2013/03/14 00:00

「うたの力」を再確認できる、暖かく包み込むような楽曲たち

共に高校3年間をカナダで過ごした清水悠と山口春奈によるヴォーカル&ピアノ・デュオ、Dew。彼女たちが2年ぶりにリリースするオリジナル・アルバム『PORTABLE』では、「朝露」を意味するその名の通り、透明感のある爽やかな楽曲の魅力を存分に感じることができる。
OTOTOYではこのアルバムから、1曲目に収録されている「お出かけ」をフリー・ダウンロードでお届けすると共に、HQDの高音質音源も配信、さらにセルフ・ライナーノーツを掲載。より多くの人々へ「うたの力」を体感していただきたい。これからの季節にぴったりの、暖かい楽曲だ。


Dew / 『PORTABLE』
【価格】
mp3 単曲 150円 / アルバム 1,200円
wav 単曲 200円 / アルバム 1,500円
HQD(24bit/48kHzのwav) 単曲 250円 / 1,800円

【Track List】
01. お出かけ / 02. Dreamer / 03. Corsage / 04. 実り / 05. Liberty / 06. Hot Lemon / 07. Mother / 08. 浜辺のピープル

※まとめ購入限定、歌詞ブックレット付き

彼女たちが持つ「うたの力」はそのままに、より開かれた作品へ

ヴォーカルの清水悠とヴォーカル&ピアノの山口春奈によるデュオ、Dewの2年2か月ぶり、3枚目のオリジナル・アルバムとなる『PORTABLE』が発売された。これまでに化粧品や「DENPO」などのCMソングを担当し、注目を集めてきた彼女ら。「花」をテーマとしたカヴァー・アルバム『花図鑑 別冊』では、くるりの「ばらの花」をカヴァーするなど、幅広い活動を見せてきた。そんな彼女らの最新作を聴いて私は、忙しい日常で忘れかけていた歌本来の美しさを思い出した。

目まぐるしい日常の中で、私たちは「うたの力」を忘れてはいないだろうか。「うた」は、悩んで疲れてバラバラになってしまった心を、元通りにつなぎとめる接着剤として私たちの心に響いてくれる。Dewの音楽は、そんな「うた」本来の力を感じることができる。今作の楽曲は、これまで彼女らが得意としてきた「勇気」や「感謝」のストレートな表現だけではない。今作はメッセージ性をそのままに肩の力を抜いた、より手軽で”PORTABLE”な、外へ持ち運びたい楽曲たちが揃っているのだ。1曲目「お出かけ」から早速、<お出かけしましょうよ / 気分じゃなくても / 外に出ればきっと何見えるはず>と私たちの背中を押してくれる。挿入される踏切、電車内といったの生活音を経て、楽曲と景色は移り変わっていく。最終的に行き着いた浜辺で歌われる「浜辺のピープル」は、簡単に口ずさめてつい体を揺らしてしまう、エンディングにふさわしい1曲だ。

左から 清水悠、山口春菜

聴いているだけでは物足りなくて、どこかに飛び出したくなるだろう。これまで沢山の人々の心を軽くしてきたDewだが、今作ではフットワークまでも軽くしてくれる。優しい歌声としっとりとしたメロディのイメージが強く、Dewの楽曲は部屋の中で、1人でじっくり聴かれることが多い傾向にあると思う。しかし今作は周りの人と共有して、みんなで合唱したくなる、より開かれた作品となっているのだ。今作までに山口は結婚・妊娠という人生の転機を経ており、今作は、Dewにとってもまた新しい一歩となるであろう。辛いことばかりあったとしても、人生それがすべてではない。みんなで歌おう! 何かうまくいかない時こそ聴いてほしい1枚だ。(text by 梶原綾乃)

Dewからのコメント&セルフ・ライナーノーツ


いつも応援ありがとうございます。
皆さんへ久々にアルバムをお届けすることが出来て、私たちもとても嬉しく思っています。

今回の作品は、ヴォーカル、ピアノ、ギターや小物など、今の自分たちが出来ることを最大限に活かして作れたアルバムになったと思います。これまでのアルバム制作を通して、たくさんのミュージシャンやアレンジャーの方々から学んだことを、私たちなりに消化して表現しました。限られた楽器の中で試行錯誤していくうちに、改めてピアノやヴォーカルの新しい可能性にも気付かされ、ふと思い出した景色がありました。私たちがまだ高校生で一緒に歌い始めた頃、学校に「PORTABLE」(ポータブル)と呼ばれていた小さな小屋があり、そこにあった古いピアノを使って、分からないながらも胸をワクワクさせながら曲を作っていた頃のことを思い出したのです。分からないことへ情熱を持って挑んでいく、そんな感覚も自分たちの中に再発見出来たアルバムになったと思います。

皆さんには、そんな思いや音楽の楽しさを感じて頂ければと思います。

Dew


「お出かけ」
悩んでいる時や自分の中で葛藤している時は、周りがよく見えなくなってしまいますが、そうやって頑張っている人を見かけると、時々笑わせてみたくなったり、ちょっかい出してみたくなったり。そんな風に応援する曲です。

「Dreamer」
春がやってきて浮かれている曲です(笑)。でも、誰かが馬鹿みたいな夢を見て、それを実現させたから今があるんだと思うと子供も大人も関係なく、純粋に夢や希望を持ち続けていければと思います。

「Corsage」
映画のフィルムが、カタカタと回っていくようなイメージで作った曲です。音の世界観を楽しんでもらいたいです。

「実り」
夏から秋に移り変わっていく風景を眺めていたら浮かんで来た曲です。大切な人とのキラキラした日々が終わってしまったり、何かを失ってしまったり、その直後は自分に何が起こったのかよく分からず、自問自答する日々を過ごすこともありますが、時間が経って自分なりの愛のこもった答えを見つけた時に、やっと今までのことが実ってくれることがあります。そんな心の変化を照らし合わせながら作りました。


「Liberty」
子供のように自由で純粋な心を求めることと、幼稚でいることは違う。独立して音楽活動をするようになってから、それをすごく学んでいます。今は出来ないことばっかりですけど、それを受け入れて努力して、そしたらいつか自分の力でたくさんのことが可能になった時に、本当の意味で自由になれるんじゃないかなと思います。

「Hot Lemon」
二人の人間が、違いを認め合って世界を広げていく物語をかきました。身近な人たちとそれぞれの価値観や将来のことを話すことがあると思いますが、私はよく友達と、コンビニで買ったホットレモンなんかを飲みながら、公園で話したことを思い出します。

「Mother」
結婚する直前に、これまで伝えられなかった自分の母親に対する、今の自分の素直な気持ちを曲にしました。最近、母がふと涙や、弱い一面を見せるようになり、彼女も一人の女性で悩みだって弱さだって自分と同じように持っているんだな、ということにふと気付きました。そんな母に、「これからは肩の力を抜いて、もっと自分らしくいてね」と語りかけるような気持ちで作りました。

「浜辺のピープル」
自分の父親の故郷、大磯の人たちのことを曲にしました。ふと会いに行きたくなる人たちが皆さんにも居たら、そんな人たちを思い浮かべながら聴いてもらいたいです。

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PROFILE

Dew

共に高校3年間をカナダで過ごした清水悠(Vo.)と山口春奈(Vo.&Piano)が、学校生活の中で自然と2人で歌うようになり結成したデュオ。
2006年にインディーズにてピアノ・アルバム『croquis』をリリース。2011年にはベスト・アルバム『Message〜best collection 2006-2011』をリリースした。現在もライヴ活動に力を入れながら精力的に活動を続けている。

>>Dew Official HP

[レヴュー] Dew

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