2013/04/30 00:00

LIVE REPORT delofamilia@渋谷CLUB QUATTRO

3月に4枚目となるアルバム『archeologic』をリリースし、名古屋、大阪、福岡、とワンマン・ツアーを決行した、delofamilia。ツアー・ファイナルとなるこの日の開場は渋谷CLUB QUATTRO。当日はU-STREAMにてライヴの模様が生配信がされるという発表があり、会場と生配信の視聴者数をあわせると約2,000人が注目するライヴとなった。

Rie fu(Vocal、Keyboard)

NAOTOの、何やら妖しげなマイナー調のギター・リフからはじまる「In the Groove」(M-1)。まさにこれからスタートする長く深い物語を予感させる曲だ。1曲目からこのバンドの象徴が見え隠れする。NAOTOの引っ張る、キャッチーながらも骨っぽいクセになるギター、Rie fuの凛としたたたずまいと安定感のある歌唱力、そしてバンド全体をひとつの単位としたエッジーなアレンジ。ベタな演出などは一切なく、先の読めない曲の展開には、「ステージの上の案内人たちにすべてお任せしよう」フロアからそういった視線が向けられた。

NAOTO(Guitar)

「Your Money」(M-3)、「Globalism Calls」(M-4)とdelofamiliaならではの明るい気持ちにさせるやさしいポップ・ソング。「あぁ、今日この場所へ来れて良かった」と思ったお客さんも多かっただろう。ほんのりとした幸福感がクワトロを包み込んだ。アコギを手にオーガニックにRie fuが歌う「typical」(M-5)は、やわらかい曲かと思えば時にはハードに激情が溢れだすようなバンド・アレンジが光る。ミドル・テンポで心地よいギター・ストロークが鳴る「amateur」(M-7)や「blond head」(M-9)は、一緒に歌いたくようなUKロック・ノリのキラーチューン。OasisやThe Stone Rosesを連想させる。あっと驚かせたのが「meteorite night, tonight」(M-10)。ディープで甘いメロディのダウン・テンポが気持ち良いこの曲は、中盤NAOTOがノイジーなギターをかき鳴らすと、すっとボサノヴァ・ビートへ展開。それで会場の空気をキュッと締めたとかと思いきや、さらにもう一度美しいコード進行のダウン・テンポに。壮大でドラマティックな展開にも関わらず、あまりに自然に雰囲気を変えたので、腕を組んで見ていたお客さんも不意を突かれ曲が終わる頃には両手をあげていた。

「Beyond Hello」(M-12)では、口ずさみたくなるボーカルに対してあたたかい手拍子が起こった。Rie fuの美しいシンセ・コードと圧倒的な説得力のあるヴォーカルが最高の輝きをみせる「Crimes」(M-13)は、今回のツアーのハイライトの一つだろう。そして物語は終盤。本編最後の曲は、まさにUKロックの美学とも言うべきミドル・テンポの「primal」(M-14)は、U2やColdplayともつながるポップ性、少しひんやりとした風を感じるようななんとも言えない気持ち良さが詰め込まれた曲。アウトロでは、NAOTOのクリーン・ギターの切ないアルペジオとRie fuのピアノ・ソロの協奏がよりキラめきを与える。

Rie fu(Vocal、Keyboard)

アンコール明けは、ディズニーのようなかわいらしいイントロや鍵盤ソロが印象的な明るいロック・ソング「balance」(M-15)。とろけるように美しいギターソロではじまる曲は、「see you」(M-16)というライヴの最後にふさわしい甘く切ない曲。途中シューゲイザーのような壮大な歪んだギターでキレイな世界をみせてくれる。「UKロックを発掘して作り上げていった」とMCでRie fuが語った、今回のツアー・アルバム・タイトル『archeologic』(編集部注、archaeological:考古学の,考古学的な)。まさに節々に感じるUKらしさは、音楽好きであればあるほどグッとくるものがあり、ポップ性という意味でのUKらしさと、実験性という意味でのUKらしさの、両方を兼ねそろえたバンドだという事を証明してみせた。あまりに多彩な展開を見せる音楽性は、NAOTOの才能そのもの。一度見たら目が離せない音楽とは、こういうバンドのことを言うのだろう。そんな彼らがツアー・ファイナルでした発表は、delofamiliaが早くも6月にアコースティック編成で再度ツアーに出るというものだった。

