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2021/05/25 12:00

 

【ライヴレポート】でんぱ組.inc、飛躍の新体制初ワンマン〈Dear☆Stageへようこそ2021〉

 

5月19日に『プリンセスでんぱパワー!シャインオン! / 千秋万歳!電波一座!』をリリースしたでんぱ組.incが、5月22日に〈でんぱ組.inc ONE-MAN LIVE『Dear☆Stageへようこそ2021』〉を開催。新体制後初めて開催されたワンマン・ライヴの模様をお届けする。(初回掲出時から一部修正いたしました)

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2021年5月22日にチームスマイル・豊洲PITで開催された〈でんぱ組.inc ONE-MAN LIVE『Dear☆Stageへようこそ2021』〉は、新メンバーに愛川こずえ、天沢璃人、小鳩りあ、空野青空、高咲陽菜を迎えた新体制のでんぱ組.incによる初のフル・ライヴであり、同時に多くのレア曲とともにでんぱ組.incの歴史をたどるライヴでもあった。

10人組となったでんぱ組.incだが、古川未鈴は産休中。彼女はTwitterで実況しながら見守っていた。そしてライヴは、ステージにまず高咲陽菜がひとりで登場し、「Dear☆Stageへようこそ♡」でスタート。秋葉原ディアステージから生まれたグループというアイデンティティを再確認するかのような幕開けだ。この楽曲は、清 竜人が作詞作曲編曲を担当したこの楽曲は、セリフとともに進行するのが特徴だが、新メンバーの名前が新たに録音されて使われていたことも特筆したい。

その「Dear☆Stageへようこそ♡」のAメロの歌いだしは空野青空だった。「プリンセスでんぱパワー!シャインオン!」の歌いだしも空野青空であり、「Future Diver」のAメロは空野青空から小鳩りあへと続くなど、新メンバーの歌割りが多い点にも、グループの変化が表れていた。「ファンシーほっぺ♡ウ・フ・フ」で高咲陽菜がメイン・ヴォーカルを務め、「惑星★聖歌 ~Planet Anthem~」では天沢璃人がメイン・ヴォーカルを務めていたのも新鮮。新メンバーはそれぞれに以前から活動してきただけに能力が高く、ただの先輩メンバーのサポートのような立場ではない。

また、前述の「ファンシーほっぺ♡ウ・フ・フ」は2014年、「惑星★聖歌 ~Planet Anthem~」は2016年と比較的古い楽曲だ。他にも、相沢梨紗と空野青空が2016年の「Truth of the ZERO」を歌いだしたときには、会場から軽いどよめきが起きた。愛川こずえ、小鳩りあ、藤咲彩音が2021年5月5日に結成したばかりのチャぺの泉 from でんぱ組.incは「古き良きでんぱ曲」を届けるというコンセプトのスピンオフ・ユニットだが、さっそく2011年の「わっほい?お祭り.inc」、2013年の「ナゾカラ」、2015年の「ムなさわぎのヒみつ?!」を歌ってみせた。特に「わっほい?お祭り.inc」には、ファースト・アルバム『ねぇきいて?宇宙を救うのは、きっとお寿司…ではなく、でんぱ組.inc!』から10年の歳月が流れたのか……と軽く気が遠くなった。また、でんぱ組.incが2016年の「ファンファーレは僕らのために」を歌いだしたときにも、軽いどよめきが起きていたことを補足したい。ワンマン・ライヴでしかできない、かなり大胆なセットリストだったのだ。ライヴの定番曲である「でんでんぱっしょん」すらなかった。

演出に関しては、やはり振り付けを手がけるYumiko先生の指導の成果を感じた。「破!to the Future」での動きは、単にダンスのスキルという次元にとどまらない振りきれ方をしていたし、「ちゅるりちゅるりら」ではメンバーの目に闘志すら感じた。「プリンセスでんぱパワー!シャインオン!」や「愛が地球救うんさ! だってでんぱ組.incはファミリーでしょ」の複雑なフォーメーションは圧巻だった。アンコールでの「千秋万歳!電波一座!」は、高咲陽菜の謎の動きから始まり、細かい演出によって情報過多なほど。そして、「VANDALISM」でコブシを利かせた相沢梨紗は、「千秋万歳!電波一座!」でもドスの利いた声を聴かせ、根本凪もそれに続いた。根本凪は、目の見開き方でも凄味を感じさせたのだ。

