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2013年10月01日22時32分

 
KANA-BOONをはじめとした3組の共演〈GLICO LIVE“NEXT”〉を現地レポート--大阪だより
 

はじめまして、大阪特派員の佐藤ワカナです。暇さえあれば新しい出会いを求め、ライヴハウスへ通う日々。私が知っている関西の音楽シーンなんて氷山の一角かもしれませんが、それでも「まだまだ全国に届いていない!」ということで、これから定期的に大阪をはじめとする関西圏で起きている音楽情報についてリアルな声をお届けしていきたいと思います。

いま、関西ではTSUTAYAとライヴハウスが協力してライヴハウス推薦アーティストのCD(流通していないものも含め)を無料レンタルできたり、TOWER RECORDSとライヴハウスが協力してTOWER各店舗の推薦アーティストのブッキング・ライヴが行われたり、とライヴハウスだけに完結しない音楽シーンの土壌が出来つつある。関西がシーンをリードしていくんだという意識を持ち、先に述べた様に「音楽」を共通項にそれぞれが協力する状況がみられる。第一回となる今回は、異業種コラボレーションにより9月16日、心斎橋JUNUSにて開催された〈GLICO LIVE“NEXT”〉の模様をお届けする。

〈GLICO LIVE NEXT〉とは、関西二大イベンターGREENS / 清水音泉、江崎グリコのサポートのもと、大阪を拠点とするラジオ局FM802が旗振り役となって「関西から音楽シーンを盛り上げていこう」を合言葉に開催されるイベントだ。今回はチケットが即完となっており、開演前の会場には溢れんばかりの高揚感が漂っていた。それぞれのバンドのファン層が微妙に違うバンドが集められ、観客のなかで新しいバンドとの出会いを感じられるように、と演出されたブッキングのように見える今回。そこには、ジャンルに偏りをみせず、全方位を守備範囲として発信していくんだという開催者の強い意志が見えてくる。

トップバッターはSEBASTIAN X。両手を大きく広げ、Vo永原がステージへ。メンバー全員がパッと前を向き、一音めを思いっきり鳴らされる。まるでライヴの始まりを告げるファンファアーレのように華やかに鳴らされる音が彼女を包み込む。「ヒバリオペラ」では軽快なリズムに乗せ会場を揺らしたかと思えば、「東風(とんぷぅ)!」「ウォー・アイ・ニー!」「火の車!」「ストロベリー!」のお馴染みコールアンドレスポンス。この日は「大阪JUNUS! 台風去った! いえーい!」なんてバージョンもあり、更に会場の一体感を加速させていく。「DNA」では、会場がライヴハウスからミュージカルのステージに変わったかのような感覚を覚えた。サビ以外の部分ではバンドの音もシンプルなもので歌が際立つ構成で、これまでのどの歌よりも聴かせる、届けるという意思が明確だった。そして、その歌そのもの台詞にすら聞こえてくるのだ。サビでクレッシェンドがかかったように盛り上がっていく場面では、永原の感情を工藤の呼吸をするようなKeyが見事に表現していた。その小さな体からは考えられないほどのエネルギーを歌に込め、私たちへ届け、SEBASTIAN Xはステージを去った。

続いてはSAKANAMON。幕が開いた瞬間にお客さんが一気に押し寄せ、熱の上がる会場に、新曲「花色の美少女」を披露。ライヴではギターがソリッドに掻き鳴らされ、切ないメロディをも力強く聴こえさせていた。「空想イマイマシー」ではハンズクラップとともに浮遊感漂うメロディに乗せ、フロアを優しく揺らしていく。曲中にKANA-BOONの「ないものねだり」のコールアンドレスポンスを披露(笑)。あまりに気持ちよさそうに歌うVo藤森に、お客さんもたまらず笑顔がこぼれていた。最後のブロックでは「マジックアワー」「ミュージックプランクトン」とキラーチューンを連続投下。これでもかと会場を沸かせ、最後のバンドへと繋いでいった。

ラストは大阪・堺の生んだKANA-BOON。疾走感抜群のナンバー「ストラテジー」に始まり、ハンズクラップも巻き込んでいく「クローン」と、今のバンドの勢いそのままに駆け抜けていく。そうかと思えばBa飯田のちょっと面白い小話系MCで会場をほっこりとした空気で包み込む。本編ラストは「ないものねだり」。ライヴでは曲冒頭に「ワンツー!」とお客さんがカウントするのだが、さすが地元、溢れんばかりの掛け声で一気に曲が走り出す。アンコールでは機材トラブルに見舞われたが、ボケありツッコミありのザ・関西トークで乗り切り、会場は興奮のるつぼと化し全アクトが終了した。

今回出演の3バンドは、30分という短い持ち時間のなかでも自分たちのライヴを三者三様に魅せてくれた。また、CD音源の完全再現というより、それを超える熱量を持ったパフォーマンスを魅せるといった点で共通するものを感じた。そして会場では終始、どのバンドも柔軟に受け入れようとする姿勢がうかがえた。このライヴが意図した新しい出会いを十分に楽しんでいるようだった。バンド・オーディエンスの相乗効果で、GLICO LIVEが目指す信念はもっと大きなカタチで体現されると感じるライヴだった。(佐藤ワカナ)

〈GLICO LIVE“NEXT”〉
2013 年9月16日(月・祝) Music Club JANUS
出演 : KANA-BOON / SAKANAMON / SEBASTIAN X
MC : 飯室大吾

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