2016/12/12 00:15
2016年12月10日(土)11日(日)、名古屋・新栄DAYTRIVEでの2DAYSをかわきりに、新生BiSが初の全国ツアー〈「Brand-new idol Society」2年間おまたせ!いま会いにゆきます〉をスタートさせた。
■2016年12月10日(土)ツアー初日
「やってきました名古屋ー!! 名古屋ー!! 名古屋ー!! 名古屋ーーーー!! ツアー初日、名古屋ではじめられて最高の気分です。倒れている人がいたら助けてあげてくださいね。… 2年間待たせたなー!!「Nerve」」
早々にソールドアウトしたチケットを手にいれることのできた研究員(※BiSファンの呼称)たちを前に、プー・ルイのMCとともに「Nerve」でライヴがスタート。「名古屋のお客さんは元気がいいから」と事前にプー・ルイがメンバーたちに話していたとおり、のっけから研究員たちのテンションは全開に。冬の寒さで気温の低かったフロアは文字通り熱気に満ち、後ろまでぎゅうぎゅうだった客席は一気に圧縮、前方の密度が一気にあがった。
先日リリースされた1stアルバム収録曲、同アルバムには収録されていないBiS時代の楽曲を含めほぼ休むことなく披露し盛り上がりを見せると、当然のごとく客席からはアンコール。名古屋はペリ・ウブの地元ということもあり「ペリちゃんぺろぺろアンコール」と一風変わったアンコールが起こった。さらに研究員たちが事前に用意していたペリ・ウブを迎える手作りの小旗を客席全員が振ると、2Fからは断幕がかかげられ、大量の風船が会場を舞った。
またこの日、キカ・フロント・フロンタールが「IDOL」で初のダイブを決行、ゴ・ジーラは女性限定エリアとなった2階席に研究員の上に立ちながら登り、BiSの怪獣担当らしい想像外の動きを見せた。
■2016年12月11日(日)ツアー2日目
一夜明けたツアー2日目もチケットはソールドアウト。この日もフロアは12月の寒さが応える気温からスタートした。
開演とともにメンバーが現れ「Nerve」が鳴り始めると、ゴ・ジーラがいきなりフロアに飛び込み客席に紛れてダンスと歌をうたってみせ一気に温度と湿度があげてみせた。曲が終わってステージにメンバーが戻ったと思いきやアヤ・エイトプリンスもダイブをし「ダイブ処女」をさらりと捨ててみせた。
ここからは次の曲がはじまるたびキカ・フロント・フロンタールやペリ・ウブもダイブを見せるなど、開始30分間以上ぐっちゃぐっちゃな状態でライヴは進んでいった。途中、プー・ルイとゴ・ジーラが客席後方にできたサークルピットのなかでダンスと歌をキメてみせるなど、初日とは異なり早々にメンバーたちが主導権を握り、研究員を巻き込んだライヴを見せた。
その雰囲気に触発されたかのようにPAも大音量でトラックを流し盛り上がりは加速度を増していく。会場の温度と湿度は急上昇し天井からは研究員たちの汗がぽたぽたとフロアに垂れ落ちている状態、さらに空気が薄くなったためアンコール前に新鮮な空気を吸うため一度外に深呼吸しにいく研究員たちも見受けられた。
アンコール最後には現在の5人のメンバーによる始まりの楽曲「BiSBiS」が披露され、1日目に比べてぐっちゃぐっちゃでセオリーのないワンマンは幕を閉じた。
新生BiSは昔のオリジナルBiSの幻想を重ねられてステージを見られることが多い。それだけに、研究員、スタッフたちが新生BiSを見る目もとても厳しい。そんななかで結成わずか約3ヶ月の彼女たちは悩みながらも全力で活動をしている。名古屋での2日間のライヴを見ていると、あっという間に彼女たちは成長を見せるかもしれないし、もしかしたらライヴごとに一歩進んで2歩下がるような状態になってしまうかもしれないとも思える。それくらい、いまは変化の時期だ。チケットは入手困難かもしれないが、もしライヴを観るチャンスがあるようであれば絶対に観ることをおススメする。
以下に、初日のライヴ後メンバーにしたインタヴューを掲載する。しかし、翌日の時点ですでに古くなっているくらいBiSは高速で変化を見せている。BiSのいまをぜひ目撃してほしい。
ーーツアー初日、名古屋公演の手応えはいかがでしたか?
プー・ルイ : 楽しかったです。(ステージと客席の間が)生死の境になっているような感じで懐かしい感じがしました。
ーーキカは客席にダイブをしていましたね。
キカ・フロント・フロンタール(以下、キカ) : 今日、初めて(客席に)飛んだんです。
プー・ルイ : ダイブ処女(笑)。
キカ : ここ名古屋で(ダイブ処女を)奪われました。
プー・ルイ : 自分で奪われにいったんじゃん(笑)。
ーーあははは。気持ちよかったですか?
