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2017/11/23 22:00

 

“We Love You!!” Temple of Kahn、『Good Luck e.p』リリパで荒ぶる音楽愛が爆発―OTOTOYライヴレポ

 

2017年11月12日(日)東京・神楽音にて〈Temple of Kahn ”Good Luck” release party〉が開催された。

このライヴは、元Aureoleの森大地(Vo.Gt.Syn)が中心となり萩原朋学(Dr:KAGERO/SaraGrace'sOneHotNight)、tsubatics (B:exAureole/MUSQIS/suthpire)、松本一輝 (Gt:THE ROAMERS/ リリカ リリス)、桑原渉 (Syn.tp:WINDOWZ)の5人で結成された新バンドTemple of Kahnが11月8日に発売した7曲入りのEP「Good Luck e.p」のリリースを記念して行われたもの。共演者にはTAMTAM、マドナシ(キツネの嫁入り)&佐藤香、LAGITAGIDAを迎え、会場となった神楽音はギッシリ満員の盛況となっていた。

バンドがステージ上がりセッティングが終わると、森が「バーカウンターのみなさん、Temple of Kahnはじまるぞ~!」と、フロアだけでなく扉の向こうのバーカウンターにいるお客さんにも呼び掛けてライヴがスタート。確かにバーカンまでお客さんが溢れていた。

4つ打ちのリズムと浮遊感のある音が交差するイントロから始まったのはEPからの「Sweeper」。土着的にうねるtsubaticsのベースと萩原が叩く電子パッド、松本の歪んだギターの音を中心としたサウンドにハイトーンで声を乗せていく森。エレクトロなリフレインにより混沌とした音の中をかき分けるように桑原がトランペットを奏で登りつめていく。さながらマイルス・デイヴィス『ビッチェズ・ブリュー』をアップデートしたような世界観にも思えた。続いて16ビートで疾走するバンドサウンド「The Reason」で圧倒すると、「元気ですかー!? ようこそTemple of Kahnのリリースパーティーへ!」と改めて森が第一声。自ら「浜崎あゆみ顔負けのMC」と言いながら「ようこそ~! (鼻にかかった感じで)」ともう一度声をかける森。なんだかテンション高めで上機嫌だ。しかし、「Good Luck e.p」はこの日のリリースパーティーを先に決めてから作り出した作品であることを告白。すでに新曲を作っているとのことで、次のアルバムに導いてくれるはずの曲、との曲紹介からドリーミーな新曲を披露した。美メロな歌モノ「Cut And Paste」、キャッチーなポップス「Passing Through The Gates」は色とりどりの映像も相まって気分を高揚させられた。

中盤ではマーク・ロンソンの「Daffodils」をカバー(Tame Impalaの影響?)。ギターのリフでグイグイ引っ張るかなりカッコいいカバーだった。対照的にEPのオープニングを飾るR&Bテイストのナンバー「Always Hope」でメロウに聴かせ、幅広い音楽性を見せる。最後のMCでは音楽シーンのリアルな現状を話しつつ、「もう良い歳というか、今日出てる方もお客さんもおじさんおばさんばっかりだと思うんですけど…」とナチュラルな毒舌で対バンとお客さんを挑発する(?)森。すかさず客席から「ちがうだろ~!」と流行語大賞候補ワードが飛び交う事態に。「若い人は“歳をとった人の音楽なんて”って思ってるし、若くない人は“若者の音楽め”って思ったりすると思うんだけど、でもそんなんじゃダメ。そんなの関係ねぇ!ってことで、これからも色んな音楽を聴いていきましょう! どうですかおじさんおばさん! We Love You!!」と、楽曲の熱さとは違うベクトルの熱さでお客さんを盛り上げる森のMCがこの日のハイライトの1つでもあった。その後のに披露された本編ラストの「Levitate」はそんなゆるエモなMCとは対極をなす、怒涛の打音と変拍子のハードチューン。後半ファンキーなギターリフを核としたループが延々続く展開にトランペットも加わり、カオス極まる大迫力のエンディングとなった。アンコールではEPの最後を飾る「Good Luck」でライヴを締めくくった。

まだまだ始まったばかりのTemple of Kahn。何やら吹っ切れた感のあるキレッキレな森の存在感もあり、これからバンドがどう変化していくのか非常に楽しみになったリリースパーティーだった。We Love You!!

取材・文:岡本貴之
PHOTO:たけだ きろぐらむす(kontroller)

〈Temple of Kahn ”Good Luck” release party〉
2017年11月12日 (日)神楽音

出演:TAMTAM / マドナシ(キツネの嫁入り)&佐藤香 / LAGITAGIDA / Temple of Kahn

Temple of Kahn
〈セットリスト〉
1.Sweeper
2.The Reason
3.新曲
4.Cut And Paste
5. Dread
6. Passing Through The Gates
7.Daffodils (Mark Ronson Cover)
8.Always Hope
9.Levitate
アンコール
10.Good Luck


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