PV「PPCC」撮影潜入レポート(写真提供 : INMUSIC)
毎回のように、賛否両論が起こるPVを公開してきたBiS。全裸で樹海を走った「My Ixxx」、口内公開をした「primal.」、黒衣装で渋谷の街を崇められながら突き進む「IDOL」…。改めて文字にすると、エキセントリックさが伝わってきます…。そんな彼女たちのメジャー・デビュー・シングル「PPCC」。一体どんな内容になるのだろうかと期待していたところ、PV撮影でエキストラを募集しているというツイートを見つけました。考えるまでもなく、すぐに応募して参加することに!
6月2日の朝8時、指定された渋谷の待ち合わせ場所に向かうと、研究員さんたちがすでに待機中。ライヴでよく見かける研究員さんばかりで、勝手に親近感を抱きながら一緒にバスに乗り込み、目的地も告げられないままスタート。変なところに連れていかれないかな…と思いながらも、朝早かったこともあって、すっかり眠りこけてしまいました。着いた先は、千葉県木更津の埠頭。だだっぴろい敷地がまるまるロケ場所として用意されていました。まるで映画のロケのようにテントが立てられ、スタッフの数も20人近くおり、気合いの入り方が違うことが伝わってきました。
そもそも、我々エキストラの役割は何かと言うと…100人の不良役!! ということで、全員上下黒い服を着てスタンバイ。気持ちは不良になりきり、バスを降りるともう一台のバスが止まっていました。研究員さん多いなあと思って見ていると、全身にタトゥが入っている人、ものすごい筋肉質の人、モヒカンの人…見るからに恐そうな人たちがゾロゾロと降りてきました!! メインの不良役の方達です。聞いた話によると、プロレスラーの方や、プロダクションに所属している中でも、見た目が恐い人ばかりを集めたとのこと。近くにいた子供もビビる相当の迫力でした。
そうこうしているうちに、30mくらい離れた場所にあったバスからBiSの5人が登場。嬉しそうに飛び跳ねながら、飛び膝蹴りの練習などをしています。一体どんな撮影になるのか…? 楽しみでもあり、不安な気持ちもよぎってきました。そして撮影がスタート。僕たち不良役は、一箇所に集められ怒声を発する場面を何度も取り直し。監督が「イヤなヤツを頭に描きながら、うおらーと叫んで」というので、100人近くの不良が全力で叫びます。「もっと憎らしい気持ちで!」。監督の始動に一生懸命不良が怒鳴ります。遠くで、BiSの5人がそれを見ています。ごめんね、BiSちゃんと思いながら、全力で「オラー」。
不良たちの怒声シーンが撮り終わったと同時に、BiSちゃんの撮影がスタート。「バトルスーツに変身する場面を撮りまーす」という声に、「ん。バトルスーツ?」と思いながら見ていると、来ている服をそろりと脱ぎ始めました。ちょ、ここは野外ですよ!! その下には…、各メンバーの名前が書かれたスクール水着!! 100人の不良の前で水着姿になる風景はシュール、というかとにかく異様な雰囲気でした。そして、5人の叫ぶシーンを個人個人で撮影。その顔はとにかく真剣。続いて行われた、1人1人戦闘するシーンでは、キックした足を掴まれ左右に振られて吹っ飛ばされるユフちゃん、首根っこを掴まれ投げられるノゾしゃん、スリーパー・ホールドされるプ―・ルイ。あまりの迫力に1シーン終わる毎に拍手が起こっていました。
そうこうするうちに絶体絶命になってしまったBiSちゃんのシーンを撮影に。窮地に立たされた彼女たち。ここから一体どうやって立ち向かっていくのか?と思ったら、100人の不良に囲まれる中で、メンバーの指やほっぺたを舐め始めました。こ、これがPPCC=ぺろぺろチュッチュ!! しかし、笑い声が起こることもなく、メンバーもエキストラも真剣そのもの。何度も指示をうけ、やり直す5人を怒声をかけながらもやさしく見守ります。
そして、戦闘シーンも終盤。BiSのメンバーが釘付きのバットを振って、不良全員を倒すシーンです。復活したBiSちゃんたちによって、エキストラの100人は倒され、全員コンクリートの上に横たわりました。そこをBiSのメンバーが歩いて通り過ぎます。そんな中、マネージャーの渡辺淳之介が「よけないで、(エキストラを)踏んで!!」と大声で指示。やさしいBiSちゃんが、避けようとすると、すかさず「踏んだ方が面白いから!!」と叫ぶ声が。所々から「痛ー!!」という研究員さんの声が聴こえてきました。まさに悪質ディレクターの顔を見た瞬間。
そうこうしているうちに、我々エキストラの出番は終了。BiSちゃんとスタッフさんを残して、バスに乗り込んで帰路へとつきました。時刻は夜の19時過ぎ。まさに1日中撮影をしていたことになります。我々が帰った後も、BiSの5人は撮影を続行していました。PVのオフショットでは、「終わってほしくない」とワッキーがコメントしていましたが、エキストラである僕たちにとっても本当に充実した1日でした。陽が照った野外の撮影で、何回もやり直しをして大変だったのですが、一緒に何かを作っているという真剣さを共有できたことは、何よりの宝だと思っています。そのようにして出来上がった「PPCC」のPV。やはり今回も賛否両論のようですが、BiS、スタッフさん、研究員さんで作り上げられた本気のPVです。ぜひ、心してご覧下さいね!!(text by 西澤2080%)
写真提供:INMUSIC
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