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2015/12/07 19:30

 

“みんなの背中を少しでも押せたら” ジョゼ自主企画ライヴで『YOUNGSTER』から新曲披露―OTOTOYライヴレポ

 

12月5日(土) 下北沢CLUB Queにて、3ピース・ロックバンドジョゼが自主企画ライヴ〈ジョゼ Presents 『曇りのちAmazing!!』〉をおこない、多くの観客を前にミニ・アルバム『YOUNGSTER』からの新曲を披露した。

今回の自主企画は、東名阪での開催となっており、11月21日(水)大阪LIVE SQUARE 2nd LINE、27日(金)名古屋ell.SIZEでのライヴを経て、ファイナルとしてこの日の東京公演を迎えた。

土曜日の夜ということもあり、会場となった下北沢CLUB Queにはたくさんの観客が集まり、外の寒さを忘れるほどの熱気が充満していた。フロアを見渡すと見たところ10代後半から20代前半のお客さんが多いようで、ステージ前方に陣取っているファンは女性が中心となっている。対バンには、The cold tommyとHalo at 四畳半の2組が出演。Halo at 四畳半のライヴでのMCによれば、『曇りのちAmazing!!』というイベント・タイトルはジョゼのドラマー、じんじんこと中神伸允が名付け親なんだとか。さすがバンド名を「爆ぜる(はぜる)」にしようとした男である(※詳しくはOTOTOYでのインタヴュー参照)。

20時を過ぎた頃、吉田春人(Ba)、中神の順にステージに上がり、続いて羽深創太 (Vo.Gt)が登場してジョゼの3人が揃うと観客から大きな拍手で迎えられた。「お待たせしました、ジョゼです。今日は最後まで良い一日にしましょう。よろしくお願いします!」という羽深の穏やかな第一声から始まったライヴのオープニング曲は2016年1月13日発売のミニ・アルバム『YOUNGSTER』に収録される新曲「Friday」。羽深が手にしたテレキャスターから軽快なアルペジオによる乾いた音が放たれ、会場に広がっていく。柔らかなメロディをゆったりと歌う羽深の横では、対照的に身をくねらせながら歌うようにベース・ラインを聴かせる吉田と、シンプルに1タムのセットでライドシンバルを多用する中神のドラムによるリズム隊は、爽やかに立体感を出しながらも歌を活かした演奏だ。

『YOUNGSTER』収録曲から「LITTLE CITY」。東京を歌った歌詞と、キャッチーなメロディをシンプルなサウンドで聴かせる。“なんでもあるのが自慢で なんにもないのが自分で”というフレーズにドキっとさせられた。羽深がアコースティック・ギターに持ち替え、吉田も椅子に座り、アコースティック・コーナーへ。中神もスティックを持ち替えてプレイ。「あんまりライヴでやらない曲を面白いアレンジで」と、「Adolescence」へ。リラックスしたシャッフルの演奏が心地よく、なにやら映画音楽のような雰囲気も感じさせた。お客さんの手拍子と合わずに笑いながら演奏する3人。続く「銀河飛行」も手拍子にのせてアコギを弾きながら透き通る歌声を聴かせてくれた。「楽しかった?」と観客に声をかける羽深に、「たぶん俺たちが一番楽しんでるよ(笑)」と吉田。3人ともライヴが楽しくて仕方がないといった様子で、見ているこちらも楽しくなってくる。

「ジョゼは、僕が青春のことを思って書いた曲が多いんです。だからノンフィクションな曲が多いんですけど、この曲もそのうちの1つです」との曲紹介から、新曲「パステルカラー」を歌いだす。疾走感のある綺麗なメロディが印象的だ。一緒に口ずさんでいる観客の姿も見られた。間奏では羽深と吉田が向かい合いながら演奏するシーンも。たて続けに演奏された「Moment」のサビでは、フロアからステージに向かって一斉に手が伸びた。曲が終わるとMCで吉田が「最高の東名阪企画になりました、みなさんのおかげです、ありがとうございます!」と感謝の言葉を伝えると共に、来年のアルバム発売、全国ツアーの開催を告知した。

「ジョゼは今まで5年間ずっと、変わり続けてきました。俺は俺のままでどうやったら変われるんだろうって思う。みんなも変わらないままで変わって行くと思うから、そんなみんなの背中を少しでも押せたらと思って、『YOUNGSTER』というアルバムを作りました。中でも、一番みんなに伝えたい曲です」との羽深のMCから演奏された最後の曲は「ハートソルジャー」。ひと際強烈なリズムによる迫力のある演奏で、力強いメッセージを歌うと、、羽深は自信に満ちた表情で観客を見渡していた。アンコールでは、羽深が1人でステージに登場。「今からスペシャルなことをやります」と、まずはThe cold tommyの研井文陽(Vo.Gt)と2人でアコギを弾きながら、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの「世界の終わり」をカバー。交互に歌い、羽深はチバユウスケばりのダミ声を使って歌唱してみせた。続いて、Halo at 四畳半の渡井翔汰(Vo.Gt)とは中島みゆきの「糸」をカバー。今度は中島みゆき風のボーカルに挑戦する羽深に観客からも笑いが漏れた。

エンディングではジョゼのメンバー3人が「今日は本当にどうもありがとうございました!」と揃って観客に一礼。ステージを降りると、場内のモニターからは「ハートソルジャー」のMVが東京初公開された。映像が終わると観客から大きな拍手が贈られ、ジョゼの自主企画〈ジョゼ Presents 『曇りのちAmazing!! 』〉は幕を下ろした。耳に残るメロディアスな楽曲と、心にひっかかる歌詞、そして歌を最大限に活かす息の合った演奏によるライヴは、彼らの2016年の飛躍を予感させるには充分の素晴らしいもの。約1か月後に迫ったミニ・アルバム『YOUNGSTER』のリリース、そしてその後の全国ツアー、ワンマン・ライヴと、ジョゼの今後の活動に一層期待したくなるライヴ・イベントだった。(岡本貴之)

〈ジョゼ Presents 『曇りのちAmazing!! 』〉
2015 年 12月5日(土)下北沢 CLUB Que
出演:ジョゼ / Halo at 四畳半 / The cold tommy
●ジョゼ ライヴセットリスト
1. Friday
2. Gravity Sky
3. LITTLE CITY
4. Adolescence(アコースティック)
5. 銀河飛行(アコースティック)
6. パステルカラー
7. Moment
8. ハートソルジャー
EN1. 世界の終わり (With研井文陽…THEE MICHELLE GUN ELEPHANTカバー)
EN2. 糸 (With渡井翔汰…中島みゆきカバー)

Photo:藤川 正典


[ニュース] ジョゼ

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