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2017/09/19 22:00

 

里咲りさ、Zeppワンマン開催迫る!黒字まで「あと80万円必要」――イベント・レポート&インタビュー

 

里咲りさが9月14日、東京・タワーレコード新宿店で新アルバム『サイン』発売記念イベントを開催した。

9月6日に同作を発売して以降、名古屋・大阪をふくむ各地でリリース・イベントを行ってきた里咲。この日はその最終日で、Zepp DiverCityワンマンも直近に控えていることもあり、注目を集めるなかでのイベントとなった。

里咲はステージに登場すると「今日がリリイベ最後です!もう体力の限界です!来てくださった方、ありがとうございました。今日は心を込めて歌いたいと思いますので、よろしくお願いします」とあいさつ。タイトル曲「サイン」などアルバムから5曲を、オケにあわせて立て続けに披露した。

集客が心配されている自身最大規模となるZeppワンマンについて、収容予定人数の半分ほどチケットが売れたことを明かしつつ「まだチケットはいっぱいあるので買ってください!バンド超かっこいいよ」とアピール。「打ち合わせしたら機材がいっぱい必要で、物販をがんばらなきゃいけないんです。大箱ではチェキはやらないのが普通みたいなんですけど、やるかも」と苦しい懐事情を明かした。

また「最近、本当にひとりでやってるのかってくらい(仕事量が)ギリギリで。ギリギリな状態なのと、やっと解放されるんだって気持ちで、(Zeppでは)いまだかつてない里咲りさのライヴが見られると思います」と高めなテンションで語った。

ミニ・ギターによる弾き語りで「かわいた空気の夜に」をしっとり聴かせたあと、最後に再びオケで「シャイガール戦争」を披露。コールが飛び交うなかで盛り上がりはピークを迎え、リリイベ最終日を締めくくった。

〈里咲りさ『サイン』リリース・イベント〉
2017年9月14日(木)タワーレコード新宿店
セットリスト
1. サイン
2. Hot!夏!さま~
3. 410
4. 信号
5. オリーブ
6. かわいた空気の夜に (弾き語り)
7. シャイガール戦争

このライヴのあとにインタビューを行い、新アルバムや22日に開催が迫ったZepp DiverCityでのワンマン・ライヴについてうかがった。
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■「やっと自分にしっくりくる里咲りさらしさが見つかった」

――新アルバム『サイン』がリリースされました。

里咲:ソロ活動をはじめてから3年間、いろんな曲調をやってきたなかで、無理なく楽しいというか、やっと自分にしっくりくる里咲りさらしさが見つかってきた気がします。これが里咲りさらしさだっていうスタートのアルバムになったんじゃないかなと思います。

――里咲さんが考える、らしさとは?

里咲:どんな曲でもウィスパーで歌うとか、サウンド面でもヴォーカルをどれだけ立たせるかとかを考えて作りました。あと例えば、めちゃくちゃバンドっぽい音にしたとしても、かわいめのシンセの音を付け足したりして、いつもどこかにかわいらしさを入れるようにしています。

――今回は鈴木Daichi秀行さんが2曲編曲を担当していますね。

里咲:もともとYUIさんの編曲をやっているのは知っていたから、いつか絶対に頼みたいとは考えていたんですけど、アルバムを作り始めて何曲かできたときに、今回のリード曲のアレンジをお願いしたいって気持ちがわきあがったんです。それで、ダメ元でメールしました。

――それまで、まったく面識はなかったんですか?

里咲:全然です。なので、Daichiさんのホームページからメールしました(笑)。知り合いの作曲家さんのツイッターとかをとおして、もしかしたら間接的には里咲りさを知ってくださっているかもって思いはあったんですけど。

――どんな返事がきましたか?

里咲:いいですよって快諾してくれました!インディーズでがんばっている里咲りさを自分がやるのは超面白いと思うからって。すごく優しいんですよ。Twitterでも拡散とかしてくれるし。

――これまでソロはずっと灘藍-NadaAi-さんと一緒に楽曲制作をしてきましたが、ほかの人とやることに抵抗はなかった?

