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2022/03/28 21:00

 

【オフィシャルレポート】さとうもか、企画ライヴ〈Pajama Party 2022〉にて新曲披露

 

オフィシャルライヴレポート:高岡洋詞
オフィシャルライヴ写真クレジット:中山桜

さとうもかが岡山在住時代、手作り装飾+ゲスト+全員パジャマ着用というコンセプトで開催していたマンスリーライヴが、規模を拡大して渋谷duo MUSIC EXCHANGEにやってきた。16時からの1部はぜったくんとの対バン、19時半からの2部はワンマンの2公演。ぜったくんといえばさとうもかとはいわば盟友のような関係で、さとうは彼の曲「sleep sleep」に参加し、昨年11月のワンマンライヴにもゲスト出演していた。

●1部:さとうもか with ぜったくん
寝具ブランドにありそうな "Pajama Party" のロゴが映し出されたステージに、MPCプレイヤーの【KO-ney】とコーラスの【キミカ】とともにぜったくんが登場。「sleep sleep」のアニメと同じストライプのパジャマにフードつきの「着る毛布」を羽織っていた。duo近くのラブホテルでアルバイトしていたときに作ったという「NiGHT SHiFTER」や音源と同じく【kou-kei】を迎えた「温泉街」、「最後、もかちゃんに捧げたいと思います」と披露した「Parallel New Days」など、キャッチーな楽曲を思った以上にパワフルに聴かせてくれた。皮肉っぽいけど根は善良なぜったくんらしさ全開の40分だった。

「こんにちは! ”Pajama Party" にようこそ。突然だけど、みんなは誰かの夢の中って見たことある? 今日はそんな誰かの夢の中を、ここにいるみんなとこっそり覗いてみようと思ってこのパーティを開いたの。みんな準備はいい? 目を閉じて、瞼の裏が見えたら深呼吸を2回。すー、はー、すー、はー。心の中で10数えたら目を開けてね。10、9、8、7、6、5……」

インターバルを経て暗転したステージにオルゴール風のSEと影アナが流れる中、さとうもかとバンドがステージに現れる。もちろん全員パジャマ姿だ。まずはトイピアノとエレピを弾きながら、ちょっと懐かしい「old young」を披露(岡山時代からのお決まりオープニングと想像)。「1stステージは眠る前のわいわいパジャマパーティということで、ぜったくんも遊びに来てくれましたね。わたしは上から見てましたけど、みんな飛び跳ねたりして楽しそうで、すごくうれしかったです」と話して起立を促し、「Cupid's arrow」「melt bitter」で初っ端からフロアの温度を上げていく。

【シンリズム】(ギター)、【河合宏知】(ドラム)、【沼澤成毅】(キーボード)のおなじみの3人に初参加の【山本連】(ベース)を加えたメンバーを紹介して、3月2日に配信された新曲「愛はもう」を披露。同じ譜割のメロディを繰り返すグルーヴィなサビが魅力的だ。続いてはガットギターを手にして「Woolly」。「いま一緒にいる人たちといつか道が分かれてしまうときが来るかもしれないし、大人になるためにいろんなことを忘れていくかもしれないけど、悲しいことも含めて全部を覚えていたいなぁ、という気持ちで、4年前に書いた曲です」と紹介して、もうひとつの新曲「舟」を切々と歌った。エレキギターに持ち替えてオルタナティブロック心全開の「愛ゆえに」、「2ndステージでは本当に夢の中に入ることができるので、よかったらまた遊びに来てください」と話して「最低な日曜日」。後者ではぜったくんが再登場してデュエットを聴かせた。

二人は先日YouTubeでゲーム動画を配信したそうなのだが、その罰ゲームが「人生で初めて作った曲を披露する」というもので、負けたさとうが高校時代のバンド「プリン三宅」のために作ったものの「なんか変やなぁと思って、もう一生やらないって思った曲」を歌うことに。歌詞を載せたスマホをぜったくんに持たせ、「ファンタジー」と題されたその曲を弾き語りで披露。KO-neyとキミカを招き入れ、さとう、ぜったくん、キミカの3人でステップを踏みながら「sleep sleep」を歌い、約1時間のステージをハッピーに締めくくった。
(YouTube企画「さとうもかのダレカとナニカ」 https://youtu.be/f5-9kbmtqnc

●2部:さとうもかワンマンライヴ
開幕は1部と同趣向の「old young」。ピアノセットがはける間にオープニングの影アナが流れ、「Woolly」「オレンジ」「Cupid's arrow」の連打で1部以上に強烈に盛り上げる。ステージのあちこちに幕が張られ、寝室っぽい意匠が施されているのは1部と同じ(フロアランプの位置が違うくらい)だが、ここからが2部の本領発揮。起立型のベッドのセットが運び込まれ、さとうが「ふぁ~」とあくびをしながらもぐり込むと、ステージ背後に夢の中のさとうの映像が映し出され、duoは彼女の夢の中に舞台を変えるのだ。

ガットギターを手に名曲「Lukewarm」を歌い、夢の中のさとうが落下するとクラッシュ音が鳴り響いて、ハンドマイクで「Destruction」。バンドサウンドで迫力満点だ。夢もかがムーンウォークを披露し、リアルもかはパラパラダンスで「パーマネント・マジック」を歌って、二つの世界が同時進行していく。さらに、夢の中に殺人鬼(イラスト)が現れて「キャー!」の叫び声からの「殺人鬼」。再びベッドに入ったさとうのもとにぬいぐるみの「ボス」が現れ、「もか殿、何をライブ中に寝とるんじゃ」と揺り起こす。

