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2015/08/24 04:00

 

坂本龍一、最新作は沖縄民謡女性4人組とともにチャリティ作品に

 

中咽頭がんの治療に専念するため昨年7月から音楽活動を休止していた坂本龍一

先ごろ、は山田洋次監督『母と暮せば』劇中音楽を復帰作として手がけていることが発表されたが、このたびそれに続く最新作のリリースの発表となる。

新作は沖縄民謡女性4人グループ「うないぐみ」とのコラボレーション・チャリティ・シングル、うないぐみ + 坂本龍一名義の「弥勒(みるく)世果報(ゆがふ) - undercooled」。配信は先行して9月16日(水)より先行スタート、OTOTOYでもハイレゾ版を配信予定。またCDは10月7日(水)に発売。

「うないぐみ」とは坂本龍一のアルバム『NEO GEO』『BEAUTY』や各アルバム・リリースに際して行われたワールドツアー、「オペラLIFE」などのプロジェクトに参加した沖縄音楽の歌手、古謝美佐子を中心に、同じく初代ネーネーズの宮里奈美子、比屋根幸乃に島袋恵美子が加わった4人組。そのキャリアに裏打ちされた沖縄民謡唱法の4人のハーモニーは唯一無二。

今回の楽曲のオリジナルは2004年に発売された坂本龍一のアルバム『CHASM』に収録された楽曲「undercooled」この楽曲を、数年前、この曲に旧知の音楽仲間である古謝美佐子~うないぐみサイドから「沖縄語の歌詞をつけて唄いたい」と坂本に依頼し、昨年から歌と三線の録音がスタート。坂本の病気による中断を経て今夏ようやく完成したものだとか。

沖縄の基地問題に大きな懸念を持つ坂本龍一とうないぐみが、あくまでも冷静(undercooled)に優しく、かつ強く、音楽と歌の力で平和な沖縄、平和な日本、そして戦争の無い世界の実現を希求し制作したのが本作。

タイトルの「弥勒(みるく)世果報(ゆがふ)」は沖縄古来の信仰で「弥勒神(みるくがみ)がもたらす理想的な平和で豊かな世の中」の意。沖縄語の歌詞の内容は自然賛美~戦争の哀れ~弥勒(みるく)世果報(ゆがふ)への願いを歌っている。

本楽曲の売上げからレーベルサイドの手数料や諸経費をのぞいたアーティストの収入は全て辺野古基金に寄付される。

本作のアートワークに使われている絵は、沖縄出身のアーティストCoccoが主旨に賛同し提供した作品である。

以下に本作の経緯、コンセプト、参加アーティストらに関する坂本龍一本人のコメントが届いている。
(河)

『「undercooled」という曲は2003年、アメリカが大量破壊兵器があるという虚偽の理由でイラクに攻め入った頃、もっと頭を冷やせ、という気持ちを込めて作った曲です。少し前に、長年の友人である古謝美佐子さんたちが結成した「うないぐみ」サイドからこの曲に歌詞をつけて歌いたいという話しがあり、去年その録音が送られてきました。何度もそれを聴きぼくに何ができるかを考え始めていた頃、ガンに罹患していることが分かりました。1年が過ぎ体力も少し回復してきたので、歌をひきたたせる最小限の音を入れることにしました。また、UAさんには「つぶやき」を、Coccoさんには、カバーのためにご自身の絵を快く提供していただきました。ぼくもうないぐみのみなさんもアメリカ軍基地の辺野古移設で沖縄の海と貴重な生態系が壊されることに反対ですので、この曲の売上げからレーベルサイドの手数料や諸経費をのぞいたアーティストの収入のすべてを辺野古基金に寄付することにします』坂本龍一

・辺野古基金ホームページ
http://henokofund.okinawa/about.html

[ニュース] 坂本龍一, 坂本龍一、アルヴァ・ノト、ブライス・デスナー

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