2010/12/03 00:00

2010年ももう師走。USTREAMが台頭し、DOMMUNEがブレイク。iPadの登場、電子出版やスマートフォンが盛り上がり、nauやDIY STARS等の新しい音楽配信サイトが現れ、AmazonもMP3配信を遂にスタート。と共に、渋谷HMVの閉店、「MUSICO」のPC向け楽曲配信サービスの終了が発表され驚かされました。また配信でシングルをリリースし、アルバムをCDで発売すると言うスタイルはもはやフォーマルに、クラムボンの高音質配信や、カーネーションのライブ音源配信、アジアン・カンフー・ジェネレーションや七尾旅人のUSTREAMでのリハーサルやライブ配信等、有名無名問わず、アーティスト自身が、時代の移り変わりの中で挑戦した物事が大きく話題となりました。OTOTOYでも、高音質のHQD配信だけでなく、1bitのDSD配信や、パスコード、レーベル・スキン、オトトイ・カード等、2010年だからこそのアイデアを多く立案し、実施した1年でした。

まさに今年は、音楽産業は「激動の時代」そのもの。

けれど、たとえ音楽産業が「激動の時代」でも、アーティストの音楽を作る創作意欲はとまりません。なんとOTOTOYだけでも、1週間に86枚以上、年間で4500枚以上のアルバムの配信が始まりました。きっと聞かなきゃいけないアルバムを聞き逃していることでしょう。今年でたアルバムは、今年聞くからこそ染みるもんなんです。前置きはこの辺で、この激動に急ブレーキをかけて、2010年を振り返り、今年1番良かったアルバムを決めてみましょう!

開催します。今年もやります。 OTOTOY Award 2010 開催! 皆、投票してね。

あなたが決める『OTOTOY Award 2010』

OTOTOYで2010年に発売された4500枚以上のアルバムの中から、15名のオトトイ・ライター&編集部が5枚ずつ選出しました。その中から、2つのOTOTOY Award 2010を決定しましょう。

1、『Member's Choice Award』(参加型)
ライター&編集部が選出したアルバムより、OTOTOY会員の皆様の投票により『Member's Choice Award』を決定します。

【投票方法】
『Member's Choice Award』の投票方法
今年一番良かったと思うアルバムのジャケットをクリック

曲の右下にあるイイネ!ボタンをクリック → 投票終了

【投票の決まり事】
・1日に1人1回しか投票(イイネ! ボタンをクリック)出来ません。
・投票期間は、12月3日(金)から12月17日(金)までの2週間。
・お友達にも投票に参加するよう、勧めてください。

【プレゼント】
なんと投票していただいた皆様の中から抽選で5名の方に、OTOTOY POINT、10,000ポイントを贈呈します。

2、『Editor's Choice Award』
オトトイ・ライター陣が議論を闘わして選出します。

見事受賞したアルバムのアーティストには、オトトイ特製のトロフィーを勝手に贈呈します。果たして、喜んで受け取ってくれるの!?

OTOTOY Award 2010 ノミネート作品

西澤裕郎's CHOICE

ミュージシャンの訃報が多い1年だった。明日は何が起こるかわからない。それゆえ、今この瞬間を精一杯生きることが大切なのだ。そこから、生きること、すなわち”Live”を感じる作品をチョイスした。今年頭に発表されたSuiseiNoboAzのデビュー作は、ほとばしるエネルギーが全開に出た最新のレコードであった。2人目の娘が生まれたECDは、大きく変わらないであろう10年後を思い描き、日常をリアルに切り取った。福岡の3ピース・ガールズバンド、ガロリンズのトリビュートアルバムには、eastern youthなど多くのアーティストが無償で曲を提供した。残念ながら、ヴォーカルの藤井よしえは他界してしまったが、彼女の意思は多くの人間に引き継がれている。残りの2作品は、どちらもライヴ音源だが、アルバム音源にひけをとらない曲の強さと熱量をダイレクトに伝えてくれた。いま、この瞬間をみつめた真摯な作品は、時代を経ても魅力的なことは疑いない。

