日本を代表する“アグレッシヴ・インスト・ポップ”・バンド、te'ー自分たちの“型”を広げた6thアルバムに迫るインタヴュー掲載
INTERVIEW : te'(hiro、kono)
日本のポスト・ロックを牽引してきたバンド、te'が、6作目となるフル・アルバムを完成させた。本作をもって、ドラムのtachibanaは活動休止を発表しており、現メンバーで一区切りとなる作品になっている。これまでは1曲入魂ともいえる楽曲作りを行なってきた彼らだが、はじめてトータル的な視点でアルバム制作に臨み、シンセサイザーやiPhoneアプリを使用したサウンドなども組み込んでいる。なぜte'は、そのような楽曲制作に臨んだのか。そして、ロック・バンドとして、彼らはいま何を考え、どこへ向かっているのか。toeやmouse on the keysが新作をリリースするなど、ポストロックがにわかに活気づいている2015年の夏の夜、残響レコードの経営者としての顔ももつkonoとhiroに話を訊いた。
インタヴュー&文 : 西澤裕郎
「ああ、とうとう今回が最後かもしれないな」と思いながら、ずっと録っていた
ーー2015年は、toeやmouse on the keysが新譜をリリースしたり、ポストロック・ガイド本が出たりと、ポストロックを軸とした音楽シーンが盛り上がりを見せていますが、なんでte’もまたこのタイミングでリリースをされたんでしょう?
kono : tachibanaが3月いっぱいで脱退することが決まって、その瞬間に録らなきゃみたいに思ったことが大きかったんですよ。だから、他のアーティストの動きはあまりよく知らなくて、たまたま重なったのだと思います(笑)。
ーーtachibanaさんの脱退がなければこのタイミングで出していなかった?
kono : 出してなかったですね。やっぱりバンドって生ものだと思うんですよ。今回はアルバム全体を考えて作っていて、その構想を考えていたら結構時間がたっちゃって。そこにtachibanaの脱退が決まったので、このタイミングになったんです。
ーーアルバム全体を考えて作るっていうのは、どういうことなんでしょう。
hiro : ツアー中にkonoが運転している横で僕がCDをかけていたんですけど、TM NETWORKの『キャロル』を聴いているときに、こういうアルバムをte'で作りたいよねって話がでたんです。いままでは、1曲単位で、すごくかっこいい曲を作ろうとしていて。それで曲が揃ってきたらアルバムっていう形にしていたから、今回は最初から”アルバム”を作るつもりで制作したんです。それはte'としてはじめてのことなんですよ。
kono : ある意味、大人になったのかもしれない。バンド自体を俯瞰して見れるようになってきたというか。te’は、洋楽からヒントを得ることがすごく多いバンドなんですけど、邦楽から得られるってことを考えられるようになったっていうのは、バンドとしてはすごいことだとは思うんですよね。
hiro : 結局いいものはいいってことがわかったというか。
kono : そうだね。『キャロル』のようなアルバムが200万枚とか売れている訳じゃないですか? J-POPって言葉でかこってしまうと、表面上の音楽のように見えるんですけど、アレンジなんかはすごくこってて僕はJ-POPが大好きなんです。チャゲ&飛鳥とか、徳永英明とかも大好きで、そういうところの裏側にも良い作品の作り方のヒントが実はあるんじゃないかみたいになったとき、分かりやすく『キャロル』がみんなの価値観に合致したというか。
hiro : 『キャロル』には一つのテーマみたいな音がずっと入ってるんですよね。売れた曲とかもいっぱい入ってるんですけど、繋がっていて、ひとつの小説からなっている。
kono : そうそう。1曲目に出てくるメロディ・ラインが3曲目の後半にでてきたりとか、同じコード進行で違うメロディを入れてきたりとか、「あれ! これさっきの進行と一緒なのに」とかってことがものすごいヒントになった。
hiro : 終ったときに「あ~すごくいいアルバムでした」っていうのを目指したんですよね。たしか曲数も決めちゃってたよね?
