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2022年01月26日19時00分

 
DURAN、ツアー初日で見せた自由な精神が生む最高のグルーヴ-OTOTOYライヴレポ
 

ギタリスト/シンガーソングライターのDURANが2022年1月22日(土) 埼玉・熊谷HEAVEN'S ROCKにてライヴツアー〈KALEIDO GARDEN TOUR 2021-2022〉を開催。持ち前の自由な精神から生み出すバンドのグルーヴで、2022年ツアーのスタートを切った。

~以下、独自ライヴレポート~

昨年11月にリリースしたセカンド・アルバム『KALEIDO GARDEN』を携えて11月21日(日)千葉・千葉LOOKからスタートした〈KALEIDO GARDEN TOUR 2021-2022〉。この日のライヴは、2022年のツアー初日となる。全25曲収録の『KALEIDO GARDEN』は、大ボリュームながらインターミッション的なショートチューンを挟みテンポよく楽しめる傑作。現在の音楽シーンで耳にするギターとはまったく違う空気感を纏ったそのサウンドは、王道ロックのマナーを踏襲しつつ、どんなアーティストよりも先鋭的で、強烈に印象に残る。アルバムリリース時のインタビューで、「ちゃんと生の音を届けたい」と語っていただけに、アルバムの世界観を生の音でどのように伝えてくれるか、大いに期待して会場へと向かった。

対バンは2組。3ピースバンドHi-BALLが硬派なロックンロールをビシッとタイトな演奏で聴かせると、同じく3ピースの地元バンド、Kamuy(カムイ)は叙情的なオープニング曲からドラマティックなラストナンバーまで表現力豊かなライヴを見せた。

ステージ転換でDURAN のバンドメンバー、Shiho(Dr) 、MASAE(Ba)、鬼塚康輔(Sax)がステージ上がりセッティングを開始。しばしその様子を眺めていると、サウンドチェックかと思いきや、いつの間にかそのままセッション的にライヴがスタートした。ドラム、ベース、サックスが作る幽玄な音像の中、 DURANがステージに上がるとテレキャスターを手にした。Shihoと向かい合いながら始まった曲は、『KALEIDO GARDEN』収録の“Revive feat. Katsuma (coldrain)”。ドラムセットに立ち上がってギターを弾くDURANと、それに対峙しながら重いビートを叩き出すShihoに観客はいきなり大盛り上がり。間奏ではハイポジションでテンションの高いソロを披露して会場を熱くする。演奏開始から少し経った頃、森秀輝(Perc)が加わってコンガを叩き出した。なんでまた途中から?と思ったが、どうやら前日にDURANから声をかけられて急遽参加となったため、遅れて会場入りしたようだ。演奏中、熱気に煽られて「暑いよ熊谷!」と言いながら上着を脱ぐDURAN。もしかしたら「日本一暑い街」熊谷にかけていたのかもしれない。とにかく、最初からステージ上は自由な精神に満ち溢れていた。

ギターをストラトに持ち替えてブルージーなフレーズを繰り出しながら、「今日、お酒飲めないんだ?残念!せっかく2022年のツアー初日なのにね。まあ、音楽もお酒なんで。こういう感じで、我々は何も決めずに音楽に身を委ねて音を出しているんで、みなさんも楽しんでください」とDURANが語り掛けると、観客は拍手喝さい。その間もバンドは3コードのブルースを奏でていて、どっぷりと泥臭い演奏の中で鬼塚のサックスが咆哮する。

「今日が2022年ツアー初日、こんな時期ですけど無事にやれてよかった!まあ、こんな世の中なんで、そんな話は忘れていいと思う。エンターテイメントってそのためにあるんで」とのMCからストラトを鋭くかき鳴らして、“Voodoo In Me”へ。アルバムで聴いた音がそれ以上のクオリティと迫力で再現されている。MASAEが歪んだ音でベースソロを弾くと鬼塚のサックスが妖し気に絡んで、DURANはマイクスタンドを握り髪を振り乱して狂ったようにシャウトする。

詩の朗読が流れる中で演奏された“No In Between (It's Time to Do or Die)”から、延々とエモーショナルなギターソロを弾き続けるDURAN。バンドの一体感はそのままに、“Put The Gun Down”へ。スタジオバージョンよりも少し速いテンポの演奏となっていた。間奏に入る前に「ギター、俺!」と宣言してからソリッドなソロを弾くと、観客を煽りながら歌う。ベースソロに続いて強烈なギターリフ、再び歌が始まって曲が終わったかと思いきや、冒頭のベースのリフに戻って今度は長いサックスソロ。そして再び歌に戻るという、スライ&ザ・ファミリー・ストーンばりの終わらないセッションが続く。と思っていたら、ガラッとベースリフが変わって“All Is Beautiful And Fair”へと展開していった。アッパーなコンガのリズムに乗って、「こうなっちゃう」と、ヒゲダンスポーズを見せて観客を笑わせるDURAN。その直後に一瞬弾いてみせた、曲とは似つかわしくない哀愁漂う泣きのギターフレーズが鮮烈だった。ステージ前方での鬼気迫るギターとサックスの掛け合い、繰り返されるパーカッションのソロ、バンドが生み出すグルーヴで会場は興奮の坩堝と化した。ラストは“Love The Way You Move feat. KenKen”。MASAEのファンキーなベースソロがフィーチャーされ、終盤では鬼塚のサックスソロに向かい合って跪き、最後は仰向けになってギターを弾くDURAN。熱狂が頂点に達してエンディングとなった。

演奏中にメンバーの様子を伺っていると、DURANの方を見ながら合わせていく姿が度々見てとれた。「何も決めずに音楽に身を委ねて音を出している」との言葉通り、決まったリフなど以外は本当になにも決めずにアイコンタクトで演奏しているようだった。優れた演奏技術を持ったミュージシャンたちがそういう自由な精神でステージに上がっていること、一発勝負のライヴに臨んでいることが、最高に刺激的で楽しく感じられた。そして、自由がゆえにその瞬間のインスピレーションで放たれる音は、まさしく“生”の音だった。それは、DURANという人間が一枚の作品となったアルバム『KALEIDO GARDEN』の世界観がそのまま体現されていたといえる。

ツアーはまだまだ続くものの、一度として同じライヴはないはず。6月23日(木)には、ツアー最終公演として渋谷Spotify O-EASTでのワンマンライヴ〈KALEIDO GARDEN TOUR FINAL〉が開催されることも決定している。DURANのソロキャリア最大となるキャパシティーとなる会場でも、その唯一無二の自由な精神で最高のエンターテイメントを見せてくれるに違いない。

取材・文・写真:岡本貴之

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