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2018/06/04 21:35

 

LUNA SEA、29歳誕生日に日本武道館でツアー最終公演 1年越しに届けた『LUV』と充実したバンドの今——ライヴ・レポート

 

LUNA SEAが結成記念日となる5月29日、日本武道館でワンマン・ライヴ〈The Anniversary 2018 The LUV -World left behind- FINAL〉を開催した。

彼らはちょうど1年前の同日、ここ日本武道館で行ったライヴで「愛」をテーマとしたアルバムのリリースを発表。その言葉どおり、12月に前作より約4年ぶりとなるアルバム『LUV』を発売した。この日は、同作を携えたツアーのファイナル公演でもあった。

昨年の発売発表から、1年越しに届けた『LUV』。この1年、そして1月からまわったツアーの密度の濃さを表すような、充実したライヴとなった。

予定時刻を10分少々過ぎたころに場内が暗転。まばゆい光が後方からステージを照らすなか、メンバーが登場。割れんばかりの歓声があがり、演奏がスタートした。

真矢(Dr)のカウントからはじまったのは、最新アルバム『LUV』のオープニングを飾る「Hold You Down」。早くも INORAN (Gt)が花道へ飛び出し客席を煽ると、続けて「TONIGHT」を演奏。すかさず SUGIZO (Gt/Violin)、J(Ba)もステージを駆け回り、場内の熱気は一気に上昇した。

RYUICHI (Vo)が「日本武道館、元気ですかー!LUNA SEA、29歳になりました」とあいさつ。「きょうはめでたい結成日なんですけど、武道館を世界で一番熱い場所にしたいと思うので、みんなが普段溜め込んでるものをステージに投げてください。行けるかー!?」と呼びかけると、初期からのライヴ定番曲「Dejavu」「JESUS」を立て続けに披露し、客席を熱狂させた。

「ロックって自分たちを解放してくれるから、きょうはみんなにしっかりと壊れてほしい。ルールはひとつ、けがしないことだけ。ほかはなにひとつないからね。きょうは360度(お客さんが)入ってるから、後ろからのレアな景色を見てる人たちも、しっかり壊れちゃってね!」という煽りから、シングル曲「Limit」へ。この曲ではギター・ソロを弾くSUGIZOの肩に、RYUICHIが手をかける場面もあった。

「Brand New Days」「誓い文」とアルバム曲を挟み、再びRYUICHIのMCへ。「ずっとずっとロックを追いかけて、30年になろうとしてるんだけど…」としみじみ話すと、暖かい拍手が贈られる。それに応えるように「自分たちの中でロックはヤバそうな匂いとか、ヒリヒリした匂いとかしてたけど、攻撃的なものだけじゃないって、みんなに支えられてわかってきたんだよ。人の気持ちをひとつにする。これだけの人たちがひとつになる瞬間に感謝です。みんなどうもありがとう」と感謝の思いを告げた。

続く「gravity」からはミディアム・テンポの楽曲を続けて披露。アルバムでもちょうど折り返し地点に配置されている「闇火」では INORAN がアコースティック・ギター、SUGIZOがバイオリンに持ち替え、ステージ後方に灯る炎を背にRYUICHIはときにしゃがみ込みながら絞り出すように熱唱。さらにリズム隊をのぞく3人で「I for You」を貴重なアコースティック・バージョンで演奏し、彼らの暖かい一面を垣間見せた。

3つ並んだバスドラムが目を引くドラム・セットを照明が照らすと、真矢が「きょうはツアー・ファイナルでLUNA SEAの29回目の誕生日だぞ!いままでで一番最高な日にしようぜ!」と呼びかけ、ど迫力のドラム・ソロを披露。続けてJが登場すると、センター・マイクの前に立ち「ツアー・ファイナル、とことん行こうぜ!」と叫びベース・ソロへ。360度を埋め尽くした観客は、精一杯の歓声で応えた。

再びメンバー5人がステージに揃い、「Be Awake」へ。RYUICHIの「今夜はほんと最高です!まだまだやり足りないと思うので、さらに盛り上がって行こうぜ!」という声から、終盤に向けて「STORM」「TIME IS DEAD」とアップテンポのナンバーを容赦なく連発した。

さらに真っ赤な照明が激しく明滅するなかで放たれたのは「ROSIER」。ソロ・パートからJが「行くぞ武道館!」と絶叫しマイク・スタンドを放り投げると、ライヴは終盤へと向かう。カラフルな色とりどりの光のなかで披露されたのは、アルバムの最後を飾る「BLACK AND BLUE」。ラストは会場一体となって手を振りながらシンガロングし、本編を締めくくった。