里咲:刺激にもなるし、成長にもなるし、勉強になると思って。夢を叶えるタイミングがいまだったのかなっていうのもあるし、これからも尊敬してる方々とたくさん仕事をしていきたいですね。

■「"ネオカイザー新規"はあまりいない」

――アルバムは灘さんアレンジの曲もふくめて、これまで以上にメジャー感がありますよね。

里咲:全体のサウンド・プロデュースをいつも灘さんにお願いしてて、今回はアルバムの制作に入る前に、どういうことやっていきたいかっていうのを細かく伝えてさせてもらいました。もっとポップになりたいしメジャーに挑戦していきたいっていう気持ちはずっとあって、これまで以上に幅広い人が聴くことを意識して作りました。スタジオのスピーカーや良いヘッドフォンではなく、なんとなく聴いた人が良いと思えるものが作りたいなと。あと、寝る前に聴けて癒しになるっていうのは大きなテーマでした。

――アルバムももう3枚目ですもんね。

里咲:どんどん押し上げられる立場になっているなって。アイドルの対バン・イベントとかに出ても後輩ばかりなんですよ。前はわたしが下っ端だったのに。だから、どんどん上に行けるときに行かないといけないんだなって。同じところでがんばれるタイプではないと思うし、どんどん挑戦して、行けるところまで行きたいです。

――以前、ずっとインディーズでやりたいとおっしゃっていましたが、いまでもメジャーに行く気はない?

里咲:ん〜…ちょうどいま、いろいろ考えているところですね。

――具体的には、どういう条件ならメジャーと契約しますか?

里咲:ちゃんと宣伝してくれて、仕事を取ってきてくれる人がいたらいいなあ。メジャーにこだわらなくても、大きな会社と仕事をするときにサポートしてくれるような信頼できるマネージャーがほしいなと思っています。もっとメディアの仕事を増やしていきたい気持ちが強いので。

――最近の里咲さんは栄養ドリンクの「ネオカイザー」ネタでバズっています。もともとは社畜イベント(自主レーベル「フローエンタテイメント」の戦略会議と称したファン・ミーティング的なイベント)に持ち込まれたのが最初だったんですよね。

里咲:今年の1月に池袋で開いた社畜会議ですね。会議室を借りてやったんですけど、ファンの方がいろんなものを持ち込んでくれて。みなさんは労働者ということだったので、いろんな栄養ドリンクとかを持ってきてくれたんですけど、そのなかにネオカイザーがあったんです。

――それがいまになってバズったと。

里咲:某大型アイドルフェスをやっている近くで「ダンボールガーデン」ていうステージを勝手に作って歌ったんですけど、そこにも大量に持ってきてくれて、余ったものをオタク同士で知り合いのオタクに配ったりしてくれたんですよ。それをツイートしてくれる人とかが結構いて、すごい勢いでバズりました。

――これまでとは違うシーンにも届いていた気がします。

里咲:東京女子流にまで届いちゃった。わたしじゃなくて、ネオカイザーが(笑)。

――里咲さんの名前も少しは広まったんじゃないですか?ネオカイザーとコラボした〈フェスボルタ〉のポスターもインパクト大でしたが、集客や売上につながってる実感はない?

里咲:うーん…まだないですね(苦笑)。ポスターが話題になって、ネオカイザーの人っていうことで〈フェスボルタ〉のときはすごく見てくれる人が多かったけど、ネオカイザー新規はあまりいないかも。でもTwitterのフォロワーは50人くらい増えました。

■「あと80万円必要」

――Zeppでのコラボも予告していましたが、その後進展はあったんですか?

