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2018/05/23 12:11

 

【ライヴレポ】BiSH、12,000人を愛で包んだ横浜アリーナ

 

「BiSをもう一度」と言って始まったBiSHが、BiS解散の地・横浜アリーナに立った。チケットは即完。結成から2年と半年経たずしてそれを成し遂げてしまうことがどれだけすごいことか。

開場前には新作の物販は売り切れ、菊名の駅では「コンサートのために来場者が多くなっています」とのアナウンスが流れていた。

ほぼ定刻通りに客電が消え、モニターに映像が映し出される。

メンバーは、選ばれし6人の戦士

孤高のドラゴン セントチヒロ・チッチ 
完全無欠のD型ロボット アユニ・D
鋼鉄メガネ ハシヤスメ・アツコ
酒灼けハスキーボイス アイナ・ジ・エンド
狼家族 リンリン
三代目物書き モモコグミカンパニー

との紹介があり、ステージの下からメンバーがせり上がって登場。大歓声の中「BiSH- 星が瞬く夜に-」からライヴが始まった。BiSHのほぼ全てのライヴで、時にはこの曲しかやらない日もある定番中の定番曲だからだろうか。気負いもなく、メンバーのアジテーションも普段通り、巨大な会場に全く負けることなく所謂素晴らしい立ち上がりだった。「BiSHが横アリに来たぞー!」そう叫んで、会場一体となり肩を組んでヘッドバンギングする姿は爽快だった。そのまま2曲目は「ヒーローワナビー」。リアル脱出ゲーム×アイアムアヒーローの主題歌として書かれ「ヒーローになりたくて歌ってた」と叫ぶこの曲は、 BiSHの名曲の一つであり、ライヴで最も盛り上がる曲の一つだ。3曲目は「PAiNT it BLACK」。金髪にしたリンリンが堂々と踊っていたのがとても印象的だった。

アユニが静かに「BiSHです。よろしくお願いします」と言って「3D彼女 リアルガール」エンディングテーマ「HiDE the BLUE」、そして「SCHOOLYARD」と新曲が続いた。叫び系のアジテーションの多いBiSHが、こんな曲紹介をすること自体、落ち着きと余裕を感じる。そして本の出版やWACK合宿の参加などで、この半年とても自信がついたのだろうモモコが、とても美しく見えた。

2017年7月に行われた幕張メッセ公演では、彼女たちは「もっとできた」と悔しさをにじませていた。そこから10ヶ月。表情、ダンス、歌…全てが段違いに良くなっていて、こうも変わるものかと驚く。この場所でやることはもう結成の時から決まっていたかのような、そんなライヴだ。

ハシヤスメが「みんなー社会のルール体操始めるよー!」と言って「社会のルール」が始まった。アイナとチッチが両サイドの花道に別れて煽り始め、それに呼応するように、清掃員が楽しそうに踊る。僕の前にいた女の子たちも、とにかく楽しそうに踊っていた。そして、BiSHにとって大事な曲の一つ「オーケストラ」。昨年のWACK合宿で、BiSにこの曲を奪われたときに大泣きしたチッチが、今日この場で、この曲を必死に歌う。その姿を見るだけで涙が止まらない。続いて最新曲「Life is beautiful」を披露。BiSHにとって初となるラブソング、アユニが曲の後半でステージから姿を消す演出には会場がどよめいていた。

ここでチッチが「来たぜー! 横アリ!」とアジテーションをかまし、会場の空気を一変させる。リンリンのデスボイスが炸裂する「GiANT KilLLERS」へ。BiSHのハードコアな部分を凝縮した名曲だ。普段なら巨大なモッシュピットができるこの曲だが、今日は席があるので自由に動くことができない。それを察してか、アユニが「端から端まで声出せますかー!」と煽ることで、皆モッシュができないフラストレーションを声に変えて叫ぶ。

「MONSTERS」では、チッチが「すべて呑みこんでいこうぜ!」、アイナが「横浜アリーナ、あげていこーぜ!」、ハシヤスメが「みんなかかって来いやー!」と煽る煽る。更には、清掃員がみんな大好きな「OTNK」で大歓声を上げ、ダンスを完コピして楽しそうに踊る。さらに勢いを止めずに「My landscape」へ。この曲はとにかくアイナとチッチの歌が素晴らしく、2人の歌唱力がずば抜けていることを証明している。そして前半戦ラストは「SMACK baby SMACK」。この怒涛の流れは、楽曲が良いのはもちろん、ライヴで叩き上げられてきたことによってとにかくどの曲もパフォーマンスの完成度が高い。

