有馬和樹(おとぎ話)×柴田隆浩(忘れらんねえよ)泥酔対談

バンドにとって最も難しく、最も大切なことは「続けること」だ。10代や20代であれば、それは容易い。2、3枚のアルバムを出し、狭いコミュニティでそこそこの評価を得て、なし崩し的に解散していくバンドは数多い。家庭や将来、仕事、モチベーション、生活。何人かの人間が集まって表現活動を続けるには、時に何かを捨て、時に迷いながら、「でもやるんだよ」という覚悟が必要だ。そして、「でもやるんだよ」を続けることで、諦めないことで、意地でも伝えようとし続けることで、音楽は強度を増し、必ず誰かの心を動かす。渾身のニュー・アルバム『THE WORLD』をリリースしたおとぎ話と、決意のニュー・シングル『この高鳴りをなんと呼ぶ』をリリースする忘れらんねえよ。キャリアやジャンル、立ち位置は異なるが、彼らは30歳を超え、続ける覚悟を持ったバンドである。両バンドのフロントマンにして、ソング・ライターでもある有馬和樹(おとぎ話)と柴田隆浩(忘れらんねえよ)は、交流も深く、同い年。今回、OTOTOYでは、彼らのリリースを記念して、泥酔対談を行った。下北沢の居酒屋で酒を交わしながら話す二人の真っ直ぐな目を前に口を挟む余地はなく、杯を重ねながら夢中で語り合う二人の姿を、ほぼノー・カットでお届けする。話はあちこちに飛び、分量も多いが、ほとばしる熱量が伝われば幸いだ。覚悟を持って、確信を持って鳴らされる音楽は圧倒的に美しく、圧倒的に、正しい。

原稿補助 : 前田将博
構成・進行 : 藤森大河
写真 : 石橋雅人

左から、柴田隆浩(忘れらんねえよ)、有馬和樹(おとぎ話)

おとぎ話、渾身のニュー・アルバム

おとぎ話 / THE WORLD

<トラック・リスト>
1.OTOGIVANASHI WILL NEVER DIE / 2.逃げんな! / 3.AMAZING LIGHT / 4.NO SOS / 5.灯せ! / 6.鍵 / 7.BlS / 8.GALAXY / 9.AND YOUNG / 10.HOKORI / 11.Chanmery. / 12.世界を笑うな

2011年の『BIG BANG ATTACK』以来、通算6枚目のフル・アルバムとなる同作には、先行EP『サンタEP』収録曲「Chanmery」や『青春 GALAXY ep.』収録曲「GALAXY」をはじめ、壮大なロック・バラード「世界を笑うな」を含む全12曲を収録。国内外の様々なロック・テイストを昇華した作品に仕上がっている。ゲストにはテラシマユフ(BiS)と五味岳久(LOSTAGE)が参加しているほか、ミックスは彼らの初期作品を手がけてきた岩田純也が担当。


1月30日(水)

忘れらんねえよ『この高鳴りをなんと呼ぶ』販売開始!!


<トラック・リスト>
1. この高鳴りをなんと呼ぶ / 2. 中年かまってちゃん / 3. だんだんどんどん / 4. [スタジオライブ]CからはじまるABC~この街には君がいない~北極星 (「オールナイトニッポン ぶっとおしライブ」より)

自称くそバンド・忘れらんねえよのニュー・シングルが発売決定! プロデューサーに曾田茂一を迎えた、真っ直ぐで、熱くて、不器用だけど、胸に突き刺さるような渾身のタイトル曲「この高鳴りをなんと呼ぶ」は全人類必聴!


同じような土壌で音楽の話を出来る友達だと思ってる(有馬)

(乾杯)

柴田隆浩(以下、柴田) : よろしくお願いしますー!
有馬和樹(以下、有馬) : よろしくお願いします!
柴田 : あー、うまい!
有馬 : この前も一緒に飲んだばっかりだけどね(笑)。まず、出会いからいくと、元々は梅ちゃん(忘れらんねえよ・梅津拓也)が、昔僕が働いていたUFO CLUBというライヴ・ハウスに別のバンドで出ていたんですよ。6、7年くらい前かな。
柴田 : ダカダバダンという名前のね。
有馬 : そうそう。そのライヴをUFO CLUBでちょこちょこ見ていて、面白いバンドだなと思って話したら、同い年だということが分かって。いつか対バンとか出来たらいいなって話もしていたんだけど、特にそういうこともなく。
柴田 : 解散しちゃったんだよね、ダカダバダンが。
有馬 : そう。それでしばらく経ってから「忘れらんねえよってバンドやっているんだよね」って言われて、音源もらって。聴いたら本当に良くて。
柴田 : ありがとうございます!
有馬 : それでじゃあ対バンしようと。柴ちゃんと会ったのはその後だよね? 2年くらい前か、「CからはじまるABC」くらいだから。
柴田 : だね。俺、初めて会った時のことを覚えていて。UFO CLUBに俺らが出る時、有馬君がリハを見に来てくれていたんだよ。
有馬 : そうそう、梅津君に挨拶しようと思って。
柴田 : 「いえーい、梅津!」みたいな、この有馬君の明るいキャラで来てくれて。俺からすると大学生の頃からスぺースシャワーTVとかを見ていたから、「ネオンBOYS」の人だ! って思って。でも、「あー、柴ちゃん」みたいにフレンドリーな感じで来てくれて。俺めっちゃ緊張してたんだけど、逆に普通を装って「おっす」みたいな(笑)。
有馬 : だいぶそっけなかったよね(笑)。
柴田 : あはは(笑)。めっちゃ緊張してたもん。もうカチカチだったね(笑)。
有馬 : カチンカチンチンだったね(笑)。
柴田 : カチンカチンチンだった(笑)。「うん」と「はい」と「ああ」くらいしか言ってないからね。全部肯定だった(笑)。