一同 : (笑)。
キカ : 気持ちよかったです。ここ(「IDOL」)で飛びたいっていうのは前から思っていたので。
プー・ルイ : キカはカミヤ(サキ)オタだからね。(※BiS時代、ダイブはカミヤサキの代名詞的なパフォーマンスだった)
ーーゴ・ジーラは研究員の上をクラウドサーフして2階席まで登っていきましたね。
ゴ・ジーラ : 「レリビ」で(客席に)飛び込んでいったとき、2Fのお客さんが見えて「登りたい」と思って衝動的に登ってしまいました。すごく楽しかったです。
ーー「レリビ」ではウブも客席にダイブしていました。
ペリ・ウブ : 今日はちょっと失敗したんですけどコツをつかいました。
プー・ルイ : 掴みましたじゃない?
ペリ・ウブ : そう(笑)。今日は背中から飛んでしまったのがダメだったと反省しています。足から行ったらうまくいけるんですけど。
アヤ・エイトプリンス(以下、アヤ) : 途中、(研究員の上に)立っていたもんね。
プー・ルイ : あとダイブ中の顔がやばかった。もう降ろして!! みたいな(笑)。
ーー実は怖かった?
ペリ・ウブ : 最初のダイブで失敗しちゃってステージに戻ったんですけど、佐藤さん(KMミュージック)からまた行けって背中を押されてオタクも下ろしてくれなくて、また落ちるんじゃないかっていうデジャブが浮かんできて。
一同 : (笑)。
ーー名古屋はウブの地元ということで、研究員がサプライズで旗と風船で盛り上げてくれていましたね。
ペリ・ウブ : びっくりしました! でも、泣くなと言われていたのでがんばりました。見ないように(笑)。風船だけちょっとやばかったですね。
ーーダイブとかはしていないですけど、アヤはどんなライヴでしたか。
(※ツアー2日目、ライヴ早々客席にダイブをし、アヤはダイブ処女を失った)
アヤ : 今日は感情的になりました。始まる前からなぜか泣いてしまって。私、最近涙もろいんですよね。
プー・ルイ : 練習中に泣いたり、みんな涙もろいんですよ。でも誰かが泣くのは、みんな同じような気持ちのときなので気持ちはわかるよってなるんですけど。
キカ : アヤみたいに突然涙を流したりはしない(笑)。
プー・ルイ : いまみんな生理前だからかもしれないです。
一同 : (笑)。
アヤ : プーちゃんと私ね。
プー・ルイ : それ、ガチなやつじゃねーかよ!!
一同 : (笑)。
ーー涙にもいろんな種類があると思うんですけど、喜怒哀楽でいったらどの感情が近いんですか。
プー・ルイ : 練習中の涙は嬉し泣きじゃないよね。やるせなさとかかな。アヤが泣いたのは「喜」だったよね。
アヤ : 私、練習の前日に「ここをもうちょっとこうして」とか、個人的にメールを送ったりしているんですよ。みんな、それがすごくできていて感動しちゃって。
キカ : 「すごくよくなってるー!!」って泣きはじめたんです(笑)。
プー・ルイ : 前、スタッフさんから気持ちが入っていないように見えるって言われて、どうしたら伝わるか1回確認してみて顔の練習とかめっちゃしたんです。それで次の日にみんなが変わっているのを観たらアヤが泣いちゃった。深夜練とか、あまり寝てなかったのもあるとは思うけど。
アヤ : そういう蓄積もあったんですけど、みんなを見たら感動してしまって。私はその前日を知っているんで。
プー・ルイ : はえーよ(笑)!
ーーそういうのは何ヶ月とか何年単位で感激するものですからね(笑)。
キカ : 「ああ、アヤおばさん泣いてる」って思いました(笑)。
ーー今日の涙はどういう感情だったんですか。
アヤ : 「やってやろう!!」って気持ちと、練習のことを考えていたら涙が出てきちゃって。
プー・ルイ : 実はアヤ、30近いんですよ。歳をとると涙もろくなるから。
アヤ : こら!!
プー・ルイ : 私より全然年上なんで。
ーー情報操作しないでください(笑)。先日の下北沢シェルターのワンマンと比べて、今日の出来はいかがでしたか。
プー・ルイ : 1回1回成長していかないとという気持ちでやっているんですけど、満足はしていないです。練習でできていたことが本番になったらできなくなったりするし、客席の後ろを見るとあるところから温度差があったりして。
キカ : それは私も感じた。
プー・ルイ : 後ろの人まで盛り上げられるかどうかが、これからの差になってくるんじゃないかなと思っているのでそこは課題というか。
ーー以前のBiSのときは、後ろまで盛り上げられていた?
