11組のアーティストによるダブワイズ・アルバム『ambrosia DUBWISE』
インスト・レゲエ/ダブ・バンドmicroshotが、6月にアルバム『ECHO SATELLITES』をリリース。それに合わせてアルバム収録曲「ambrosia」のダブワイズ・コンテストを実施し、ダブワイズ・アルバム『ambrosia DUBWISE』を完成させました! 多数の応募の中から選ばれた6組のアーティストの作品と、ゲスト・アーティストとして元CULTIVATORのベーシストsahnty nob、自身のバンドMASやツジコノリコへのトラック提供でも有名なTyme.、自身のレーベル術の穴の運営や、トラック・メイカーとしても今やアンダーグラウンド・ヒップホップ・シーンの最重要アーティストであるfragment、d.v.d.やトクマルシューゴ・バンドでも存在感を放つイトケンの作品を収録。各人の個性が際だつ楽曲群はダブという手法が内包する多様性を鮮やかに描き出し、原曲の解体と再構築がどのように行われたかを探るサンプラーとしても聴き応え十分。 本作は、OTOTOYだけでの販売! ダブ・マニアのみならず音に対する好奇心旺盛なリスナーにも是非聞いてもらいたい仕上がりとなっています。
音の奥深さを知る全11曲を高音質HQDでOTOTOY独占販売スタート
【参加アーティスト】 01. ambrosia-microshot original ver.-(microshot)
02. ambrosia-shanty_nob DUBWISE-(shanty_nob)
03. ambrosia-version-(Jaga's Hi-Fi Alliance with Riddim Conference)
04. ambrosia蛙(イ・ヌジマン)
05. ambrosia-Tyme.DUBWISE-(Tyme.)
06. ambrosia-BASEMENT WORLD SUBWISE-(BASEMENT WORLD)
07. ambrosia-fragment DUBWISE-(fragment)
08. ambrosia-泰山に遊ぶ DUBWISE-(泰山に遊ぶ)
09. ambrosia-YAVZ.COM DUB-YAVZ.COM
10. ambrosia-bedroom_pianiks DUBWISE-(bedroom_pianiks)
11. ambrosia-itoken DUBWISE-(itoken)
>>参加アーティストのプロフィールはこちら
microshot×こだま和文×石本聡(mao) DUB座談会
「今だろ? 今」。この日、こだま和文は何度このセリフを吐いただろう。レゲエのルーツを辿れば辿るほど、日本人がレゲエを奏でることのアイデンティティはあやふやになる。microshotの吉川もまた同じ問題に悩み、この座談会の場でその思いを投げかけた。1982年に日本初のダブ・バンドMUTE BEATを結成し、現在もダブ・トランぺッターとして活動しているこだま和文が、30年という月日を通して何を感じ、どのような視点で音楽を続けてきたのか。そんな率直な質問に対する答えが、冒頭の言葉である。「ルーツを追い求めても仕方がない、だってお前ら今を生きているんだろ? 」。今現在を追い求めることをして鳴らされてきたものこそ、こだま和文のダブでありレゲエである。「今君たちがやっていることを教えてくれよ」。その言葉が今でもエコーのように響いている。
構成 : 西澤裕郎
撮影 : 丹下仁
自分が、いいと思うかどうかが大事
——よろしくお願いします。最初に、吉川真緑さんがこだま和文さんの音楽と出会った頃のことを教えてもらえますか?
吉川真緑(以下、吉) : レゲエを聴き始めた頃に、こだまさんの『Requiem Dub』を聴いて、そこから遡ってMUTE BEATとかも聴くようになったんです。こだまさんは、当時日本でレゲエをやっている人たちの中でも雰囲気がちょっと違ったんです。MUTE BEATのジャケットもそうなんだけど、チューリップだったりチェルノブイリの写真が使われていて。
龍健太郎(以下、龍) : 「キエフの空」ですよね。
吉 : そう。正直、最初この人なんなんだろうって思った。自分もレゲエをやりたいって思っていたんだけど、ラスタの思想とかを全面に押し出す感じにはしたくなくて、それを既にやっているのがこだまさんだった。実をいうと、僕は東京で、日本人としてレゲエをやることに対して違和感みたいなものを感じながらやってきたんですよ。こだまさんはそういうことを考えたことはありますか?
