2013/02/08 20:44
本日2/8、忘れらんねえよのニュー・シングル『この高鳴りをなんと呼ぶ』の発売を記念し、タワーレコード新宿店にて、柴田隆浩(Vo / Gt)による弾き語りライヴが行われた。
開始1時間前から店内には100人以上のファンが詰めかけ、異様な熱気が立ち込める。というか、アイドル以外でこんなん見たことない。
人が人を呼び、開始10分前には、タワーレコード新宿店7Fは柴田のためにあるような状況。客層も、制服の女子高生からスーツ姿のサラリーマン、50代と思しき紳士に、芸人やミュージシャンなど様々。
ステージに現れた柴田を数百人の拍手が迎える。先週、代々木公園の野外ステージで行われた無観客LIVE(http://ototoy.jp/feature/index.php/2013013000)からは想像出来ない光景だ。「魂を込めて、気持ちを込めてやります」と自分に言い聞かせるように決意を表明し、始まったのは「忘れらんねえよ」。アコースティック・ギター1本に、最小限のPA。柴田の剥き出しの歌が突き刺さる。
立て続けに「北極星」。忘れらんねえよの最大の持ち味であるメロディ。ギターと歌のみだが、それだけでも充分に成立するほど、彼らの楽曲は“強い”ことを思い知らされる。
「後輩の可愛い子に良いところを見せようとして、飲み屋で隣のおっさんに絡んだら、髪を燃やされて土下座した」というエピソードを挟み、「ドストエフスキーを読んだと嘘をついた」。声を裏返らせながら<嘘をつきそうになってしまう>と繰り返す柴田。その凄まじい説得力に、客がぐっと引き込まれていく。途中、弦が切れるが、それすらも衝動の一つに変え、ライヴは加速する。
弦を張り替えながらのMC。「俺は3分に1回ぐらいエゴサーチをする男で、全員にリプライを返すと決めたので、毎日狂ったようにTwitterをイジっているですよ。で、同じ人に何回も返しちゃわないようにエクセルで管理してるんですけど、朝4時ぐらいに、ふと俺何やってんだろ? って思ったり」客席に笑いが漏れる。
そして、未発表曲「美しいよ」「この街には君がいない」と、見ているこちらが心配になるほどに力の込もった熱演が続く。1曲終わるごとに肩で息をする柴田。ボロボロになりながらも数百人に立ち向かう彼の姿は圧倒的に美しく、圧倒的に正しい。
「CからはじまるABC」を終え、息も絶え絶えに「サンキューセックス!」と叫ぶ彼の姿は戦う男のそれ。仕事をしながら「この高鳴りをなんと呼ぶ」のプロモーションやライヴに奔走し、とにかく一人でも多くの人に届けるため、なりふり構わずに生活を捧げる日々。疲れていないはずはないだろう。もはやMCもままならない。観客はみな、固唾を飲んで見守っている。
ラスト・ナンバーは「この高鳴りをなんと呼ぶ」。演奏を始めて直ぐに、再び弦がちぎれる。足りない弦で間奏を弾きながら「気持ちが入りすぎた!」とがなる彼に、今日一番の歓声があがる。客席は完全に柴田の熱量に巻き込まれるが、一緒に歌うような野暮なことはせず、傷だらけで戦う男を全身で感じている。この時、タワーレコード新宿店のフロアに、“うねり”が生まれた。
最小限のギターを、歌の熱量が、客席が、引っ張る。
<僕らは世界を変えんだ 変えんだ>
全身全霊を込めて、振り絞るように歌いきった柴田に大歓声があがる。弦の切れたギターをかき鳴らし、何度も「有難う!」と叫ぶ。柴田がステージを後にしても、熱に浮かされたフロアの拍手は鳴り止まない。覚悟をもって、正面から世界とブツかるバンド・忘れらんねえよ。彼らの音楽は、彼らの熱は確実に広がっていくし、広がっていかねばならない。“LIVE”し続ける彼らを、OTOTOYはこれからも追い続けていく。(藤森大河)
〈『この高鳴りをなんと呼ぶ』発売記念ミニ・ライヴ 忘れらんねえよ柴田プレミアム弾き語りツアー新宿公演〉
2013年2月8日(金) @タワーレコード新宿店 7F
<セットリスト>
1. 忘れらんねえよ
2. 北極星
3. ドストエフスキーを読んだと嘘をついた
4. 美しいよ(未発表曲)
5. この街には君がいない
6. Cから始まるABC
7. この高鳴りをなんと呼ぶ
・『この高鳴りをなんと呼ぶ』インタビュー
http://ototoy.jp/feature/index.php/2013012100
・忘れらんねえよ無観客LIVE入魂レポート
http://ototoy.jp/feature/index.php/2013013000
・有馬和樹(おとぎ話)×柴田隆浩(忘れらんねえよ)泥酔対談
http://ototoy.jp/feature/index.php/20130125
・忘れらんねえよ HP
http://www.office-augusta.com/wasureranneyo/