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2013年05月13日23時25分

 
THE RiCECOOKERS、実力を見せつけた圧巻のツアー・ファイナル——OTOTOY最速レポ
 

5月12日(日)、ニューヨーク在住の日本人バンドTHE RiCECOOKERSの4ヶ月ぶりの日本ツアー「THE RiCECOOKERS JUXTA-NOISE TOUR」のファイナル公演が、代官山UNITにて行われた。筆者が彼らのライヴを観るのは、この日がはじめてだ。正直な感想を書こう。ここまで圧倒的なステージだとは想像していなかった。それほどまでに高い演奏力を持ち、凄まじい熱量を放っていた。

この日の代官山UNITは、多くの人で埋め尽くされていた。客席には、比較的若い女の子の姿が多く見られる。そこに混ざって、ロック・キッズと思しき男の子たちの姿も見える。オープニング・アクトのN.Y&Bicycleの演奏が終わり、セット・チェンジ。しばらくすると、薄暗いステージにTHE RiCECOOKERSのメンバーが登場する。場内にギターの音が鳴り響くと、そのままインストゥルメンタルの曲が演奏される。バンドの音が重なり一つになった瞬間、その凄まじいグルーヴに圧倒された。これはとんでもないライヴになるのではないか。そんな予感がした。廣石友海(Vo、Gt)が天高く人差し指を突き上げ、「THE RiCECOOKERS! 行くぞー!!」と叫ぶと、「Outside In」がはじまる。バンドの演奏に廣石の歌が乗った瞬間、先ほどの予感は一気に確信へと変わった。廣石の歌は、バンドの轟音に対しても全く劣らぬ存在感と輝きを放ち、魂を持った曲が迫りくるように客席を包んだ。

ライヴは目立ったMCもないまま、次々と勢いのある曲がノン・ストップで繰り出される。演奏の熱はどんどん増していく。そんな彼らの勢いに圧倒されているのか、序盤の演奏に対する客席の反応は小さかったように思う。演奏に乗るというよりは、みなステージを見入っている感じだった。それも無理はないのではないか。この規模の会場で、ここまで圧倒的なサウンドを繰り出すバンドを、他に観たことがない。

6曲を演奏した後、この日はじめてのMC。廣石が「みなさん今日は来てくれてありがとうございます! THE RiCECOOKERSです!! ツアー・ファイナルの代官山UNITでみんなに会えてうれしいです」と挨拶する。ステージと客席が笑顔に包まれ、和やかな空気になった。その後「Sweet Canaan」が演奏され、ライヴは中盤に入る。客席から聞こえる歓声やメンバーを呼ぶ声が、徐々に大きくなっていく。それに応えるように、ギターの藤井恒太がステージから乗り出すようにギター・プレイを披露する場面も見られた。

へヴィーなリフが耳に残る初披露の新曲や、赤く明滅する照明の中で行われた大山草平の重厚なドラム・ソロを挟みつつ、ライヴは終盤へと突入する。演奏はますます白熱し、廣石は強烈なシャウトで何度も客席を煽る。ベースの若林大祐は激しいヘッド・バンギングを見せ、被っていたキャップを吹っ飛ばした。そして彼らの代表曲というべき名曲「NAMInoYUKUSAKI」のイントロのギターが鳴り響くと、客席からこの日一番の歓声があがった。ここから「hero」「of the real」の流れは、言葉にならないくらい素晴らしかった。ロックの眩い美しさが詰まっていて、序盤はおとなしくステージを見入っていた客席も、ここではみな一斉に手をあげていた。THE RiCECOOKERSの音楽が、観るものの心を掴んだ瞬間を目撃している気分だった。

ここで本編は終了するが、こんな演奏を見せつけられて黙っていられるわけがない。アンコールを求める拍手と歓声に導かれ、再びメンバーがステージに戻ってくる。廣石が「楽しかった?」と客席に問いかけると、みな口々に「楽しかった!」と応える。それを聞いた廣石は満足そうな笑顔で、「俺も楽しかった。本当にありがとうございます」と感謝の言葉を口にした。その後3曲演奏し、会場が再び熱狂に包まれる。演奏が終わると、場内に大きな拍手と歓声が鳴り響いた。メンバーが笑顔で応え、深く頭をさげると、2時間に及ぶライヴは終了した。

この熱狂は、ライヴ・ハウスにとどまるべきものではないと強く感じる。夏の野外フェスのメイン・ステージに彼らの音が鳴り響く光景が、容易に想像できてしまった。というか、観たい! 彼らがここまでポテンシャルの高いライヴをすることができるのは、ただ単にニューヨークに住んでいるからということだけではないはずだ。アウェイの状況が当たり前の異国の地で、ゼロから地道にライヴを積み重ね、観るものの心を確実に掴んできた実績がある。その経験が、彼らの高い演奏力とパフォーマンスを磨き上げてきた。すでに実力は申し分ない。あとは彼らの音が、グルーヴがより多くの人へ広がるだけだ。ライヴの興奮は、身体に残った熱と耳鳴りとともに、冷めることなかった。(前田将博)

〈THE RiCECOOKERS JUXTA-NOISE TOUR FINAL〉
2013年5月12日(日)@代官山UNIT

セットリスト
1. Outside In
2. あかし
3. Time Traveler
4. para-sight
5. Narcissus Echo
6. ロックンロールを永遠に
7. Sweet Canaan
8. KARUNA
9. Cellophane Water
10. ˈblēd aʊtt
11. mariana
12. SAKANAGI
13. AUDIOLETTER
14. 粋彩遊戯
15. Paradise
16. ムリヤリ
17. I
18. NAMInoYUKUSAKI
19. hero
20. of the real

ENCORE
21. anima
22. May
23. LAKE

・OTOTOY THE RiCECOOKERS 2週連続ロング・インタビュー
第一弾 http://ototoy.jp/feature/index.php/20130501
第二弾 http://ototoy.jp/feature/index.php/20130507