会場のボルテージが上がりきったところで、お待ちかねのハシヤスメの茶番劇の時間に。「冒頭の映像は全部嘘。私は鋼鉄メガネではなくセラミックのメガネだし、本当は「命の伝道師」なの。そして余命あと数秒のハシヤスメアツコなんだよ!」と言って死んでしまい…まさかの「生きててよかったというのなら」につなげるという、過去最高のすべり芸というか、横浜アリーナでも相変わらずの意味不明な芸だった。ただ、清掃員はこのすべり芸を本当に愛してやまないのだ。幕張メッセではラストに歌われたBiSHの強いメッセージでもある「生きててよかったというのなら」。彼女たちに勇気をもらって生きている人がここにはどれだけいるのか。それを考えるだけで彼女たちの影響力の大きさを感じることができる。

そしてモモコの歌詞がとても印象的な「JAM」。

一番なんて僕はいらないから君にあげよう
誰かの上 立たなくてもさ 輝けるはずだから

アイナのコーラスに合わせてモモコが歌い上げるからこそ、まっすぐに伝わり共感を呼ぶ。さらに彼女作詞の「ウォント」に繋がっていき、ぐっと彼女特有の歌詞の世界を聴かせてくれる。

後半戦はBiSHらしいメロディックソング「ファーストキッチンライフ」で一気にスパート。そしてこの曲でBiSHは始まったと言っても過言ではない、1st albumの1曲目「スパーク」。落ちサビを歌うアイナへ何本もピンスポットがあたり、最後に全員で熱唱する姿は圧巻だった。

そして代表曲「プロミスザスター」では、メンバー全員の気持ちがこの曲に乗り移ったかのように、とにかくエモーショナルに歌い上げる。間違いなくこの曲が彼女たちを押し上げたし、彼女たちもそれを理解しているからだろう、感情の波は最高潮に達し、会場の熱気も最高到達点に達した。

そして本編ラストは「DA DANCE!!」の12,000人のダンスと「beautiful さ」の12,000人のトゲトゲダンス! モモコは「みんな大好きだー!」と、チッチは「私は音楽に救われたから、今度は私たちの音楽がみんなの糧になりますように」と叫び、とにかく自由にはしゃぐ。何よりメンバーの笑顔が止まず楽しそうだ。そして「DA DANCE!!」で舞った銀テープにはこんな文字が。

TO the  END TO the START

アンコールで出てきたメンバーは、一人一人、こんなことを我々に伝えてくれた。

アユニ
「このステージに立てたことに感謝しています。そして今度はみなさんに恩返しします」

リンリン
「横アリは、私の好きな人がやった場所! その場所を、通過点として通れて光栄です。そして東京ドームも夢じゃなくなった」

ハシヤスメ
「記念すべき日に会いに来てくれてありがとう。立てて本当に嬉しい。でも立ちたい場所はいっぱいあるし、夢の夢じゃなくなったので、BISHで大きい場所をめざしていけたらって思っています」

モモコ
「まだまだこれからが力の見せ所。みなさんを打ち負かすから見ててね」

アイナ
「こんなに多くの人が振り付けてくれたり、口ずさんだりしてくれると思わなかった。もっと精進するね」

チッチ
「BiSHが始まってからいつも1人じゃなかった。大きくなるに連れていろんな人に出会えて、大好きな人が増えてく人生が大好きです。このワンマン、終わりではなく、こっからがBiSHだと思っています。ぶちかましていくんで、よろしく!」

メンバーも、スタッフも、皆がすでにここから先の未来を見ていた。「TO the END」というライブ・タイトル、それはBiSの解散したこの横浜アリーナで、「BiSをもう一度始める」という言葉に本当の意味で終止符を打ち、ここから新たな歴史を刻む「TO the START」という決意表明の日だったのだ。メンバーもスタッフも清掃員も、ここから先は未知の領域だ。どんなモンスターがいるかわからない。それでも BiSHについていけば、まだまだ見たことのない景色が見られる気がする。我々もBiSHに言いたい。「ここまで連れてきてくれてありがとう。そしてさらなる未来が楽しみです」と。

チッチが「今日は本当にありがとうございました。ここにいる全ての人に愛を込めて」と言って、「ALL YOU NEED IS LOVE」で『BiSH "TO THE END" 』は終了した。

