News

2017/05/01 12:00

 

BRADIO “これから先、最高のミュージックをやるから!” ツアー・ファイナルでメジャーデビュー発表―OTOTOYライヴレポ

 

BRADIO、メジャーへ!!

4月30日(日)中野サンプラザにてBRADIOの〈FREEDOM tour 2017〉ツアー・ファイナルとなるワンマン・ライヴが行われ、つめかけたFPP(FUNKY PARTY PEOPLE)たちを最高のエンターテイメント・ショーで大満足させただけでなく、ステージ上からメジャー・デビューをサプライズ発表した。

2ndフル・アルバム『FREEDOM』を1月18日にリリースしたBRADIO。3月5日(日) 赤坂 BLITZからスタートしたツアーで全国をまわり、迎えたツアー・ファイナルは初めてのライヴとなる中野サンプラザ。絶好調のBRADIOらしく、この日のチケットはソールドアウト、当日券もなし。会場前には入場を待つとてつもない人だかりが出きていた。はたしてホールでのライヴ、いや“コンサート”でどんなパフォーマンスを見せてくれるのか?

開演直前、場内に真行寺貴秋(Vo)の声が流れ出した。曰く、「上でも下でもない、“中の”サンプラザ」でのライヴに先立ち、FPPに向けてライヴを楽しむ心得をアナウンス。開演前から爆笑の連続となりながらも、「まもなくパーティー・タイムのはじまりだ!」の掛け声から場内が暗転すると、盛大な拍手と声援に迎えられて、メンバーの、大山聡一(Gt)、酒井亮輔(Ba)、田邊有希(Dr)がステージに。続いて真行寺が登場すると大歓声だ。オープニングは、サポート・キーボードの奥野大樹(ルルルルズ)、黒人女性コーラス2人、サックス、トランペット、トロンボーンも加え、総勢10人編成でインストがスタート。上昇するコード進行で気分が高揚する演奏をバックに広いステージを左右に動き客席を煽る真行寺。じつに豪華絢爛なオープニングだ。そして早くもドラム、ベース、ギターの順にスポットライトを浴びながら一小節ずつソロを披露。「Ladies and gentlemen! It's show time! Are you ready!? Funky Party People~! We are BRADIO!」真行寺によるイントロダクションから、重いリズムでグッと粘り腰なソウル・チューン、ニュー・アルバムからの「彼女ハリケーン」でライヴがスタート。1曲目から大山のギターと真行寺の掛け合いが決まる。客席はもちろん総立ちだ。“ドーン”とイントロが鳴り、「Flyers」が始まるとドッと沸く場内。派手なライトが飛び交い、サビのファルセットに合わせて2000人以上のプチョヘンザで中野サンプラザが揺れている。ものすごい光景だ。間髪入れずに「HOTEL エイリアン」へと続くと「Oi! Oi!」とかけ声が自然発生。これはアガる! 田邊が叩くタイトなリズム、大山がテレキャスターで掻き鳴らすコードに酒井のベースが間を縫うように縦横無尽に動き回り、会場の熱狂ぶりに拍車をかける。「Super Wonderful」ではイントロでのベースとホーンの絡みから観客とのコール&レスポンス、三三七拍子でステージと客席が一体に。派手な照明も相まって前半から興奮しっぱなしだ。

「夢の中野サンプラザ、サンキューソールドアウト!」(真行寺)

メンバーそれぞれのMC、コーラス隊のイマニ&エボニー、BRADIOホーンズの紹介を挟み、ニュー・アルバムのタイトル曲「-Freedom-」を披露。ファンキーなギターカッティングを中心とした小刻みなビートから生み出されるアンサンブルは、緊張感さえ漂う演奏ながらノレるサウンド。この日は、曲間に楽器陣それぞれのソロコーナーがあり、酒井はルーパーを使ってフレーズをサンプリングして重ねていきその音に合わせてスタッカート気味なビートやスラップでソロを、大山はお立ち台に乗ってシャッフルに乗せた迫力のギターソロを、田邊は緩急をつけたドラム・ソロを全身にライトを浴びながら披露。プレイヤーとしての力量を改めて認識させられた。また、「ROOM BRADIO」と題したコーナーでは、ステージ天井からシャンデリア調のライトが下がり、メンバーが椅子に腰かけて「You Make Me Feel Brand New」「思い通りにならない世界」「Ride On Time」の3曲を演奏。とくに、真行寺の歌声と3人の演奏がピタッとハマったメロウなニュー・アレンジで聴かせた「Ride On Time」はムードたっぷりで出色の出来だった。さらに、母親やFPPへの感謝の気持ちを伝え「おかん、歌うぜ」と一言放ってから歌い出した「ギフト」は真心の込められた熱唱で、ライヴのハイライトの1つとなった。

