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2013/11/29 23:41

 

Especia、通算16回目となる定期ワンマンを現地レポート--大阪便り

 

大阪・堀江系ガールズグループEspecia。今月より3か月連続リリース、バンド・サポートのワンマンも決まっており、2013年は飛躍の年となった。80’sアーバン・ポップな音楽性がアイドルファンのみならずポップ・フリークの間でも話題を呼び、OTOTOYでも取り上げてきた。

そんな取り巻く環境が変わりゆく中でも結成当初から続けているものがある。それが大阪・南堀江のおしゃれな店が立ち並ぶオレンジストリートに位置する本拠地、Vedette Boite(ビレボア)での月一定期ワンマン公演〈Especial Especia〉である。通算16回目を数える原点のライヴの模様を大阪特派員の筆者がお伝えする。

前日にはいずこねこ、事務所の先輩で来月発売のシングル「Our SP!CE」にも参加しているBiS、2本のO.A.を務めていた彼女ら。それを受けて自身の番であるが150人ほどのキャパシティにほぼ満員状態。筆者が前回参加した今年7月の公演ではまだ後方に余裕があったことを思うと着々と支持を得ているようだ。

毎回この定期ワンマンでは何かしら新曲の解禁や今後の活動の発表があり、今回はまず新衣装が公開。結成当初は80年代後半のディスコ民か、今だったら天神橋筋(大阪にある日本一の長さの誇る商店街)におるおばちゃんしか着ないようなハッデハデ極彩色をまとっていた。しかし新しく変わる度にマイルドになり、今回はネルシャツの上に、おニャン子倶楽部のセーラーズを意識してか(?) トレーナーなど(三瀬ちひろ、脇田もなりの2人)80’sファッションといえど「その辺に歩いてそうな子」という風貌だ。変に衣装でバブル感を演出するというギミックを背負う必要がなくなったのだろう。

またSMAP「Peace!」を思わせるポップなアシッド・ジャズの1月発売シングル「YA・ME・TE!」に収録される残り2曲が初公開。ヴォコーダーを取り入れたYMO的ニューウェーブ「アバンチュールは銀色に」とそのc/wのスローなニュージャックスウィング「雨のパーラー」。これまでとはまた違った80’sの描き方だ。衣装の変化を含めて80年代後半ディスコ最盛のバブル期だけではなく、大きく80年代全体を現代から描き出すことにシフトしているのではないだろうか。

と、このように彼女たちはどうしても「アイドル」を凌駕するほどの音楽性について語られがちだ。これはアイドルソングにおけるEspeciaの偉大なる功績ではあるが、ライヴの定番「Good Times」ではメンバーがフロアに降りてきて観客とハイタッチしていく、ソロ・パートの多い冨永悠香・脇田もなりの見るたび成長する歌唱力など、アイドル・ライヴとしての魅力も多い。

またこのビレボア公演において特筆すべきはファンとのかかわりが見える場面だ。「Funky Rock」では脇田もなりが歌詞を飛ばしてもすかさず観客全員が大合唱する。ビレボアはステージがそれほど高くなく、間奏のダンスパートやMCになると前方の観客は後ろにも見えるよう自発的にしゃがみこむ。またアンコールでは11月に誕生日を迎える冨永悠香、森絵莉加の生誕祭がサプライズで行われ、ケーキや花束、ワイン(未成年の森はもちろんノンアルコール)、鏡開きの樽まで送られた。

その後の「オレンジ・ファストレーン」からは観客全員がサイリウムを振る。これらを準備したのもペシスト(ファンの総称)たちだ。最後にはこの日O.A.だった盟友いずこねこも11月誕生日ということで花束を渡す用意周到さ。同じ大阪を拠点に活動するアイドル2組、「大阪盛り上げていきたいと思います!」という高らかな宣言を残し、幕を閉じた。

彼女たちにとって本拠地ビレボア公演は月一回の勉強会&ファン感謝祭のようなものだ。結成当初からのペシストから、お手並み拝見とばかりに見に来たA.O.R大好きおじさんやアイドルファンまでが見つめる中、新曲をおろして一番近しい観客の反応を確かめ、声援を受け取れる場所。観客も一番早い情報公開・新曲を楽しみにし、一番近くで応援出来る場所。その双方向の密なやりとりが出来る場所を持っているということは強い。今の快進撃の背景には毎月のビレボア公演での蓄積が大きいことわかるライヴであった。(峯大貴)

〈Especial Especia 16th Live〉
2013年11月24日(日)VedetteBoite
OA : いずこねこ

[ニュース] BiS, BiS1st, BiS2nd, Especia

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