滝沢時朗's CHOICE

5枚だけということなので、邦楽の若手からほぼ1ジャンル1枚で。QNはヒップホップの新人の中でも骨のあるふざけ方で異彩を放っていてフレッシュだった。昆虫キッズは身の回りのあらゆる可能性をロックバンドの運動神経にのせてぶん投げる異端にして王道。もっと聞かれて欲しい。Crystalは90年代の日本のテクノを現代に再生しつつ、本人の音楽観の表明にもなっているというMixの鏡。『Cosmopolyphonic』はLA Beatsと共振しつつCrystalが示した日本的な音楽ともつながる点が面白い。Dorianは80年代の軽薄さを一回転した桃源郷として聞かせてくれて、今年のある面の顔だったと思う。他にはMaltine Recordsなどのネットレーベルの隆盛、ヒップホップのMixや楽曲のフリーダウンロード文化にはすごく刺激を受けた。色々言い足りないが、何かが終わって何かが始まる予感が張り詰めたいい年だった。

渡辺裕也's CHOICE

聴き逃したものを気にするより、じっくり向き合いたいと思える作品がいくつもあったことを喜びたいです。見続けることってやっぱり大事なんだと思うんです。記録とか、ゴシップ的な話ばかりを気にしていると、その本質的な美しさにはいつまでも気づけないもの。音楽に限った話じゃありません。今年最後の場所は本当によかったのに、見るからにお客さんが少なくて残念だったな... って話が思わずそっちに言っちゃったよ。来年は『ハッキヨイ!わたナベくん』をなんとか再開させたいんだけどなー。とにかく、中継無しだけはもうホントに勘弁して!

水嶋美和's CHOICE

今年見たライヴの中で一番衝撃的だったのがGROUND COVER.。音が何かを決壊させる瞬間を初めて見ました。その「何か」とは何なのか。時代とか、常識とか、人を何かの枠に収めこもうとする「何か」だったんだと思います。ライヴにというよりは、災害を目の当たりにして不謹慎ながらも興奮してしまうあの感覚に近かった。あと眠れない夜にお世話になりました、キセル『凪』。彼らの曲を聴くと自然と呼吸が深くなって、安眠に誘われるんです。逆に想像力がかき立てられて眠れなくなるのがトクマルシューゴ『POET ENTROPY』。音世界が童話のよう。ライヴ会場限定販売だったのでここに挙げられないのが残念ですが、DODDODO+稲田誠も素晴らしく名盤でした。「ゆうひ」のあの感覚は10年前も10年後も共通して感じられるものだと思います。

南日久志's CHOICE

意外性がないチョイスで申し訳ないのですが、今年を象徴するという意味ではどう考えても七尾旅人、かまってちゃん。あと個人的には「となりの大名盤」やけのはらを推します。最高です。OTOTOYでも先行DLとなった曽我部恵一の新作は夏のアルバムといえど秋冬にこそ響く体温のある音楽でもっと広く聴かれてほしい作品。あとは春先だったのでちょっと前の印象がありますがポート・エントロピーは後世に残る傑作です。チャン・ギハを挙げようか迷いましたが2010年の、という意味では外しました。2011年のヒーローということで来年に期待します。

金子厚武's CHOICE

andymoriがアタマ一つ抜けて鮮烈な印象。神聖かまってちゃんも世界の終わりも特別じゃない現代で、小山田壮平のナチュラルさこそが胸に響いた。andymoriとは『TOKYO NEW WAVE 2010』つながりでもあるオワリカラは、満を持しての全国流通盤でその実力を見事に証明した。the brixton academyやQUATTROをはじめとする英語で歌うバンドたちは「洋楽のマネでしょ?」なんて風に見られがちだけど、この2作品のクオリティの高さを前にしては、そんなこと言わせません。あとはバンドだけじゃなくてソロ・アーティストも入れたくて、トクマルくんやハセケンさんもよかったけど、ポップ・シーンに飛び出した世武さんのポテンシャルに一票。

田山雄士's CHOICE

引き続きチェンバー・ポップやUSインディが元気な一年でした。そんな中、創作意欲旺盛なスフィアンはいい力かげんのアルバムを届けてくれました。わかりやすいムーヴメントがないからこそのうねりは、もはや全世界的に渦巻いている気がします。面白い。そして、これまで以上に音楽と真摯に向き合わなければならない現状。アメリカに続いて日本のミュージシャンもライターもリスナーも肌でわかってきているのだと思います。抱く思いをそれぞれが静かに熱く実行に移し、儲けより大切なものを意識している。音楽を取り巻く環境そのものを変えようとしている。そんなことを強く感じさせてくれたのはおとぎ話でした。加えて言うなら、2010年はミュージシャンたちが率先して自主的にいろいろと動いていたのが印象的。したり顔でゼロ年代云々言うのはもういいです。未来型を模索して、前を向いていきたいなと。本当にいいと思える作品がより正しく伝わるように。

