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2021年09月24日19時00分

 
大澤誉志幸、大ヒット曲から新曲まで見事な構成で魅せた40周年記念ライヴ―OTOTOYライヴレポート
 

大澤誉志幸のワンマンライヴ〈40th Anniversary “Special Selected LIVE”Yoshiyuki Ohsawa〉が2021年9月19日(日) ビルボードライブ横浜にておこなわれ、アニバーサリーライヴに相応しくキャリアを総括する内容でファンを楽しませた。

このレポートでは1stステージでの模様をお届けする。

今年デビュー40周年を迎えた稀代のメロディメイカー、大澤誉志幸。自身のヒット曲はもちろん、数々のアーティストへの提供楽曲も多い。果たしてどんな曲をどんなアレンジで披露してくれるのか? 期待が高まる中、開演の15時になり客電が落とされると、盛大な拍手に迎えられて、大澤が後藤秀人(Gt)、倉井夏樹(hmc)、伊藤隆博(Key)、千ヶ崎学(Ba)、椎野恭一(Dr)という凄腕ミュージシャンたちによるバンドを従えてステージに上がった。

キャップをかぶりサングラスをかけ、ジャケットを着た大澤は中央のマイクスタンドに向かうと、「大澤誉志幸です! 今日は40周年ライヴです。最後まで楽しんで行ってください!」と第一声。オープニング曲は、1984年のソロ・デビュー1stアルバム『まずいリズムでベルが鳴る』の1曲目を飾ったナンバー「e-Escape」だ(当時は「大沢誉志幸」名義)。リズム隊の怒涛のビート、ギター、ハーモニカ、キーボードによるユニゾンのリフ、間奏ではギターがソリッドなソロで興奮を煽る。繰り返される緊張感のあるリフと大澤のスモーキーな歌声で、一気に会場の温度が上昇した。ハーモニカが妖しげなムードを醸し出し大澤のボーカルと絡む「ハートブレイクノイローゼ」へと続く。さらに「CONFUSION (jazz ver.)」をオリジナルとは違うジャズアレンジで披露。曲間でベースがウネウネと動き回り、キーボード、ギターが縦横無尽に弾きまくり再びバンドがひとつになるアンサンブルの妙にため息が出た。

「クラウディ・スカイというバンドで40年前にデビューして、それから歳月が流れて今日に至ります。その間、アイドルの仕事やCMソングもやれば、コーラスの仕事もやったり。そのうち、自分でソロアルバムを出したいなと思って、4チャンネルのカセットで一生懸命デモテープを作りました。そんな初期の頃に作った作品で、あまりにも先鋭的過ぎるんじゃないかな?と思った楽曲です」

とのMCから歌われたのは、1stアルバムからの「Deep Sleep」。指を鳴らすようなドラムスティックの音が淡々とリズムを刻む中、サイケデリックなサウンドがステージを支配する。いまでも充分に先鋭的なサウンドだが、この曲を40年近く前に生み出しているあたりに、いかに当時から大澤が、鋭い感性で時代の先を行く音楽を作っていたのかがよくわかる。
バンドはそのままジャジーな演奏へ。歌い出したのは、中森明菜に作曲した「1/2の神話」だ。これも原曲とはまったく異なるジャズ・アレンジで、大澤の渋い歌声が曲に新しい生命を与えており、最後のスキャットまで引きつけられた。

「(「1/2の神話」は)明菜ちゃんの人気が上がりそうなときに、80万枚も売れたんです。沢田研二さんに書いた「おまえにチェックイン」は50万枚売れて、ビックリですよ。その後の「晴れのちBLUE BOY」は40万枚。だから、“デビュー前に100枚以上売った男”というキャッチフレーズで。でも、20代で「大沢先生」とか言われて、「これは違う、これは何かの間違いだ」と思ってソロデビューして、自分の好きな歌を歌おうと思ったわけです」とのMCから、代表曲であり大ヒット曲「そして僕は途方に暮れる」が歌われた。ハンドマイクを握り、身振り手振りを交えて熱唱する大澤。間奏ではノスタルジックなハーモニカが歌に寄り添う。歌い終わると、じっと聴き入っていた観客から大きな拍手がおきた。改めて、時代を越えた名曲だと感じた。この曲のタイトルは、Kis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔主演で2022年に全国ロードショーされる予定の映画『そして僕は途方に暮れる』のタイトルにもなっていることで、若い世代にも知られ始めているようだ。

「こうしたミュージシャンがいてくれるから歌える」と感謝しながらのバンドメンバー紹介から、「大澤誉志幸といえばファンキーミュージック!」ということで、ガラッと雰囲気が変わり、派手なサウンドのファンク「GET DOWN」へ。キーボードとハーモニカで、まるでホーンセクションが入っているかのようなスケール感だ。キメも連発して一体となったバンドと大澤のボーカルがグルーヴを生み、「晴れのちブルーボーイ」へと続く。ガシガシと前に押し寄せる演奏と〈言いたいことはヤシの実の中〉と繰り返す歌に会場中が巻き込まれていった。続いて、CM曲としてヒットした代表曲の1つ「その気×××」へ。ステージ左右を行き来しながら煽りながら歌う大澤。観客は体を揺らして曲にサウンドに身を委ねている。さらに、「GO GO HEAVEN」へと畳みかけて、会場中が一体化して興奮の坩堝と化した。テレビアニメ『シティーハンター』の主題歌としてヒットしたこの曲は、主人公の冴羽獠のイメージのように、一見チャラいがじつはダンディな曲。途中、サングラスを外して熱くパフォーマンスする大澤にそんなイメージがダブって見えた。怒涛の盛り上がり曲連発となったライヴは、「まずいリズムでベルが鳴る」で本編終了。

アンコールでは、「今年もコロナで大変な時期を過ごしましたけど、通常の40周年と違う味わいもまたいいんじゃないでしょうか。来年は41周年ですから、よろしくお願いします(笑)」とのMCに拍手が送られた。4ビートでリラックスした演奏に乗せてユーモラスなアクションも交えながら歌われる「Nobody knows」は、素顔の大澤が垣間見えて、なんだかやけにグッときた。最後は、「まだ発表してない新曲を特別に」との言葉から、バラード曲「祈り」が披露された。クラシックギターの音色も優しい、包み込むように語りかける楽曲だった。サイケデリックなムードで聴かせた前半、大ヒット曲でノスタルジックに聴かせた中盤、ダイナミックにゴリゴリのファンク・チューンから代表曲連発で会場を一体化させた終盤、そして未来へと続く新曲で締めくくったエンディング。40周年記念のステージを見事な構成で楽しませてもらった。これからも記憶に残る楽曲を作り続けていくであろうアーティスト・大澤誉志幸に、改めて注目していきたい。

取材・文:岡本貴之

ライヴ情報
大澤誉志幸〈40th Anniversary “Special Selected LIVE”Yoshiyuki Ohsawa〉
2021年9月19日(日) ビルボードライブ横浜
〈セットリスト〉
1. e-Escape
2. ハートブレイクノイローゼ
3. CONFUSION (jazz ver.)
4. Deep Sleep
5. 1/2の神話 (jazz ver.)
6. そして僕は途方に暮れる
7. GET DOWN
8. その気×××
9. 晴れのちブルーボーイ
10. GO GO HEAVEN
11. まずいリズムでベルが鳴る
アンコール
EN1. Nobody knows
EN2. 祈り

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