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2016/10/09 01:00

 

BiSH、大熱狂の野音ワンマン完遂! オーケストラとのコラボも ーーライヴ・レポート

 

BiSHが〈BiSH Less than SEX TOUR〉の最終公演となる〈帝王切開〉を昨日10月8日(土)に日比谷野外大音楽堂にて開催した。

10月5日にメジャー1stアルバム『KiLLER BiSH』をリリースし、さらに勢いを増すなか行われた自己最大規模でのワンマン公演。当日は多くの観客が詰めかけ、ツアー・ファイナルは大盛況で幕を閉じた。また途中のMCにて、来年2017年より全国6ヶ所を巡るツアー〈BiSH NEVERMiND TOUR〉を開催することも発表。以下では、当日のライヴ・レポートをお届けする。

▽▽▽▽▽

朝は土砂降りだったのに、野音が晴れた!

10月8日(土)、日比谷野外音楽堂。

鉄骨が吊るされ、廃墟な未来を想起させる装飾が施されたステージをみていると、『2001年宇宙の旅』で有名な「Also sprach Zarathustra」がSEで流れ、アルバム『KiLLER BiSH』のダークな衣装に身を包んだ6人が登場。「BiSHが野音にきたぞー」とアイナ・ジ・エンド(以下アイナ)が叫び、リンリンも呼応するように奇声をあげる。BiSH Less than SEX TOUR FINAL‘帝王切開’がはじまった。

1曲目はもちろん、BiSHが生まれてから一番演奏された曲「BiSH-星が瞬く夜に」。完璧な彼女たちのダンスに1曲目から一気に持っていかれる。設置された巨大なスクリーンには、ライヴ映像が映し出される。そして『KiLLER BiSH』から「ファーストキッチンライフ」。バスドラが気持ちよく鳴り響き、そのリズムにツアーを経験したアユニ・D(以下アユニ)がしっかりあっているし、蟹踊りがとてもかわいい。3曲目はリアル脱出ゲーム×アイアムアヒーローの主題歌でもある「ヒーローワナビー」。BiSHの中でも特にメロディアスな本曲で、ハシヤスメ・アツコ(以下ハシヤスメ)が、「ヒーローに憧れて歌ってた」という台詞が、彼女の福岡での実体験とかぶる。

メンバー紹介では、リンリンがいつもより長く無口だった。アユニは、自己紹介が新人感に溢れていた。でもメンバー皆一様に野音の満員のお客さんの前でも堂々としており、まったく動じてはいなかった。

次の曲は、アユニが作詞した「本当本気」。清掃員がお客さん全員に配ったであろう(泣ける)白色のサイリウムが振られる。アイナのかすれるギリギリのディストーション声に呼応するように、青いサイリウムが天高く伸びる。アユニが、「みんなが僕をバカにするんだ」と彼女の思いをぶつけた。全編英語詞の「IDOL is SHiT」では、映像が消え照明とBiSHだけになる。それにしても、彼女たちの存在感は、このでかい野音の空間にとても似合っている。「もっとあたまをふれー!」とハシヤスメが叫び、お客さんのテンションはヒートアップしていく。次曲は『FAKE METAL JACKET』より「デパーチャーズ」。「運命なんてものは変えていける気がするんだ」なんて歌詞は、運命を変えて野音に立った六人だからこそしか言えないよね。

モモコグミカンパニー(以下モモコ)が、「嫌なことを忘れてあそぼー」と叫び『Brand-new idol SHiT』から「DA DANCE!!」。そして、『FAKE METAL JACKET』から「Dear…」と新旧の楽曲が入り交じる。ステージの両サイドに設置されたお立ち台に二手にわかれてのぼり、客を煽る煽る。リンリンの奇声が炸裂。BiSHヤバイテンションだ! そのまま最パンク曲の『DEADMAN』へ! アイナだけがお立ち台に残り、ハードコア絶叫スタイルで歌う。その姿はあまりにもはまっている。今更だが、この姿は絶対にアイドルではない。大盛り上がりの会場には、祝祭のフェス感さえ漂ってきた。さらにお客さんを休ませもせずに「ぴらぴろ」へ。会場全員でのぴらぴろ踊りは、もはやその昔、集団で町々を巡って熱狂的に踊った騒動「ええじゃないか」だ。

