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2014/03/27 20:52

 

低音で震えてしまえ! 登場『ベース・ミュージック・ディスクガイド』

 


『ベース・ミュージック ディスクガイド BAAADASS SONG BASS MUSIC DISCGUIDE』(DU BOOKS刊)

ダブステップやジューク、トラップなどなど、ここ数年で大きな盛り上がりをみせるベース・ミュージック。さまざまな出自を持ちながら、絶妙に結びつくベース・ミュージックの流れ。そんな“低音の流れ”をガイドした、その名も『ベース・ミュージック・ディスクガイド BAAADASS SONG BASS MUSIC DISCGUIDE』がこのたび刊行された。

ダブステップやローカルなゲットー・ベース/ヒップホップが、グローバルな流れとなることによって、ある種成立(というか表出した)したベース・ミュージックというひとつの括り。とはいえ、この名前、実にマヌケというか、なにせ現代のポップ・ミュージックでベースラインのない音楽はほぼないわけですが……そんなマヌケな名称を使ってしまってもひとつのものとしてプレゼンしたいぐらい、いま勢いのある音楽的事象であり、ジャンルとしてそれぞれを完全に分断するにはもったないぐらい、それぞれが結びついている音楽と言えるでしょう。

ディスク・ガイドとありますが、内容的にはトラップやジャングル/ドラムンベース、ダブステップ、ムーンバートン、ボルチモア、デジタル・クンビア、ジューク……はてはアフリカのベース・ミュージックなどなど様々なサブ・ジャンルを軸に、それぞれのジャンル概要コラムとともに主要ディスクが掲載されている。

かなり読み物としての内容が濃いのでディスク・ガイドという使い方もできますが、それぞれのジャンルを理解した後に、いまこの時間にも進化して、大量に流通する各音源をネットで探して聴け的な感じでしょうか!

ベース・ミュージックとありますが、ハウス/テクノ/レイヴ/ダブと言うかいわゆるUKを中心とした方面からのアプローチというよりも、どちらかと言えば、USヒップホップ/ゲットー・ベース、さらに広がって南米、アフリカとアラウンド・ザ・ワールドな、それらのローカライズ亜種として出自を持つようなベース・ミュージックがそれぞれ。このあたり、やはりどうしてもヨーロッパ中心のテクノ〜ハウス・シーンからの視座になりがちな日本語のいわゆるダンス系メディアにはない感じで、SNS経由で広がり、サーチするという現在のネット経由の音楽カルチャーの勢いも感じます(反省!)。
(河村祐介)

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