2012/11/15 00:00

2009年に活動を開始したNINGEN OKは、石川・金沢在住のサカグチケンイチ(Dr)、ヤマシタタクロウ(Gt)の2人組。金沢のライヴ・ハウスを中心にライヴ活動を行いながら、2011年に自主制作によるライヴDVDをリリースしている。「僕らにとってロック=怒りの爆発ではなくて。ハードなサウンドだが、愛情表現であるっていうのは揺るぎない」とメンバーが語るように、生命力や人間愛が滲み出たポジティブなオーラを纏った1stアルバムを聞き逃すな!

>>「NINGEN CRACK 割れた夜が降注ぐ帰路 と いつもの電話の声」のフリー・ダウンロードはこちら
(期間 : 11/15〜11/22)

金沢の轟音ロック・デュオNINGEN OKの初アルバム

【販売形式】
mp3、wav

【価格】
mp3 単曲 150円 / アルバム 1,250円
wav 単曲 200円 / アルバム 1,700円

今作は「すべてをライヴに集中させたかった」という理由で、これまで音源制作を行なってこなかった彼らにとって、初めての音源。1990年代のオルタナ・ギター・ロックやUSハードコアに影響を受けたという、ハードでソリッドな轟音サウンドによる全9曲が収録される。

その轟音は、聴き手のエモーションを解き放つ

刺激的な音源をリリースし続けるインディー・レーベル、POPGROUP Recordingsから、新たな刺客が放たれた。金沢のD.I.Yバンド、NINGEN OK。営業、広報、ギター担当のTakurou Yamashita、アート・ワーク、ステージやwebのデザインと作曲、ドラムを担当するKen-ichi Sakaguchiの2人から成るインストゥルメンタル・ロック・バンドである。“すべてをライヴに集中させたかった”という理由から、音源制作を行っていなかった彼らだが、遂に初めての音源を完成させた。今作からは、金沢から日本全国へ飛び出していこうとしているNINGEN OKの勢いと熱を感じることができる。

ライヴという空間作りにこだわってきたNINGEN OK。ギターとドラム、サポート・キーボードの3人という最小限の編成で、観る者を引き込むロック・サウンドを響かせる。タイトなドラムは時にダンサブルなビートを刻み、轟くようなギター・リフと繊細なアルペジオが絡み付いて、緊張感のある空間を作り出していく。D.I.Y精神たっぷりの彼らは、フロア・ライヴの開催や、ステージ・デザインを自ら手がけるなど、いかに”体温を伝える”かを考え続けてきた。金沢のライヴ・ハウスを中心にパフォーマンスを磨き、KAIKOO POPWAVE FESTIVALへ2年連続の出演、2012年のフジロックなど、大きなステージでもその姿勢は変わらなかった。ライヴという空間にこだわってきた彼らにとって、今回与えられた音源という空間は狭すぎるのかもしれない。

しかし、音源にライヴの魅力を詰め込むことで、彼らは新たなリスナーの獲得を目指している。より多くの人へ、自分達の音楽を届けたい。そんな飽くなき探求を、新たなベクトルを示した、決意表明ともとれる1枚である。彼らのキャッチフレーズが付けられた「NINGEN THANKYOU 愛を放電、あなたへ放電、世界へ感電」。この曲では、高く高く、音を積み重ねていくような緊張感、後半にかけての衝動的で畳み掛けるような厚みのあるリズムが扇情的で、ライヴの勢いそのものだ。しかし勢い任せの轟音に頼るポスト・ロックでも、ミニマルにまとまりすぎたポスト・ロックでもない。彼らの熱は音源からじわじわと伝わってくる。刺激的で硬質なサウンドではあるが、無機質とは言い難い。時に衝動的で、人間らしさを残している。ぜひライヴで、生で観てみたい。そう思わせるような一枚だ。彼らの”体温の行方”はどこなのだろうか。音源とともに広がっていくであろう彼らの熱を、感じていただきたい。(text by 櫻井希)

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PROFILE

NINGEN OK

石川県金沢市在住のサカグチケンイチ(Dr.)、ヤマシタタクロウ(Gt.)による、轟音インダストリアルロック・デュオ。2009年から「NINGEN OK」として活動を開始し、これまでライヴDVD1枚をリリースしている。以降、金沢のライヴ・ハウス/クラブを拠点としつつ、東京や関西でも精力的にライヴを重ねている。現在は、サキナ(Syn.)をサポート・メンバーに迎えたトリオ編成でパフォーマンスを敢行しており、2012年には、FUJI ROCK FESTIVAL'12(ルーキー・ステージ)への出演を果たした。また、バンドにまつわるすべてのプロジェクトをふたりで担っているのが特徴で、“愛の発電”ことサカグチが楽曲制作 / アート・ワーク / ステージ・デザイン / webを、“愛の放電”ことヤマシタがブッキング / プロモーションを手掛ける。そして2012年11月、“愛を発電。あなたへ放電。世界に感電。”のキャッチ・フレーズをひっさげ、POPGROUPから待望の1stアルバム『体温の行方』を発売する。

NINGEN OK official HP

この記事の筆者

[レヴュー] NINGEN OK

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