2015/05/01 13:55

Lamp主宰レーベルからのリリース第2弾! フランスからのポップ・マイスター、KIDSAREDEAD

ビーチ・ボーイズなどを思わせるコーラス・ワーク、ストレンジとポップを行き来する楽曲、そしてジャミロクワイ並みの歌唱センス。そんなハッとさせる音世界を展開するのは、フランス在住のアーティスト、KIDSAREDEAD。日本ではまだ無名と言ってもいい彼を今回リリースするのは、常に良質なポップ・ソングを提供し続ける音楽集団、Lampが主宰するレーベル〈Botanical House〉。Lampのギタリスト、染谷大陽がその才能に惚れ込み、幾度ものラヴコールを経て、ここでは、染谷大陽本人による、本作リリースまでのいきさつとともに、KIDSAREDEADの驚異的な音楽の才能をご紹介。時代を超えて聴かれるようになるであろうこの作品をぜひ今、ご堪能いただきたい。

KIDSAREDEAD / The Other Side Of Town
【配信形式 / 価格】
ALAC / FLAC / WAV / aac / mp3 : 単曲 216円 アルバム 2,160円(各税込)

【Track List】
01. Sistereo [ Part I ] / 02. Band From The Past / 03. Typical Captain Achab / 04. Taking A Walk / 05. School Returnz / 6. Video Game Over / 7. She Loves Me / 8. Sistereo [ Part II ] / 9. Playmobil Todd / 10. Van Dyke Parking Carol / 11. Captain Achab Boyfriend / 12. Toothbrush / 13. Sistereo (live Studio Acousti) / 14. She Loves Me (live Studio Acousti)

KIDSAREDEADリリースまでの経緯(text by 染谷大陽)

KIDSAREDEADとは、フランス人Vincent Mougelのソロ・プロジェクトです。2006年、MySpaceで彼の音源をたまたま聴き、その才能に衝撃を受けました。影響を受けたミュージシャンとして、トッド・ラングレン、ザ・ビーチ・ボーイズ、クイーン、10cc、ボブ・ディランやペイヴメントなどを挙げる他、ブラジルのLo BorgesやNovos Baianosなども好んで聴くようです。

Todd Rundgren - We gotta get you a Women
Todd Rundgren - We gotta get you a Women

僕は、彼の音楽を知って以来、活動は全てと言っていいほど追ってきました。「もし日本でのリリースに興味があれば、出来る限り協力します」などと何年もの間、熱いラヴコールを送り続けてきました。2009年には、Vincentの20曲入りデモ音源集『Demos Anthology 1997-2009』を個人的に入手。これを聴いた時に、僕はブログに「世界中のどこを探してもない、“良質な”とかを超越した音楽。これがポップ・ミュージックかどうか、そんなことを微塵も考えさせない。聴く前から、これは自分にとって一生の宝物だと確信していたけど、聴いたら、もう涙が止まらなくて、それは、音楽が切ないとかではなく、きっと単純に音楽に感動する気持ちですね。センスと才能がすごいところで合わさっていて、天才過ぎて、しょうがないです。」などと感想のようなものを書きました。

KIDSAREDEAD - SISTEREO Live
KIDSAREDEAD - SISTEREO Live

本当に才能がある人の音楽は整えるとつまらなくなる傾向がありますが、そういう意味でこの『Demos~』は僕にとって最高の録音物でした。なので、彼には「『Demos~』をこのまま正式リリースしましょう」とも言い続けてきました(それは叶わなかったのですが)。そして2013年、とうとうKIDSAREDEADとして初の作品『The Other Side Of Town』がベルギーのレーベルからリリースされました。これは、その『Demos~』をブラッシュアップしたものが半分位と新録が半分位の構成となっているようです。僕の方もちょうど自主レーベルを始めるところだったので、具体的に話しを持ちかけ、今回のリリースに至ったわけです。

Botanical House第1弾作品

新川忠 / Paintings of Lights

クラシカルな西洋的イメージを80年代シンセ・サウンドでロマンティックに描くポップス・アルバム。全ての作詞、作曲、編曲、歌、演奏、録音、ミックスを一人で行う自宅録音のスタイルをとり、独自のセンスに貫かれた作品世界の構築に成功した傑作。

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Botanical Houseを主宰するLampの過去作はこちら

Lamp / 八月の詩情

染谷大陽、永井祐介、榊原香保里によるLampの6作目となる作品。軽やかなファンク・チューンから幻想的なコーラス・ワークが映えるゆったりしたポップ・ソングまでと、彩り豊かな曲群。やはりタイトル・チューン「八月の詩情」は、まさに本作のハイライト。夏の暑さをも美しさに変えてしまう、情緒溢れるモダン・ポップス集。

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Lamp / 東京ユウトピア通信

『八月の詩情』と同時に平行して制作され、1年半という時間を掛けて作り上げられた作品。いままでの彼らにはない、サンバ、ラテンなどの強固なリズム・アレンジが施され、Lampサウンドを更に昇華させた独自の音楽を作り出している。冬という季節の冷たさと暖かさや誰もが一度は通り過ぎたことがある懐かしい感覚、どこかの街のある場所での男女の心象風景などこれまで同様に物事の瞬間を切り取った美しい歌詞を、新しいサウンドの乗せて編み上げた傑作。

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Lamp / ゆめ

Lampによる8作品目。シティ・ポップスやブラジル音楽、ハーモニー・ポップス等の様式は今作も健在。音楽に対する誠実さ、創作意欲、そして、イマジネーションが見事に結実した本作には、確かな視線と揺るぎない価値観が貫かれている。

PROFILE

KIDSAREDEAD

フランス東部の郊外でプログレ好きの父とソフトロック好きの母に育てられる。幼い頃より音楽の趣味が合う友人が見つからず、音楽をやるにも常に一人であった。数年間にわたり録り溜めたホーム・レコーディング・デモ音源が話題になり、2013年にベルギーの〈Hot Puma Records〉よりファースト・アルバムを発表。

生まれ育った町での音楽体験がそのまま作品になったファースト・アルバム『The Other Side Of Town』は、まさに彼のこれまでのデモの集大成のような出来映えとなった。このアルバムは、例えば、トッド・ラングレンやビーチ・ボーイズ、10ccなどのような非常に懲りながらもそれを感じさせないポップさと程よいラフさを併せ持ち、古き良き時代の空気感を現代の感覚で表現されたように感じられる。

このファースト・アルバム・リリース後には、その才能と音楽性がさらに話題となり、現在、フランス国外の音楽ファンからも注目されている。

>>KIDSAREDEAD bandcamp
>>Botanical House内 KIDSAREDEADアーティスト・ページ

[レヴュー] KIDSAREDEAD

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