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2015/06/08 21:00

 

デトロイト・テクノ・クラシック中のクラシック配信きます! そして来日もーーデリック・メイ

 

あなたは「Strings Of Life」という曲を聴いたことがあるだろうか?

この曲がなければ、デトロイト・テクノはもちろん、もしかしたらUKのダンス・ミュージックも少々違ったものになっていたかもしれない。

デトロイト・テクノは、1980年代末、デトロイトのベルヴィル地区に住む3人の若者が作り上げた。ホアン・アトキンスが作り出し(オリジネイト)、デリック・メイが革新(イノヴェイド)し、そしてケヴィン・サンダーソンがポップの世界へと押し上げた(エレヴェイト)。デリック・メイは現在でも知られるその類まれなDJプレイとともに、その初期のキャリアは多くの人々を身体を揺さぶるファンクネスと、心をわし掴みするような強烈なイマジネーションを放つテクノ・トラックを次々と作り出したアーティストでもある。

特に「Strings Of Life」は、UKに渡り、シカゴのアシッド・ハウスとともに1980年代末、セカンド・サマー・オブ・ラヴにおいてアンセムとなった(当時はシカゴ・ハウスの文脈でUKに輸入された)。もちろん彼の楽曲のクラシックはそれだけではない。彼が生み出した楽曲群は、その後、1990年代においてもデトロイト・テクノ・リヴァイヴァルとともに、ヨーロッパのテクノ・シーンに大きな影響を与えている。ダンス・ミュージックとしてはもちろん、リスニングにも耐えうるそのスタイルは、〈WARP〉のアーティフィシャル・インテリジェンス(ここからエレクトロニカが生まれた)や、その後のドラムンベースなどにも強い影響を与えていると言えるだろう。その楽曲たちは、テクノ、いやエレクトロニック・ミュージック史に残る永遠のクラシックスとして高い評価を受けている。しかしながら悲しいことに、かれはまともな作品を1990年代初頭以降リリースしていない。逆に言えば、数枚のシングルとDJプレイによって、かれはテクノ・シーンのトップに上りつめ、最初のリリースからそろそろ30年も経とうしている現在でも、トップランカーとして活動している。

さて、そんな彼をスターダムに押し上げ、数多くのフォロアーを生み出した作品集がこのたび再発される。シングル+αをまとめた唯一の作品集とも言える1996年の『Innovator』というコンピだ(ちなみに上記のうち3枚のもう1枚は同名だが違った内容のコンピだ)。この編集盤がめでたく、リイシューされるのだ。CDは、高音質UHQCD(Ultimate High Quality CD)仕様を採用するようだが、今回は、なんと初の配信もスタートする。本作の音源は2008年に本人がリエディット&リマスタリングしたものだ。OTOTOYではwav / flac / alacなどのロスレス形式での配信が決定している。おっと、発売日は7月15日(水)になる模様。

またこのリリースと時を同じくして、デリック・メイの来日がある。7月18日(土)代官山AIR、多くのDJたちに、もっともセクシーでファンクネスにあふれたDJとして賞賛されるそのプレイ。「DJなんて曲かけてるだけなんでしょ?」なんて人は絶対に聴いた方がいいですよ! 人生変わるから。
(河村)

HI-TEK-SOUL JAPAN TOUR 2015
7月18日(土)
代官山AIR
MAIN:
DERRICK MAY (TRANSMAT | from Detroit)
and more

Rhythim is Rhythim「Strings Of Life」

https://youtu.be/2GnFvdaEl2Q


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