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2013/04/16 17:00

 

大槻ケンヂ対談集『40代 職業ロックミュージシャン』に見る“死なないロッカー”の明日

 

ロックバンド“筋肉少女帯”で1988年にメジャー・デビュー、その後紆余曲折ありながらも、作家活動等と並行してロック・バンドのボーカリストとして活動する大槻ケンヂが、同じく不惑越えの同世代ロック・ミュージシャンと対談した『40代 職業ロックミュージシャン』がアスキー出版から発売された。

シド・ビシャス、ジミ・ヘンドリックス、ジム・モリソン、カート・コバーンetc…ロッカー達の若き死はその歴史の中で美化されてきた。ところが最近はロッカーもなかなかどうして長生きだ。バンド・ブームまっただ中で活躍した大槻ケンヂも気が付けば47歳。40代というかつてロックでは有り得なかったような年代に入り、そうそう「不惑」ではいられない心境を、かつて共にバンド・ブームを盛り上げた同志たちを招き語りあったこの本。寺田恵子(SHOW-YA)は体力維持の為にジムのみならずキック・ボクシングに励み、ROLLYは40歳越えメイクのこだわりを語ると共に若い男の子の美肌にショックを受け、中村あゆみは子供への性教育に頭を悩ませる。宮田和弥(JUN SKY WALKER(S))が中1の息子にミスチルの曲をギターで教えれば、鈴木圭介(フラワーカンパニーズ)は筋トレを始め鏡の中の自分に恍惚とし、水戸華之介(アンジー)は年金について考える…。年相応の日常を送りながらもロッカーで有り続ける彼・彼女らの姿を参考に、“大人になってもドロップアウトし続けるためにキッチリ生きる”勇気をこの本から受け取って貰いたい。(岡本貴之)

『40代 職業ロックミュージシャン』
著者 : 大槻ケンヂ
出版社 : アスキー・メディアワークス
新書 : 272ページ
発売中

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