里咲:入場のときにネオカイザーを提示すると無料で入れるようにしようと思ったけど、(チケットを買った人が)不公平になると思って、まだ検討中です。

――ロビーで音漏れを聴くだけの「ネオカイザー専用エリア」を作るみたいな噂も聞きましたが、実現は難しそうですかね。

里咲:明日(9月15日)その打ち合わせなんですよね。でもここにきて順当にチケットが売れてきていることもあるし、それをやってしまうことによって、「おもしろコンテンツ」という話題や後味になるのが嫌で悩んでるんです。そっちの方がツイッターとかではきっとウケちゃうから。結構な覚悟と真剣な気持ちで今回のライヴを作り込んでるので、そのあたりはバランスよくやりたいと思ってます。

――なるほど。

里咲:あとドンキ(ネオカイザーの販売店)とコラボしたロゴTを作りたかったんですけど、ネオカイザーみたいに簡単に許可がもらえなくて。やってもいいけど、許可がもらえるのはZeppが終わったあとになりそうだって。

――Zeppのチケットは、なんだかんだ半分ほど売れたそうですね。

里咲:びっくりしました。でも同情で多めに買ってくれている人もいると思うから、もう少し売りたいです。

――スポンサーもつきましたけど、収益的にはあとどのくらい売れば黒字になるんですか?

里咲:あと80万円必要です。照明とか音響とかにこだわりすぎたのと、人がいっぱい必要でアルバイト費とかもかかるので。

――チケット1枚3800円だから、単純計算するとあと200枚ちょっと売らないといけないですね。

里咲:売りたい!そしたら物販の収益がまるまるプラスになる!

■「"これからはこういうおもしろさだ!"っていうのを見つけた」

――ステージの演出部分では、具体的にどういう部分に凝っているんですか?

里咲:横断幕がある予定なんですけど、それが結構高かった。あとセンター・ステージを作りたかったけど、40万円かかるらしいんですよね(笑)。(センター・ステージ用の)柵と警備員は用意できたんですけど。

――肝心のステージがまだないと(笑)。

里咲:aikoさんとかはセンター・ステージを駆け抜けるようなイメージがあるじゃないですか。それをやりたいんです(笑)。ただ実はセンター・ステージに関しては、いまの里咲りさにしかできないようなほかのアイデアも考えているので、当日は楽しみにしていてほしいです。

――それは期待できそうですね。ほかに、特別なことはなにか考えていますか?

里咲:元ハイスイノナサの鎌野愛さんがピアノをやってくれることになったんです。いままでバンドに男の人しかいなかったので、女の人が入ってくれるのがめちゃくちゃうれしくて。これまでのメンバーに鎌野さんがくわわって、超フルバンドになります。わたしの新しいスタイルはこんな感じですっていうのをこのライヴで提示したくて、超練習しています。

――練習をあまりしないという里咲さんにしては、めずらしく(笑)。では普段のライヴで出している里咲さんのおもしろさみたいな部分は、この日は少し抑え気味に?

里咲:そうですね。でも、ユーモアに関しても「これからはこういうおもしろさだ!」っていうのを見つけたんですよ!それをやります。これはぜひ楽しみにしていてほしいです。そのスタイルでこれから全部ライヴをやっていこうって思っていることがあるので、みなさんに観てもらえるのが楽しみです。

――それはかなり気になりますね。

里咲:あとグッズもちゃんとしていて、Tシャツも6.0オンス(厚めの生地、普段は4.0オンスを使用しているとのこと)でデザインもちゃんとしているんです。タオルもしっかりしたやつを売ります!

――ゲストなどはいない?

里咲:いないです。いろんな人が出てあげると言ってくれてはいたんですけど、今回はひとりでやった方がかっこいいなと思って。

――里咲さんとしては、どうなればZeppは成功ですか?

里咲:Zeppがどうなるかより、そのあとに売れることが大事だと思っています。Zeppがブレイク前夜になるのか、Zeppで終わるのかってことが大事。なのですでにこれ以降を考えています。だから来てくれる人は、ブレイク前夜の貴重な里咲が見られると思って来てほしいです。これまでの里咲と、これからの里咲が一気に見られるライヴになると思うので。

■「日銭稼ぎみたいな活動じゃなくて、純粋に自分の夢を追いかけていきたい」

――今後についての大きな発表などはある?