こだま和文(以下、こ) : それは僕の時代にはあったけど、今は別にないんじゃないの。
吉 : それって、時代の背景の問題なんですかね?
こ : それは、吉川がレゲエそのものに入っていけてないから言っているんだよ。
吉 : ってことなんですかね。うーん…。
こ : レゲエのよさを知っていれば、それだけでレゲエの中にいるわけでしょ? なんでレゲエを違った角度で見るの? レゲエが好きだったら、レゲエが好きでいいでしょ?
吉 : もちろんそうなんですけど、ちょっと違和感を感じるときがあったんです。
こ : それはレゲエに宗教性があるからだよね。だから、そういうことをあまり気にせずに、音楽を聴いて自分が「いい」と思うところにいればいいんですよ。それが一番強いですよ、音楽は。
龍 : バンドでリハーサルをやっているときに、僕はカルチャーに飲まれるのがイヤだって話を吉川さんとしたんです。例えばヒップホップだったら、とりあえず太いズボンをはくとかキャップを斜めにかぶるとか。レゲエでいったら、ヤーマンって言ったり格好から入ったり。僕はあまりそういうのに興味がないんです。レゲエの音自体がすごい好きなんですよ。表層的なことじゃなくて、音自体が好き。
こ : それは、君がものすごく聡明なギタリストなんだよ。
(一同笑)
こ : ある種のジャンルを好きになると、どうしても影響を受けるわけですよ。狙いとしてやるのは嫌らしいけど、ヒップホップを好きになったら、そこから吸収するカルチャーがあるのは当然なんだよ。ただ、そういう表層的な格好とかで格好つけても仕方なくて、「俺はレゲエが好きなんだ! 」とか「ジャズが好きなんだ! 」って部分でプレイしていく人は素敵だよね。願わくば、これからそういう風にもっともっと僕もなりたい。大分、そういう風になってきているけどさ。それって何かを好きになることの基本かもしれないよね。
吉 : そうですね。
こ : 僕は自分の聴く音楽に関しては、自分がいいと思うかどうかが大事なんだ。クラシックとかジャズとかの概念も、早々にこちらから捨てたほうがいいと思うわけ。ジャンルという形が迫ってくるんだから、そこと関係なしに好きなものは貪欲に好きになってしまえばいい。
——先ほど話題に上がった、「違和感を感じ」たことはないんですか?
こ : そんなことは遠い昔の話ですよ。吉川君を始め、microshotの人たちから聞きたい話題ではないですね。そういう疑問をどんどん通り越して、「今僕らはこうなんです」って話を聞きたいね。そんな質問は30年前と同じだよ。
吉 : でも、好きだからこそ考えてしまうんです。
こ : レゲエって宗教臭さもあるけど、そういう宗教っぽい部分に馴染めなくて、乗り越えてきた新しい人たちでしょ? いい加減もっと違う視点はないのかなぁ? 「どう生きていったらいいのでしょうか? 」とか。
石本聡(mao)(以下、石) : そっちですか(笑)。
こ : だって20年前の質問と一緒だもん。
レゲエっていう最大公約数に縛られているのは、面白くない
吉 : それでも考えてしまいますよ。
こ : 僕が選び20年後に君たちが選んだ、所謂オルタナティヴなんだよ。だから君たちがどう乗り越えてきているのかを聞きたい。僕がデビューした時に聞かされたような質問を今するのは変だよ。
——そういう質問を沢山受けたんですか?
こ : そうだよ。
——新しいことをやろうとしている人が多い中で、逆にルーツに立ち返ることが必要だっていう意味合いもあると思いますが。
こ : ルーツに立ち返るのはいいんだけど、キリがないよ。ルーツを辿って、ある程度言及したら、それで人生が終わってしまうよ。俺とか石本とかはそこで掴んだ時間があるからいいけど、今、旬に活動する人は、めんどくさくねえか? これはいいギタリストとか知っていったら、それを背負ってしまう。それは僕も一緒だけど。
——そんな中で龍さんは、ルーツよりも音を重視しているとおっしゃっていましたけど、あまりルーツとかは考えないですか?