有馬 : で、俺が「忘れらんねえよすごく良いよね」って褒めたら「うわー、ありがとう」って。それでもう抱きしめ合ったよね(笑)。
柴田 : 抱きしめ合った。でも、どれくらいの強さがいいのかなって緊張しながら(笑)。
有馬 : でもね、かなりの強い抱擁をね(笑)。
柴田 : 交わしたね(笑)。
有馬 : 5分くらいね(笑)。
柴田 : だから俺からすると意外だったのよ。おとぎ話の居場所って、いわゆるUFO CLUBに象徴されるようなアングラのオルタナティブなカルチャーの王様みたいなイメージがあるんですよ。俺らは、いわゆる青春パンクみたいな馬鹿にされている中で、有馬君が良いって言ってくれたのが超意外だったの。でも、凄く嬉しかった。これ分かってくれるんだって。
有馬 : 俺はそういうシーンは分からないし。例えばセックスしたいとか言われても知ったこっちゃないじゃない? どうでもいいから。
柴田 : そんなん歌うくらいだったらオナニーしろよって言うね。
有馬 : それ歌にするのもナンセンスだし、だからどうしたというのがあるんだけど。忘れらんねえよはそれがちゃんとポップでさ。ポップなラインだったりとかメロディだったりとかを分かってやっていて。なおかつ同い年というのを知っていたからさ。だからこの世代特有の、裏切っちゃいけないみたいな、そういうのがちゃんと音楽しているというか。ああ、良いなと思って。そこがやっぱり好きだなって思ったから話したんだよね。あとはやっぱり「CからはじまるABC」という曲のことに関して言うと、あの曲はグランジだったりニルヴァーナっぽさだったりがすごくあって、ベースラインとかギターの音が凄く嬉しくて。
柴田 : なるほどね。あの時のあの感じを今やっている人たちがいるっていう。
有馬 : それにメロディがちゃんとしてた。ああいう感じでコード進行も使い古された感じのものをやっていないというか。結構真剣だから、こういうバンドだったら信頼出来るというのがあったかな。
柴田 : 一緒に飲むと、バンドに対するあり方のような話もするんだけど、一番大きいのは、技術的な話が出来ること。
有馬 : 確かにね。こういうのはどういうふうにしようかとか、そういう話も出来るし。
柴田 : そうそう。このコード進行の先を悩んでるんだけどって話をしたり。
有馬 : そういう話をして、夜中にギターを弾いて呑んで。
柴田 : 他にいないですよ、そういう話を出来るのが。メロディに対する向き合い方とか、なんて言うのかな、大事にしているところが同じというか。
有馬 : そこの使命感は同じだよね。
柴田 : ダサいメロディを作りたくないっていうかさ。
有馬 : そうそう。そういう話をちゃんとして。「この高鳴りをなんと呼ぶ」なんか相当前、まだションベンみたいなバージョンも聴いていてね。
柴田 : あはははは(笑)。そうだったね。でも俺はやっぱり尊敬している人ですけどね。一人で田町の汚い飲み屋で『THE WORLD』を聴いていたんですよ。ツイッターやりながら。
有馬 : 書いてたよね、ツイッターで。リアルタイムで1曲1曲レビューがあって(笑)。
柴田 : あっはっはっはっは(笑)。
有馬 : 俺すごい眠いのにそれを必死に追いかけて、ありがとう、ありがとうって返してた(笑)。
柴田 : イチャイチャしてたんですよね(笑)。
有馬 : イチャイチャしてるんですよ、この二人は(笑)。

柴田 : そこで聴いた時にさ、もうマジで泣いちゃって。まず思ったのは、アレンジが凄い! あれ、やばいよね。
有馬 : 有難う。
柴田 : すごいよね。俺らの周りで同世代で音楽やっている奴の中でも、ピカイチだって思ったの。でも難しく聴こえない。よく聴くと凄いぞこれって分かるという。
有馬 : 凄く小難しいことをやっているんですよ、実は。リズムも分解してやっているんですけど、そう聴こえないのはやっぱりメロディじゃないかな。乗っけている言葉は、難しいことを言うのは意識的にやめているし。そこは柴ちゃんと一緒じゃない?
柴田 : なるほどね。なんか訳の分かんないこと言ってもライヴで機能しないし。
有馬 : そう、しないからさ。だからそこは一緒な感じがするな。その中でコンポーズしている人間だから、こだわりがあって。多分、中途半端な音楽評論家よりも全然音楽聴いてきていると思うから(笑)。
柴田 : 本当にね、情報量が異常。
有馬 : その聴いていた中から色んな要素を出していって。その積み重ねが面白いのかなって。アレンジに関しては。
柴田 : ちょっと前に曽我部恵一BANDがバンド名を冠したアルバム(『曽我部恵一BAND』)を出したじゃない。あれを聴いた時にマジで衝撃を受けて。この曲がっていうより、全曲通して、聴くととにかく圧倒されるの。
有馬 : あれ良いよね、大好き。
柴田 : 名盤だよね。最初聴いた時に凄いなって。地球規模の世界観というか、スケールがでかすぎて捉えられないというか。それは何でだろうと思って聴くと、やっぱりアレンジが凄いの。想像出来ないこと、絶対に俺らのバンドでは出来ないことをやっていて。で、『THE WORLD』にもそれと同じものを感じて。
有馬 : 最近、弾き語りで色んな技術のある人と対バンさせてもらったりしているんだけど、青葉市子さんとかと一緒にやると、俺の方が下手なんだよ。昔出会った緻密なアレンジをする友達とかよりも、そういう人と共演して、話をして、相手の音楽と自分の音楽の話をすると、「私にとっては有馬君の作る音楽も分からない」って言われるの。てことは、柴ちゃんが曽我部さんのアレンジ分かんないっていうのと同じくらい、俺は柴ちゃんの曲聴くと分からないの、やっぱり。
柴田 : なるほど。それは嬉しいな。
有馬 : やっぱり自分が分かるアレンジしている人のは面白くないんだと思う。自分の中にないものを見せられた時に、圧倒的に感動するわけだからさ。だから柴ちゃんと話をしていると、劣等感の固まりじゃない?
柴田 : そう、音楽的な知識に対するコンプレックスとかもあるの。全然知らないから。
有馬 : でも知らない人が作る音楽っていうのは、俺みたいな人からすると、それでこういうのが出てくるんだという新鮮な感動があるんだよね。だから話すんだよ。
柴田 : なるほどね。でもそんなふうに思う有馬君に対しても、俺は同じことを思っているんだよ。トレード・オフみたいな。
有馬 : 俺はだから、同じような土壌で音楽の話を出来る友達だと思ってる。