kono : うん、決めちゃってた。最初に。
ーー最初から12曲だったんですか。
kono : 最初は11曲で、アコギが最後に増えたんだよね。ここにこういう曲がほしいよねって、当てはまる曲を作っていくっていう感じにしたんですよね。
hiro : とにかく、やってないことをやろうっていうのがみんなの中にあって。僕もシンセを弾いたり、iphoneで音を作ってそれを入れたりとかして。昔はそういうの本当はイヤだったんですよ。4人のバンドで、バンド以外の音が入ってきちゃうと誰でもできる音楽になっちゃうんじゃないかなと思っていたから。
kono : そこは、hiroが4人の音に1番こだわっていて。僕ら他のメンバーは入れてもいいんじゃないみたいな感じだったんですけど、hiroはすごくこだわってた。
hiro : 今だに嫌なんです。でも、なんだろう… 本当の細かいニュアンスっていうものを伝えようとしたときに、やっぱり違う音が入っていないと、インスト・バンドで6作目となると、自分ら的にも前と同じことはなしになってきちゃうんですよね。そうなってくると、いろいろ楽器を試してみたりとかしていくのは必然で。でも何でも屋さんにはなりたくない。メロディをしっかり伝えれる人になりたいなって個人的には思ってます。
ーーtachibanaさんとのレコーディングもしばらくできないというところで、気持ちがこもった作品でもあるのかと思ったのですが。
kono : それは僕は結構あったかな。レコーディングが終ったあと、「じゃっ、お疲れ」とかいってtachibanaは帰っていきましたけど(笑)。3年後に戻ってくるとは言ってるんですけど、そんな保証はどこにもないし、このバンドが3年続いてる保証もないじゃないですか。実際、これが最後かもしれないって思うと、僕なんかはすごい思い入れが入ってくるというか、「ああ、とうとう今回が最後かもしれないな」と思いながら、ずっと録っていたんですよね。
ーーhiroさんもそういう思いはあったんですか?
hiro : 僕はtachibanaと音を出して17年ぐらい経つんですよね。あいつが20歳のときからだったんで、あいつのことが本当に分かっちゃうんですよ。17年も一緒に音出してると。どうせまた帰って来るんだろっていうのはあるし、まあでも、1回間を置いて離れて、お互い成長してから会うといい反応がでるんじゃないかなって思ってます。だから、よかったんじゃないかな、今から思えば。そのためにもやっぱりその場所って言うのはうちらで守んなきゃいけないなって思いますけどね。
あえて喧嘩を売るようなことを言ってみたりするエネルギーが必要な時期でした
ーー一方で、konoさんはインタヴューで、2010年くらいにte’をやりたくないなみたい時期があったということもおっしゃってましたよね。
kono : それは、masaの脱退くらいのことですよね。もともと、誰か1人がやめるって言ったら、解散って決めてたんですよ。
ーーそうだったんですね。
kono : でも、その時te'は絶好調だったんですよ(笑)。ものすごくいい状態で、フェスとかもめちゃめちゃ出ていて、そんなときにmasaが辞めると。フロントマンが辞めるって、動員とかセールス含めて、がくっと落ち込むのがみえるわけじゃないですか。それは残響の人間としてもそれは見える訳で。ここまで5年の歳月をかけてフェスにもいっぱい出れるようなバンドに成長してきたのに、またゼロからはじめるってなったときに、モチベーションがなかなかあがらなくなってしまったんですよね。だから曲も、最初なかなかできなかったよね。
hiro : うん。
kono : matsudaさんが入って変化しないと意味がないっていうことを考えていくだけでもすごくつらかったし、matsudaさんに求めるものも大きかったし。