横浜アリーナを即完させたBiSH。何故彼女たちにそれほどの魅力があるのか。

それはやはり彼女たちが普通の女の子だからだ。決して英才教育を受けたわけではなく、歌もダンスも努力して今や随分上手くなったけれど、それでもまだまだ荒いところは目立つ。しかし、目の前の清掃員がアイナが作った振り付けで楽しそうに踊っているのを見ていると、不器用ながらも一生懸命頑張って生き続けているメンバーの等身大の姿に自分自身を重ねることができるからこそ共感を呼んでいるのだと気づくのだ。

今日のライヴで、やっぱり僕は彼女たちを応援し続けたいと思った。そして一緒に生きていきたいと思った。そう思わせる力が今の彼女たちにはあるし、アンコールの掛け声とともに会場を埋め尽くした、清掃員一人一人がつけたライトの星空がそれを証明していた。

・BiSHの作品はOTOTOYで配信中
http://ototoy.jp/_/default/a/114516

BiSH "TO THE END"
2018年5月22日(火)横浜アリーナ
セットリスト
1. BiSH- 星が瞬く夜に-
2. ヒーローワナビー
3. PAiNT it BLACK
4. HiDE the BLUE
5. SCHOOLYARD
6. 社会のルール
7. オーケストラ
8. Life is beautiful
9. GiANT KilLLERS
10. MONSTERS
11. OTNK
12. My landscape
13. SMACK baby SMACK
14. 生きててよかったというのなら
15. JAM
16. ウォント
17. ファーストキッチンライフ
18. スパーク
19. プロミスザスター
20. DA DANCE!!
21. beautiful さ
encore
EN 1. ALL YOU NEED IS LOVE

■ツアー情報
2018年10月10日(水) 東京 中野サンプラザホール 
開場17:30 開演18:30 
お問い合わせ SOGO TOKYO 03-3405-9999 

2018年10月20日(土) 宮城 仙台銀行ホール イズミティ21(大ホール) 
開場17:00 開演18:00
お問い合わせ G/I/P 022-222-9999

2018年10月27日(土) 香川 レクザムホール(香川県県民ホール)
開場17:00 開演18:00 
お問い合わせ DUKE高松 087-822-2520

2018年10月29日(月) 大阪 オリックス劇場 
開場17:30 開演18:30 
お問い合わせ グリーンズ 06-6882-1224

2018年11月6日(火) 神奈川 神奈川県民ホール 
開場17:30 開演18:30 
お問い合わせ KM MUSIC 045-201-9999

2018年11月11日(日) 北海道 わくわくホリデーホール(札幌市民ホール) 
開場17:00 開演18:00 
お問い合わせ WESS 011-614-9999

2018年11月15日(木) 東京 昭和女子大学 人見記念講堂
開場17:30 開演18:30 
お問い合わせ SOGO TOKYO 03-3405-9999 

2018年11月21日(水) 東京 オリンパスホール八王子
開場17:30 開演18:30 
お問い合わせ KM MUSIC 045-201-9999

2018年11月23日(金・祝) 福岡 福岡市民会館
開場17:00 開演18:00 
お問い合わせ BEA 092-712-4221

2018年11月25日(日) 京都 ロームシアター京都
開場17:00 開演18:00 
お問い合わせ グリーンズ 06-6882-1224
 
◆BiSHファンクラブ先行
【受付期間】
5/27(日)12:00 ~ 5/28(月)12:00  ※先着受付 ※お一人様1公演につき1枚まで
【受付期間】
5/28(月)18:00~6/4(月)23:00 ※抽選受付
◆WACK FAMiLY CLUB先行 ・通常チケット S席 ¥7,000(税込)/A席¥3,500
【受付期間】
6/5(火)18:00~6/11(月)23:00 ※抽選受付
◆HP抽選先行 ・通常チケット S席 ¥7,000(税込)/A席¥3,500
【受付期間】
6/12(火)18:00~6/18(月)23:00 ※抽選受付
◆統一PG先行 ・通常チケット S席 ¥7,000(税込)/A席¥3,500
【受付期間】
6/19(火)18:00~6/25(月)23:00 ※抽選受付
◆各地エリア先行 ・通常チケット S席 ¥7,000(税込)/A席¥3,500
【受付期間】
6/26(火)以降
◆チケット一般発売日 8/4(土)AM10:00~