龍 : 僕はメンバー間で一番若いんですけど、ルーツ・レゲエを聴いている人はごく一部だし、カルチャーとしてあるってわけじゃないから、そういうのを深く考えたこともないですね。僕は自由にやっているというか。
こ : そういうことだよ。
——岸智也さんは、今のお話を聞いていかが思いました?
岸智也(以下、岸) : 俺もヒップホップとMUTE BEATを隔てなく聴いて、自然と馴染んできたので、今も特別尖ったことをやろうっていうより、ロックをやろうとしているだけですね。それはmicroshotに入り始めのころから変わらないつもりです。今もファンクみたいな別のスタイルを探したり、ヒップホップに傾倒したり、キックをやたらドカドカ踏んだりしながらも、ループを追求していくみたいなこともしていっています。
吉 : たまに「microshotはあまりレゲエじゃないよね」って言われることがあるんです。「いや、レゲエですよ」とは言ってるんですけど、不思議だなって思う。
石 : レゲエの考え方があったからヒップホップが出てきたわけで、クラッシュが一番端的なんだよね。クラッシュの最後期は、レゲエもヒップホップもぐちゃぐちゃになってやっていたわけ。クラッシュはいち早くレゲエを取り入れてたわけなんですけど。
龍 : サンディニスタですね!
石 : そう。アメリカでヒップホップが出てきて、ジョー・ストラマーは最後の頃、ヒップホップに傾倒していった。なぜ傾倒したかっていうと、ヒップホップの中にレゲエのアイデンティティがあるのを見抜いていたからなんだよね。そういう意味で、続いているものってあるんですよ。いわゆるステレオタイプなものじゃなく、レゲエも進化していっているし、クラッシュはそういうのを分かってやっていたんだと思う。こだまさんも、最近のライヴではヒップホップのトラックで、吹いたりしてたりするじゃないですか。流れの中にあるってわかってるから、聞いているほうも全然違和感がないんですよ。そういうものを分かってやっている人は面白いけど、レゲエっていう最大公約数の中に縛られているのは、面白くないよね。
誰かが楽しんでくれたり、僕が楽しめたりすれば、それっていいなと思う
——レゲエのアイデンティティって何なんでしょう?
こ : レゲエはカリビアン・ミュージックだよ。500年くらい前、たまたまアフリカから連れてこられた人たちが、たまたまあそこに住んだから出来た音楽なんだよ。アフリカともアメリカとも違うんだ。カリビアンなんだよ!
(こだま氏、トイレへ)
石 : (笑)。たしかに、奴隷として連れてこられた人たちが作った音楽なんだよ。
——そんなカリビアン・ミュージックのどこに魅力を感じたんですか?
石 : こだまさんは、レベル・ミュージックとしてのレゲエの部分に共感を覚えてやってきていると思うんだよね。俺たちは、こだまさんのやった音で初めてレゲエを知ったわけですよ。80年代にレゲエをやってた人たちの音っていうのは、ラスタみたいなメンタリティを全部ぶったぎった上に、クールな質感があった。MUTE BEATを聴いた時に思ったのは、ジャーとかラスタとかぶったぎった上で、レゲエの中にあるクールネスを全部出してた。暑苦しいところがなくてクールなんだけど、温かいところやホロリとくる部分がある。それは、日本の東京でしか出てこない音だよなってことは、吉川君と初めて会ったときによくしていた。こういうのをやりたいねって。
吉 : そうですね。
石 : ジャマイカで生まれてイギリスを渡って日本に来たときに、質感とかが変わってくるのは当たり前なんだけど、その土地その土地でレゲエに対するフィールの与え方ってのがあって、日本ではMUTE BEATとかが、陽気な部分を削ぎ落とした上で凍てついた感じをやった。それってダブにも通じるもので、ダブってレゲエのバージョンの作り方から始まって、抜き差しして作ってるんだけど、今はあらゆる音楽の中にダブが入ってきてるよね。ダブの考え方って、1個の曲があったときに、1回バラバラにして組み替える作業。今でこそ、ダブって当たり前なんだけど、一番最初にキング・タビーがやった時は革新的なことだった。だって8チャンネルしかないトラックで抜き差ししたり、ディレイかけたり、リヴァーブかけたり、あの当時誰もやってなかったことなんだよ。今回のリミックス・アルバム『ambrosia DUBWISE』も、最初のキング・タビーのやり方とは違うわけだよね。ほんとにテクノ的なアプローチで作ってきている人もいるんだけど、ベーシックにあるのは3分の曲が8トラックの中にあって、それを手動で入れたり出したりして作った。その最初のイノベーションの感覚、手触りってのを今回の作品で見せられたらいいなって思ってたの。
(こだま氏、トイレより戻る)
——こだまさんは、東京でレゲエをやるってことについて考えたことはありますか?
