2012/08/07 00:00

2011年にFar Franceの英真也を中心に結成されたバンド、TESUSABI(テスサビ)の1st demo EPがついにリリース!! 思わず口ずさんでしまうグッド・メロディーに、こ憎い歌詞が乗ったギター・サウンドは、不器用さを感じつつも、愛さずにはいられない愛嬌を持ち合わせています。エンジニアにGELLERSや“前野健太とdavid bowieたち”で骨太ベースをぶん回す大久保日向を迎え、ここに堂々のデビュー!! 『生活へ』と名付けられたタイトルの通り、聴き手に寄り添いながら、こちらからもグッと入り込んでいける珠玉の3曲を収録。当たり前のようでいて、実は当たり前じゃないかもしれない日常生活について、聴きながら考えてみてはいかがでしょう?

TESUSABI / 生活

TESUSABIの1st Demo EPが完成! エンジニアに"GELLERS"や"前野健太とdavid bowieたち"で骨太ベースをぶん回す、大久保日向氏を迎えて製作された初の音源。人間味に溢れた歌と、不器用だが瑞々しいギター・サウンドが印象的な珠玉の3曲を収録。

1. 花のように / 2. SOS / 3. 生活へ

【配信形式】 : WAV / mp3
【価格】 : WAV / mp3 共に450円

「生活」ではなく「生活へ」

『生活へ』。TESUSABIの1st demo EPに収められた3曲は、すべてが『生活へ』密着している。喜怒哀楽の感情であったり、些細なことば――花、入道雲、冷蔵庫であったり、それは生活というよりも人間の人生そのものといっていいのかもしれない。だから、どこかしら儚くて、さみしさすら感じるのだ。

そのさみしさの理由は一体なんだろうか。TESUSABIのサウンドを紐解くと、既視感という言葉が浮かび上がる。「花のように」のメロディアスなリード・ギターは、夕方のチャイムや豆腐屋のラッパの音のように優しく耳に響く。表題曲「生活へ」の大合唱は、おててを繋いで歌いながら帰った放課後のような腕白さが蘇る。TESUSABIを聴くと、かつて誰もが経験したことのあるノスタルジックな1ページが、走馬灯のようにぐるぐると駆け巡るのである。この既視感こそが、TESUSABIの持つ不思議な魅力だ。

ところで、『TESUSABI』の意味をご存知だろうか。漢字に表すと“手遊び”。退屈を紛らわせるためにする手の仕事のことである。英真也(はなふさしんや / vo & gt)の前身バンド・Far Franceの活動休止(2012年冬)以前は、TESUSABIはサイド・ワーク、言ってしまえば”手遊びバンド”だったのかもしれない。しかし、Far Franceには、こんなにシンプルな音作りは見当たらなかった。複雑にジャンルを絡め合わせ、ジャンルの壁に拮抗していたFar Franceにとって、TESUSABIの音楽性は正反対のものといっても良いだろう。活動を休止し、日常生活に戻ってみて初めて気づいた世界が、今やメイン・ワークとなったTESUSABIに凝縮されているのだ。

突然だが、私たちの日常生活は期限付きである。今も終わりに向かって日々カウント・ダウンを続けている。しかしTESUSABIは、それが悲しいことじゃないということを教えてくれる。長い人生の中で、時にはSOSを叫んだりすることだってある。それでも「ああ、人生って良いものだな」と、ふとした瞬間に思えることがあるように、キラキラと輝く小さな幸福感を忍ばせているのだ。それは不器用で荒削りなメッセージでもある。そこからは一人ひとりの生活から人生までもがリアルに鳴り響いている。

『生活』ではなく『生活へ』である。この、投げかけられた言葉はどこへ向かうのだろう。それがTESUSABIのゆくえなのかもしれない。そして、彼らの持つ既視感は、やがて今を生きる私たちのリアル・タイムな感覚に追いついてくるのだろうか。20代も中盤に差し掛かり、人生のしくみをそれなりに分かってきたであろう英。しかし、まだまだ日常における発見は絶えなかったのだ。Far Franceの活動休止から新たに見えてきた、彼の音楽に対する飽くなき追求。それが現在進行形で描かれていくTESUSABIに要注目である。(text by 梶原綾乃)

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2012年3月17日の下北沢シェルターのライヴをもって活動休止に入ったWEARE! 。これまで以上に深化した歌世界と立体的なバンド・サウンドが、不安定な距離感で交錯する全9曲。10年間の集大成ともいえる3rdアルバム。

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LIVE SCHEDULE

NEW DAY RISING !!!
2012年8月11日(土)@下北沢THREE
w / 欠伸 ACBIS、ホッタモモ、Paradise、hana to yume、不自分

Tangled Hair Japan Tour 2012
2012年10月8日(月・祝日)@渋谷O-nest
w / Tangled Hair、荒川ケンタウロス、静カニ潜ム日々、TESUSABI、dry as dust

PROFILE

2011年、Far Franceの英真也を中心に結成。同年秋より本格的な活動を開始。現在はギターに山田悠を迎えて活動中。ライヴではベースとドラムにサポート・メンバーが加わりバンド編成で演奏をしている。英が影響を受けた国内、海外を問わない瑞々しいギター・サウンドに自由な言葉を乗せて、フォーカスは歌。飽くまでも。

2012年夏には「Shimokitazawa Indie Fanclub2012」に出演。現在までにmoools、Qomolangma Tomato、toddle、LLama、など名だたるアーティストとの共演を果たしている。

[Member] 
英真也(Shinya Hanafusa) / Vocal+Guitar
山田悠(Yu Yamada) / Guitar+etc

[Support Musician]
岡崎英太(Eita Okazaki) / Bass
金川卓矢(Takuya Kanegawa) / Drums

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[レヴュー] TESUSABI

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