おとぎ話

見ている世界がでかいじゃん俺たちは(柴田)

柴田 : 俺ちょっと『THE WORLD』を聴いて思ったことを書いてきたんだけどさ。時は西洋の中世時代ですよ。ヨーロッパの中世時代に、天井の高いゴシックな建物があって、そこでみんながドレスを着てダンスを踊っているの。タイタニックみたいな世界だな。そこで踊っているんだけど、それは100年後にはもうなくなるっていう。凄くキラキラしていてオレンジの光が煌びやかに光っているんだけど、それはいつか、今夜終わる時間は必ず来るし、100年後にはみんな死んでいるというところまで感じさせる音だって思ったの。
有馬 : なるほどね。
柴田 : 終わることを分かってやっている。
有馬 : 音楽を作る時に俺がすごく考えていることが一つあって。実は、100年前のラジオから流れていて、なおかつ100年後のラジオからも流れているような曲にしたいと思っていて。それが伝わっているんだって思うと、なんだか嬉しい。
柴田 : なるほどね、そういう意味では超成功してるじゃん。俺は、おとぎ話は進化していると勝手に思っているんだけど。
有馬 : (店員さんに)赤ワインいただけますか?
柴田 : あ、じゃあ僕白ワインで。なんとなく(笑)。
有馬 : 紅白で(笑)。
柴田 : (笑)。なんかそう、おとぎ話って進化していると思っていて、もちろん音楽って、メロディのラインの良さはあるけれども、単純に比較されるものではないと思うんだけど。
有馬 : 比較しづらいよね。俺たちは今まで6枚出してきたんだけど、銀杏BOYZとも全然違うし、同世代だけど関西ゼロ世代のバンドとも全然違うし、カテゴライズ出来ない状態で、常に孤立してやってきたの。同じ時代で、同じように音楽の話を出来る人がいなくて、孤独感だけでやってきたような5、6年間だった。でも、この1年ぐらいで、ようやく、俺らだけでも成立しているんだって思えてきたの。去年ぐらいに、柴ちゃんだったり、踊ってばかりの国の下津(光史)とか青葉市子さんとかと話していく中で、やっとなんかこう、自分たちの立ち位置が分かってきたような感じ。
柴田 : 世の中とコネクトして、世の中のおとぎ話というのが明確になって来ているっていう。
有馬 : 俺は昔、「ロッキンオンジャパン」とかをがっつり読んでたから、雑誌を読む人に分かりやすい載り方をした方がいいんじゃないかって思っていたこともあったんだけど。それを求める自分もいれば、カテゴライズされたくないという自分もいて、その葛藤で孤立してたのよ。忘れらんねえよだってそういう世代のバンドだし。