ボスを抱いての「melt bitter」は、Bメロの♪Woo~のコーラスのたびにボスの口元にマイクを当てるのがかわいい。「わしはもうおねむの時間じゃ。達者での~」とボスがはけると、さとうは「すいません、ライブ中に寝ちゃったりして。布団があったもんで……みんな何か見てました? というわけで、夢劇場でした」と現実に戻ってくる。"Pajama Party" の来歴を語り、「(岡山では)毎回お客さんが30人ぐらいでやってたんですけど、いつか大きな場所で布団みたいなセットを置いてやってみたいなって憧れてました。それがみんなの力で叶ってとてもうれしいです。最近また新曲を出したの知ってますか?」と問いかけて「愛はもう」を披露した。

メンバー紹介を経て、「久しぶりにやります」と沼澤成毅と共作した「ばかみたい」、エレキを手にして「愛ゆえに」、ガットギターに持ち替えてメンバーのソロをフィーチャーした「歌う女」、「音楽をいつまで続けていくんだろうってたまに思うんだけど、ずっと続けられたらいいなって思います。大学生のときもそう思ってて、そのときに作った曲で終わろうと思います」と話して、7年前にリリースした「Wonderful voyage」で本編は終了した。

アンコール待ちの来場者へのサプライズプレゼントとして上映されたのは、このあと21時15分にプレミア公開した「舟」のミュージックビデオ。岡山で撮影したそうで、子どもたちのひたむきな演技と自然光の美しさが曲のすばらしさをいっそう引き立てる効果的なMVだ。余韻に静まり返ったフロアに向かい、再びステージに上がったさとうは「舟」に込めた思いを語った。訥々と切々と、しかしだからこそ気持ちが伝わるMCだった。(「舟」MV https://youtu.be/-nV_5aGzaAo

「この〈舟〉は4年ぐらい前に作った、自分の中で本当にすごく思い入れのある曲です。わたしが大学生ぐらいのときに毎日がすごく楽しくて、それまで知らなかった気持ちをたくさん知って、絶対に忘れたくなくて、毎日何回も思い出したりしてたけど、新しい場所に行くと新しい思い出がどんどん増えて、一生忘れたくないって思ってたことも鮮明には思い出せなくなって。それがすごく悲しいなって思って、忘れたくない、ずっと覚えておきたいから曲に残した、そんな曲です。わたしは10年ぐらいずっと同じ人のことばっかり曲にしてて、とても大切に思っているけど、その4年ぐらい前から、どんなに仲がよくてもいつかは道が分かれていくんだろうな、ってわかってて。いまちょうど自分にもそういうことが起こってるから、いまこの〈舟〉という曲を出せたのは奇蹟だなって思うし、この歌詞みたいに、本当に大切な人の背中を押せるような人になりたいなって思って歌おうと思います。……変なMCでごめん。聴いてください」

僕は2階席から見ていたが、この後の「舟」の演奏時には、フロアに大きな感動の波紋が広がるのが目に見えるようだった。「ちょっとしんみりしちゃったけど、『舟』を歌えてよかったです。こんなときになんなんですけど、グッズを紹介させてください(笑)」と雰囲気を変えて、最後の最後は「〈最低な日曜日〉のちょっと違うバージョン、〈最高な水曜日〉というのをやってみようかなと思います。1stステージに来てくれたぜったくんとは前から仲よかったけど、このライブを通してすごく仲よくなった感じもしてうれしい。(中略)本当にみんなありがとうございます。最後はみんな一緒に楽しんでもらえるとうれしいです」と語って、残っていてくれたぜったくんも参加して「最高な水曜日」で賑やかに閉幕した。

二人に短いコメントをもらったので、最後に記しておく。MCで何度も「夏ごろには憧れていた場所で何かやるかもしれない」と言っていたので、いまから楽しみに待っていよう。

さとうもか「WOOLLYツアーのワンマンとはまた全然違う雰囲気の楽しいライブになってよかったなぁと思います。ぜったくんが一緒にイベントを作ってくれたのも、この優しい雰囲気につながったのかなと思います。あとは自分の中で、この日は〈舟〉を歌うことにいちばん重きを置いていたので、ちゃんと自分の思いを伝えて歌い切れたのが本当によかったです」

ぜったくん「お客さんがあったかくて、すごく楽しかったです。それよりもかちゃんのステージがやばすぎて、袖で見てて食らいまくりました(笑)」

◯Pajama Party 2022セットリスト
<1部 ぜったくん>
01. Man Sey Bien
02. Catch me flag!!?
03. NiGHT SiFTER
04. Bad Feeling
05. Amy
06. Sunday Sunday
07. 温泉街 feat. kou-kei
08. Parallel New Days

<1部 さとうもか>
1. old young
2. Cupid’s arrow
3. melt bitter
4. 愛はもう
5. Woolly
6. 舟
7. 愛ゆえに
8. 最低な日曜日 with ぜったくん
9. sleep sleep with ぜったくん

<2部 さとうもか> ※ワンマン
1.old young
2. Woolly
3.オレンジ
4. Cupid’s arrow
5. Lukewarm
6. Destruction
7.パーマネント・マジック
8. 殺人鬼
9. melt bitter
10.愛はもう
11.ばかみたい
12. 愛ゆえに
13. 歌う女
14. Wonderful voyage
アンコール
15. 舟
16. 最低な日曜日 with ぜったくん


[ニュース] さとうもか

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