の魔物〉初の大阪開催です。茉里が味園ユニバースでやりたいって言ってたのが頭にあって気がついたら、青森から関東、今年東京で開催して、大阪でやることになりました。今日、楽屋も桃源郷みたいで、自分の人生これで終わるのかなと言うくらいです(笑)。しかもソールドアウト、本当にありがとうございます!出演者のみなさん、スタッフのみなさん、そしてなにより、日曜日にこのフェスを選んでくれたみなさん、ありがとうございます!」と感謝を伝えた。さらに、「最近、例えるなら水筒の水がいっぱいで溢れそうな状態が常に続いていて、パニックになることが多いんですけど、今日も大内さんに“今は支えてくれている人たちがいるんだから”と言われて、ああそうだったって気付かされました。そんな大内さんのことを思って書いた曲です」と、新曲「若者たち」へ。熱いメッセージの込められたストレートなパンクナンバーだった。

「泉茉里と、今日が一区切りなので、忘れられないように、西さん(越川)のこのギターリフに合わせて、レディングフェスにも負けないような合唱をしてください!」と、成田と越川の初共作「さよならメモリー」へ。成田が頭上に掲げた手拍子に合わせて観客の手拍子が広がる中、とても丁寧に言葉がはっきりと伝わるように歌っている印象だった。間奏になると茉里は指揮をとるようなアクションで観客に向かい笑顔。ラストの曲は「恋愛至上主義サマーエブリデイ」。爆音に包まれて、メンバー全員が身振り手振りと表情豊かなパフォーマンスを行なった。成田が観客に乗り込み、下手ではるびいが、上手では大内が、風神雷神のごとくやぐらに登っていた。大内が高いところに登るフェスの定番シーンがよみがえる、なかなか感慨深い本編のラストであった。

再びバンドメンバーがステージ上がると、シーナ&ロケッツのライヴにおけるオープニングSEから、レスポールを抱えた鮎川誠が加わり、バンドのみで8ビートのセッションを開始。「こんばんは!シーナ&ロケッツの鮎川です!今日は初めて夏の魔物が大阪に着陸しました。俺たちは、夏の魔物が初めて青森でやったときから友達!」とMC。シーナ&ロケッツの「ビールス・カプセル」で、延々とギターを弾き倒す鮎川。曲が終わると、鮎川が泉茉里を呼び込み「1、2、3、GO!」とカウントから「レモンティー」がヒット。シーナを意識したような少しハスキーかつセクシーなニュアンスも感じさせるボーカルを聴かせた。さらに、うつみようこがステージに加わり、シナロケの大ヒット曲「You May Dream」をデュエットした。最高の舞台でボーカルの師・うつみと共演できたのではないだろうか。

フィナーレは、出演者全員が登場してザ・ローリング・ストーンズの「(I Can't Get No) Satisfaction」を演奏。鮎川、MR.PAN、和嶋、竹安がギターを弾き、アントンがメインヴォーカルを務めた(先日逝去したバート・レイノルズTシャツを着ていたのはさすがだ)。スギムが上半身裸になって踊るとアントンも呼応して裸に。奥を観るとハジメタルとグレートマエカワが並んでキーボードを弾いている。マエカワは途中、えらめぐみのベースを受け取りプレイ。ドラマーはいつの間にかミスター小西、そしてニートビーツのMr.Mondoに。いつまでも続きそうなパーティーセッションは、10数分間に及び茉里による、「3、2、1魔物ファイヤー!」でエンディングを迎えた。

文字通り、サティスファクションな充実度で幕を下ろした〈夏の魔物2018 in OSAKA〉。泉茉里がTHE夏の魔物を離れる区切りとなるライヴだったわけだが、感傷的なムードは微塵もなし。ハッピーなフィナーレとなった。今後のTHE夏の魔物、泉茉里の活躍に注目していこう。

後日、フェスにも出演していた映画「カメラを止めるな!」松浦早希役の浅森咲希奈がTHE 夏の魔物のメンバーとして加入することが発表された。2018年12月25日に青森・リンクモア平安閣市民ホールで開催されるロックフェスティバル〈夏の魔物2018 in AOMORI〉に向けて、さらなる仕掛けが用意されているようなので、今後の発表に期待がかかる。

取材・文:岡本貴之
写真:橋本塁

夏の魔物2018 in OSAKA
2018年9月9日(日)大阪・味園ユニバース
ACT:
THE 夏の魔物
鮎川誠(シーナ&ロケッツ)
ROLLY&大槻ケンヂと魔物少女達
フラワーカンパニーズ
人間椅子
大槻ケンヂ(形態未定)
ROLLY
THE NEATBEATS
KING BROTHERS
奇妙礼太郎
Sundayカミデ
TOMOVSKY
クリトリック・リス
BILLIE IDLE®
ぜんぶ君のせいだ。
せのしすたぁ
二丁目の魁カミングアウト
ONIGAWARA
空きっ腹に酒
みるきーうぇい
おおきゆりね
DJ 石塚淳(台風クラブ)
うつみようこ

夏の魔物2018 in AOMORI
【開催日】
2018年12月25日(火)
【場所】
リンクモア平安閣市民ホール(青森市民ホール)

・THE 夏の魔物 オフィシャル・ウェブサイト
http://thenatsunomamono.com/
・夏の魔物フェスホームページ
http://natsunomamono.com/


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