忘れらんねえよ

柴田 : だからおとぎ話と友達になれて嬉しいんだよね。ここはカットしていいんですけど(笑)、顔見知りのバンド・マンで、人として尊敬していたとしても、バンドのたたずまいとか、バンドに向かう姿勢とか、作っている音楽のクオリティとかを考えると、バンドとしての親友にはなれない時がある。どうしても壁があるの。
有馬 : それはやっぱり見えている世界が、最終的な場所が同じだったらいくらでも友達だし、いくらでも対バン出来るんだけど。最終的な到達点が違うとやっぱり、親友にはなれないんだよ。
柴田 : そう。でさ、見ている世界がでかいじゃん俺たちは。でかいというか、見ている世界が近視眼的か遠いかの違いなのかって気もするけど。
有馬 : よく分かる。俺ね、近視眼的な人たちって、3.11の地震以降、ついに淘汰されると思ったの。で、もっとちゃんと大きいところを見ているような、本当の音楽というのが残るはずだって思ってたの。日本って、やっぱり自分の目の前にあるものをシャットアウトしていて見ない人が多いの。近視眼的に、目先の事しか考えてない人が多いから。それだとさ、自分だけが盛り上がればいいじゃんてなってしまって、俺が俺が、というのが多すぎちゃって、音楽がシーンとして盛り上がってない。そんな中でもジャンルを超えて色々なバンドと地道にライヴ活動をやってきて支持されてきた俺たちみたいなバンドは、しぶとく生き残っていく。
柴田 : そうだね。去年クリスマスに一緒にライヴやったじゃん? 俺、エゴ・サーチを3分ごとにやる男だからさ(笑)、逐一ライヴの後はチェックしているんですけど。
有馬 : マメだよね(笑)。
柴田 : 超評価高かった。あのライヴは。
有馬 : エゴ・サーチ的に(笑)?
柴田 : 数字的に出た(笑)。
有馬 : それこそ近視眼的な(笑)。
柴田 : あはははは(笑)。すぐ数字出るから、このモニターにね。でも俺らが良いイベントだと思うものってさ、オナニーじゃないっていうか、ちゃんとお客さんも入ったじゃない? 俺は、お客さんもちゃんと入れたいし、CDも売りたいの。
有馬 : 分かる分かる。今来てくれているお客さんが、世界に繋がる第一歩だから。
柴田 : 仲間なんだよね。一緒に、多分この人たちが連れて行ってくれるんだよ。ということをライヴの後に、有馬君に教えてもらった(笑)。
有馬 : CDを売るというところからそういう話をしていて。
柴田 : そう。バンドをどういうふうに動かしていくか、自分の音楽をどうやって世の中に投げていくかみたいな話をしていて。現実的なことも含めてどうやっていけばいいんだろうねって。
有馬 : その時にも話したんだけど、12月12日におとぎ話が青葉市子さんとやったライヴが自分の中で凄く大きかったんですよ。青葉さんは、本当に尊敬出来る音楽家でさ。坂本龍一さんとセッションしていても、あの子が一番目立ってるんですよ。あの子が一番「音楽」をやっているというような才能豊かな音楽家で。その人と対バンするってなった時にメンバー4人でどういうライヴにするって話し合ったんだよね。で、まあ誰とは言わないけど、ベースが(笑)。
柴田 : KZMね(笑)。
有馬 : (笑)。その人が「やっぱ青葉さんのお客さんにアピール出来るようなライヴにしないといけないでしょう」って言ったんだよ。これを言われた時に俺本当にむかついて、ふざけんなよって。それ違うよって言って。やっぱりおとぎ話のことを追いかけてくれているお客さんがしっかりいて、そのお客さんのベスト・アクトを更新しない限り、青葉さんのお客さんには絶対届かないよって。
柴田 : すっごい分かる。
有馬 : そうしない限り、それをどんどん更新しない限り、世界というのは広がっていかないから。だからそういうライヴをしようよって。
柴田 : 本当にそうだよ。本当にそう。
有馬 : だから、忘れらんねえよが「COUNTDOWN JAPAN」とか出る前に、柴ちゃんと2人でそういう話をしていて。
柴田 : いやもう、あれは本当に幸せな時間だった!
有馬 : なのに酒田(耕慈)の馬鹿野郎が(笑)。風邪引いたとかふざけたこと言っていて。
柴田 : もう本当に、死ねっていう(笑)。
有馬 : 「リズム・キープ出来てるかな」とか小さいこと気にしていたんで、お前はもう帰っていいよって(笑)。
柴田 : そんな小さいこと話してないんだよって。ふざけんなよってね(笑)。まあ、あいつはあいつなりに色々あるんだろうけど。大事なこともあるんだろうけどね。
有馬 : リズムのキープとかね(笑)。
柴田 : リズム・キープとかあるからね、あははははは(笑)。
有馬 : でもその時はあの話出来て良かったよね。
柴田 : 良かった。俺幸せな時間だなと思ってさ。気づいていると思うけど、俺って凄く潔癖なんだよ。
有馬 : 俺も潔癖だけどね。
柴田 : 有馬君も潔癖だと思うよ。
有馬 : 潔癖コンビでしょう?
柴田 : あはははは(笑)。だから「分かる分かる」ということが多いんだよね。だって俺、リハの後にセット・リストをキレイに書いてコピーしてたり、MCの台本とかも書いてるんだよね(笑)。
有馬 : 柴ちゃんセット・リストにMCの台本から曲の終わりのタイミングまで全部書いてあるからね(笑)。
柴田 : 「掻き回した後に酒田がカウントを入れてそのまま繋げる」みたいな。
有馬 : でも、それを超えなきゃいけない瞬間というのが絶対あるでしょ? ライヴを見ている時に「あ、超えた」って思える瞬間が、俺は同じミュージシャンとして楽しいんだよね。完璧に用意しているからこそ、そこを壊して自由になれる。
柴田 : そう。俺はそういうタイプなんですよ。多分そうではない人もいて。だからいいよね、こういうふうに音楽家と飲めるって。俺は音楽始めたのが遅かったからさ。周りにいなかったんですよ、こういう話が出来る人が。よく「ロック・ミュージシャンなんだから台本なんて無くていいだろう」ってしょうもないことを言ってくる馬鹿もいるし。
有馬 : こういう話を酒飲んで出来ない人って多いよね。
柴田 : 多い。悲しくなるもん。なんでお前そんな固定観念でものを話すんだって。現場に出てみろ、みたいな。自分と向き合う作業なんだからさ。

俺たちの世代には、ジャンプ感ていうのが根底にあるんだなって(有馬)

