ときめき☆ジャンボジャンボ、鮮やかなる2ndアルバム完成!

2005年より関西のライヴ・ハウスを中心に活動するインストゥルメンタル・バンド、ときめき☆ジャンボジャンボが、自身で「ファーストにしてベスト」と語った前作『ECLAT』から2年ぶりとなる新作『stella(ステルラ)』をリリースする。これまでプログレッシヴ・ロックともポップ・ミュージックとも評されてきた彼らだが、結成から一度もぶれたことのない音楽の芯の部分、それは作曲する上で明確な物語を作り、曲の中心に常においておくこと。『stella』とはラテン語で “恒星”を意味する。本作ではどのような物語を描いたのだろう。

前述にもある通り、前作は彼らにとってベスト・アルバムとなった。そして今作を聴いて感じたこと、彼らは今活動7年目にしてひとつのターニング・ポイントを迎えているのではないだろうか。言葉を持たないことにこだわり続けた彼らだが、本作の中で一曲、歌ものに挑戦している。これにはどんな心境の変化があったのだろうか。結成から今に至るまでのバンドのストーリーから、インストであることにこだわり続けた理由、歌を始めた理由、今作のタイトルに秘められた物語について、バンド結成の発起人でありベース担当のハヤシユウジとピアノ担当のhirocopackに話を伺った。

インタビュー&文 : 水嶋美和

左からハヤシユウジ、hirocopack (photo by 赤井裕)

全曲フル試聴実施中! (2012/7/31〜8/31)

★全曲試聴は曲名をクリック!

  発売日 2012/08/01

※ 曲名をクリックすると試聴できます。


ときめき☆ジャンボジャンボ / stella
ドラマチック・インストゥルメンタル・ロック・バンド、ときめき☆ジャンボジャンボの2ndアルバムが完成! バンド名からはおよそ想像もつかない楽曲達は、言葉を使わず変拍子を織り交ぜたインストゥルメンタル中心の音楽スタイルで展開され、巧みなアンサンブルでもって、別世界へと引きずり込んでゆきます。さらに本作では、バンド結成以来初の”歌”の入った感動的なバラードも収録。

1. 秘密の呪文 / 2. Nina / 3. train / 4. jalopy rendez-vous / 5. Europa / 6. 雨過の舟
価格 : mp3 600円 / wav 800円

ハヤシユウジ&hirocopack INTERVIEW

——バンド結成の経緯を教えてください。

ハヤシユウジ(以下、ハヤシ/Ba) : 元々は「マグニチュード7」という大阪芸大のサークルで結成したバンドが最初にあって、卒業のタイミングでメンバーが何人か抜けたんですよ。その残党で結成したのが2005年、今あるバンドの始まりです。

——何でこんなポップな名前にしようと思ったんですか?

ハヤシ : メンバーが抜けて、もう7人じゃないからマグニチュード7ではないよな、と。「じゃあ俺バンドの名前考えてくるわ」って言って、お風呂で思い付いたのが「ときめき」と「ジャンボ」だったんです。メンバーには「今回はほんまに売れにいくから」って宣言してて、待って出てきた名前がこれやったから最初はみんなに俺の本気が伝わりませんでしたね… 「ときめき☆ジャンボジャンボでいこうと思う」「わかった」で、次のスタジオ入った時に「で、バンド名何にする? 」って(笑)。英語でスマートでかっこいい名前もいいとは思うんですけど、覚えてもらいにくいし、変な名前の方が見る人のハードルを下げれるかなあと。

――売れにいくと意気込んでいた割には消極的ですね(笑)。

ハヤシ : この名前ならライヴを見た時に「意外とかっこええやん!」って思ってもらえるし、ハードルを低くしておけば飛んだ後そのまま全力疾走しやすくなるしね(笑)。

――結成時から今に至るまでメンバー・チェンジはありましたか?

hirocopack(piano) : まあメンバー・チェンジの多いバンドです。巡り巡って今は私以外全員オリジナル・メンバーなんやけど、同じ人が出たり戻ったりしてるからややこしいんですよ。作品で見ると今作と前作でドラムが違ってます。今のメンバーに落ち着いたのは去年の1月ですね。

――hirocopackさんはどういうきっかけでときめき☆ジャンボジャンボに加入することになったのでしょう?

hirocopack : バンドの存在は認識してたんです。加入したのは大学を卒業した頃で、私はゆーきゃんmeetsあらかじめ決められた恋人たちへで鍵盤を弾いていて、夢中夢(ハヤシが在籍していたバンド)と対バンすることもあったし、ときめき☆ジャンボジャンボ(以下、ときめき)のライヴも見たことあったし。それとは別でもう一バンドやりたいなあと思っていたところに、ときめきのメンバー募集の書き込みをmixiで発見したんです。