hiro : 「曲のタイトル書きますか?」ってmatsudaさんにダメ元で言ったんすけど、そしたら「書いてみたい」って言ってくれたんで、これはいけるかもと思って。コピーライターじゃないけど、書く人とかに頼もうかなぐらいまで考えていて。
kono : 小説家とかに頼もうかとかって言っていたよね(笑)。
hiro : でも、やっぱりメンバーが書かないとって思ったんだよね。たまたま、そんな有能な方が、しかもmatsudaさんはwrenchのころからすごく好きで聴いていたんで、まさか一緒にできるとはと思って。そういうところでもすごい楽しくなってきて。
kono : 演奏面でいうと、ギターとかベースが変わるとバンドのレンジ感がすごい変わるんですよ。masaは、僕たちのレンジ感にすごい合わせてくれてたというか、僕たちが行きやすいところに収めるようにベースを作ってくれてたからやりやすかった。でも、matsudaさんって出来上がってる人じゃないですか? すごく主張が強い人だし、プロフェッショナルな人だし、そのレンジ感と僕がぶつかるんですよ(笑)。それで、自分を変えるっていうのがすっげー辛かった。新しいベーシストが入ったことによって、状態のよかったテンション感のサウンドを変化させなきゃいけないっていうのが、ものすごくつらくて(笑)。
ーー精神的なっていうよりも実際のプレイにおける変化の苦悩だったんですね。
kono : もう、スタジオに行くのがめんどくさいみたいな感じになっていて(笑)。
hiro : 楽しそうじゃなかったもんね。でも、そういう障害みたいなのがあると人って成長したり、すごく伸びるんだなって僕は横で見てて思いましたね。なんとか工夫しようみたいなところも見えたし。
kono : アンプを変えてみたりとかね。
hiro : あと、人と話して、いろんな情報を得ようとしていたので、すごいなって思ったんですよ。僕も昔、1回病気したことがあって、その時は無事だったんですけど、生きるか死ぬかの問題だったんで。それがあったからこそ、なんとかしてバンドをやり続けることが大事なんだなと思って。お客さんからも手紙とかをいっぱいもらったんですよね。少しずつでいいから返していきたいっていう一心で、モチベーションを持ってやれているって感じですね。
ーー実際、hiroさんから見てkonoさんのプレイは変わりましたか。
hiro : 常に変化はしてると思いますね。情報を収集してると思うんですけど、そういうところが面白いなって思います(笑)。常にトータルで見ているというか、トータルで見ないと、ただの子どもの喧嘩になっちゃうんですよ。
kono : そう、みんな主張が強いんでね、このバンド(笑)。僕は残響の代表でもあるので、インプットはみんなよりは多いわけじゃないですか? 例えば、今の音楽シーンだったり、若いバンドたちの曲の作り方だったりを伝えていく役割も担っていて。やるからにはte'も一線でやりたい思いが強いんで、そこに対して引けをとらない活動をしたいなってことを話したりとかはね。誰かがその役をやらないと、バンドって絶対なあなあになっちゃうっていうか、これぐらいでいいよねみたいな感じに収まっちゃうんですよね。だけど、さっきの成長じゃないですけど、上見て行こうよってところでいくと、そういう情報をみんなに話して引き出したり、あえて喧嘩を売るようなことを言ってみたりするエネルギーが必要な時期でした。ここ2、3年は。
ーーそれが今は固まったんですね。
kono : 今は、それを乗り越えた。思い出深いというか、やっとトンネルから抜けられたなっていうのがありますね。
hiro : 僕は暗闇の中を突っ走ってる感じで、わりと楽しんでたというか、スペース・マウンテンに乗っている感じでしたね。
kono : 僕が一生懸命穴掘ってるのにね(笑)。
hiro : それはたぶん社長としての立場があるからじゃない? 数字とかさ、いいものが売れるかって言ったらそうでもないし。
