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2014/10/16 22:00

 

大森靖子、サプライズ満載のキネマ倶楽部2DAYS初日——OTOTOYライヴ・レポート

 

大森靖子が10月2日、3日の2日間にわたり、メジャー・デビュー・シングル『きゅるきゅる』発売記念2DAYSワンマン・ライヴ〈☆2日間で超楽しい地獄をつくる方法☆〉を東京キネマ倶楽部で開催。初日となった2日の公演は、サプライズ発表が満載のライヴとなった。

会場に入ると、受付後方に飾られた破壊されたアコースティック・ギターが目に入る。こちらは、大森が以前使用していたもの。ライヴ・ホールには、ステージ背面に巨大なピンク色のハート型のオブジェが飾られている。一見きれいな花で形成されているようにも見えるが、よくみると男性器をかたどっているように見える。そのオブジェの上には「処女膜再生」の文字が。この大森の世界観にぴったりの舞台セットを担当したのは、8月の八丈島でのライヴのセットも手がけた増田ぴろよだ。ステージ装飾は「祝福の子宮」と題され、呪いで断絶された娘たちと、その後に続く女たちを繋げるための子宮のお花畑をテーマに制作されたとのこと。

加地等の曲が流れるなか、場内が暗転。直枝政広(Gt)、畠山健嗣(Gt)、tatsu(B)、奥野真哉(Key)、久下恵生(Dr)で構成される”絶対少女バンド”が登場する。直枝のギターが「きゅるきゅる」のイントロを奏でると、iPhoneを持った大森がステージに現れ歌う。大森はシングル発売直後に長い髪をバッサリ切ってしまったが、キュートなボブ・ヘアーもとてもよく似合っている。「こんばんは、大森靖子です」とあいさつすると、アコギを手に取り「少女3号」へ。アウトロのギターの音が途切れると、アカペラで「きゃりーぱみゅぱみゅ〜」と歌いだし、「新宿」がはじまった。大森が胸につけていた「コンビニ店員」(直枝が発案)と書かれたリボンの胸章を客席に投げつけると、演奏中の畠山の足を触ったりその場で寝転んだりと動き回る。そして舞台の下手側にある階段を駆け上がり金色のくす玉を割ると、「私は悪くない」の文字があらわになった。なお、この文字は大森直筆とのこと。また、くす玉の上には笑みを浮かべながら客席を見下ろす、まったくゆるくない子宮の妖精のゆるキャラ”しQちゃん”の姿があった。

「エンドレスダンス」が終わると、一旦バンドは去り、大森の弾き語りパートへ。客席を見渡しながら、「ノスタルジックJ-POP」を丁寧に歌った。続く「夏果て」では、ときおりマイクを離して生声を聴かせる。力強いカッティングから「PINK」がはじまると、圧倒的な歌唱で場内の緊張を高めた。

ここでふと、大森はiPhoneの画面を見つめながら「人に言えないことをね、してきたはずなのに、何ばれたってもう平気になってしまった」と話しはじめると、独白しているように、ときおり声を震わせながら早口に言葉を投げかけ、最後に「脳みそ洗い流してすこしだけ待っていてね、大森靖子メジャー1stアルバム『洗脳』12月3日発売です」と発表。祝福の拍手に包まれながら大森は「洗脳…(笑)」といたずらっぽく笑った。続く「hayatochiri」では曲の途中で歌詞に絡めて、NHK「MUSIC JAPAN」の収録のさいにNHKホールでSEKAI NO OWARIと邂逅したエピソードを披露。そんなユーモアとは裏腹に、「秘めごと」では客席のひとりひとりと向き合いながら歌う、いつもの大森の姿があった。

最近はオケを流して披露することの多い「ミッドナイト清純異性交遊」を、この日は弾き語りで演奏。曲中に突然「道重さんの卒業コンサートは11月26日ですが、4月26日に中野サンプラザで(自分が)ワンマンやるのでそれも来てください」と告げた。さらに、「今回の発表、まじネタバレしてないと思いませんか?」とおどけながら話した。

「あまい」の途中からバンドの音がくわわると、再びダイナミックなサウンドが場内に響く。大森はその演奏に満足したかのように、曲の終わりに無邪気な笑顔を見せた。直枝がアコギを披露した「呪いは水色」では、大森はモニター・スピーカーの上にベンチのように腰かける。その後、ステージの最前ギリギリまで移動して身を乗り出し、かがみながら「音楽は魔法ではない」とささやくように繰り返すと、本編最後の曲「音楽を捨てよ、そして音楽へ」がはじまる。曲の後半で客席前方に設けられた柵の上に乗って絶叫。そのまますべてを出し切ったかのように客席になだれこんだ。