プー・ルイ : わりと静かにしていたと思います。だから、別にあのときがすごかったと思っているわけじゃなくて。もうあのときのBiSは存在していないし、存在しないものってどんどん美化されていくんですよ。もちろんすごく強い敵ではあるんですけど、ふと思い返すとしょうもないことをやっていたと思うんです。すごいことをやらされて、みんなが病んでいったり、前はそういう感じのストーリーだった。
ーーいまのBiSは病んでいないですか。
プー・ルイ : いまは「悩んで」いる。
キカ : だから「病む」じゃないんですよ。
プー・ルイ : しかも、ちゃんとしたことで悩んでいる。振り付けを揃えようなんて昔は悩んだことがなかったから。
ーーそれもすごい話ですね。
一同 : (笑)。
プー・ルイ : 前は「頑張って生きていこう」みたいなところで病んでいたんです。生きるか死ぬかみたいな問題だった。いまは気持ちしだいで変わる部分が多いのかなって。
キカ : 全部、気持ちだと思う。
プー・ルイ : 技術的に目線が低いとか手をあげるとか、そういうところはすぐに改善できると思うけど、あとは気持ちで負けないってところが必要かなって。
ーー今回のツアーが終わるころには、どういうふうになっていたいと思いますか。
キカ : みんな一皮も二皮むけて、もっとグループとしていい関係になれていたらと思います。
プー・ルイ : いまは構築中だから。ケンカもしたしね。
ーーメンバー同士、まだ気を使っているところがある?
プー・ルイ : 言っても、会ってから3ヶ月しか経っていないから。どのアイドルもオーディションに合格してから、すぐに外に出されないじゃないですか? 普通、1、2ヶ月練習の期間があるけど、うちらはそれがなくていきなりライヴだったから。
キカ : だからツアー中にケンカとかぶつかり合いがもっと起ればいいのかなって。
ーーゴ・ジーラはツアーを経てどういうふうになっていたいですか。
ゴ・ジーラ : 私はいままで人と関わることが少なかったので、このツアーを通してちゃんと関係性を構築して、もっと自分の意見をぱんと言えるようになりたいです。
ーー最初のインタヴューで「一瞬で変えたい」って言っていましたもんね。
ゴ・ジーラ : だから、すぐに変わりたいと思います。
ーーアヤはどうなっていたいですか。
アヤ : このツアーが終わるころには、プーちゃん以外の4人が1人1人しっかり浮き出た状態になれればいいなと思います。しゃべりもパフォーマンスも歌もプーちゃんについていくじゃなくて、同じレベルにいくって気持ちでいきたいなと思います。
ーーウブはどうなっていたいですか。
ペリ・ウブ : いまは「プーちゃんのBiS」みたいになっているので、私たち5人でBiSなんだって思ってもらえるようになっていたい。
ーープー・ルイはどうなっていたいですか。
プー・ルイ : お客さんはいまのBiSをみつつ、その後ろに昔のBiSを観ていると思うんですよ。それに対して「ふざけるな」って気持ちでやっていいと思っていて。例えば「のんちゃん見てんじゃねえよ!!」って蹴っていいくらいな感じだと思うんです。次のツアーまでに、いまの5人が大好きだって人をもっと増やしたいですね。もっと狂気的な現場を目指していきたい。シェルターから比べたら変わってきていると思うので、おごることなくがんばっていきましょう。
他4人 : はい!
プー・ルイ : なんかお母さんみたいになっていて嫌なんですよ! せめて長女くらいでいたい。
キカ : おねえちゃん♡
プー・ルイ : ここ(キカとアヤ)はこっち(プー・ルイ)寄りだろっ!! 早くもっとこっちこい!
一同 : (笑)。
取材&文 : 西澤裕郎
■ツアー詳細
〈BiS Re:STUPiD TOUR〉
2017年1月21日(土)[福岡]DRUM SON 16:00/17:00
2017年1月22日(日)[大阪]STUDIO PARTITA 16:00/17:00
2017年2月4日(土)[名古屋]伏見JAMMIN' 16:00/17:00
2017年2月5日(日)[仙台]CLUB JUNK BOX 16:00/17:00
2017年2月12日(日)[札幌]KLUB COUNTER ACTION 16:00/17:00
2016年2月26日(日) [東京]SHIBUYA WWW
チケット料金 :
「通常チケット」3,000円(税込) / 当日 3,500円(税込)
※オールスタンディング
※入場整理番号付
※入場時にドリンク代別途必要
※未就学児童入場不可
チケット一般発売日 2016年12月10日(土)AM10:00〜
・BiSオフィシャルsoundcloud
https://soundcloud.com/brandnewidolsociety
・BiSオフィシャルTwitte : @BiSidol
・BiS公式HP : http://www.brandnewidolsociety.tokyo/
・新生BiSへのインタヴューを公開中!
http://ototoy.jp/feature/2016111607