柴田 : さっきおとぎ話が進化したっていう話。進化したと思うんだよ。でも音楽に絶対的なものはないっていうさ。俺「THANK YOU」かなり好きなんだけど、何が好きって、最後に「ハロー」っていうのが凄い好き。その「ハロー」はその辺のやつがいう「ハロー」と全然違うもん。同じ「ハロー」なんだけど、こんなに思いのこもった「ハロー」があるかよって。酸いも甘いも知った上での、でも俺は行くんだっていう「ハロー」じゃん。
有馬 : よく分かってる。
柴田 : だからあの「ハロー」は情報量が多いんだよ。アルバムを改めて聴かせてもらってさ、今のおとぎ話は俺の一番好きなタイプのおとぎ話なんだ。それは、現場にいる感じが凄く強いから。
有馬 : 現場感覚ね。すごいよく分かる。
柴田 : それを昨日メールで送ったんだけど。キモいメールをね(笑)。ラブレターを送ったんだけど。「NO SOS」ってタイトルが素晴らしいって思ったんだよ。ライヴで聴いている時って、歌詞があまり聴きとれてなかったから、改めてPVを見させてもらって、意味が分かって、鳥肌が立って。このアルバム、タイトルからして好きな曲が多いんだよ。「逃げんな! 」とか。
有馬 : 柴ちゃんそういえばコート脱いでないよね(笑)。ずっと着てるよね。
柴田 : あはははは(笑)。もう脱ぐ時間も勿体ないぐらい伝えたくて。あと「OTOGIVANASHI WILL NEVER DIE!!!!!!!!」も、最高に好きなタイトルなんだけど。
有馬 : 「ジャンプ」で育った俺たちだからね。
柴田 : ジャンプ感! 友情、努力、勝利!
有馬 : バンドのメンバーと喧嘩したりした時に、一緒に酒を飲みながら話をするんだけど、俺たちの世代には、ジャンプ感ていうのが根底にあるんだなって。
柴田 : 今回のアルバムそれが思い切り出ているからさ。「NO SOS」の<音楽を鳴らせ>ってところで俺は涙が出るんだよ。逃げんなって、SOSを出すな、ここで立って音楽を鳴らせって。それを鳴らしてる人が言っているから、ぐっときてて。「OTOGIVANASHI WILL NEVER DIE!!!!!!!!」にも「おとぎ話の終わりはハッピーエンドだけじゃない」みたいな歌詞あるじゃん。あれは、「NO SOS」と立っている位置が同じだと思う。ようはハッピー・エンドなわけがないって、現場にいるとそんなわけないって。だけどそれでも、「OTOGIVANASHI WILL NEVER DIE!!!!!!!!」=「死なない」「負けねえよ」って有馬君は言っているの。俺の中ではメロディ・センスっていうのは絶対的なもので、有馬君はもう今後もずっと美しいメロディを書ける人なの。で、そのキラキラしているメロディに、現場にいて踏ん張っている人が心の底から思っている歌詞が乗ると、それはもっと美しく聴こえるんだよ。儚くて。
有馬 : おとぎ話は儚さのバンドだからね。
柴田 : さっき、中世のヨーロッパって言ったけど、いつか終わるんだろうという感覚がおとぎ話にあって。美しいメロディの中に一瞬のせつなさを孕んでるから、すっごい良いんだよ。
有馬 : 有難う。俺は、歌詞を作る時は何も考えないんだよね。考えた瞬間に、それは「考えたもの」になってしまうと思ってるから。歌詞は、曲が、コードが、メロディが呼んでくれる。あと、凄く大事にしていることがあるんだけど、例えば、「たとえば」という言葉があるとして、その言葉はもうメロディになっているのよ。「たとえば」という言葉の持ってるイントネーション。その、元々言葉の持っている、本来のメロディで歌詞を書くっていうのが俺のテーマなのね、実は。
柴田 : うおおおおー!!! 面白い(笑)!! てことは逆算なんだ。メロディが出てきて、それに合う言葉を探していくっていう。面白い!! えええー(笑)!!!
有馬 : この話初めて言った(笑)。誰にも教えない、俺の方法論だから。
柴田 : 絶対誰もやってないんじゃない?
有馬 : 「赤とんぼ」って曲知ってる?
柴田 : 夕焼け小焼けのってやつ? 良い歌だよねあれ。
有馬 : そうそう。あれは、山田耕筰って人が書いているんだけど、あれも全部、辞書とかを調べて、言葉の持つ本来のイントネーションで作った曲なんだって。
柴田 : えー!! それであの歌詞になるの!!?
有馬 : 赤は「あか」だし、とんぼは「とんぼ」じゃない。
柴田 : うわー、すごい!!!! ちょっと鳥肌立ってきた。それこそメロディの恐ろしさっていうかさ、本当に神様からもらっているってことだよね。
有馬 : 元々英語でロックンロールに乗せるってことから始まっているから、外国人に日本語の持つ叙情性とかを知らせるためには、それを考えないといけないのかなって、初めて曲を書いた時に思ったの。
柴田 : でもさ、今回の歌詞ってさ、俺は進化って言葉にしたけど…。
有馬 : 柴ちゃんが進化って言ってくれたのはありがたいんだけど、結構肩の力が抜けきった状態の、素の歌詞が多いんだよね。というのも、そもそも今回のアルバムは、俺がUKプロジェクトにベスト盤作らないですかというところから始まっていて。ローズレコードでやっていた時に、ちょっと今の気持ちとは違うからとかで、自分の中で貯金として貯めていた曲を全部入れたアルバムなの。
柴田 : メロディが呼んでいる言葉を選んでいるんだと思うんだけど、結局それを選んでいるのは有馬君なんだよね。どうしたって人間臭さが出る。素でやればなおさら出るんじゃないかなって。こんなこと分析したって仕方ないんだけど。
有馬 : でも分析したらね、嘘つかなくなった。俺もデビュー遅いと思ったんだけど、25過ぎてからだから。でも柴ちゃんもっと遅いじゃない。だから俺、柴ちゃん見てるとデビューしてちょっと経った頃の俺を見ている気分なの。
柴田 : あはははは(笑)。俺、現場でもよくあるんだよね、人気ないのに最年長みたいな(笑)。最悪な状況になっているから、楽屋で孤立するわけよ。なんだこれって。
有馬 : そういうふうに自分と同世代の人が同じ言葉で、同じ気持ちで会話出来るっていうのは、マジで抱きしめたくなる(笑)。
柴田 : まあ、抱きしめ合ったしね。よく抱きしめ合うけどね(笑)。
有馬 : いつも抱きしめ合ってる(笑)。ちょっと若い人たちが抱えている痛みや悩みとは全然違うんだよね。柴ちゃんは一応働いているけど、それでも音楽をやりたいって思って、色々抱えてたコンプレックスとかもあって。俺は父ちゃんに金もらったり、音楽を応援してくれている自分の家があってとか、そういう抱えているコンプレックスとか。

有馬「音楽に取りつかれちゃってるんだよ」柴田「もう逃げられないじゃん」

柴田 : 結局さ、さっきの音楽的なところでも同じなんだよね。
有馬 : 結局同じところにいるから。本当にね、おとぎ話と忘れらんねえよで頑張ってね、日本全国ツアー回りたいよね(笑)。
柴田 : でさ、最後にさ、武道館2マン・ライヴみたいなさ(笑)。
有馬 : もう、最高(笑)。4時からお互い2時間ずつやるとか、そういうのやりたいよね。
柴田 : だからそう、お互い、持っていないものを持ちすぎているっていうかさ。
有馬 : でもさ、柴ちゃんも、すぐ傍にいる友達とか大事にするでしょ? そいつに届けたいでしょ、まず。そこがジャンプ感というか。俺たちが小学校5、6年の時に「それが大事」(1991年、大事MANブラザーズバンド)って曲が流行ったの。
柴田 : あれ良い歌だよなー。本当に良い歌だよな。負けないこと、投げ出さないこと、投げ出さないこと、信じぬくこと。ダメになりそうな時、それが一番大事。
有馬 : そういうアツさが凄く好きなの。そこが始まりで、自分の友達が落ち込んでいる時とか、地震の時にもすごく感じたんだけど、めちゃくちゃそいつらに届けたいって思った。被災地に一ヶ月後ぐらいに行ったんですけど、自分自身の音楽がこの人たちを助けているとか、そんなおこがましいことは思わなかったけど、それでもちゃんと届いていて。この人たちの人生のちょっとでも足しになってくれるなら、凄く良かったなって。で、実はその時に、忘れらんねえよの曲を聴いていたの。その頃、同世代のやつがどんな曲を書いているのかは結構シビアに見ていたんだけど、忘れらんねえよの曲は、すんなり入って来て。凄く不安になっている人は、あの曲や歌詞を聴いた時に喜ぶんじゃないかって思ったの。で、凄く嬉しくて、こいつらと今年中に対バンしたいって思って、横浜で対バンしたんだよね。全然人来なかったけど。
柴田 : 初対バン、懐かしい!
有馬 : そこから全てが始まっていて。同世代感てものがあって、同世代のやつらに届くような音楽が必要だって思って。俺たちの世代って本当に友情とか好きじゃない。裏切りをされた時とかにそれを共有するのも好きなのよ。あいつに裏切られた、ふざけんなって言って、じゃあ俺らは何が出来る、みたいなのも好きなんですよ。
柴田 : 共に闘っているようなね。