kono : そうかもね。今はte'は武道館目指してやろうとっていうぐらいの気持ちで、やるならそこまでやりたいなっていうモチベーションになってます。
シンパシーっていう意味で、1番ぴったりくるのはsleepy.abなんですよ
ーーそんななか、リズム隊のtachibanaさんが脱退されるわけですが、変わりにサポートで入られるのは、初期ドラマーのyokoさんですね。
kono : 最初、活動休止っていう案もあったんですけど、matsudaさんが入って3年なんですよ。だから3年っていう長さを一番よくわかってて。バンドがちょっといい状態になってきたんで、そこで辞めるのはもったいないよねっていうのも含めて、じゃあやるか! みたいな感じになったんです。
hiro : しかも、違うドラマーを入れるっていうよりは、初代ドラマーでもあるyokoが入るので、お客さんとかも納得してもらえるんじゃないかなと思って。
kono : 彼女以外はいないって感じですね。半ば無理やり彼女にやるよね? みたいな(笑)。そしたら快く受けてくれて。6月にライヴを初めてやったんですけど、リハーサルでスタジオに入るじゃないですか。そこで、tachibanaって好き勝手にやってるドラマーだったなっていうのを再認識しましたよ(笑)。
hiro : アーティストとしてはね、素晴らしいと思うんだけど、アンサンブルで考えた時にtachibanaは1人で持って行こうとしてたから、全ての音を。
kono : コンセプトとして、彼はステージ上では2度と同じプレイをしないって決めていたんです。もちろん、CDでも同じプレイはしないので、毎回アレンジが違うんですよ。だから、僕らにとってはステージ上は戦場なんですよ、tachibanaがいた時は。何しでかすかわかんねえみたいな(笑)。彼女はそんなことないんで、非常にやりやすい(笑)。ちゃんと決められてところに返ってくるんで。その変化はほんとに楽しんで欲しいなって思うんですよね。
ーーそんなバトルがあったんですね(笑)。te’を語るにあたって、並列に並べるバンドってなかなかいないと思うんですけど、強いて近いなって僕が感じたのがabout tessのこないだの新しいアルバムとかかなと思っていて。実際シンパシーを感じるバンドとかっていますか?
hiro : 僕、takutoさんと知り合いなんですけど、te'を意識したって言われました(笑)。1曲短く、キャッチーなのを作ってみたって。
kono : 僕は、シンパシーっていう意味で、1番ぴったりくるのはsleepy.abなんですよ。これはsleepyのヴォーカルともよく話したんですけど、te'ほどシンパシーが合うバンドがいないんだよねって。形が違うだけで、考えてることが近いというか。
hiro : すげーわかる気がする。
ーー外から観たときに音楽性が違ってみえるから意外なんですけど、どんなところに共感を得るんですか。
kono : 1回sleepy.abと全ツアーを一緒に行った時があるんですね。あんなに楽しくツアーを周れたことがいままでで一度もなくて。sleepyとやると、お互いの家に小学生が勝手に土足で上がってくるみたいな感じになるんですよ。こないだもイベントに出てもらったんですけど、楽屋に勝手に来て喋って、勝手に帰っていって(笑)。te'のメンバーにそういうことができるバンドっていないんですよ。対バンとかやっても「おはようございます!!」みたいな感じで、「te'さー」みたいなバンドがいない(笑)。だから、意外とsleepy.abっていうバンドにものすごく通ずるものを感じるんですよね。外からのイメージは全く違うんですけど、表現方法が違うだけで言いたいことは一緒って思う時がほんとによくありますね。
今回は“アグレッシヴ・インスト・ポップ”になったかな(笑)
ーーte'はロック・バンドであるってことに対してはこだわりありますか?