「delofamilia tour 13 "archeologic"」
2013年4月18日(木)@渋谷CLUB QUATTRO

<セットリスト>
1. In the Groove
2. toxic ship
3. Your Money
4. Globalism Calls
5. typical
6. Delicious
7. amateur
8. hopefully
9. blond head
10. meteorite night, tonight
11. recently
12. Beyond Hello
13. Crimes
14. primal

アンコール
15. balance
16. see you

PROFILE

delofamilia

2007年 始動。廣山 直人、Rie fuによるバンド。音楽、カルチャー、人、場所、自然、日常の様々な刺激からなる音をボーダレスに展開。現在までに、オリジナルアルバム3作リリース、adidasコンピレーションアルバム1作に参加。

オフィシャルサイト

LIVE SCHEDULE

delofamilia presents "empathize" ~delofamilia(trio) × brute in forest~

料金:全席自由 2,500円(税込/ドリンク代別)

2013年6月2日(日)@半蔵門SAN BAN CHO CAFÉ
開場 / 開演 : 17:30 / 18:00
出演 : delofamilia(trio) / brute in forest
問い合わせ : 半蔵門SAN BAN CHO CAFÉ 03-3265-9071

2013年6月4日(火)@名古屋K・D Japon
開場 / 開演 : 18:30 / 19:00
出演 : delofamilia(trio) / brute in forest
問い合わせ : 名古屋K・D Japon 052-251-0324

2013年6月6日(木)@神戸café Fish
開場 / 開演 : 18:30 / 19:00
出演 : delofamilia(trio) / brute in forest
問い合わせ : 神戸café Fish 078-334-1820

2013年6月7日(金)@京都SOLE CAFÉ
開場 / 開演 : 18:30 / 19:00
出演 : delofamilia(trio) / brute in forest
問い合わせ : 京都SOLE CAFÉ 075-493-7011

RECOMMEND

delofamilia / archeologic

あしたを照らすルーツ・ミュージック。廣山 直人とRie fuからなるバンドdelofamilia、4thアルバムで進化の旅へ!ソフト・ロック、インディ・ロック、ポスト・ロック、エレクトロニクスを基調に更にオルタナティブに突き進むビート・ミュージック。ルーツであるUKカルチャーへの敬意と実践も健在。 廣山 直人が作る無限のメロディーとバラエティゆたかなサウンドに、Rie fuの個性的でフレキシブルな声と、ダイレクトでユーモラスでもある歌詞も合間って既存のフォーマットを逸脱する音になっている。前作に引き続きサウンド・エンジニアにzAk氏を起用。「過去」から「あした」を照らす未知なる音像体験を!!

delofamiliaの特集はこちら

Rie fu / DSD fu live recording

2012年12月にシブヤヒカリエにて開催した"OTOTOY DSD SHOP"でのRie fuの公開ライヴ・レコーディングを、DSDでリリース。エンジニアは高橋健太郎が務め、ギター一本での弾き語りから始まり、終盤では観客との掛け合いをそのまま収録。会場に張りつめた独特の緊張感が、彼女のMCによって少しずつほぐれていく様をも聴くことができます。

Rie fuの特集はこちら

Rie fu / BIGGER PICTURE

メジャー・レーベルを飛び出し、新たなフェーズへと進む彼女が新作で挑んだのは、なんと新名義『Rie fu & the fu』での活動。音づくりに、zAk( fishmans, UA, BOREDOMS, etc.)、ベースに鹿島達也(the pillows, ORIGINAL LOVE,etc)、ドラマー菅沼雄太(ego wrappin’,etc.),ギターにコーヘー(delofamilia, ex.hoi festa)と、Rie fuが信頼をおく唯一無二のセンスを持つミュージシャンを迎え、シンプルかつ立体的な音を作り出しています。より強くしなやかになったRie fu。骨太なリズム隊と共に飄々と切り替わるカラフルな彼女の世界観をどうぞ。

Rie fuのインタビュー特集はこちら

TOP