有馬 : そうそう。俺は忘れらんねえよがメジャー・デビューしてからも追いかけているつもりなんだけど。歌詞の変遷だったり、忘れらんねえよが「忘れらんねえよ」って曲を冠にしてアルバム出して、その中で下ネタとかそういう部分が脚光を浴びることは分かっていたけど、それ以外の本当に良いこと言っている部分をどんな人が感じているんだろうなって思って、おとぎ話と対バンして、おとぎ話のお客さんに彼らを見てもらうことによって、自分も確かめることが出来たんですよ。さっき「NO SOS」という曲の話をしてくれたんだけど、俺は「SOS」をここ数年の中で凄くたくさん見たような気がして。それはもう見たくないなって思いながら曲を作っていたんだよね。で、歌詞の最後に<音楽を鳴らせ>という言葉が出てきたのと同時期に<明日には名曲がこの星に生まれるんだ>って聴いて、君の曲ですよ(笑)。
柴田 : 俺(笑)!? ああ、あれ俺も大好き。自分でもよく意味は分かんないけど(笑)。
有馬 : これ「NO SOS」とリンクしてない? って思って。音楽の「鳴る」って意味を考えているバンドがすぐ傍にいるんだったら、そりゃ使命感に燃えるよっていう。
柴田 : その1行目を褒められたのは初めてだ。1行目は相当気に入っていて、梅津君も気に入っているし。やばいよね、相当やばいと思うんだよね。
有馬 : この1行目しかないと思うよ。
柴田 : 「明日には名曲がこの星に生まれるんだ」と言っていて、その名曲を俺に下さいって言っている人の美しさを歌っている。どんどん生まれていくじゃない、美しいものって。
有馬 : 桜木花道がフリー・スローの練習をしているときみたいな(笑)。
柴田 : そうそう、そういう感じ(笑)。それをビデオに撮って自分で見て「違うな」って言って夜が更けていく感じとか。
有馬 : メガネ君が練習に一緒に参加してくれる感じ(笑)。
柴田 : それがサビみたいなさ(笑)。これは大事な価値観だもんね。あの時に知った、ハートの根っこにある一番大事な、心の底から上がれる価値観だから。それも音楽にするしかないよね。
有馬 : 音楽に取りつかれちゃってるんだよ。
柴田 : もう逃げられないじゃん。
有馬 : それを信じないとさ、本気の音楽が日本からなくなったら最後じゃん。
柴田 : 最後だしさ、そこは背負わないと。大きいものだけどさ。
有馬 : でも大きいものを背負っていかなきゃいけないんだよ、もう31だからさ、っていうのはある(笑)。背負う気満々でしょ?
柴田 : 満々だし、それを堂々とやろうってさ。
有馬 : 「逃げんな」ですよ。俺らも、忘れらんねえよも。
柴田 : この歳でそれをやるのはだいぶリスキーじゃない。でも、やるしかないっていう。おとぎ話ってさ、よく喧嘩をしているんですよ、ライヴ前のリハの時とか。その根本にあるストイックさ。怒鳴り合いみたいになっているんですけど、なんでそれをやるかっていうと、ライヴ本番のパフォーマンスを極限にまで上げたいから。そこで安心してんなよって思うからでしょ。風間君を責めたいわけではなく、良いライヴをしたいから。
有馬 : まあ、風間を責めたいんだけど(笑)。
柴田 : あはははは(笑)。

