2012/04/06 00:00

遂にベールを脱いだHOOLIGANZ! 正規盤がリリース!

HOOLIGANZ / S.K.I.L.L.Z

準備は出来ているか? 今、日本語ラップ・リスナーの中で注目度NO.1グループ次世代ラッパーの大本命のリリシスト集団HOOLIGANZ。Rossi N Dee a.k.a HAIIRO DE ROSSI、TAKUMA THE GREAT、万寿、BAN。この4人のメッセージをキャッチする準備をあなたは出来ているのか? HOOLIGANZ遂に始動。この衝撃波を受け止めろ。

【値段】
MP3 単曲150円 / アルバム 1500円
WAV 単曲200円 / アルバム 2300円

リスナーを軽々ロックする

HAIIRO DE ROSSI、BAN、万寿、TAKUMA THE GREATでHOOLIGANZ。かつての「24 Bars To Kill」のREMIXなんかにもこのグループ名で曲を出していたので、構想自体はかねてよりあったのだろう。今後も継続的にグループとして活動していくのかどうかはわからないが、ともかくこの「イケてる奴らで集まってイケてるヒップ・ホップをボムろう」という動機が明快にしてシンプル。「HOO EI HOO」や「Broken Dreams」など明確なメッセージ性を纏った曲もあるものの、基本的には実力派集団のパワフルなマイク・リレーを考えなしに楽しめるアルバムに仕上がっている。

HOOLIGANZが主宰するイベントでのマイク・リレーの模様
HOOLIGANZが主宰するイベントでのマイク・リレーの模様

中でも輝いているのがBANだ。スマートなリリックを紡ぐ他の3人とは正反対に、堅実な曲中に単語をシュールに連結させてポンポン投げ込でいく様は、パンチ・ライナーとして開花した証だ。彼が曲を好き放題に引っかき回すことで、曲の思わぬところに変化球が仕込んであったりして楽しい。特にCARRECビートの上でなんとも硬派にマイクが回されていると思ったら、BANが唐突に「マナカナの妹とチルするスターバックス 何か起きそうだな」と言葉を落としていく「B1 SHAKER」での下りは本作屈指の名場面だろう。

逆にスマートなラップの代表者として特に気を吐いているのが、この企画の首謀者HAIIRO DE ROSSIだ。ソロ初期では意味が汲み取り辛い暗喩でリリックが埋め尽くされていた彼だが、その頃よりよっぽど言葉遣いがシンプルかつ魅力的だ。「進化論とダーウィンみたくオレらとミュージックは切り離せない そこの偉そうな大人と一緒さマイクがないと上手く話せない」(「HOO EI HOO」) のような簡潔かつ、どこか挑発的な詞は、彼の良い意味でナルシズムなラップ・スタイルと非常に相性が良く、本作ではそれがBANのラップと併せて強固な反磁性的魅力を生んでいる。

左からBAN、万寿、TAKUMA THE GREAT、HAIIRO DE ROSSI

万寿のオーセンティックなオンビート・ラップ、TAKUMA THE GREATの言語のギアが次々と切り替わるラップも組み合わさり、彼らを知るリスナーが抱く期待に十分応える力作だ。あえて苦言を呈するとすれば、力作であるが故にスピットしたいことが多過ぎ、結果的にやや間延びしてしまった印象を受ける曲があることか。全体の構成をよりコンパクトに纏めて、警報音のあとに3分強でかっ飛ばす「HOOLIGANZ」クラスの曲がもう少しあれば文句無く満点の作品だった。ただ、そんな抜き差しの計算をすっ飛ばして制作してもリスナーを軽々ロックする勢いがこの作品にはある。(text by 遼)

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ggg

JJJ

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jjj / ggg

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PROFILE

HOOLIGANZ
超待望のドッキングを果たした4mc。デビューからクラシックを連発する次世代のラップ・スター、今や注目レーベルforteのボスHAIIRO DE ROSSI a.ka. Rossi N Dee。そしてそのforteを支え、海外公演、映画への出演も果たす4カ国語を操るラップ・モンスターTAKUMA THE GREAT。フリー・ミックスをドロップ後、そのキャラクターとぶっ飛んだラップ・スキルで注目度上昇中、新たにforteに加入したサモアと日本のハーフ、BAN。2枚のアルバム・リリースを経てシーンの中央部にエントリー。横須賀発の新世代の雄、万寿を加えた神奈川ローカルからなる4人の男。この4人、神奈川ヒップ・ホップを知る者からすれば各々のソロでの活躍は勿論、嫌でも耳に入ってくる。人々はHOOLIGANZ結成を知った時に口を揃えて「ドリームチーム」と称した。正規音源が無いにも関わらず2011年に結成後、ビッグ・イベントへのオファーが絶えない。2012年最もその活動、動向が注目されているクルーである。

この記事の筆者

[レヴュー] JENKINS STEPHAN DOUGLAS

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