小林美香子's CHOICE

今年いつの間にかたくさん聴いていたのを中心に選定しました。今年良い出会いをしたなぁと思うのがPredawn。かわいいだけじゃなくて、清楚な声とほわほわとやわらかな雰囲気すごく良い。これからどんな風になるか楽しみです。mooolsとトクマルシューゴは今年一番聴いたかもしれない。うん、素晴らしいですよね。特にお菓子作ってるときやお掃除してるときによく聴いてました。oono yuukiは5月に観たライブが本当に良かったです。最後にチャン・ギハと顔たち。韓国のバンドを初めて聴いたんですが、これがツボにはまって最近よく聴いてます。邦題の『何事もなく暮らす』が良いです。あぁ来日公演なんで行かなかったんだろう... と後悔。

佐々木健治's CHOICE

今年からototoyで文章を書かせてもらうようになったわけですが、ototoyならではのエネルギーを感じることができた作品という意味も込めつつ、選んでみました。曽我部恵一「サマーシンフォニー」は、この夏ブッチギリのアンセム。DJでも何度もかけさせてもらいました。「4-DIMENSION MUSIC THERAPY-Tribute to GARORINZ-」は、何の面識もない僕がこのタイミングで選んでいいのか迷いましたが、単純に素晴らしいアルバムですし、これまで感じたことのない類の情熱を感じた作品でした。七尾旅人とECDは、どちらもとんでもない尖り方。時代を切り裂くことと自分を切り裂くことは、表裏一体なのでしょうかなどと考えさせられました。そして、キセルは単純に家で一番聴いた気がするので、選びました。大好きです。

斎井直史's CHOICE

「まず、S.L.A.C.K.は今年とかの問題じゃないよ。Jose Jamesもそう。どちらもラップの未来を妄想させてくれる何かがある。それとFreddie Joachim。彼は落ち着いたビートが得意みたいで、個人的には全曲お気に入り。無視できないのが、奇妙礼太郎。踊れるロックが無理のない形で出来るんだね! 今年のヒップホップを考えると、アーティストの、何にも縛られない、いち音楽ファンな姿勢を強く感じたように思う。それは、similabやRAU DEFに代表される若手のみならず、ヴェテランからも感じ取れる。ECD『10 Years After』なんて、初期衝動の塊みたいなアルバムだぜ! 無駄な力みの抜けた、本気の遊びとしてのラップ。 でも、それって原点ですよね。日本語ラップ、これからだぜ!

池田義文's CHOICE

2010年はとにかくエキゾモノや辺境モノをたくさん聞いた印象。どの時代にも、どのジャンルにも属さないハグレモノの音楽を聴いて、これでもか! というくらい辺境の地へ脳内旅行しながら過ごした一年でした。11月の来日公演で強烈なインパクトを残したチャンギハと顔たち。トンコリの原点であるサハリンへと旅立ち、強烈なヴィジョンを得てニュー・アルバムを完成したOKI DUB AINU BAND。国籍不明の辺境電子音楽を作り出すAUTORA。電子のジミ・ヘンドリックスGonjasfi。そして、台湾の山岳民族ブヌン族のコラヴォレート作品を作り出したDAVID DARLING & THE WULU BUNUN。世の中には、まだまだ聞いたこともないような音楽がたくさん溢れているんです! 来年もまだ見ぬサムシングを求めて、ミュージック・トリップを続けます!