――大阪・京都のバンド界隈の関係の中で自然に加入したのかと思っていましたが、最初はmixiなんですね。

hirocopack : いや、そこは発見しただけで特にアクションは起こさず。でも気には留めていて、共通の知人に勧められて初めて連絡をとりました。それからファミレスでリーダーのハヤシからバンドの説明を受けて、ちゃんと話をしたのはその時が最初ですね。

――そこではどういう説明を?

hirocopack : このバンドは曲ごとに物語があって、聴く人に情景を思い浮かばせる音楽を作るという指針があると。私も音大ではないけれど大学では音楽系の学科を専攻していたし、幼い頃からYAMAHAに通ってピアノと作曲を習っていたので、しっかりとしたコンセプトをもって音楽を作る姿勢にすごく共感したんですね。いいバンドだなあと思って、今も続いています。
ハヤシ : メンバー側としては「ゆーきゃんmeetsあら恋の人来るで! 」「クラシックやってたんやって! すごいんちゃうん!? 」って盛り上がってました。

――ハヤシさん、自分のハードルは下げておくのに… 。

ハヤシ : 人のハードルは平気で上げます(笑)。

――曲ごとにストーリーを持たせるというコンセプトは、結成時からずっと?

ハヤシ : はい。バンドをやる上でずっと大切にしてきたことです。

――そこにこだわる理由は何でしょう?

ハヤシ : インストゥルメンタルでやろう。じゃあそれでもって何をやりたいのか、はっきりさせておかなきゃいけない。考えた末、映画みたいにストーリーを立てて、その展開に当てはめながら作れば面白い曲が出来るんじゃないかと思ったんです。だから実は、ここのギターのこのフレーズはこの物語のこの場面のこういう状況、感情を表しているとか、設定も細かく決めながら作ってるんですよ。
hirocopack : だからどの曲にも起承転結があって、曲の最後はいつも盛り上がってしまう。

――今作も一曲ごとに一話ずつ?

ハヤシ : 最後の曲だけはちょっと違うかも。

――この曲だけ歌が入ってますね。これはhirocopackさんが?

hirocopack : (苦い顔で頷く)

――そんな顔しないで(笑)。

ハヤシ : ストーリーを作らなあかんと思ってたのは、歌詞がないからなんですよ。歌もののバンドやったらやっぱり歌詞が芯になるから、それを伝えるためにみんなで同じ方向に向かってがーっと集中できる。でも僕らにはそれがないから、芯になる部分に物語をおいて演奏していたんです。でもこの曲には歌詞があるから。物語がない分、歌詞にすごいメッセージを込めました。
hirocopack : 前作を出して、一つの段階でやりきった感があった。じゃあ次、何する? ってなった時に、やっぱりみんなインストやりつつも歌ものが好きやから、やってみたい気持ちもあって。

――インストであることに頑ななこだわりがあった訳ではないんですね。

hirocopack : 「インストで頑張らなきゃ」って気持ちは、今まではあったと思う。今は面白いことならインストに限らずどんどんやっていきたいです。例えばくるりもギター・ロックやったり、クラシックを通過していたり、打ち込み中心になっていたり、アルバムによってアプローチが違うじゃないですか。でもどの作品もちゃんとくるりらしい。うちらももう何をやってもときめきの音になる自信があるので、じゃあ何でもやっていこうよって、今は思えてます。
ハヤシ : 何なら次の作品は全曲歌ものでも良いと思ってるぐらい。ずっとやりたいと思ってることなんやけど、ゆーきゃんやASAYAKE01のような素晴らしい歌い手さんたちと一緒に曲を作ってみたいです。

――物語って基本的には言葉で語るものなので、今までときめき☆ジャンボジャンボが歌なしで築いてきた世界に色んな歌い手の言葉が乗るのは、聴き手としてすごく楽しみです。

ハヤシ : 物語の主人公の淋しい、嬉しいで起こる心の起伏をそのまま音に移したい。曲を作る上で一番大事にしてるのってそこで、感情の動きってやっている行為が違っても同じ感情やったりするじゃないですか。例えば車を運転しててびゅーんって気持ちになる人がいれば、文章を書いててびゅーんって気持ちになる人もいる。インストだと具体的な人物や物を言えないから、そのびゅーんって気持ちだけを伝えることになる。すると聴く人は「ああ、このびゅーんってなる気持ちわかる」って、自分の体感に当てはめて追体験できる。それが言葉を使わない表現の面白いところだと思います。

――言葉がない分自由になるんですね。

ハヤシ : 漫画と小説だったら、漫画の方が絵と言葉両方あって伝わりやすい。小説は文章だけで、絵を想像しながら読む。手間はかかるけど、そのおかげで主人公を自分に置き換えることが出来るようになる。小説がなくならへん理由ってそこにあると思ってて、インストと歌ものの違いもそこなんかなって思うんですよ。例えるなら漫画が歌もので、小説がインストなんかなあと。

