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2014/03/17 00:00

 

THE TON-UP MOTORS、ツアー・ファイナル・ワンマンでアンコールの声が鳴りやまず――OTOTOYライヴレポ

 

3月13日木曜日、THE TON-UP MOTORSの〈ファイティング・ステップ 〜炎のタイトルマッチ〜〉ツアー・ファイナルとなるワンマン・ライヴが渋谷クラブクアトロでおこなわれ、観客の鳴りやまぬアンコールの声の中ツアーを締めくくった。

台風のような暴風雨に襲われた東京。早い段階で多くの観客で埋まったフロアに陣取っているのは、圧倒的に「大人」。イカした音楽を沢山知っているであろう大人たちだ。おとなしく音楽を聴きたいわけじゃなく、ただ暴れたいだけでもない、そんな心あるファンが付いているのがTON-UPというバンドなのだろう。

会場に流れる古いR&Bがフェイドアウトするとともに暗転し、SEが鳴り出すと観客が手拍子でバンドを迎える。井上、長谷川、堀内がステージに上がり長谷川が「レディース&ジェントルマン!」と叫んで演奏開始。ダイナマイト・コールに乗って、ボーカルの上杉が登場! 昨年発売されたファースト・アルバムから「ファイティング•ステップ」でライヴはスタート。JBばりの上杉のシャウトに楽器陣が小気味良いリズムで応える。

続く「ケモノノチカラ」では荒れ狂う暴風雨のような演奏を聴かせ、「嵐の平日、よく来てくれた! あたたまって帰ってくれ!」と観客に声を掛ける上杉は既に熱くなっているようで、銀ラメジャケットを脱いで「1LIFE 1LOVE SOUL」へ。タンバリンを叩きつつフロント三人で決めポーズ。休むことなく立て続けに曲を連発して観客を煽る。タイトでクリアな音で繰り広げられる演奏に乗って歌う上杉のボーカルが伸びて行く。ライヴを観ながら「最近こういうバンドないなあ」と嬉しくなってしまった。MCを挟み指でリズムを取りながらのコーラスから始まるシャッフル・ナンバー「電話するよ」。間奏では井上がストラトで見事なカントリー・リックを聴かせた。

「ラブソングをやります」と上杉が「愛してる」をほぼ弾き語りでソウルフルに熱唱。ボーカリストとしての力量を示した。リーダーの長谷川がツアー・ファイナルを迎えられたことを感謝すると、上杉がメンバー紹介。ドラムの堀内がこの日の為に自慢のヘアを黒く染めた事を報告した後、全員で作詞したという「それが愛さ」へ。間奏では上杉が金ラメのテレキャスでソロを取ると、井上、長谷川、堀内の順にボーカルを取りファンは大喜びだ。そしてライヴ初演奏という堀内作曲の「街の灯り」を披露。かなり硬派な熱い演奏で、初披露とは思えなかった。

ツアーはツーマンでおこなってきたがファイナルはワンマンでTHE TON-UP MOTORS対THE TON-UP MOTORSでやりたかった、というMCから気合いの入った「泣かすぜベビー」から「右腕ファイヤー」。赤く照らされたステージで長谷川、井上がジャンプ。ボクサーのようにパンチを繰り出す上杉が振り返るとエンディングでは堀内の凄まじいドラム・ソロに大歓声が上がる。

ライヴは後半戦に突入。「バカ笑い大将~!」と叫びながら煽るとフロアは両手を叩き大盛り上がりだ。上杉の「ワンマン・ライヴというのは、みんなに支えられているということが良くわかる場です」とのMCから歌われた「無名のうた」はこれまで歩んできたTON-UPのバンドに賭ける想いが凝縮された歌と演奏で、曲が終わると大きな拍手が沸き起こる名演だった。

「早いもので、あと残り2曲です」という上杉のMCに「え~!?」と悲鳴が上がる。「今日、足元の悪い中来てくれたみなさんに、あの日渋谷でTON-UPのライヴ見たなあって言ってもらえるように、俺たち絶対駆け上がるんで!」とアツいMCから「花が咲いたなら」、最後はニュー・アルバムのオープニング曲「準備OK」で「アー・ユー・レディ!?」と連呼して観客に思いっきり火を点けてライヴは一旦終了。もちろんすぐさま手拍子でアンコールを求めるコールでメンバーの名前を呼ぶファンたち。

「こんな息継ぎのないコールを聴いたの始めて(笑)」と、ツアーTシャツに着替えて再びメンバーがステージに上がると、上杉が「今年は修行として、北海道179市町村ツアーをやります!」と宣言。どよめく観客たち。とんでもないことにチャレンジするものだ。「みんな応援してくれ~!」と新曲「札幌ブギ」を披露してからライヴの最後は「この曲に何度も助けられてきました」と「歓びを唄う」を観客の手拍子に乗って歌う。

「今日のファイナル・ラウンド、主役は俺たちだけじゃない。身銭を切って来てくれたみんなも主役です! だから一緒に歌おう!」と上杉。文字通り歌うことの歓びを全身で表現して「本当に最高でした! どうもありがとうございました!」と最後まで観客に感謝を忘れずにステージを降りた。しかし、送り出しの音楽が流れ出してもフロアの観客は一切動かず。しばらくアンコールを求める声が続いたものの、改めてライヴ終了のアナウンスが流れてライヴが終了した。確かな演奏力に支えられたバンドの熱いパフォーマンスと、それに応えるファンとの信頼関係が感じられるライヴだった。「北海道179市町村ツアー」という前代未聞のチャレンジに打って出るTHE TON-UP MOTORSに今後も注目したい。(岡本貴之)

THE TON-UP MOTORS
〈ファイティング・ステップ 〜炎のタイトルマッチ〜〉
ツアーファイナル・ワンマン・ライヴ
2014年3月13日(木)渋谷クラブクアトロ

〈セットリスト〉
1. イントロダクション
2. ファイティング•ステップ
3. ケモノノチカラ
4. 1LIFE 1LOVE SOUL
5. 無邪気なひと
6. 電話するよ
7. 愛してる
8. それが愛さ
9. 街の灯り
10. 泣かすぜベビー
11. 右腕ファイヤー
12. バカ笑い大将
13. 無名のうた
14. 花が咲いたなら
15. 準備OK

EN1. 札幌ブギ(新曲)
EN2. 歓びを唄う

[ニュース] THE TON-UP MOTORS

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