和田隆嗣's CHOICE

rmx

9dw

¥ 2,343

similabの登場は衝撃的!! QNの若くしてこのセンスとラップ・スキルの凝縮感にあがった。9dwとKaoru InoueはDJの際にもお世話になった楽曲でもあって、聞いてもクラブでかけても最高に気持ちよくなる楽曲達でした。9dwのリミキサー陣達の仕事っぷりにもただ圧倒されました。そしてLA Beats特集で知ったCalros ninoという存在と彼を取り巻くアーティストがビートで遊ぶ面白さがツボでした。その中でもTURN ON THE SUNLIGHTの異色な雰囲気に、ただ浸ってしまいました。最後はMOROHAデビューおめでとう! 昔からイベントをやっていた仲だけに、編集部で聞く活躍の話には嫉妬したよ。まだまだがつがつ行ってくれメーン!

みのしまこうじ's CHOICE

rmx

9dw

¥ 2,343

ゼロ年代最後の年。2010年を振り返って... と思い返そうとしても、どこぞの政治家の方のように「記憶が全くございません」状態。気付けば師走、年の瀬で、音楽ファンからはお叱りの声が聞こえるけれど、「あれ、この1年間、何を聴いてきたんだっけ?」というのが正直なところ。DSDをはじめとした高音質音源イヤーだったな、という漠然としたイメージの中で、自然と名前が思い浮かんだのがこの5枚。そんな極私的5選の中で音楽的にもっとも新鮮だったのは蔡忠浩『なまもの fromu ぬばたま』。HQD ver.としてOTOTOY用にシングル・カットしてくれた「銀杏のビロード」は、その音数豊富さゆえ、これまでのHQD作品の中でも最もこの高音質フォーマットの醍醐味が味わえる1曲。そして演奏が圧巻だったのは菊地成孔とぺぺ・トルメント・アスカラール。結成5周年を記念して行われたLIVEでは、総勢11名編成のバンドが放つ怒濤のグルーヴにも圧倒されたが、何よりも言及したいのは菊地成孔のプレーヤーとしての表現の幅広さと奥深さ。今年、見事に復活したDCPRGでのコンダクターとしてのイメージが先行していただけに、時に優しく時に激しく、甘美に響くSaxの音色の表情の豊かさに驚いた。ペペもそうだけど、原田郁子+高木正勝、奇妙礼太郎、9dw、Curly Giraffe などなど、LIVE会場やイベントで目にしたり耳にしたりした音楽は、不思議なものでちゃんと記憶に残っている。2011年はますます現場で鳴っている音を探しに出かけたいなぁ。

井上沙織's CHOICE

タイトルからしてまさに今年! なクラムボン。アナログ、CD、高音質での販売、さらには全曲のPVまで制作してしまったという彼らの、自分達のやりたいことに貪欲ながら、常に対面にいるリスナーをひっぱっていく姿勢には感銘を受けました。自身のレーベルも立ち上げたworld's end girlfriendの新作は、これまでのWEGのイメージをガラリと変えるもの。ギター・リフを聞いた瞬間、ひっくり返りました。GARORINZトリビュートはとにかく熱量に溢れている作品。そういえば、OTOTOYでもお世話になっている福岡のローカル・レポートは、総決起集会のレポートから始まったのでした。「2010年の一枚」ではないのかもしれない、Jesus Feverの8年越しの新作。周りの音をかき消す粛々としたサウンドを、これからも聞き続けられるのは本当に幸せなことだなと思います。

JJ's (from ) CHOICE

チーフ・プロデューサーの特権で、皆の選んだアルバムを見た後に選出。だからこそ、「忘れたら駄目でしょ!」って5枚を選んだ。LA Beatsの流れは新鮮で、とても楽しませてもらった。その立役者Flying Lotusの『Cosmogramma』は、やっぱり別格だったな。OTOTOYのDSD配信は、もしかしたら音楽業界に革命を起こすかもしれない。そう感じさせた、清水靖晃+渋谷慶一郎の『FELT』。アメリカのNO AGE、日本のconvex levelは、オルタナティブ・ロック・アルバムでは最高峰でした。青柳拓次の『まわし飲み』とLOST IN TIME『ロスト アンド ファウンド』ともの凄い悩んだんだけど、最後は、Lamp『八月の詩情』。このバンド、来年にどかーんて行く気がする。今年は、若くて個性的なバンドにいっぱい出合えたのと、アジアのバンドが面白かったな。来年は、アジア・ツアーにまわりたい。

LINK

recommy Award 2008 : https://ototoy.jp/feature/20081212
OTOTOY Award 2009 : https://ototoy.jp/feature/20100112

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