ここじゃない別世界に連れて行ってくれるのはインストの方が得意

――今作『Stella』は「恒星」という意味ですよね? これにはどういう物語があるのでしょう?

hirocopack : ちなみにこれ、「ステラ」ではなく「ステルラ」って読むんですよ。バンド名の真ん中に☆が付いているというのもあるし… もう一つの理由は私が居ない間に話されたことなので、はい、バトンタッチ(笑)。
ハヤシ : 今作に収録されている曲は前作『ECLAT』を出した後に出来たものを集めただけなんですけど、全部の曲の物語に「旅」という共通のキーワードがあったんですね。昔の人は星を道しるべにして旅をしていたって聞くし、この作品の登場人物がみんな同じ一つの星を見ながら色んな場所を旅しているっていいなと思って。

――今の話もそうだけど、ときめき☆の音楽って旅は旅でもRPGっぽいなって思うんです。現世の物語ではないというか。

ハヤシ : それ、よく言われる! でもRPGって俺らがやろうとしていることとすごく通じてて、あれも一つの物語があって、主人公になりきって旅をする訳やん。だからそう言われるのは嬉しいです。
hirocopack : 物語の設定もSFっぽいのが多いよね。
ハヤシ : というよりファンタジーかな? この世界じゃない世界での話が好きなんです。漫画や映画やアニメ、リアルじゃないものが好き。音楽でリアルなことを表現するなら歌の方がいい。ここじゃない別世界に連れて行ってくれるのはインストの方が得意やと思います。

――前のインタビューで、hirocopackさんは前作『ECLAT』を「ファーストにしてベスト」と言っていましたが、今作は何でしょうか。

hirocopack : 前作は自分たちの力量を越えて一個一個すごく丁寧に作ったからベスト・アルバムって言ったと思うんですよ。今作はほとんど修正を加えてないから、荒さも勢いもそのまま入ってるし… 何でしょう。確かなのは、等身大の自分たちが入っているってこと。

――生々しいという意味での、ライヴ・アルバム?

hirocopack : うん、ライヴ音源という意味ではなくて。

――では最後に、ハヤシさんはときめき☆ジャンボジャンボ結成時は売れに行く気満々だった訳ですが、そこから7年経った今も同じ気持ちですか?

ハヤシ : 変わりましたねえ。前はメジャーに行くことがひとつのゴールやったけど、今は自分たちの納得のいく作品を世に出し続けることがゴールになってる。いや、だからゴールがないんですよ。
hirocopack : この歳になるとメンバーが就職したり結婚したりで時間を合わせるのも一苦労。バンド続けていくのも大変ですよね。前はメジャーに行きたい気持ちがあったからそこにジレンマを感じることもあったけど、今はこのメンバーでいかに続けていくかを考えるようになりました。就職したってことが、メジャーにこだわらなくなったってことなんでしょうね。でも多くの人に聴いて欲しい気持ちはずっと変わりません。
ハヤシ : まあ今メジャーの話が来たら飛びつくかもしれませんけどね(笑)。でも全員楽器置いて踊れって言われたら、その話は蹴るなあ。

――それで名前がときめき☆ジャンボジャンボだったらただの陽気な集団ですよ(笑)。

ハヤシ : でもそういう売れに行きたいこだわりが抜けて、いい意味で肩の力が抜けた感じが今回の音源にすごく入ってると思います。今聴き直しても、完全に楽しんでるようにしか聴こえへんもん。
hirocopack : さっきの質問に戻ると、このアルバムは2012年の自分たちを切り取った、写真を貼る方のアルバムって感じですね。

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LIVE SCHEDULE

2012年8月5日(日)@京都 二条城前 Live House nano
ときめき☆ジャンボジャンボPresents『ZIGOKUからのフロムヘル!!vol.2』
w / YeYe

2012年8月12日(日)@渋谷HOME
くにピロ企画「やるっきゃナイト(仮)」
w / [lifter] / アカネイロ / サトウトモミ / Contrary Parade / DJ TANACHU/Suzuki-man([lifter])

PROFILE

有光"メイプル"一哉(Guitar)
ハヤシユウジ(Bass)
hirocopack(Piano)
岩井ブロンソン(Drums)

2005年、大阪にて結成。ギター・ベース・ドラムス・ピアノの四人編成。『ときめき☆ジャンボジャンボ』によって生み出された、そのバンド名からは、およそ想像もつかない楽曲達は、言葉を使わず変拍子を織り交ぜたインストゥル メンタル中心の音楽スタイルで、時には「プログレッシブ・ロックである」とも、そして時には「ポップミュージックである」とも言われ、老若男女問わず聴く者 全てをその世界観へと引きずり込んでゆく。音の向こう側に見えるのは、いつも私たちがはじめて出会う、でもどこかノスタルジックな物語。さあ、今宵もロマンティックに…。そして、ドラマティックにまいりましょう! We are tokimeki☆jambojambo!!!!!

 
 

インタヴュー

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