kono : 僕の意見で言うと、前回までは“轟音インスト・ロック”だったんですよ。今回は“アグレッシヴ・インスト・ポップ”になったかな(笑)。J-POPのインストのアグレッシヴなバンド(笑)。
hiro : ロックって、わりとお茶の間に届きにくいものだと思うんですよね。でも僕はお茶の間にロック・バンドをもっとどんどん届けたい。ロックって昔は悪い人たちがやってる代名詞みたいなところはあったんですけど、te'みたいなのがいるんだよって知ってもらいたいですね。ロック・バンドのこだわりっていうのは、いろんな音が入ってきて、その人たちでしか出せない強烈なものを作っているってところにあるから。ライヴでもそうだし。
kono : tachibanaは、ずっとミュージックステーションに出たいって言ってたよね(笑)。
ーーこの間、Ken Yokoyamaさんがミュージックステーションに出ていたじゃないですか。そこには明確な意思があって、若い子たちがロックに憧れる役を担わなきゃいけないと思って出たっていうことをブログに書いていて。
hiro : 今やっぱりチャートとかオリコンを見ても、上はEXILE系とかAKBとかアイドルとかアニメとかばっかりで。そういうのばっかりだった時にkenさんがMステに出たんで、もっとやっていって欲しいですよね。
ーー僕からすると、te'もKen Yokoyama的なことができるバンドだと思うんですよ。憧れられる存在として。
kono : もうちょっと早く言ってくださいよ(笑)。僕はそんなふうに全然思ってなかったんで。Ken Yokoyamaさんは桁違いの人っていうか、雲の上の人っていうイメージがすごくあって。Kenさん見たいな人が動けばたくさんの人が動くし。でも僕らにはその役割は担えないって思ってましたもん。だけど、最近そういうことを言われるんですよ。別に武道館とかでやっててもおかしくないバンドですよって、うちの税理士に言われたんです(笑)。経理のおばちゃんには「te'は大きいステージの方が似合いますよ」みたいなことを言われて、最近は武道館とか目指せるバンドなのかなって勘違いしてます。非常に嬉しいですね。逆になんでそういうふうに見えるんですか? 僕らって自分たちは客観視できてないんで。
ーーte’というバンドの居場所を作るためにDIYで残響レコードを立ち上げて、レーベルとして若いバンドたちの底上げもしてきて、なおかつ自分たちを音楽を更新していっている。明確なアティテュードを持っているバンドだと思うんですよ。konoさんは残響レコードの経営もされていて、そういう部分でも若い子たちを引っ張っていけるんじゃないかなと。
kono : さっきも言ったんですけど、若い子たちに向けてまだまだ一線であるっていう意思表示はしたいっていうのはありますよね。10年やってるけど昔のバンド感っていうのはあんまり出したくないなっていうのはあるし。
hiro : Mステとか紅白とかにte'が出たらってことを想像したら、ほんとすごいなって思うんですね。他の国からも絶対に舐められないと思うし、そういう想像からわくわくするんですよね。te'がMステ出て、アナウンサーさんが、このタイトルを読むわけじゃないですか。それが絶対おもしろいだろうなって。それでこそ日本のロックでありたいですよね。kenさんしかりだけど。
kono : ポスト・ロックっていう意味では、台湾にポスト・ロックっていうジャンルを広めたのは僕らだってめちゃくちゃ思ってます(笑)。僕らが何度も行って、フェスもヘッドライナーをやって、ワンマンを売り切って。要はフィールドのないところで行けば、僕らはものすごく影響力のあるバンドではあるんだなって思った時に、日本でもまだまだやれることがあるって常に思っています。ただ、Kenさんの言ってることは賛成な部分もあるんですけど、僕たちは少し違う立ち位置だなって思う部分もあるんですよ。今やっぱり時代は多様化してるんですよね。ちょっと引いた話になりますけど、アイドルもいればボカロもいればミュージシャンもいればっていうところで、どれを選んで楽しむかみたいにお客さんはなってるんですよね。ロックがこうであって、これに若者がついて来いっていう時代じゃないんですよね。お客さんは好きなのを選んでる時代だと思う。たまたまそこにチャートがあって、そのフォーマットにアイドルとかが入ってるだけで、実はそうじゃないところで、ボカロの人とか、チャートに入らないけどたくさん儲かってる人とかがいっぱいいる訳じゃないですか。そう思うと、多様化すれば選んでもらえさえすれば、te’にも違った可能性はあるのかなって気がしていて。僕らの立ち位置としては、多様化の一つに存在として大きくなるといいなって思ってるんですよね。
