INTERVIEW : 美月柚香
ーー卒業についてはブログでも書いてますけど、決意は固いですか?
美月柚香(以下、柚香) : そうですね。
ーーいま、どんな気持ちですか?
柚香 : ちゃんと発表できて、すがすがしい気分です。
ーー言うまではモヤモヤしていた?
柚香 : してましたね。言う前だったら、いくらでも変えられるじゃないですか? だから、これでいいのかな、もうちょっとベルハー続けたほうがいいのかなって、迷うことはありました。
ーーどういうかたちでメンバーには伝えたんですか?
柚香 : 決まったその日に、2月でやめるんだって言って。
ーーみんなびっくりしてたんじゃないですか。
柚香 : えーっ?! って。誰も想像してなかったみたいで。私も泣きながら話してました。なんか悲しくなってきちゃって… でも決めたから… って。
ーーそこは揺るがなかったんですね。ちなみに、珠梨ちゃんもその日に?
柚香 : その日の夜に言ってました。もともと言うつもりなかったみたいなんですけど、柚香が言ったから、私も言おうって思ったみたいで、帰る直前に。
ーーそのとき、どんな雰囲気だったんですか?
柚香 : みんな、いやいやいや! みたいな。うそでしょ、みたいな。
ーー同じ日にだもんね。メンバーから引き留められたりとかはしなかったんですか?
柚香 : しました。やめないで、って。でも、そのときはもう決めたからって。
ーーブログでも読んだんですけど、勉強とベルハーの両立が難しかったのが大きな理由なんですよね。
柚香 : そうなんです。ベルハーがある日は、家に着くのが1時過ぎとかで、その後にお風呂に入って寝て、学校が遠いので朝6時くらいに起きて。身体がもともと強いほうじゃないので、風邪をひいて、学校を休むようになっていって、自分の中で両立できてなくて。それがずっとイヤでした。
ーーそもそも、なんでベルハーに入ろうと思ったんですか?
柚香 : 中1くらいのとき、つんく♂さんが社長のアイドル事務所でレッスンをずっと受けてたんですけど、全然アイドルに興味がなくて。アイドルってこういうのもあるんだーと思うくらいで。そのあと、中2でミュージカルをやったんですけど、すごく楽しくて、次の舞台を探してたんです。いろんな雑誌でオーディションの情報を見ていて、たまたま1期のアイドルの募集があって、レッスンがあるので受けてみようと思ったら、1次が通って。通ったからにはちゃんとやろうってことでオーディションを受けたんです。そこに、田中さんが、ももクロさんの番組をやってたとかいろいろ書いてあって、あ、すごい人なんだと思っているうちに、ベルハーの方が先に決まったんですよ。それで1年くらいやってみようってなって、ベルハーを始めました。
ーーじゃあもし順番が逆だったらミュージカルの道へ行っていた?
柚香 : 絶対そっちでしたね。
ーー最初に持っていた田中さんのイメージと、実際のギャップは感じました?
柚香 : 本当にこの人、そんな人なのかな? と思って(笑)。歌も変だし、なんだろう? って。でも、すぐにはわからないから、とりあえず1年やろうと決めて。
ーー最初の1年は、やってみてどうでしたか?
柚香 : 歌って踊るのが好きだったし、ステージに立てるのがすごい嬉しかったです。ただ、歌も変だし、ダンスも自分が踊りたいようなのじゃないし、衣装も可愛くないし、「うーん」と思いながらもやってました。で、ベルハーに入るときに事務所をやめて、高校は芸能系の学校にいったんですよ。とりあえず高校までやろうと思って、その後ワンマンも決まって、それに向かってがんばって、そこからまた考えようと思っているうちに、1年を越えていって。
ーー1年たった時点で、この先どうしようってことはお母さんと話しました?
柚香 : 話しました。その頃、徐々にベルハーの人気が出てきてたので、このまま続けたら自分の名前も売れるだろうなと思って。売れたら、ベルハーを辞めたあとも、いろんなところで仕事に繋がるじゃないですか。だから、もうちょっと頑張ろうって。
ーー人気が出てくるということは、自分のモチベーションも高くなるものでしたか?
柚香 : うん、嬉しかったですね。
本当にやりたいことに向かおうって思ったんです
ーーやめたいと思うようになったのは最近のことですか?