アンコールでは、舞台の階段の上にあるサブ・ステージに用意されたキーボードでの弾き語りで、カーネーションのカヴァー「The End of Summer」を披露。続く「KITTY'S BLUES」の途中で、再びバンドも合流。奥野のアコーディオンを音が、お洒落な雰囲気を演出した。大森が階段を駆け下りると、続いて「君と映画」を演奏。「あたし天使の堪忍袋」では、場内一体となっての大合唱が鳴り響いた。

二度目のアンコールに応えて大森が登場すると、ステージ中央のサイドに置かれたテーブルの上にライヴ中ずっと座っていたぬいぐるみのナナちゃんを抱き上げ、「ナナのこと呼んでくれてありがとうございます」と笑った。ナナのこと客席に紹介しつつ、ステージ前で撮影していたカメラマンの二宮ユーキのプライベートを暴露しはじめる。彼は、大森をインディーズ時代から支えているスタッフでもある。大森は「なにか伝えたいことありますか? プロポーズとかすれば?」と二宮にマイクを向ける無茶ぶり。二宮は困った表情を浮かべつつも、意を決して「長い間お付き合いしている人がいまして… 大森靖子がメジャー・デビューしたので、このへんで二宮もメジャー・デビューを(笑)」と話すと、客席の一部の観客からは怒号のような歓声が。その声に後押しされたのか、会場に来ていた交際相手の名前を呼び「二宮ユーキと結婚をお願いいたします」とプロポーズした。「ガチの無茶ぶりですけど、ガチで結婚します。よろしくお願いします」と告げると、場内は祝福の拍手に包まれた。マイクを引き継いだ大森は、「がんばってください(笑)。結婚するんだ?」とうれしそうに笑った。

そのまま二宮のリクエストに応えて「お茶碗」を演奏。ここでも、曲の一部を二宮に歌わせるという無茶ぶり。それにも二宮はしっかりと応えて歌った。なお同曲は、2013年末に池袋ミュージック・オルグで行われた大森靖子&THEピンクトカレフ主宰イベント〈ピントカウントダウンジャパンフェス’14〉で二宮がカバーした経緯から、リクエストしたとのこと。大森は、最後に「さようなら」を歌いしっかりと場を引き締めると、「ありがとうございました! 」とあいさつ。サプライズ満載の2DAYS初日は終了した。

ライヴ終了後、二宮とともに交際相手の女性のもとをたずねると、少々の戸惑いをみせつつもOKの返答。その後、二宮は盛りあがった観客の男たちに胴上げされるなど、祝福ムードは続いた。なお大森曰く、このプロポーズはまったく予定になかった出来事であるとのこと。観客にとっては、メジャー初アルバムの発売、そしてハロプロの聖地とも言える中野サンプラザでの単独公演の発表もあり、盛りだくさんなライヴとなった。しかし、2日目となる翌日のライヴでさらなるサプライズが待ち受けていようとは、この時点では想像できなかった。(前田将博)

PHOTO BY Masayo

・大森靖子、ロックスターへの劣情が爆発したキネマ倶楽部2日目
http://ototoy.jp/news/80337

大森靖子 メジャーデビューシングル『きゅるきゅる』発売記念2DAYS!
〈☆2日間で超楽しい地獄をつくる方法☆〉
2014年10月2日(木)東京キネマ倶楽部

<セットリスト>
バンド編成
1. きゅるきゅる
2. 少女3号
3. 新宿
4. 絶対彼女
5. デートはやめよう
6. エンドレスダンス

弾き語り
7. ノスタルジックJ-POP
8. 夏果て
9. PINK
10. hayatochiri
11. 秘めごと
12. 婦rick裸にて
13. ミッドナイト清純異性交遊
14. 青い部屋

バンド編成
15. あまい
16. Over The Party
17. 呪いは水色
18. 音楽を捨てよ、そして音楽へ

<アンコール>
弾き語り
19. The End of Summer

バンド編成
20. KITTY'S BLUES
21. 君と映画
22. あたし天使の堪忍袋

弾き語り
23. お茶碗
24. さようなら

大森靖子メジャー1stアルバム『洗脳』2014年12月3日(水)発売
2015年4月26日(日) 中野サンプラザ単独公演決定

・大森靖子 オフィシャルブログ 2014年10月2日「洗脳」
http://blog.livedoor.jp/omorimorimori/archives/52172385.html

・増田ぴろよ オフィシャルサイト ステージ装飾『祝福の子宮』
http://masudapiroyo.com/?p=864

・大森靖子の音源はOTOTOYで配信中
http://ototoy.jp/_/default/a/82857





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