有馬「やろう、だから」 柴田「やろう」

有馬 : でも柴ちゃんも感じていると思うけど、普段の練習が一番ライヴなんだよね。
柴田 : そのまま出るじゃん。ライヴって「点」じゃないじゃん。
有馬 : 線じゃなきゃいけないものなんだよ。繋がっているからさ。それをライヴ・ハウスに行って、「おはようございます」の一言が暗かったりするとさ。
柴田 : お前なんできっちりしないんだってなるじゃない。入り時間にも遅刻したくないしさ。
有馬 : とりあえず「おはようございます」は絶叫しろみたいな。
柴田 : 「ちゃーす!!!」みたいな。
有馬 : あはははは(笑)。
柴田 : いやでも、そうなんですよ。「RADIO DRAGON」(TOKYO FM)で小さいコーナーを持たせてもらっていて、それで思ったのが、最初の2回俺最悪だったんだよ。ぼそぼそしゃべって。
有馬 : 俺がメンバーだったら頭ひっぱたくよ(笑)。
柴田 : 気づけたから良かったわ。それないわ。ライヴだからね、あれも。「ちゃーす!!!」みたいな「セックス!!!」みたいな感じで行かないと。
有馬 : (笑)。結局自分のそのままを出さないと意味がないんだよ。
柴田 : 変に自信なさそうに、日和ってさ。
有馬 : 俺ね、本当によく分かる(笑)。5年前くらいにラジオ出てた時とかに、何かちょっと頭が回るんだよ。このラジオはこういう系のラジオだから、こういうキャラでいかなきゃいけないとか。
柴田 : 無駄なんだよ。ライヴなんだよ。ステージだよ。「ちゃーす!!!」みたいな。「うりゃーす!!!」みたいな。
有馬 : それを考えきれない感じとか、すごいよく分かる。だから柴ちゃんは悩んだら俺に連絡くれればいいんだよ。
柴田 : クリスマスのリハの後も同じこと話したよね。いつでも連絡してって。俺に連絡してって言ってたよね。他のやつにしないでって(笑)。ホモですよ、ホモ。
有馬 : 他の柴ちゃんが話しやすそうな人に連絡したら、ただの愚痴になるから。愚痴は一瞬で終わるじゃん。愚痴以外のところで次に繋がる話を2人でしているのが、面白いじゃん。
柴田 : 元気を出さないといけない年齢だしね。
有馬 : それに答えが伴う年齢なんだよ。これ31歳の人しか読んでくれないと思う(笑)。
柴田 : あはははは(笑)。でも、この年になっても、本気はちゃんと伝わるんだよね。
有馬 : 本気じゃなかったら伝わらないからね。
柴田 : それこそ夢が叶うとまでは言わないけど、そんな甘いもんではないけど、少なくとも人の気持ちは多少動くね。
有馬 : 俺はそこも思うんだけど、もっと信じた方がいいと思う。自分の音楽にもそうだし、やっていることにもそうだし。ここまで生きてくると、これで伝わらないんだったら仕方ないって思うし、伝わるはずだっていうのも両方思うけど。ネガティブな部分とかよりも、絶対に伝わるはずだって部分を信じてあげないとダメなんだと思う。
柴田 : それを信じる人でいたいし、それを信じる人が歌う言葉だったり話すMCの方が、俺は聴きたいよね。
有馬 : それを見に来て、それでエネルギーをもらう感じだから、俺とか柴ちゃんは絶対それを信じるべきなの。信じられないんだったら、俺に電話しろ(笑)。
柴田 : あはははは(笑)。任せろと。いいね。
有馬 : そういう感じでこのまま続いてくれればと思うけど。
柴田 : もっとでかくしたいけどね、この感じを。
有馬 : でかくなるんだよ。でかくするための決意が若い世代の子よりも、俺たちは足りないんだと思う。もっとだと思うんだよね。若い世代は全く考えてないんだと思う。知らないし、全く考えてないから強いっていうのもあるから、俺らはその2倍自分のことを信じなくちゃいけないの。それでようやくイーブンに立てるの。てことはあと100倍やらなきゃいけないの(笑)。
柴田 : それってなんかさ、ウキウキするっていうか、望むところだっていう。だってさ、余裕でやれるじゃん、そんなの。
有馬 : やろう、だから。
柴田 : やろう。

有馬 : で、そろそろ時間みたいだけど、お互いがこれから先どうなるかって話をさっきしたじゃん。そこから先の話をして終わる? さっき武道館で2マンするって話をしたじゃん。ストーリー的にはめっちゃ熱いんだよね。
柴田 : 熱いし、正しいんですよ。正しいことをしたいんですよね。自分が思ったのであれば、それをちゃんと全うするっていうかさ、逃げない。ふと思ったことに対して逃げないっていう。「逃げんな! 」とか「NO SOS」とか「OTOGIVANASHI WILL NEVER DIE!!!!!!!!」とか、そういうことだよ。
有馬 : 柴ちゃんて俺らの曲聴いているからさ、絶対に影響あるでしょ。お互いがどこに影響受けたかっていうのを、次の対談のテーマにしませんか?
柴田 : いいね! でも俺、今言っちゃいたいくらいだよ(笑)。
有馬 : もうダメだよ(笑)。そういう感じで、続くって感じでよろしくお願いします。

延長戦

柴田 : この前さ、あるプロモーションで○○っていうクソ野郎にさ、上から目線でずっと喋られて、ずっとイライラしたんだよね。「てめえ」みたいな。
有馬 : カットでお願いします(笑)。
柴田 : いやでも俺も大人になったなって思う。その時にイラッときて。
有馬 : 気持ち良くなかった(笑)?
柴田 : いや、それは有馬君の性癖でね、風俗に行ってもらえばいいんだけど(笑)。凄く良い作品が出来たから、純粋なものを俺は作ったっていう事実があるから、こいつを届けるために俺はここにいるんだって思って、その時は飲み込んで。「さーせんね」みたいな。「キモいこと言って申し訳ない」みたいな。
有馬 : (笑)。
柴田 : で、そいつに喋らせておいて、じゃあ柴田君て言われた時に「いや、実はですね、良い音楽が」っていうね。泥水すすってでも自分の信じる音楽を届けるために俺はここにいるんだっていうことが、ようやく分かるようになったから。
有馬 : 泥水すする年代だからね。「うわ、泥だ」って言って飲めるからね。でも飲んで、みんなが去った後に2人でトイレ行って、オエって吐いたりしてね。その後に酒飲み行ったりとかして(笑)。
柴田 : あれ、ないよなとか(笑)。でもちゃんと宣伝したよなって。信じるものがもっと深い場所に出来たっていうか。表面的なものじゃないっていう。もっと大事なものを伝えたいっていう。それは多分おとぎ話はずいぶん前からそういうモードに入っていたと思うんだけど、俺らはようやくそうなれたなって。
有馬 : 俺らも、3枚目くらいからようやくそのモードになれた。でも、柴ちゃんが書く音楽っていうのは自分にはない音楽っていうのもあるし、自分にあるものをもう1回教えてくれる音楽っていう気もする。
柴田 : それ、有馬君にも思うんだよ。90年代のJ-POPが一番美しかった頃のあの感覚を有馬君のメロディとかアレンジに感じるんだよな。
有馬 : この間、風間君と2人で飲んでいた時に、俺すごい柴ちゃん呼びたくて。
柴田 : あはははは(笑)。
有馬 : 「翼の折れたエンジェル」(1985年、中村あゆみ)から始まったからね。この感覚何? ってなって。そこからアグネス・チャンの話になって。アグネス・チャンすげぇなって話とかしてて(笑)。その後に美空ひばりが流れて、そこから聖子ちゃんにいって。そこにいった時に柴ちゃんにメールしてタクシーで来いって言いたかった(笑)。
柴田 : 行くわ。たぶんツイッターいじってたわ、その時。全員に返信してたわ。
有馬 : だからそういうのだよね。お互いのメロディとかもね。尊敬しているんですよ。
柴田 : メロディが作れるって唯一の俺の自慢なの。
有馬 : でも使い古されたコード進行があって…、音楽やっている人ならみんな知っているんだけど、日本人の琴線に触れるような使い古されたコード進行が。「CからはじまるABC」もそうだけど、普通なんだよ。その上にどれだけ死ぬほどやばいメロディを乗せられるかっていうのに懸かっているんですよ。
柴田 : そこがさ、メロディ・センスが問われるっていうか。同じコード進行で、圧倒的に良いのを作ってしまうっていう。
有馬 : 違うものを作れるかどうかとか、そういうのを真剣に考えている2人の対談でしたね。
柴田 : でしたね。って、急にまとまった(笑)。
有馬 : さっきまとまったからね(笑)。
柴田 : また延長した(笑)。すみませんでした。
有馬 : 第2回は柴ちゃんじゃなくて、俺とテラシマユフちゃん(BiS)で。
柴田 : それ、ただの趣味じゃん!
(延長戦は深夜まで続き、二人は杯を重ね続け、柴田は同じ話を繰り返しまくった末、座敷に突っ伏して熟睡。有馬はそれを見てニヤニヤ。あとは二人でやってくれ!)

