2014/04/24 18:23

USオルタナティヴの巨星、ついに動く!! Pixies、23年のときを経て生み出した最新アルバム

まさか、まさかの新作アルバムが解き放たれる。カート・コバーン(ニルヴァーナ)、ボノ(U2)、レディオヘッドをはじめとする数多くのアーティストに影響を与えてきた伝説のオルタナティヴ・ロック・バンド、ピクシーズが、23年ぶりとなる最新作をリリース。セカンド・アルバム『Doolittle』を手がけたギル・ノートンをプロデューサーに、クイーンやブラック・サバスを始めブリティッシュ・ロックの歴史に残る名作の制作舞台となったウェールズのロックフィールド・スタジオでレコーディングされた本気の一作。サマーソニック2014への出演も決まっており、われわれの目の前で新しい伝説が生まれようとしている。いま、この瞬間を見逃すな!!

23年ぶりとなる最新アルバム

Pixies / Indie Cindy
【配信価格】
WAV、FLAC、ALAC、mp3 単曲 190円 / まとめ購入 1,429円

【Track List】
1. What Goes Boom
2. Greens And Blues
3. Indie Cindy
4. Bagboy
5. Magdalena 318
6. Silver Snail
7. Blue Eyed Hexe
8. Ring The Bell
9. Another Toe In The Ocean
10. Andro Queen
11. Snakes
12. Jaime Bravo
13. Monkey Gone To Heaven (Live in the USA 2014)
14. Nimrod's Son (Live in the USA 2014)

決してアイコンにはならない、貪欲な意気込み

80~90年代に繁栄したオルタナティヴ・ロック、特にグランジを語る上で、ピクシーズの存在を避けて通ることはできない。ニルヴァーナのカート・コバーンやブラーのデーモン・アルバーンなどそうそうたるメンバーに影響を与え、ここ日本でもナンバー・ガールを筆頭にフォロワーが非常に多い。その波紋は90年代後半にピークを迎え、リフ主体のサウンドは実に身近なものになったといえるだろう。

ピクシーズは2004年に再結成するものの、ライヴでの演奏を活動の中心とし、音源の発表はほとんど無かった。さらに2013年にはオリジナル・メンバーのキム・ディールが脱退し、尚更新作の発表は絶望的であった。そんな中新譜の発売が決定し、こうして手元に届けられると、やはり感慨深いものがある。

2013年の9月発売の『EP1』、2014年1月発売の『EP2』、そしてこのアルバムと同時期に発売された『EP3』の収録曲を一枚にまとめた本作だが、その色合いはコンピレーションの類いとは全く異なる。一枚の作品として、「流れ」を明確に感じさせるのである。ピクシーズの作品を改めて振り返ると、金切り声を叫び散らす激しい楽曲もあれば、内省的で物悲しい雰囲気を漂わせるものもあり、実に多様な描写を用いていることがわかる。彼らに影響を受けたバンドを挙げても、各バンドの音の作り方も様々。この点からも、いかにピクシーズがアイデアを豊富に備えているかが窺える。

もちろん本作でも、その引き出しの多さは健在。アルバムとしては、前作『トゥロンプ・ル・モンド(世界を騙せ)』から23年という長いブランクが経過しているものの、彼らのイマジネーションは朽ちることを知らない。シーンを決定付けた音作りはそのままながら、曲ごとのメリハリはさらに明確化。特にナイーヴな叙情に関しては、これまで以上に巧みな描写で封じ込められている。10年近いライヴ・オンリーの活動は、演奏面と感情面ともに大きな発展を遂げたことが証明されたのである。

リアルタイムで彼らを追い続けたファンはもちろん、後追いの方々にも確実に満足できる仕上がり。それ以上に、本作でピクシーズを知ることになるニュー・エイジには、相当な衝撃となるに違いない。決してアイコンにはならない、貪欲な意気込みはストイックであり、よりバンドの持ち味を深化させている。四半世紀の歴史を辿り、ハイ・クオリティな楽曲を作り続けていること。そして大きな路線変更を経ずに、新鮮な持ち味を維持していること。彼らは今もなお、シーンに可能性を与え続けている。(text by 高橋拓也)

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PROFILE

Pixies

86年、ブラック・フランシス(Vo)、キム・ディール(B/Vo)、ジョーイ・サンティアゴ(G)、デイヴィッド・ラヴァリング(Dr)により米ボストンで結成。現在までに5枚のアルバムを発表。シーンを牽引し、カート・コバーン等その後のアーティストに多大なる影響を与えた。93年に一度解散するが04年に再結成しフジロック、サマソニに出演。13年にキム・ディールが脱退。新曲を収録したEP1、EP2、EP3を発表。14年4月、23年振りとなるニュー・アルバム『インディ・シンディ』をリリースする。8月にはサマソニ2014への出演が決定。現在ツアーにはア・パーフェクト・サークル、ズワンで活躍したパズ・レンチャンティンがサポート・ベーシストとして参加している。

>>Pixies Official HP

この記事の筆者
高橋 拓也 (もり)

泡沫大学生。ナゴム好きをこじらせ、現在80's NEW WAVE(おもにドイツ周辺)を掘削視聴中。

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