ここでBiSの「primal.」のダンスをリスペクトして取り入れた「Primitive」へ。BiSの復活によってこの曲がどのように聴こえるか楽しみだったが、全く変わらず、BiSHの「Primitive」はそれ以外のなにものでもなかったし、全員で後ろを向き振り返るその会場の風景も、BiSHが描く風景以外の何ものでもなかった。そのまま「Is this call??」へ続いた。BiSHではロービートのこの曲でアイナの歌声が天に昇っていく。そして代表曲「スパーク」へ。この流れで松隈ケンタの楽曲の素晴らしさを存分に野音に響かせ、前半戦が終了する。

ここでMC。インタビューでもハシヤスメが頑張っていると言っていた小芝居が始まった。
それはこんな感じ…

「目を閉じてイケメンを想像してみて。

金髪…
高身長…
金持ち…
石油王…
ハゲ!」

これをメンバー全員分繰り返す、所謂「ハゲ」落とし芸だ。ハシヤスメが言っていたとおり、確かに相当磨かれていた気もする。練習したんだろうな…。ラストは、ハゲコールからの「ハゲ(Hey gate)」(これはさすがに強引だ…)。後半戦が始まった。「TOUMIN SHOJO」ではセキュリティスタッフをステージに上げて強烈なビンタをかます。もはや定番のパフォーマンスにも磨きがかかっていて、長いツアーの成果を感じる。『Brand-new idol SHiT』の人気曲「サラバかな」のイントロがかかると、後ろの清掃員が歓声をあげた。この曲のセントチヒロ・チッチ(以下チッチ)の歌が、本当に素晴らしい。と共に、ステージ上での彼女の気配りと、いつもメンバーを支えるポジショニングは、リーダーとして最も必要な資質を持っていると、初期の曲を演奏すると気づかされる。

続く初期の代表曲「MONSTERS」では、強烈な爆竹が鳴り、会場は一気に加速。精一杯ジャンプとヘッドバンギングを繰り返すリンリンに会場が揺れた! シングル曲「OTNK」ではスモークがたかれ、リンリン、アイナが叫び、チッチの歌が皆をつつむ。チッチが「今日はありがとうございました」と叫び、本編のラストソング「beautifulさ」が始まる。

「どんなトゲトゲの道も僕らは乗り越えていくんだし 困難裂いて 過去は忘れ 晴れた明日へと 行こうぜ」というリンリン作詞のこの曲を、全力で歌い踊る。その存在感は、すでに野音さえも小さく感じさせた。会場中が「うぉーうぉーうぉー」と歌う祝祭の本編ラストとなった。

アンコールの声援が止まない中、ステージ上には椅子が12脚並べられていく。まさかとは思ったが、12人の弦楽器奏者が入ってきての「オーケストラ」オーケストラ・ヴァージョン! そして会場は六色のペンライトに彩られた。チッチとアイナの歌声は、この曲のポテンシャルを最大限に引き出している。ここまで完璧なクライマックスはなかなか用意できるものではない。『KiLLER BiSH』の代表曲「オーケストラ」がどれほど名曲なのかを、自力で証明してみせた。

MCでは、NIRVANAの「Smells Like Teen Spirit」に合わせて新たなツアーの開催を発表した。

「6月から始まったツアーも今日で終了になります。本当に感謝しかありません。ありがとうございました。私達はもっともっと上を目指して走り続けていきます。Less than SEX TOURに来てくれた皆さん全てに愛を込めて「ALL YOU NEED IS LOVE」」とチッチが言い、最後の曲が始まった。

ラストの挨拶では、アイナとチッチが真っ先に泣き出す。アユニもリンリンもモモコもハシヤスメも…そして最後は大泣きの新人アユニDを囲み、彼女の頑張りを讃えながらみんなで泣いてた。その姿があまりにも自然で、会場中がうれし涙を流した。そして拍手は鳴り止むことはなかった。

何故、BiSHはこんなに人を熱狂させるのか?