里咲:それも絶賛調整中です!やばくないですか(笑)?あとちょっとなんですけど…。

――あと一週間ですが(笑)。

里咲:発表できるかもしれないし、できないかもしれない(笑)。

――それを発表するかは別にして、Zepp以降はどのような活動を考えていますか?

里咲:わたしはラジオが向いていると思うので、しゃべって歌ってっていう活動をやっていきたい。なのでラジオのレギュラーをとることがいまの最終目標ですね。いまみたいにライヴ・アイドル系の対バン・イベントに出ていても、深夜ラジオに出られるかわからないじゃないですか。だからこれからはもっとわかりやすく、自分の目標に向かっていきたい。日銭稼ぎみたいな活動じゃなくて、純粋に自分の夢を追いかけていきたいです。

――ラジオはずっとやりたいとおっしゃっていましたが、最近はゲスト出演する機会も増えて、努力が少しずつ実を結んできている印象です。

里咲:深夜ラジオのレギュラーを長くやって、リスナーがいっぱいいて、それでいてちゃんと曲がいいねって言われるアーティストでありたいです。おもしろ地下アイドルじゃなくて、アーティストとして歌ってテレビに出られるようになりたい。地下アイドルはもうほとんどやりきった気がするので、音楽の方にもっと力を入れてきたいなって。

――ではライヴもいまよりは絞っていく?

里咲:そうですね。でもいま来てくれている人たちはそれだと寂しくなると思うので、落ち着いたら毎月、月例でイベントをやりたいなと思っています。それもなるべく長く続けたいなと。まだ会場は調整中なんですけど、高円寺パンディットあたりからはじめて、しばらくしたら渋谷のLOFT9くらいでできるようになれたらいいな。

――最後にファンにメッセージをお願いします。

里咲:Zeppが奇跡だったと言われるためには、当日どんな里咲りさを観せられるかだと思う。ファンのみなさんには手ぶらな気持ちで来てもらって、たくさんのものを持って帰ってもらえるようなライヴにします。ただ「もっとファンを頼って!」と言ってくださる方もいるので、最後にちょっとだけお願いしたいです。あと2日ですが、イープラスの宣伝・拡散をよろしくお願いいたします(笑)!CDをいつも買って家で聴いてくれているファンの方々にも、この日ばかりは会場まで来てもらえたらうれしいです。ワンマン、すごく楽しみです!
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取材・撮影・文:前田

里咲りさ『サイン』

https://youtu.be/cg140FB2LME

・里咲りさ3rdアルバム「サイン」
■初回限定盤(CD-R)¥3,333+税 RISAS-007
■通常盤(CD)¥2,778+税 RISAS-006
【収録曲】
1.サイン
2.カラフルクリップ
3.Hot!夏!さま〜
4.Red Space
5.オリーブ
6.410
7.信号
8.Write&Erase
9.つみき
10.エンドロール
11.メイビーネイビーベイビー

〈里咲りさ 全国ツアー2017 TOUR FINAL〉
2017年9月22日(金)ZeppDiverCityTOKYO
開場18:00 開演19:00(20:45終演予定)
チケット:イープラスで発売中
http://eplus.jp/sys/T1U14P0010164P0108P002209192P0050001P006001P0030001

・里咲りさ オフィシャルサイト
http://risamusic925.wixsite.com/risa
・アイドルとしての最終目標は? 「コインロッカーになりたい」──ぱいぱいでか美 × 里咲りさ × 絵恋ちゃん鼎談!
http://ototoy.jp/feature/20170502002
・アイドル兼社長として一躍注目を集めた里咲りさ、ソロ・アーティストとして共鳴する大森靖子との相思相愛対談!!
http://ototoy.jp/feature/20161203


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