2016/08/05 20:05

世代や流行の垣根をふわりと飛び越える───花泥棒、新作『Yesterday and more』リリース&1曲無料配信

稲本裕太(Vo&Gt)とイラミナタカヒロ(Ba)の2人とサポート・メンバーから成るギター・ポップ・バンド、花泥棒。世代や流行の垣根をふわりと飛び越えて大衆に愛されるようなポップスを奏で続けている。2012年ごろ京都にて本格的に活動をはじめるも、稲本以外のメンバーが脱退。それに伴い拠点を東京にし『daydream ep』をリリース、500枚を完売させる。大型イベントである下北沢インディー・ファンクラブ(東京)、ボロフェスタ(京都)、見放題(大阪)では入場規制となるなど、インディー・ロック界隈で名前を定着させつつある。そして前作から約2年、満を持して全国流通盤ミニ・アルバム『Yesterday and more』の発売が決定。前作よりも耳触りや言葉のノリが心地よいものとなっている新作をじっくり聴いていただきたい。

OTOTOYでは「back to the future」の期間限定フリー・ダウンロードと共に今作のレヴューをお届け。

「back to the future」のフリー・ダウンロードはこちらから
ダウンロード期間 : 2016年8月5日(金)〜8月19日(金)まで

花泥棒 / Yesterday and more
【収録曲】
01. back to the future
02. baby blue
03. ファンタジア
04. Yesterday and more
05. カンフー

【配信形態】
16bit/44.1kHz(WAV / FLAC / ALAC) / AAC / MP3

【配信価格】
単曲 200円(税込) / まとめ価格 1,000円(税込)

REVIEW : 花泥棒の甘酸っぱい世界観についつい魅了されてしまう

花泥棒の良さは平凡な日常の中に「気づき」を与えるところにある。稲本の安心感のある声と心地の良いコーラスが柔く聴く人を包み込む。1曲目の「back to the future」はなんのひっかかりもなしに滑らかに耳へと流れ込む。そのメロディは、鼻歌で歌ってしまうこと間違いなしのご機嫌なもの。なのに胸に届くと少し苦しくて徐々に目頭を熱くする不思議な楽曲。2曲目「baby blue」はギターサウンドとコーラスが前面に押し出されている楽曲で、軽やかなリズムなのにセンチメンタルな雰囲気が漂う。3曲目の「ファンタジア」はDLコード付きポストカード・シングルでも収録された作品で、映画のエンドロールとともに流れてきそうなナンバー。物語の終わりと新たな始まりの予感を含んでいてドキドキしてくる。表題曲にもなっている4曲目の「yesterday and more」は優しいリリックのせいかVo.稲本の寄り添うような歌声が更に甘く聴こえる。5曲目「カンフー」は遊び心満載の1曲で、賑やかなコーラスが楽しく飛び交う、他4曲とはまるで印象が違ったものになっている。

今作は1曲ごとの時間が短く、ローラースケートで駆け抜けるようなスピード感だ。そのくせ曲ごとの印象は強く、くるくると表情を変えるため、心地良いループから抜けることができない。ギター、ベース、ドラムのシンプルな楽器編成。そして「万華鏡」、「王様」、「タイムマシン」、「スパンコール」なんて子供の頃にときめいた言葉がちりばめられた歌詞。そんな甘酸っぱい世界観についつい魅了されてしまう。スピッツやサニーデイ・サービスのつくる音楽が生涯自分の中に強く残り続けているように、花泥棒の音楽もまたそうなることだろう。この全国流通盤というタイミングで花泥棒を知った人はきっと心を掴まれ、前作を知っているファンからすれば彼らの格段にパワーアップした姿を目の当たりにすることになる。(text by 宮尾茉実)

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リコチェットマイガール、初の全国流通版。ミックスエンジニアにLUNKHEADを手掛ける井上勇司、マスタリングエンジニアにゆらゆら帝国、ギターウルフなどを手掛けている中村宗一郎を迎えて制作された今作。掴みどころがないような手探りの不安定さや繊細さを含んだ歌詞が、心そのままに歌われポップなメロディに乗って聴く人に突き刺さる。

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グッバイフジヤマ記念すべき1st ep。ポップすぎるメロディーとインパクトの強いリリックがガツンと衝突し、エッジの効いたバンドサウンドが高揚感を生み出して曲が頭から離れない。

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前アルバムよりおよそ2年半ぶりの発売となるフジロッ久(仮)待望の新作3rdアルバム。満を持して放つ正にバンドにとって胸を張って最高傑作と言える1枚。 リリースはバンドの自主レーベル「ドゥワチャライ久」より 2年半のライヴ活動の中で大切に作りこまれてきた珠玉の11曲である。

LIVE INFO

Land Escape
2016年8月4日(木)@高円寺U.F.O. CLUB
時間 : OPEN 18:30 / START 19:00
料金 : 1,800円 / 当日 : 2,300円(※ドリンク別)
出演 : 花泥棒 / pooll / 三つ峠 / BALLOND’OR / and more… [DJ]やまのは(余命百年)

Hanadorobow(ie) pre “Friends Again”〜"Yesterday and more" RELEASE PARTY〜
2016年8月25日(木)@下北沢THREE
時間 : OPEN 19:00 / START 19:45
料金 : 2,000円 / 当日 : 2,500円(※ドリンク別)
出演 : 花泥棒 / Bluems / MONO NO AWARE / and more…

ナノボロフェスタ2016
2016年8月28日(土)@Livehouse nano & Football Bar ラクボウズ & 喫茶マドラグ
時間 : OPEN 12:00 / START 12:30
料金 : 一日券 2,000yen / 二日通し券 3,600yen (共にドリンク代なし)
出演 : 花泥棒 / 多数

ONE BY ONE pre “IF I FEEL”〜"Yesterday and more" RELEASE TOUR〜
2016年9月4日(日)@鶴舞K.D. japon
時間 : OPEN 17:00 / START 18:00
料金 : 2,000円 / 当日 : 2,500円(※ドリンク別)
出演 : 花泥棒 / Theキャンプ / MY YOUNG ANIMAL / The Skateboad Kids / moon drop

SATORIのよろこびのおんがくツアー 2016
2016年9月11日(日)@下北沢SHELTER
時間 : OPEN 18:30 / START 19:00
料金 : 2,500円 / 当日 : 3,000円
出演 : 花泥棒 / SATORI / 私の思い出 / 松本敏将(tobaccojuice)

PROFILE

花泥棒

京都にて結成されたインディー・ギターポップ・チーム。 US / UKのインディー・ロック、ネオアコ、渋谷系などが下地となったJ-POP的メロディーで、シーンの流れに目くばせしつつも流行り廃りを感じさせない普遍的な歌を歌う。 拠点を東京に移してリリースした前作『daydream ep』は500枚を完売、過去数度開催した自主企画は毎回100人以上の動員を記録、下北沢インディー・ファンクラブ(東京)、ボロフェスタ(京都)、見放題(大阪)など出演した大型イベントでは入場規制もでるなど、オーバーグラウンドとアンダーグラウンドを股にかけ潔く活動中。 「大衆音楽として機能するロックバンド」として、注目を集めている。

>>花泥棒 Official HP

この記事の筆者
宮尾茉実

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[レヴュー] 花泥棒

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