2015/04/03 18:39

心象風景を音で奏でた5年ぶりの新作! SSW、スフィアン・スティーヴンスのハイレゾ・ニュー・アルバムをTHE SIGN BOOKとともに配信!!

2000年のデビューから現在にいたるまで、たゆたうような甘いメロディーと、スケールの大きいフォーク・ミュージックで、世界的にその才能を知らしめているシンガー・ソングライター、スフィアン・スティーヴンス。今回、ギターやバンジョー、ピアノなど、あらゆる楽器をもとに、綿密に紡がれた5年ぶりの新作『Carrie & Lowell』をハイレゾで配信。ささやくような歌声と独特の温かみと憂いに帯びたフォーキー・サウンド、ぜひ高音質で堪能していただきたい。

また、本作とともに、ザ・サイン・マガジン・ドットコムとOTOTOYとの取り組みである、THE SIGN BOOK(デジタル・ブックレット)を配信。メディア露出がきわめて少ない彼への、岡村詩野による2008年時のインタヴューと、CDと同内容のライナーノーツを掲載と、彼の思想や人間性が十分に垣間見える内容である。スフィアン自身の心象風景がダイレクトに表れたかのような、美しくもはかない音達をお楽しみあれ。(THE SIGN BOOK VOL.4付きのパッケージのみ、2016年3月31日までの限定配信となります)

ハイレゾ音源 + THE SIGN BOOK VOL.4はこちら

Sufjan Stevens / Carrie & Lowell(24bit/44.1kHz)+THE SIGN BOOK VOL.4
【配信価格】
ALAC / FLAC / WAV(24bit/44.1kHz) / aac : 単曲 410円 アルバム 2,700円(各税込)

【Track List】
01. Death With Dignity / 02. Should Have Known Better / 03. All Of Me Wants All Of You / 04. Drawn to the Blood / 05. Eugene / 06. Fourth of July / 07. The Only Thing / 08. Carrie & Lowell / 09. John My Beloved / 10. No Shade in the Shadow of The Cross / 11. Blue Bucket of Gold

●THE SIGN BOOK VOL.4
ライター岡村詩野による2008年収録のインタヴューと、CDと同内容のライナーノーツを掲載。
(THE SIGN BOOK VOL.4付きのパッケージのみ、2016年3月31日までの限定配信となります。)

ライナーノーツのみのお求めはこちら

Sufjan Stevens / THE SIGN BOOK VOL.4
【配信価格】
216円(税込)

2016年3月31日までの限定配信となります。

※OTOTOYのシステム上、販売には音声データが必要となるため、ダウンロード時には無音のmp3ファイルが付随しておりますがご了承くださいませ。

稀代のストーリーテラーによる、USインディ・シーンの新たな金字塔

自己と深く向き合い、自らのために鳴らした音はとても人間味に溢れている。色で表すなら灰色だ。白でもなく黒でもない。苦しみや悲しみ、喜びや愛情、それらは交ざり合い灰色の世界を作り出す。現実の世の中はグレーで溢れている。00年代のUSインディ界を代表するシンガー・ソング・ライター、スフィアン・スティーブンスの新作『キャリー・アンド・ローウェル』はまさにそんな現実と真正面から向き合った作品だ。

Sufjan Stevens - Should Have Known Better
Sufjan Stevens - Should Have Known Better

前作『ジ・エイジ・オブ•アッズ』はシンセサイザーやドラム・マシンなどのエレクトロな音を導入し、これまでのフォーク、チェンバーポップ的な音楽とは全く異なる作風で、その多才ぶりを発揮してみせた。そしてアルバム・タイトルに実母と義理の父の名を冠した今作は、実母キャリーの死に直面した苦しみや悲しみをきっかけに、自己と向き合い、自らのルーツに回帰した(いや、回帰せざる終えなくなったと言った方がいいだろう)作品になっている。全編を通して、ピアノ、ギター、バンジョーなどの生楽器のみで構成されたシンプルな楽曲が並び、オーケストラによる高揚感もエレクトロニックなエッセンスもドラムすらない。あるのは彼の歌声と飾り気のない演奏、フォークソングそのものだ。悪いはずがない。軽やかなバンジョーのアルペジオとスフィアンの歌声のハーモニーが美しい冒頭曲「Death With Dignity」は感涙必死の名曲。尊厳死という賛否両論あるテーマを題材に自らに問いかけるように歌いあげる。美しいメロディと繊細かつ温かいサウンドで紡がれる全11曲。内容はよりパーソナルだが、誰もが経験する、悲しみや苦しみ、愛情など普遍的なものがテーマになっているため、スッと心に沁み入っていく。

そして何より今作は決してセンチメンタルな作品などではないのだ。自らの生き様に誇りをもち、我々に優しく語り掛ける。人間味に満ちたそれはとても温かい。語り部たるフォークシンガーとはそういう生き物である。稀代のストーリーテラーが己のあるがままを音に乗せて作り上げた今作はUSインディ・シーンの新たな金字塔だ。そしてスフィアン・スティーブンスは間違いなく現代のUSインディ界の最重要人物になるだろう。(text by 吉野敬一郎)

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PROFILE

スフィアン・スティーヴンス

ミシガン州出身ニューヨーク在住のシンガ ー・ソングライター兼マルチ・インストゥル メンタリスト。2000年にデビュー・アルバム 『A Sun Came』を自らが主宰するレーベル〈Asthmatic Kitty〉より発表。アメリカ合衆国50州をテーマにした作品の第一弾である『ミシガン』(2003年)と、続いてリリースした『セヴン・スワンズ』(04年)が大きな注目を集める。2005年には、50州プロジェクトの第二弾『イリノイ』(05年) がRolling StoneやNPR等有力メディアから絶賛を浴び、ビルボードの〈Heatseekers Albums〉第一位を獲得、世界的な大成功を収める。その後も積極的に作品制作やコラボレーション等に取り組み、様々な作品を発表し、2008年には初来日単独ツアーも行っている。本作は、全米TOP10入りした『ジ・エイジ・オブ・アッズ』(2010年) 以来、フル・スタジオ・アルバムとしては5年ぶりとなる待望の新作アルバム。

この記事の筆者
吉野 敬一郎

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