柚香 : ずっと考えていたんですけど、高校2年生にあがった頃くらいから、テスト勉強がまともにできなくなってきて、どんどん成績が下がっていったんです。それが自分の中ですごく嫌で。高1のときは、とりあえず高校を卒業できればいいと思っていたんですよ。でも、高校2年生になったら、先生とか周りから進路のことについていろいろ言われたりして、いろいろ考えて、大学で新しいことを学ぶのもいいなと思って、じゃあ進学しようって決めて。ただ、成績があまりよくないから、勉強しなきゃってなったんですけど、それができなくて。試験や定期テストの勉強もできなくて、ダメだなって。
ーーたとえば、成績とかそういうものと活動を割り切って、ベルハーに専念するという気持ちはなかったんですか?
柚香 : 忙しい子でも、ちゃんと点数取ってる子もいるんですよ。でも、自分は本当に要領が悪くて、2つのことをいっぺんにできない。ベルハーの休憩時間にやろうと思っても、頭に入らなかったりして、両立できない自分がすごくイヤで。ずっと頑張ってたんだけどそろそろ気持ちがダメになっちゃって。
ーーだったら、大学受験のために、一度勉強に専念しようと。
柚香 : そのほうがいいのかなって。
ーーなるほど。贅沢な悩みといえば贅沢な悩みじゃないですか。仕事がありすぎてできない、みたいな。ベルハーで食っていくってことは考えなかったですか?
柚香 : それは考えてなかったですね。ベルハーは高校までって、絶対決めてたんです。それが早くなっただけなんです。
ーー高校いっぱいでベルハーをやめようと思っていたのはなぜですか?
柚香 : 自分のやりたいのは、これじゃないとずっと思っていて。ベルハーをやりながら舞台をやりたいと思ってたんですけど、それもなかなかできなくて。だいたい土日にライヴがあるじゃないですか? それで稽古とかにも出れないから、舞台をやりたいのにできない。ライヴを休んでっていうのも考えたんですけど、それもしたくなくて。ライヴを休みたくないけど舞台もやりたいってなって考えたとき、本当にやりたいことに向かおうって思ったんです。
ーーいろいろ中途半端になるよりは、ひとつのことに向かいたいと。そのなかで柚香さんが一番やりたいと思うのは舞台だった?
柚香 : ミュージカルです。もともと、セーラームーンのミュージカルが好きで、それに出たくて芸能を始めたんです。歌って踊って演技するっていう。
ーーアイドルも歌って踊るけど、自分のイメージするものとは違うものだった?
柚香 : うん、違う。
ーーミュージカルと違って、ファンの人たちがダイレクトに応援してくれたりするじゃないですか。そういうファンの方から、やめてほしくないと言われると思うんですけど、そういうところで後ろ髪引かれるような思いとかはなかったですか。
柚香 : でも、嫌だ、やめないでと言われたりはしませんでした。
ーーあと、ベルハーがこのあとものすごく売れる可能性があるじゃないですか。そういうところで、ああもったいないな、と思うことは?
柚香 : それは思わないです。自分がいたベルハーはそのときのベルハーじゃないですか? 次のベルハーが売れたとしても、それはそのメンバーで頑張ったからで、だから悔しいというより、よかったねって思えます。
ーーベルハーをやってきて一番嬉しかったことはなんですか。
柚香 : 嬉しかったこと? なんだろう… 嬉しかったことはやっぱり、自分のためにいろいろな人が時間をかけて、考えてくれたことですね。
ーー2年前くらいかな? 新宿MARZでの生誕祭で、泣いてたじゃないですか。「こうして祝ってもらえるのは初めてだ」って。あんまりおうちでも誕生日会とかやったことないっていってたじゃないですか。
柚香 : そうですね、あまりなかったです。両親が共働きで、しかも3月31日ってすっごい忙しいときが誕生日だったから。その前後とかには祝ってもらってたんですけど、当日とかっていうのがあんまりなくて。
ーーそれこそ、メンバーもいたり、お客さんもいたり、自分を受け入れてくれる場所ができたわけですよね。そこから抜けるのがつらいとか、そういう思いはないですか?
柚香 : あんまりなかったですね。
ーー田中さんに話したときは、どんな反応をしていましたか?
柚香 : すぐ受け入れてました。もともとお母さんと話してるって言っていたので。それで私が言って、日にちを決めてって。
今は1回1回のライヴを、本当に全力でやってます
ーー実質、残り2ヶ月くらいじゃないですか。今はどういう気持ちですか?
柚香 : 今は1回1回のライヴを、本当に全力でやってます。
ーーもう数えるくらいですもんね。
柚香 : しかもツアーになっちゃうので。普段のライヴを、すごくがんばってます。
ーーレコーディングはどんな気持ちでやりましたか?
柚香 : レコーディングのときはなにも考えてなくて。このアルバムはどんなふうになるのかなとか、完成版はどんな感じになるのかなとかずっと考えていて。
ーーベルハーのなかで一番好きな曲を挙げるとしたら、どれですか?
