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2021/11/23 21:00

 

即完した〈chelmicoの大きい音ライブ〉大反響で終幕、神セトリ公開

 

RachelとMamikoによるラップデュオchelmicoのワンマンライブ「chelmicoの大きい音ライブ」が11月22日、Zepp DiverCityにて行われた。

CGや映像エフェクトを駆使した無観客ライブ「chelmicoが2次元と3次元を行き来する#ごちゃmazeハイパーバーチャルライブ」が昨年あったものの、有観客のワンマンライブとしては、コロナ禍で中止となったツアー「chelmico 感謝祭 Tour 2020」をはさみ、2020年9月の「chelmico Fishing Tour」追加公演以来、2年2カ月ぶりとなるchelmicoのライブ。その期待感の高さを表すように、ソールドアウトとなったこの公演には、様々なグッズを身に着けた「ベアーズ」(chelmicoファンの呼称)や、老若男女を問わない幅広い年代のファンが駆けつけ、久々のchelmicoライブを心待ちにした。

客席の明かりが消え、ステージにはchelmicoのバックDJを務めるTOSHIKI HAYASHI(%C)が登場すると、会場からは拍手が上がる。そして%Cの流すオープニング曲に合わせてchelmicoの二人が登場。Rachelは黄土色の、Mamikoは紫のサロペットという新衣装で登場し、「イェー!おまたせ!chelmicoだよ!」とRachelがオーディエンスに呼びかけると、2021年4月リリースのEP「COZY」のオープニングを飾る“To Be continued”からライブはスタート。

そして曲終わりMamikoが「みなさんお久しぶりですchelmicoです。この2年2ヶ月の間にRachelが結婚と出産しました」とは話し出すと、大きな拍手が会場から上がる。「この曲をRachelに贈りたいと思います」という言葉から結婚式の定番ソングともなっている“OK, Cheers!”。オーディエンスも曲に合わせて手を振り、Rachelを祝った。

「MC Rachelだよ」「MC Mamikoだよ」「chelmicoだよ!」というライブでの定番の挨拶も2年2ヶ月ぶり。Mamikoの「本当にお久しぶりです。こんな時に来てくれて本当にありがとう。「maze」の曲も「COZY」の曲も、新曲もやるぞ!」という言葉に、「(いままでのライブで)やってない曲やるぞ!ここから長いぞ!」と被せ、観客を煽るRachel。その言葉に続くように「COZY」収録の“COZY”、“cupcake ATM”、そして2020年8月リリースのアルバム「maze」収録の“GREEN”を披露。その意味でもコロナ禍にリリースされ、ライヴではまだ陽の目を見ることがなかった楽曲が次々に展開され、観客の期待に応えていく。

そしてDJの%Cの紹介をはさみ、Rachelの「俺ラップしてえよ!超格好いいラップするよ!」というMCから、%Cがビートを手掛けた“E. P. S.” を披露。ヒップホップらしいタフなビートに対して、chelmicoもタイトなラップを乗せ、ラッパーとしての自力の強さをライブを通してアピールする。同じく%Cが手掛けた “Terminal 着、即 Dance” 、そして “N.E.S.” と、ライブが出来ない期間でもラップ力は衰えず、むしろ向上していることをこのパートでは表現した。

%Cのビートライブの間にchelmicoは衣装をチェンジし、真っ暗なステージに二人が戻ると、ピンスポットやストロボ照明に照らされた“Limit”、長谷川白紙がトラックを手掛けた“ごはんだよ”と、chelmicoの中でもアブストラクトな感触のある楽曲を連続で披露。そのまま新曲となる“三億円”へと展開し、キュートなだけではない、chelmicoのソリッドな音楽表現を観客に提示した。しかし、続くMCでは「歌うときの水の置き場所問題」という、非常にどうでもいい話を始め、ピリッとした空気をユルッと和ませるもの、二人の人間性に依るものだろう。

そのまま、ステージに据えられた椅子に座って“どうやら、私は”、“ずるいね”と、このパートではメロウで柔らかな空気感で会場を包むchelmico。アコースティックなサウンドが印象的なフォーキーな“milk”では、二人のコーラスの妙も聴かせ、音楽性の幅の広さをパフォーマンスとして形にした。

「しっとりしちゃって。カッコつけちゃった」と照れ隠しのようなMamikoの言葉に続いて、「でもここからは盛り上がる曲しか残ってないから!」と、ライブの後半戦への期待を高めるRachel。「やばいよ、壊れちまうよ!」というMamikoの言葉が更にその期待を高め、そのままドラムンベースライクなビートで突っ走る“Player“、タイトル通りディスコティックなサウンドに合わせてクラブの情景を歌う“ Disco (Bad dance doesn’t matter)”、パーティサマーチューン“ Premium・夏mansion”、そしてエルヴィス・コステロもイギリスの大手新聞「ガーディアン」誌上で、この曲がOPテーマとして起用された「映像研には手を出すな」と共に「VERY COOL」と評した“Easy Breezy”と、chelmicoの盛り上げ曲を連続して展開。この日は観客がタオルを振り回すことは出来なかったが、その代わりに両手を上げて観客もその興奮を二人に伝えた。そして「みんなの楽しい熱気伝わってきたよ!」と感情を爆発させるRachelの言葉に続いて披露された、バンド:思い出野郎Aチームが手掛けたディスコファンク“エネルギー”で会場の熱気も最高潮に達し、大きな拍手が送られる中、ライブは一旦幕を閉じた。

そしてアンコールを求める手拍子のなか、再び登場したchelmico。この日のライブでは「声援が出せない代わりに、フェイバリットな曲には手でハートマークを作ってchelmicoにアピールする」とオーディエンスが発明したムーブがあったのだが、アンコールの一曲目として披露された“Balloon”には多くのハートマークが観客から上がり、この楽曲の人気の高さを伺わせる。そしてchelmicoらしい息のあったタイトな掛け合いで聴かせる“Highlight”に続いて、コール&レスポンスが出来ない代わりに、レスポンスの部分をクラップで補い、この状況においても以前と変わらない盛り上がりで聴かせた“Love Is Over”と、アンコールはchelmicoの代表曲とも言える曲を連続して披露。

「エモくなっちゃったな~」と声を震わせながら、それでも気丈に観客に視線を送り「本当にありがとうございました。また会えるときまでご無事で」とメッセージするRachel。そして「こんな状況だから来るのに悩んだ人もいると思いますが、本当に来てくれてありがとうございます」と、この状況を踏まえた上で、それでも自分たちを応援してくれるベアーズたちに感謝の気持ちを贈るMamiko。しかし最後はカラッと「またなんかあったら連絡します!」と以前と変わらない言葉で舞台を降りていったchelmico。そこからは「これからもchelmicoはchelmicoでいてくれる」という信頼をオーディエンスは受け取っただろう。

2年2ヶ月ぶりという、決して短くはない期間を空けてのライブ。それにも関わらず、chelmicoらしいキュートさとタイトさはそのままに、同時にその間にリリースされた「maze」「COZY」「三億円」という音楽的にも豊かな広がりを持った楽曲たちを通して、これまで以上にchelmicoのライブや存在感を立体化させ、今後のライブを更に楽しくさせることを、この日のライブを通して実証し、その期待を更に高めた充実のライブはこうして幕を閉じた。
尚、大反響で終わったライブのセットリストのプレイリストも公開中、急ぎチェックを。

テキスト:高木"JET"晋一郎

chelmicoの大きい音ライブセットリスト(2021.11.22)
https://chelmico.lnk.to/zepp20211122


[ニュース] chelmico

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