モモコとアユニの小さいのに一生懸命踊る姿がとてもかわいいとか、チッチとアイナの歌のバランスがめちゃくちゃ良いとか、リンリンのパンクな感じがかっこいいとか、ハシヤスメが面白いとか、このライブで気づいたことも多いが、なによりもメンバー自身が書いた歌詞、考えた踊りがとても等身大であることだ。いじめられたり、全く上手くいかなかったりした過去を持つ彼女たちが、本気で未来を変えてやりたいと思ってBiSHに応募し、BiSHのメンバーという権利を勝ち取り、けれど決して天狗にならず、周りがいくら騒ごうとも、ただただ一生懸命に練習し、一生懸命に歌い、踊る。そんなあたり前のシンプルなことが、あまりにも彼女たちの等身大だからこそ、我々に熱狂的に勇気を与えるのだろう。「あなた達だって、どんなトゲトゲの道も乗り越えられるよ」って。隣では高校生の女の子が泣いていた。BiSHによって大きく心を動かされた彼女の姿を見て、BiSHの凄さを思い知らされたのだ。(飯田仁一郎)

■セットリスト
〈BiSH Less than SEX TOUR FINAL‘帝王切開’〉
10月8日(土)@日比谷野外音楽堂

01. BiSH-星が瞬く夜に
02. ファーストキッチンライフ
03. ヒーローワナビー
-MC-
04. 本当本気
05. IDOL is SHiT
06. デパーチャーズ
07. DA DANCE!!
08. Dear…
09. DEADMAN
-MC-
10. ぴらぴろ
11. Primitive
12. Is this call??
13. スパーク
-MC-
14. Hey gate
15. TOUMIN SHOJO
16. サラバかな
17. MONSTERS
18. OTNK
19. beautifulさ

(ENCORE)
01. オーケストラ
-MC-
02. ALL YOU NEED IS LOVE

・BiSH 特集ページ(OTOTOY)
http://ototoy.jp/feature/2016100505

・BiSH オフィシャル・サイト
http://www.bish.tokyo/

■ライヴ情報
〈BiSH NEVERMiND TOUR〉
2017年1月8日(日)ZEPP NAGOYA
OPEN / START : 17:00 / 18:00

2017年1月14日(土)PENNY LANE24
OPEN / START : 17:00 / 18:00

2017年1月15日(日)PENNY LANE24
OPEN / START : 16:00 / 17:00

2017年1月28日(土) なんばHatch
OPEN / START : 17:00 / 18:00

2017年2月18日(土)仙台PIT
OPEN / START : 17:00 / 18:00

2017年2月25日(土)DRUM LOGOS
OPEN / START : 17:00 / 18:00

2017年3月19日(日)ZEPP TOKYO
OPEN / START : 17:00 / 18:00

■チケット料金
通常チケット : 4,500円
(オールスタンディング・入場整理番号付/入場時にドリンク代別途必要)
※未就学児童入場不可

■Smells Like Teen Spirits会員先行

・SUPERチケット 50,000円(税込)※全会場、整理番号1番〜9番の間の番号となります。
【受付期間】10/15(土)12:00 〜 14:00 ※先着受付 ※お一人様1枚まで

・SONiCチケット 30,000円(税込)※全会場、整理番号10番〜20番の間の番号となります。
【受付期間】10/15(土)15:00 〜 17:00 ※先着受付 ※お一人様1枚まで

・JETチケット 10,000円(税込)※全会場整理番号21番以降の番号となります。
【受付期間】10/15(土)18:00 〜 20:00 ※先着受付 ※お一人様2枚まで

・通常チケット 4,500円(税込)※全会場、JETチケット以降の整理番号となります。
【受付期間】10/17(月)18:00〜10/24(月)23:00 ※抽選受付

■HP抽選先行
・通常チケット 4,500円 (税込)
【受付期間】10/25(火)18:00〜10/31(月)23:00
【受付URL】http://w.pia.jp/t/bish/

■チケット一般発売日
2016年11月19日(土)AM10:00

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