柚香 : 「アイスクリーム」が好きです! ダンスが、わりと止まってるじゃないですか。それって珍しいなと思って。最初の振り付けだと、ずっと踊っていたんですよ。それを全部変えてああなったんです。
ーー今回のアルバムのなかで好きな曲とかは?
柚香 : 今回のアルバムだと、「Karma」っていう曲が、振りが好きな感じです。踊っていて楽しいし、歌ってても、かっこよくやろうって思う。
ーーやっぱり歌だけでなく、振りを含めて好きなんですね。
柚香 : 多分そうだと思います。
ーーそれがミュージカルとかに繋がるのかもしれませんね。これからベルハーをやめたあとは、しばらく勉強に専念する感じですか?
柚香 : そうですね。でも勉強しながらも、ずっと歌っていないと下手になっちゃうから。しかもベルハーは1週間に何回もライヴがあって、その量でずっとやってきたのに、減るじゃないですか。だから歌は通おうと思ってるし、ダンスも習おうと思ってます。
ーーじゃあ勉強とレッスンを平行してやっていくと。
柚香 : そうしながらやろうと思って。じゃないと早く復帰できないじゃないですか? やっぱり、訛るのがイヤなので。
ーーちなみに大学ではどんなことを勉強したいというのはありますか?
柚香 : 経営を学びたいです。
ーーなんで経営なんですか?
柚香 : 親が経営者なんですよ。お母さんはおじいちゃんから受け継いで、それを見ていて、自分だったらもっと違うやり方をしたいなって。マーケティング、経営とかを、勉強したいです。
ーーじゃあ数学とかそっちの勉強もしないとですね。
柚香 : そうですよね。でもわりと、全般的も勉強しなきゃです。もともと文章力とかないから。
ーーでもブログとかも、すごく気持ち伝わってきましたよ。
柚香 : あれは、めちゃめちゃ時間をかけて書いたんです。本当に1日かけて書きました。苦手なんですよ、自分の気持ち伝えたりとか、文章にしたりとかって。
ーーでも、こうやって話してると、すごくちゃんと自分の言葉で話してますよね。
柚香 : 本当ですか? いつもいろんな人にバカだって言われるから。
ーーそんなことないと思いますよ(笑)。これから、初めての全国ツアーがあって、ワンマンもリキッドルームという大きなところでやるじゃないですか。そこに対しての意気込みを聞かせてもらえますか?
柚香 : ベルハーでは、私にとって最初で最後のツアーじゃないですか。だから地方でいろいろな形を残したいし、すごく楽しみなんですよ。ツアーって、なんかすごいじゃないですか(笑)。いろんなところでライヴができるし、仙台に行くのも初めてなので、すごい楽しみです。
ーー話していて、マイナスな気持ちは全然感じないですね。
柚香 : 全然ないですね。次のステップに向かってがんばろうっていう気持ちです。
ーー柚香さんが抜けたあとのベルハーに対して、期待することってありますか?
柚香 : 本当に、頑張ってほしくて。すごく売れてほしいです。
ーーこのまま行けば売れると思いますか?
柚香 : どうでしょうね? でもみんな、どうにかすると思います!
ーーいつか、ミュージカルでも、ベルハーと会えるときがくるといいですね。
柚香 : そうですね。ただ、いまはミュージカルに出たいですけど、その後どうなるかわからないから、もしかしたら次の新しい事務所とかでユニット組んだりとか、するかもしれませんしね(笑)。全然わからないので、とりあえず…。
ーー大学受験とか、次に向かって今は頑張ろうってことですね。
柚香 : そうです。とりあえずひとつのことに頑張ろうって思います、今は。
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>>田中紘治(BELLRING少女ハート ディレクター)へのインタビューはこちら(2013年)
待望のベルハー2ndアルバムをOTOTOY先行ハイレゾ配信
BELLRING少女ハート / UNDO THE UNION(24bit/48kHz)
【配信形態】 FLAC、ALAC、WAV(24bit/48kHz)
【配信価格】 単曲 150円 / まとめ価格 1,900円
【Track List】
1. Starlight Sorrow
2. プリティ・シャロウ
3. クロノスの鎌
4. rainy dance
5. Orange Slumbers
6. kUMA GOQLI
7. c.a.n.d.y.
8. get rid of the Chopper
9. 月の真下でオオカミさんに尋ねました。
10. ヒバリの空
11. プラスチック21g
12. 男の子、女の子
13. Karma
14. タンジェリン細胞
15. Crimson Horizon
16. UNDO
17. Revelry!!!