■ライヴ情報
〈TO THE END,THE END〉
2018年5月26日(土)KLUB COUNTER ACTION MIYAKO
時間 : Open 16:00 / Start 17:00
チケット料金 : 4,500円(税込) 入場時にドリンク代別途必要
※宮古市民キャッシュバックあり
KLUB COUNTER ACTION店頭先行販売:5/23(水)12:00~
一般発売:5/25(金)AM10:00~

<AbemaTV>
AbemaTV 『独占最速放送!BiSH横浜アリーナワンマン“TO THE END”〜bpm#84』
放送日程:6月23日(土)
放送時間:夜9時~夜10時
放送チャンネル:AbemaSPECIAL
<出演者>
BiSH
<MC>
黒木啓司(EXILE / EXILE THE SECOND)
放送URL: https://abema.tv/channels/abema-special/slots/DLjyBXQsktN9su
※放送内容は変更になる場合があります。予めご了承ください。

<商品情報>
アーティスト:BiSH
タイトル:Life is beautiful / HiDE the BLUE
AVCD-94076/B~C (初回生産限定盤)
価格:¥10,000-(+tax)
CD(8cm CD)+Blu-ray+PHOTOBOOK(80P)+SPECiAL BONUS CD(12cm CD)
BOX仕様、8cm CD仕様(スマプラ対応、Life is beautiful / HiDE the BLUEのみ)
※スマプラミュージックにより音源/映像ともにお手持ちのデバイスにDL可能です。
※スマプラミュージックhttps://sp-music.jp/pages/guide

-CD (8cm CD)-
1. Life is beautiful
2. HiDE the BLUE

-Blu-ray-
2018.04.22 NAKANO SUNPLAZA
BiSH pUBLic imAGE LiMiTEd TOUR FiNAL

1. SHARR
2. My distinction
3. オーケストラ
4. DA DANCE!!
5. SMACK baby SMACK
6. 本当本気
7. BODiES
8. JAM
9. プロミスザスター
10. スパーク
11. spare of despair
12. VOMiT SONG
13. Here’s looking for you,kid.
14. GiANT KiLLERS
15. OTNK
16. MONSTERS
17. FOR HiM
-ENCORE-
18. My landscape
19. PAiNT it BLACK
20. BiSH-星が瞬く夜に-

Music Video
Life is beautiful
HiDE the BLUE
透明なままでゆけ。(キリンレモン×BiSH)

Making Movie

-SPECiAL BONUS CD-
1. SCHOOL GIRLS,BANG BANG (2018.04.21 NAKANO SUNPLAZA)
2. TOUMIN SHOJO (2018.04.21 NAKANO SUNPLAZA)
3. Primitive (2018.04.21 NAKANO SUNPLAZA)
4. Is this call?? (2018.04.21 NAKANO SUNPLAZA)
5. SCHOOLYARD (2018.04.21 NAKANO SUNPLAZA)
6. ALLS (2018.04.21 NAKANO SUNPLAZA)
7. デパーチャーズ (2018.04.21 NAKANO SUNPLAZA)
8..My distinction (2018.04.22 NAKANO SUNPLAZA)
9..VOMiT SONG (2018.04.22 NAKANO SUNPLAZA)
10. spare of despair (2018.04.22 NAKANO SUNPLAZA)
11. FOR HiM (2018.04.22 NAKANO SUNPLAZA)
12. My landscape (2018.04.22 NAKANO SUNPLAZA)
13. 透明なままでゆけ。(キリンレモン×BiSH)

AVCD-94077/B
CD(12cm CD)+DVD
価格:¥4,980-(+tax)

-CD-
1. Life is beautiful
2. HiDE the BLUE

-DVD-
2018.04.22 NAKANO SUNPLAZA
BiSH pUBLic imAGE LiMiTEd TOUR FiNAL

1. SHARR
2. My distinction
3. オーケストラ
4. DA DANCE!!
5. SMACK baby SMACK
6. 本当本気
7. BODiES
8. JAM
9. プロミスザスター
10. スパーク
11. spare of despair
12. VOMiT SONG
13. Here’s looking for you,kid.
14. GiANT KiLLERS
15. OTNK
16. MONSTERS
17. FOR HiM
-ENCORE-
18. My landscape
19. PAiNT it BLACK
20. BiSH-星が瞬く夜に-

AVCD-94078
CD (12cm CD)
¥1,000-(+tax)

-CD-
1. Life is beautiful
2. HiDE the BLUE


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