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2016/08/09 17:00

 

Yuji Ohno & Lupintic Sixエンターテインメントに徹したライヴに観客総立ち-OTOTOYライヴレポ

 

「ルパン三世」音楽の生みの親・大野雄二率いる新バンド「Yuji Ohno & Lupintic Six」(大野雄二&ルパンティック6)が1stアルバム『YEAH!! YEAH!!』を引っ提げ、8月3日(水)にビルボードライブ東京にてライヴを開催した。

このレポートでは当日の1stステージで行われたライヴの模様をお届け。

夏休みということもあり、この日のビルボード東京には家族連れの姿も多く、ステージ前のテーブル席には小さいお子さんも座っていた。客席を見渡してみるとテーブル席、ソファ席、5Fのカジュアルエリアまで埋まっており、大野雄二が生み出してきた音楽と新たなバンドへの期待感をうかがわせた。

19時になり、ゆったりと食事やおしゃべりをしながら待っていた観客に聴こえてきたのは「ルパン三世」オープニングのジングル。会場が暗転すると、ステージにメンバーが登場して大きな拍手で迎えられた。お揃いのスーツに青いポケットチーフ姿の7人、ステージに向かって右から最年少メンバーの宮川純(ハモンドオルガン)、前バンドに続き参加の和泉聡(Gt)、同じくセンターには松島啓之(Tp)、鈴木央紹(Sax)、初代YOU & THE EXPLOSION BANDのメンバーでもある市原康(Dr)、ミッチー長岡(Ba)のリズム隊が後方に、そして一番左に大野雄二(Pf)が陣取っている。

オープニング・テーマを奏でると、和泉が「みなさんこんばんは! ソールドアウトありがとう!」と観客に感謝の第一声。

まずは昨年発売したアルバム同タイトル曲の「BUONO!! BUONO!!」から本格的にライヴがスタート。太いベースの音色に煽られて気分が高揚する。手拍子を送りながらサビで「BUONO!! BUONO!!」と声を合わせるお客さんも。大野もマイクに向かってコーラスしている。松島、鈴木のソロに続き、和泉のギターが迫力のディストーションサウンドでチョーキングによるをソロをキメた。さらに宮川のハモンドオルガンがサイケデリックなムードを演出すると、直後に大野がフェンダーローズで全くタッチの違う演奏を聴かせる。2台の鍵盤楽器の異なる個性を楽しめるのがこのバンドの特徴だろう。流麗な指さばきとヨコノリのリズムに体を委ねていると、今度は市原のドラムが激しく切り込んできて長岡とビートを絡ませ合う。

和泉がMCで「メンバーが1人増えて“6”になりました。“48”までもう少しです」と笑わせると、「ユージオーノ&ルパンティーック、シックス!」と観客を巻き込んで両手で“6”を作ってキメポーズ。はたから見ると“シェー”に見えなくもないので、これは「ルパン三世」と「おそ松くん」「おそ松さん」の夢のコラボなのではと勝手に考えていると、ステージでは「LOVE SQUALL 2016」の演奏が開始。峰不二子のテーマ曲として人気の「LOVE SQUALL」を爽やかなラテン・フレーバーのアレンジで聴かせてくれた。さらに作詞をつんくが、作曲・編曲を大野が手掛け石川さゆりが歌唱して「ルパン三世」新テレビシリーズのエンディング・テーマとなった「CHANT IWANAKYA AISANAI」を続けて演奏。軽快なスウィングに乗せた大野の艶っぽいソロも聴きどころだった。

メンバー紹介では、大野が数々の映画音楽やCM音楽を手掛けてきたことが紹介され、客席から「ええっあれもそうなの?」という声も聞こえてきた。それほど自然に耳にしているメロディが大野作品には多いのだ。本人がマイクに向かい「今日も最後まで楽しんでください!」と挨拶。「ZENIGATA MARCH 2016」ではファンキーなスラップベースに牽引されたジャングルビートに乗せて、「ゼニガタ!」とコール&レスポンスがおこなわれ、クールなハモンドのソロに続きギターが速弾きを聴かせて熱狂を演出、曲の後半では長岡と市原のソロがさらに興奮を呼ぶ。次元大介のテーマ曲「TORNADO 2016」では松島のトランペットがフィーチャーされ、大野はピアノに向かい寄り添うように静かな旋律を聴かせる。ダンディな次元の人物像が伝わってくる名演だった。続く「ルパン三世 愛のテーマ」ではサックスが中心となり、ゆったりとしたメロディを奏でると、ハモンドの音色が周囲をノスタルジックに彩って行き会場中に広がって行く。そのムードを受け取るようにサビのメロディをトランペットが奏で、うっとりさせられた。

「最後の曲です!」の声に名残惜しそうな客席に向かって日本人なら誰もが知っているであろう、「ルパン三世のテーマ」。やはりこのメロディ、わかっていても一気にテンションが上がってしまう。主旋律を弾く宮川のハモンドは時折お馴染みのメロディを崩して聴かせる。観客の手拍子に乗って各メンバーがソロを回すと、大野は何度も激しく鍵盤をグリッサンドして観客を煽り盛り上げていた。

アンコールでは「サンバ・テンぺラード」(映画「ルパン三世カリオストロの城」から)で観客が総立ちに。小さな子どももステージ前で手を叩いて喜んでいる。熱気を帯びたメンバーたちのインタープレイの応酬は10分近く繰り広げられてからエンディングを迎えた。そして最後はやっぱり「ユージオーノ&ルパンティーック、シックス!」と観客と一緒にポーズをキメて、ライヴは終了した。ハモンドオルガン、エレキギターの存在もあり、ジャズのライヴというよりはロック、ファンク寄りな骨太な音楽が聴けたこの日のライヴ。なにより敷居を上げることなく、来てくれた人たちを目一杯楽しませようというエンターテイメント性とサービス精神が印象に残った。「ルパン三世」の音楽を一流のプレイヤーたちの演奏で満喫したお客さんはどの顔も心から満足そうで、夏休みの最高の想い出になったのではないだろうか。(文 : 岡本貴之 / 写真 : 名和真紀子)

〈Yuji Ohno & Lupintic Sixライヴ〉
2016年8月3日(水)ビルボードライブ東京
〈セットリスト〉
01. OPENING THEME
02. BUONO!! BUONO!!
03. LOVE SQUALL 2016
04. CHANT IWANAKYA AISANAI
05. ZENIGATA MARCH 2016
06. TORNADO 2016
07. ルパン三世 愛のテーマ
08. ルパン三世のテーマ
09. END THEME
アンコール
10. サンバ・テンペラード

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[ニュース] Yuji Ohno & Lupintic Six, 大野雄二

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