おとぎ話の過去作も配信中!!

>>>有馬和樹(おとぎ話)×前野健太 対談
>>>おとぎ話 メンバー単独インタビュー
>>>有馬和樹(おとぎ話)×下津光史(踊ってばかりの国) 対談

1月30日(水) 忘れらんねえよ無観客LIVE開催決定!!

忘れらんねえよ『この高鳴りをなんと呼ぶ』発売記念 無観客LIVE

2013年1月30日(水) 14:00~15:00(予定)

場所 : 都内某所(野外)

>>>OTOTOY TV♭にてUSTREAM生中継。

>>>詳細はこちら

LIVE INFORMATION

おとぎ話
2013年1月30日(水)@新宿LOFT
2013年2月2日(土)@札幌Sound Lab mole
2013年2月16日(土)@下北沢風知空知(※有馬和樹ソロ)
2013年3月10日(日)@那覇Output
2013年3月16日(土)@代官山UNIT

忘れらんねえよ
2013年2月1日(金)@新宿LOFT
2013年3月20日(木)@SANUKI ROCK COLOSSEUM ~BUSTA CUP 4th round~

ボーカルギター柴田 プレミアム弾き語りインストアイベント
2013年2月8日(金)@タワーレコード新宿店 7F イベントスペース
2013年2月15日(金)@タワーレコード梅田NU茶屋町店
2013年2月21日(木)@タワーレコード名古屋近鉄パッセ店
2013年2月22日(金)@イケヤ浜松メイワン店

「この高鳴りをなんと呼ぶ」リリースツアー
2013年3月3日(日)愛知県 池下CLUB UPSET
2013年3月9日(土)大阪府 梅田Shangri-La
2013年3月29日(金)東京都 代官山UNIT

PROFILE

おとぎ話
有馬和樹(Vo、Gt) / 風間洋隆(Ba) / 牛尾健太(Gt、Chorus) / 前越啓輔(Dr、Chorus)2000年に有馬とベースみたいな顔の風間くんが出会い、バンド「おとぎ話」を結成。旅の途中、右手にBOSSのエフェクターを持って佇んでた牛尾くんと、りんごの星で野球帽をかぶった前越くんが仲間入り。以後、独自の表現と音楽の可能性に懸ける日々。焦燥と少年性の同居した1stアルバム『SALE! 』、絆と赤い情熱を描いた2ndアルバム『理由なき反抗』、日々の不安と感謝の季節を綴った3rdアルバム『FAIRYTALE』、そして、おとぎ話を語る上で重要な曲が収録された2枚のEP『ハローグッバイep』、『青春 GALAXYep』を現在までに発表している。2010年で結成10周年。おとぎ話メンバーのみでレコーディングに臨み、いち早く声を掛けてくれた曽我部恵一氏との共同作業の末、2010年11月11日、4thアルバム『HOKORI』リリース。そして、2011年10月12日に5枚目となる、アルバム『BIG BANG ATTACK』をリリース。その音楽性はますますオリジナリティを増し、新たな扉を開けの旅は続いて行くのである。

おとぎ話 official HP

忘れらんねえよ
柴田隆浩(ボーカル、ギター)
梅津拓也(ベース)
酒田耕慈(ドラム)

忘れらんねえよ official HP

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インタヴュー

「やっといまのPolarisになったな」──Polarisの新たな魅力が凝縮された新作『走る』をリリース
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渋谷慶一郎のレーベル、ATAKの過去音源配信開始、第3弾
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大西順子、バラッド集&ピアノ・トリオ新作を先行ハイレゾ配信スタート
・2017年11月10日・大西順子、待望の8年ぶりのレギュラー・トリオと、初のバラッド集をリリース──先行ハイレゾ配信 2度の活動休止(2012年には引退宣言も)からの復活を遂げ、昨年は菊地成孔プロデュースによるニュー・アルバム「Tea Times」をリリース「Tea Times」をリリースするなど、ここにきてまた活動を活発化させているジャズ・ピアニスト、大西順子。そんな活動の勢いを象徴するように2枚のアルバムを同時にリリースする。まずはファン待望、8年ぶりとなる待望のピアノ・トリオ・アルバム『Glamorous Life』、そして彼女が10年以上、そのアイディアを温め続けてきたという初のバラッド集『Very Special』の2枚だ。OTOTOYではこの2作を、11月15日のCDリリースを前に、24bit/96kHzのハイレゾ音源データにて、先行配信開始いたします。さらには本作を巡るインタヴュー敢行。『Jazz The New Chapter』監修のジャズ評論家、柳樂光隆によるインタヴューを掲載いたします。また次週には同インタヴューの後編として、往年の名ジャズ・ピアニストに関して、柳樂が大西に問う特別企画も掲載予定です。そちらもお
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いま聴くべきはこいつらだ!! “合唱系ノスタルジック青春歌謡オーケストラ”を謳うバレーボウイズって?!
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by 岡本 貴之