満員の観客による「Happy Birthday to You」の歌声に導かれ、再び5人がステージへ。楽しそうに肩を組むINORANとSUGIZOの微笑ましい姿も。アンコールは、そんなSUGIZOの優しいギターの音色が印象的な「So Sad」からスタート。続いてメンバー紹介が行われた。

Jは「ツアー・ファイナル本当に最高です。全国各地、集まってくれたみんな、ほんとありがとう!」と感謝。INORANに耳打ちされたRYUICHIは「愛してるって」と代弁。しかしその後、INORANが「最高のツアーでした!また俺ら5人の絆が深まっちゃいましたよ!本当にどうもありがとう」と自らの口で思いを伝えた。

SUGIZOはマイク通さず「武道館!」と3回叫ぶと、「三十路になりますが、アラサーのLUNA SEAを、これからも末永くよろしくお願いします」。続いて紹介されたRYUICHIは「30周年でしょ?まだ決まってないけど、メンバーとツアーもう一回やりたいし、アジアとか、行きたいところがいっぱいあるなって。来年も盛り上がって行こうぜ!」と呼びかけた。

「先生をお招きしたいと思います」と紹介され、センター・マイクの前に立ったのは“トリ”を務めた真矢。「この29年間ずっとドラムを叩いて幸せなんだけど、一個だけずっとやりたいことがあった」と思わせぶりな発言から、「SUGIZOとINORANが(演奏中に)お尻をふりふりしてるのが本当にうらやましくて。それやっていいか!?」とまさかの提案。SUGIZOの立ち位置に向かい、全身に風を受けながら客席の手拍子のリズムに合わせてお尻をふりふりすると、「きょうはこれで夢叶ったよ!ありがとな!」と満足そうな笑顔を見せた。

和やかなムードのなか、最後にRYUICHIが来月行われる〈LUNATIC FEST. 2018〉に向けて「あっという間だよね。今世紀最高のフェスにしたいから。今日を超えて行こうね」とアピールした。

再び演奏に戻り、ライヴはクライマックスへ。「BELIEVE」「PRECIOUS…」と続き、「おまえら全員でかかってこーい!」という声を合図に放たれたのは「WISH」。銀テープが場内に舞い、頭上に「LUNA SEA」のロゴが見守るなかで渾身の演奏。鳴り止まない拍手と歓声に包まれながら、RYUICHIが「みんなのおかげでこのツアー最高でした。本当にどうもありがとう」と感謝を告げ、最後に場内一体となってジャンプ、ライヴは大団円を迎えた。

そのまましばらく名残惜しそうにステージに残り、客席を見つめるメンバーも。INORANは「最高のツアーでした!ルナフェス思いっきり暴れようぜ!」、Jも「武道館どうもありがとう!また騒ごうぜ!」と再会を誓った。

最後まで残り、スタンド1階最前列のひとりひとりと握手やハイタッチをしていたのはSUGIZO。手に触れて感極まる人も見受けられるなか、ひとりステージのセンターに向かう。そして深く礼をすると、そのまま1分近く頭を下げていた。

約2時間半、全20曲を披露したツアー・ファイナル。アルバムの楽曲を中心にしながらも、アニバーサリーにふさわしく新旧の代表曲を織り交ぜた選曲で、バンドのいまを体現した内容となった。

今後については未発表ながらも、各々のメンバーが口にした30周年に向けた思い、そしてRYUICHIの「メンバーとツアーもう一回やりたいし、行きたいところがいっぱいある」という言葉。まずはルナフェスの開催が控えているが、それ以降のバンドの活動にも、おおいに期待したい。(前田)

〈The Anniversary 2018 The LUV -World left behind- FINAL〉
2018年5月29日(火)日本武道館
LUNA SEA セットリスト
1. Hold You Down
2. TONIGHT
3. Dejavu
4. JESUS
5. Limit
6. Brand New Days
7. 誓い文
8. gravity
9. 闇火
10. I for You (Dr&Bass less ver.)
11. Dr.solo (Ride〜) & Bass solo
12. Be Awake
13. STORM
14. TIME IS DEAD
15. ROSIER
16. BLACK AND BLUE
アンコール
17. So Sad
18. BELIEVE
19. PRECIOUS…
20. WISH

・LUNA SEA オフィシャルサイト
http://www.lunasea.jp/


[ニュース] INORAN, J, LUNA SEA, SUGIZO, Tourbillon, 河村隆一, 真矢

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