その根本凪と鹿目凛によるスピンオフ・ユニット、ねもぺろ from でんぱ組.incは、「しゅきしゅきしゅきぴ♡がとまらないっ…!」と「ベイビー♡ベイビー」を披露。特に後者は傑作フリーソウルだ。根本凪と鹿目凛がすっかり先輩然とした雰囲気になっていたのも頼もしい。

本編ラストの「プレシャスサマー!」までの流れの中で、成瀬瑛美、最上もが、夢眠ねむが在籍した6人時代ともっとも変化したと感じたのは、7曲目に歌われた「あした地球がこなごなになっても」だった。儚さと鬱屈が交錯しているのは同じだが、リリース時のメンバーのうちステージに立っているのが相沢梨紗と藤咲彩音だけとなると、自然と表出するものが異なってくる。ひとりひとりの表情の細かさも含めて、胸に刺さる熱演だった。

この日のアンコールの最後の「イツカ、ハルカカナタ」は2013年の楽曲。そして、終演後に会場に流れたのは「秋の葉の原っぱで」だった。「Dear☆Stageへようこそ♡」で始まり、「秋の葉の原っぱで」がそっと最後を飾る。秋葉原を中心として円環を描くかのような構成だ。ルーツを堅持しながら、これからも変化していく運動体であることを、でんぱ組.incが改めて宣言したかのようなワンマン・ライヴだった。

(text by 宗像明将, photo by チェリーマン)

【でんぱ組.inc ONE-MAN LIVE「Dear☆Stageへようこそ2021」セットリスト】
01. Dear☆Stageへようこそ♡
02. 破!to the Future
03. Future Diver
04. ちゅるりちゅるりら
05. VANDALISM
06. ファンシーほっぺ♡ウ・フ・フ
07. あした地球がこなごなになっても
08. Truth of the ZERO /相沢梨紗、空野青空
09. わっほい?お祭り.inc /チャペの泉 from でんぱ組.inc
10. ナゾカラ /チャペの泉 from でんぱ組.inc
11. ムなさわぎのヒみつ?! /チャペの泉 from でんぱ組.inc
12. しゅきしゅきしゅきぴ♡がとまらないっ…! /ねもぺろ from でんぱ組.inc
13. ベイビー♡ベイビー /ねもぺろ from でんぱ組.inc
14. プリンセスでんぱパワー!シャインオン!
15. 惑星★聖歌〜Planet Anthem〜
16. ファンファーレは僕らのために
17. でんぱれーどJAPAN
18. 愛が地球救うんさ!だってでんぱ組.incはファミリーでしょ
19. [SE]電波良好
20. プレシャスサマー!
〈ENCORE-1〉
21. 千秋万歳!電波一座!
〈ENCORE-2〉
22. イツカ、ハルカカナタ

【ライブ情報】
タイトル:プラズマでんぱフェス2021
日時:2021年6月12日(土) 開場16:00/開演17:00
会場:USEN STUDIO COAST
出演:でんぱ組.inc / 虹のコンキスタドール / meme tokyo. / ARCANA PROJECT

【リリース情報】
Double A-Side Single 「プリンセスでんぱパワー!シャインオン!/千秋万歳!電波一座!」
1. プリンセスでんぱパワー!シャインオン!
2. 千秋万歳!電波一座!
3. プリンセスでんぱパワー!シャインオン! Instrumental
4. 千秋万歳!電波一座! Instrumental
OTOTOYにて配信中
https://ototoy.jp/_/default/p/759868

でんぱ組.inc Twitter
https://twitter.com/dempagumi

[ニュース] でんぱ組.inc, でんぱ組.inc VS フランシュシュ, ねもぺろ

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