ーー僕も一時期から、バンド・シーンよりアイドルの方がおもしろいなって思っちゃっているところがあるんですけど、もともとロックが好きだったんで、無責任な言い方ですけど、もっとバンドがおもしろくなっていってほしいなと思うんです。
kono : タイミングってあるじゃないですか? 今、ものすごくいいバンドが出てきにくい時代だと思うんですよ。あれだけアイドルとか、ボカロPが出てきたりして、バンドでもシティー・ポップ系とかがいっぱい出てきてるじゃないですか。今、ザッツ・ロック・バンドって、思ったより出にくい時代だと思うんですよね。例えば、昔の9mmじゃないけど、あれぐらいの時にロック・バンドがポンっと出てくると、ドーンっといくのかなって。そういう時代の波を見ているところです。残響としてリリースするバンドも、今は雨のパレードみたいな、ちょっとシティー・ポップよりのバンドだなって思いながら出してたりしますし。でもte'はte'で、ちゃんとシーンは確立していかなきゃいけないってことを考えながらやってますけどね。
ーーte'の直近の目標は武道館ということになりますか?
kono : そうですね。武道館はちょっと言い過ぎですけど(笑)。ミリオンくらいは軽く出したい(笑)。
hiro : やっぱりみんなが驚くような作品をどんどん作っていって、自分らでも驚くような作品を作り続けることかな。
kono : 僕は個人的にはクラウンに迷惑をかけないことと(笑)、やっぱヒットしたいですね。このバンドがヒットしたら面白い時代になると思います。1万枚でも、te'みたいなバンドにはヒットじゃないですか、この時代。それぐらいにはいきたいなと現実的には思ってますよね。
ーー今作は1曲目から12曲目まで、これまでのte’を振り返るストーリーになっているということで、これまでを振り返り、未来へ向かっていくという作品になりそうですね。
kono : 多分、メンバー1人1人、思うストーリー感が違うと思うんですけど、僕はte'のストーリーを象徴するものになったなと思っていて。例えば、1曲目が新しいte'を象徴していて、2曲目は従来のte'なんだけど新しさがちょっとあったり今どきであったり。最後はtachibanaを含めた4人で最後の作品を一緒に作ったっていう気持ちで終わるっていう。この作品ができた時に、te'が作ってきた歴史がすごく垣間見えたんですよ。あーこういう感じだったんだなって。そういうアルバムになったなって、それをすごく感じました。
>>>リミックス・コンテストはこちらから
te' 作品アーカイヴ
LIVE SCHEDULE
『其れは、繙かれた結晶の断片。或いは赫奕たる日輪の残照。無限反復する紋中紋の一綴りで、託された意思を継ぐものは、雄心勃勃として表象の蓋然性を検証する。』 TOUR
2015年10月24日(土)@名古屋 新栄 CLUB ROCK'N'ROLL
2015年10月25日(日)@心斎橋 Live House Pangea
2015年11月22日(日)@福岡 graf
2015年11月23日(月.祝)@岡山 CRAZY MAMA 2nd Room
2015年11月28日(土)@札幌 CRAZY MONKEY
2015年12月5日(土)@金沢van van V4
2015年12月6日(日)@長野 CLUB JUNK BOX
2015年12月12日(土)@仙台 LIVE HOUSE enn 3rd
2015年12月18日(金)@渋谷WWW
PROFILE
te'
Guitar : kono
Bass : matsuda
Guitar : hiro
Drums : yoko