こ : 難しいなあ…。昔はありましたよ。東京ロッカーズとか、何かといえば東京って言われていたから。今になってみればそういうことはないですけどね。ここまで時代が進んだわけでしょ。今でしょ、今! みんなが世界を気にしつつも、東京も日本も何もない。今はどこそこってことはなくなったでしょ? みんな気づいているかいないかわからないけど、この10年、20年くらいのことかな、変わったんですよ。みんながケータイを持つようになって、パソコンを持つようになったころから変わったんですよ、時代が。だから、それまでみたいに、ある基準を置いて語ることが出来なくなったの。だから、何も制限なく自由にしてもらいたいなと思う。
——自由にするっていうのは、やりたいことはやってしまえってことですか?
こ : 本当にこの音楽がいいなと思ったらそれをやればいいだけの話。その中にもっと大事なものがあるはずなんです。つまり、アーティストとして生きていくのか趣味でやるのか、それは大きな分かれ目ですよ、これから君たちが芸人としてピアニカを吹くのか、別の仕事をするのか。つまり、芸人として生きて行くのか、趣味として生きて行くのか、それだけなんですよ。だからギターをやって飯を食っていくのかそうじゃないのかで、人間、人生が違うわけです。そこで悩んだりできているうちは、悩んで決めればいいと思いますよ。僕が君らの世代だった時は、バブルがあって、もっと楽でしたからね。今は職業すら選択できないわけだから。それを君らは作品を出せる状況にいるわけじゃん。それを今後どうするか。つまり、プロかアマチュアかって瀬戸際に来てるわけだ。すごい過酷な時代だから、強調したいんですよ。レゲエがどうかじゃなくて、自由に生きてほしい。縛られることも決めつけることもない。死ぬまでは充実した生活をしたいと思ったら、どう生きるかって話でしょ? だから、「僕らはレゲエをやっているつもりだけど、そういわれないんだよね」とか、どうでもいいことなんだよ。今好きになる音楽を好きになればいい。自分がやっていることをいいと思わないと生きていけないぜ。
龍 : 僕は去年、ちょうど大学を卒業したんです。就職とか色々あったんですけど、個人的に子ども向けの音楽とかを作ってるんです。僕が思うのは、アーティストとして生きるか死ぬかじゃなくて、誰か楽しんでくれたり、僕が楽しめたりすれば、それっていいなってことなんです。
こ : そうか。それもあるな。それはいいな。
ただ自由に生きればいい
龍 : でも、もちろん何かやらかしたい気持ちもあります。
こ : 何をやるんだ?
龍 : 景気が悪いとか、音楽が売れないとか言われてるけど、むかつきますもん。いいと思うものをやりきる、それでいいんじゃないかって。
こ : そうだな。でも、これはテンションとしての話なんだよ。だから、最近の若い人にはもっときつい話をされるかなと思って話を聞くんだけど、意外と余裕なんだよね。もちろん、他の仕事をしながら自分の曲を作れるのはすごくいいよ。それはそれでとても素敵だと思う。
——やりたいことは全部やってやろうって意気込みもあると思いますよね。
龍 : それは理想論で、なかなか難しいのは分かっているんです。ただ優先順位とかで片付けたり、これはこれとかで片付けるのはナンセンスだと思う。だからレゲエだとかレゲエじゃないって議論自体、何を言ってるんだって。そういう観念的な話をする人は、行動も観念的なわけですよ。言って終わってるみたいな。だから、僕は自分のやることをやりますよ!
