2010/12/16 00:00

2年ぶりの6thアルバムの配信と「ワウワウうさぎ」のフリー・ダウンロードがスタート

福岡 史朗 / 朝のステーキ
Marc Ribot、窪田晴男、ライオンメリー、桜井芳樹、 藤原マヒト、河村博司、松平賢一(GREEDY GREEN)と豪華ゲスト陣を迎えて、自身のバンド・メンバー、三輪雅之(b)、大久保由希(dr)と共に息のあった演奏を聴かせてくれる。プロデュースは麻田浩、ミキシング・エンジニアは高橋健太郎。 ブルージーなギター、ローファイなオルガンなど、アメリカのルーツ・ミュージックを下敷きにした温もりのあるサウンドをバックに、福岡史朗がちょっぴりスモーキーなヴォーカルで歌う全13曲。その中からアルバムの冒頭を飾る「ワウワウうさぎ」を1週間の期間限定でフリーでプレゼントします。

「人生に音楽は必要だ。 『朝のステーキ』は、ひとりの、ふたりの、家族の、生活者のための音楽だ。」 森山裕之(編集者)

>>「ワウワウうさぎ」のフリー・ダウンロードはこちら(期間 : 2010/12/16〜12/22)

人生のどんな瞬間でも心にはまる歌がここに

普段の生活にすっと馴染んでいく適度に力がぬけた声と、鋭い視点で描かれた詞のバランスがとてつもなく素晴らしい。けっして新鮮さを与えてくれるわけではないし、強引に耳に入り込んでくる感覚があるわけでもない。でも不思議なことにどこか懐かしさが漂う楽曲は、気付くと口ずさんでしまうほどクセになってしまうのだ。

福岡史朗という名前を聞いたことがあるだろうか。知る人ぞ知る95年にデビューを果たしたフォーク・ロック・バンド、GREEDY GREENの中心人物のひとり。バンド自体は活動休止をしているものの、99年頃からソロとして楽曲を発表し続けている。今回12月15日にリリースされる作品は、約2年ぶりとなる6thアルバムだ。

今作はどの曲をとっても、頭の中にハッキリと物語を感じられる。まるで現実と夢のはざまを、行ったり来たりしているよう。タイトルにもなっている『朝のステーキ』という言葉も、現実と非現実の世界を象徴しているように思えてならなかった。そしてときにブルースやカントリー、ロックなど、ジャンルの幅広さでも心を揺さぶってくれる彼の楽曲。とくにしっとりしたナンバーの「途中の電話」を聞いたときの感情の振れ幅は、期待値を遥かに超えるものがあった。ある時は人生そのものを歌っているようにも思えるし、またある時は愛しい人に対する楽曲にも受け止められる。こんなにも聴くときの状態によってカタチを変えながら、柔軟に体に溶け込んでくる歌があっただろうか。聞けば聞くほど手放したくない、ポケット・ミュージックとなるのは、彼の最大の魅力だろう。

このアルバムはプロデューサーの麻田浩と、元ザ・フォーク・クルセダーズで音楽家の故・加藤和彦との会話をきっかけに、生み出された作品だそう。制作は麻田浩と福岡史朗のふたりによって手がけられたが、ひとつの会話からこうして世に出たことは覚えておきたい。また、縁のあることにミキシング・エンジニアは、バンド時代にプロデューサーを務めてきた、音楽評論家でもある高橋健太郎。さらにゲストとしてギタリストで作曲家のMarc Ribotや同じくギタリストの窪田晴男、GREEDY GREENの松平賢一など、様々な豪華アーティストが関わっている。自然体な雰囲気が最大限に引き出された、呼吸の合った音にもぜひ注目してもらいたい。

人生のどんな状態のどんな瞬間でも、それぞれの心の中にピッタリとはまる彼の音楽。過ぎ去っていく日々の風景に歌を染み込ませるだけで、きっと見える世界の視点がガラリと変わってくるはずだ。(text by 松坂愛)

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GINJIN RECORDより『朝のステーキ』と同時リリースされた福田 慎のソロ作。テキサス・ブルースをこよなく愛する、傍若無人な伊達男が、フィンガー・ピッキングで放つ、針のように尖ったギター・サウンド。ユニークで粋な味わいのR&Bやラテン・ミュージック、シニカルな哀愁が漂うスロー・バラードなど、ジャンルを超えて弾きまくる! パッキパキ! 乾いた音で弾きまくる! 最高にホットで痛快なギター・ミュージックが完成。

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NETANDERS / THE NETANDERS

NEW LABEL"GHOST RIDER""から、スタジオ・レコーディング作品としては、約6年ぶりとなる待望のフル・アルバム!

INFORMATION

  • 2010/12/08(水) @渋谷 七面鳥 『John Lennon Forever』
  • 2010/12/25(土) @渋谷 タワーレコード5F 『福岡史朗レコ発インストアライブ』
  • 2010/12/26(日) @渋谷 七面鳥
  • 2011/01/23(日) @西千葉 cafe STAND
  • 2010/02/14(月) @中野 RAFT

PROFILE

福岡 史朗
1995年~1999年、GREEDY GREENのメンバーとしてカッティング・エッジより3枚のアルバムをリリース。 2001年に1stソロアルバム『TO GO』、同年2ndアルバム『一期の畝』をSHAN SHAN倶楽部(コロムビア音楽出版)よりリリース。 2004年に3rdアルバム『Sandal Blues』、2005年4thアルバム『Sun Tiger』、2008年5thアルバム『ulalala』をギンジンレコードよりリリース。

この記事の筆者
松坂 愛

編集&ライター

福岡 史朗『朝のステーキ』配信開始&フリーダウンロード

福岡 史朗『朝のステーキ』配信開始&フリーダウンロード

[レヴュー] 福岡史朗

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