「Playback」では鉄壁の演奏の中、泳ぐようにステージを歩きながら歌う真行寺。リラックスしたムードのR&Bが後半徐々に熱を帯びていきホーンセクション、コーラス隊が華やかに色を付ける。真行寺の声は後半に行くにつれますます好調、どんどん太くなっているかのようで、ファルセットも自在に使いこなすテクニシャンぶりだ。「Revolution」ではそんな彼のもとに、セクシーな女性3人が近づくと、カラフルな幕ですっぽり包み込み生着替えタイム(?)へ。ジャケットもランニングシャツもはぎ取られたらしき彼の姿はステージ上からイリュージョンのように消失。観客があっけにとられた瞬間、客席下手から登場! 客席は大盛り上がりだ。目ざとくアフロヘアのカツラをかぶった男性を見つけるやいなや、奪い取り自らのアフロヘアの上から装着して重ねアフロ。傍から見るとまったくわからない馴染みっぷりで爆笑を誘った。そのまま移動すると今度はファンと肩を組みながら「ナーナーナーナナナナー♪」とコーラス。ステージ戻ると今度はカメラマンに向かって股間をアピールするなど、ノリノリでやりたい放題。「スパイシーマドンナ」から歌うようなベースラインに導かれてラストの「Back To The Funk」へと、振り付けをレクチャーしながら突入。見れば、ステージ袖にいるスタッフたちもノリノリで踊っているではないか。バンドがいかに周囲に愛されているかがわかる瞬間だった。繰り返されるファルセットのリフレイン、80’sテイストを感じさせるサウンドが場内を包むミラーボールにマッチして、ディスコティックな空間に。ステージ前方から色とりどりのテープが放たれて、「最高の時間をどうもありがとう!」とステージを降りた。

白Tシャツでアンコールに応えたメンバーたちがステージに上がると、モータウン調のリズムに合わせて虹色のライトが照らし出す。コール&レスポンスから、「ALL I Need Is You」キーボード、ホーンセクションとソロを回してポップにパーティー感たっぷりに楽しませた。そして最後は大山の「みんなが誇れる存在になりたい」というMCから、真行寺が「FPC(ファンキー・パーティー・クルー)に拍手を! 最高のチームとこれからもやっていきます」とスタッフへの感謝の気持ちを伝えてから最後の曲「Colors」へ。ステージ上に雪が舞い落ちる演出の中、渾身のロングトーンでボーカルを聴かせてライヴを締めくくった。「誰がなんと言おうと、俺たちはめちゃくちゃ自信があります。これから先、最高のミュージックをやるから、おまえら全員ついてこいよ!」と、自身と確信に満ちた真行寺のMCは、最高に説得力がある言葉だった。

そんなこんなでBRADIOのツアー・ファイナルは大団円となった…かと思いきや、全員が客席に一礼して去ろうとした瞬間、客席下手でなにやら揉めている声が。どうやら熱狂的ファンたちがメンバーにサインを求めて止められている様子。色紙や花束をステージ上に差し出すファンの中になぜか赤いボタンを真行寺に渡す者が。そのボタンを押すと天井から垂れ幕が降りてきて「ライブDVD発売決定!!」の文字。この日のライヴがDVD化されるという嬉しいお知らせだった。これで一件落着、とメンバーが再度客席に頭を下げようとすると再び先ほどのファンたちが登場。茶番がしつこい! と思ったその瞬間、再びボタンを押すとなんと今度は「メジャーデビュー決定!!」と書かれた垂れ幕が降りてきて、観客からはどよめきにも似た歓喜の声が上がった(9月にワーナー・ミュージックジャパンよりメジャーデビューすることが決定)。

じつに3時間、21曲をエンタメ精神たっぷりに楽しませたこの日のライヴ。大きな舞台らしく派手な照明の演出などもありゴージャスなショーだったが、その演出はBRADIOの歌唱力・演奏力の高さ、ハイ・クオリティな楽曲があればこそ。演出に負けるどころかバンド自体が照明やミラーボールを放っているのではないかとすら思えるほどだった。すでに超メジャー級の存在感を発揮しているBRADIOがメジャーデビューを機にどんな活動を見せてくれるのか、これまで以上に期待しよう。

取材・文:岡本貴之
photo by 木場ヨシヒト

〈BRADIO FREEDOM tour 2017〉
2017年4月30日(日)東京・中野サンプラザ
●セットリスト
1. 彼女ハリケーン
2. Flyers
3. HOTEL エイリアン
4. Super Wonderful
5. -Freedom-
6. Step In Time
7. Overnight Superstar
8. 蝙蝠
9. You Make Me Feel Brand New
10. 思い通りにならない世界
11. Ride On Time
12. KAMISAMA
13. Get Money
14. ギフト
15. Playback
16. Golden Liar
17. Revolution
18. スパイシーマドンナ
19. Back To The Funk
EN1. ALL I Need Is You
EN2. Colors


[ニュース] BRADIO

あわせて読みたい


TOP