こ : そうだな。それぞれが自由に生きていってほしい。囚われるものは何もない。音楽の歴史でいえば、ジョン・レノンみたいな人がいて、どこまでも解放していこうよっていうのが、もう40、50年前の話なんだよ。そういうのを今の人たちはもう少し学んでほしいと思う。80年代にパンクがあって、オルタナティヴがあって、グジャグじゃになった。だから、僕よりもはるかに若い人たちはもっとぐじゃぐじゃにもっとならんといけない。だから、好きにせえよって。ここまで情報があるわけじゃん。ネットで引っ張ったら、これがダブだみたいな今話していたようなことはずらっと出てくるよ。何のためのインターネットだよ? ある程度の答えがそこにずらっとあるわけだろ。そこから先に何を話すかなんだよ。
——情報が沢山あるなかで、それでもこだまさんが音楽をやっているのはなぜですか? 燃えたぎるモチベーションがあるんでしょうか?
こ : モチベーションはないですよ。それは、飯田仁一郎(Limited Express (has gone?)、BOROFESTA、OTOTOY)みたいに俺を誘う物好きがいるからだよ。実際、そうなんだよ。俺にとって、イベント・プロデューサーとしての飯田みたいのは大事なんだよ。
石 : ブルース・マンっていうのはそうじゃん。求められる場所があって、こっちのやることは何も変わらないけど、お前がやってくれっていうなら俺はやるぜっていう。
こ : 結論は、今生きている人たちは、ここまでの情報を知ったとしても手に負えないんだから、ただ自由に生きればいいんですよ。歴史を辿ったりしてもキリがないよ。俺も含めて何でもありだよ。情報が多すぎて押しつぶされそうでも、かっこいい生き方とかは分かるわけじゃん。トレンドのブランド云々言ってた人が、自分の菜園持って有機栽培やってますみたいな自分の自由を求めて生きている人もいるわけでしょ。それを責められんよ。だってそういうことを否応なしに知れる時代じゃん。僕が子どものころはそんなに情報がなかったんだよ。だから、気がついた状況に自分を延ばせていけたけど、今は一発何かを開いたらきついよ。だからあまり聴く耳を持たず、自分の出来ることをやっていってください。そんなもんmicroshotがレゲエだとかいう話は全然意味ないんだよ。自分の好きなほうに向かっていけばいいんだよ!
INFORMATION
Live DUB Night
日時 : 2010年12月3日(金)
会場 : 青山月見ル君想フ
開場 : 18:30
開演 : 19:00
出演 : 泰山に遊ぶ / PHEWWHOO / microshot / pasadena with poundhip upsetters
PROFILE
microshot
2001年結成。都内活動中のインストゥルメンタル・レゲエ/ライヴ・ダブ・バンド。メンバーは吉川真緑(メロディカ、ハーモニカ、グロッケン)、藤川秀之(ベース)、岸智也(ドラム)、龍健太郎(ギター)の4人。小編成ながら太く乾いて攻撃的なレゲエ・ビートの上で哀愁の旋律をメロディカが奏でる。ルーツ・レゲエに敬意を表しつつも都会的でクールな質感を醸し出すそのサウンドは、日本のレゲエ・シーンにおいて独自のポジションを築き上げている。ライヴにおいてはダブ・エンジニアに石本聡(mao)を迎えてリアル・タイム・ダブ処理を施したパフォーマンスを展開する。
microshot official web
こだま和文
1982年、ライヴでダブを演奏する日本初のダブ・バンドMUTE BEAT結成。通算7枚のアルバムを発表。1990年からソロ活動を始める。ファースト・ソロ・アルバム『QUIET REGGAE』から2003年発表の『A SILENT PRAYER』まで、映画音楽やベスト盤を含め通算8枚のアルバムを発表。プロデューサーとしての活動では、FISHMANSの1stアルバム『チャッピー・ドント・クライ』等で知られる。また、DJ KRUSH、UA、エゴ・ラッピン、LEE PERRY、RICO RODRIGUES等、国内外のアーティストとの共演、共作曲も多い。現在、ターン・テーブルDJをバックにした、ヒップホップ・サウンド・システム型のライヴと、バンド編成でのライヴを並行して行なっている。2005年にはKODAMA AND THE DUB STATION BANDとして 『IN THE STUDIO』2006年には『MORE』を発表している。水彩画、版画など、絵を描くアーティストでもある。2010年4月20日、文芸雑誌『すばる』に連載中のエッセイと、著書『スティル・エコー』(1993)、『ノート・その日その日』(1996)を一冊にまとめた新刊『空をあおいで』を、K&Bパブリッシャーより発売。